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第021話 今のは●ラゾーマではない・・・●ラだ 後編

ー/ー



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

「サーシャ、サーシャ」

うな垂れたままのサーシャに、よく聞き知った声が耳に入って来た。
その声に引き寄せられるように、サーシャは顔を上げた。

「あ……マコっちゃん!!!」

次の瞬間、サーシャはマコトの胸に飛び込み感触を十分に味わった後、彼の両手を握ってブンブン上下に振った。

「もぅ……死んじゃったのかと思ったよ」

「エリスさんに助けてもらって……」

サーシャの問いにマコトはそう答えて、エリスを手のひらで指した。

「そうじゃぞ。存分にわしを敬うが良い」

エリスは得意顔(ドヤがお)を決めながら胸を張る。

「ありがとーっ!!!今日のコカトリス南蛮の残り一枚は譲るわっ!!!」

サーシャは、マコトにしたようにエリスの両手を握って上下にブンブンと振った。

「命を助けた見返りが、たったの一枚かや………まぁええわい」

そんな中、神妙な顔をしてシロウが口を開いた。

「すまない。今回の一件は全て俺のミスだ」

そう言って、シロウは皆の前で頭を下げた。

「シロウ!悪いのはこの小娘で……」

リリスがサーシャを指差して非難しようとしたところを、シロウは遮った。

この世界(・・・・)では生き返りが出来ると、俺はどこかで甘い考えをしていた」
「しかし、今回の事で思い出したんだ………」

少しの沈黙の後、シロウは続けた。

「死ぬ時はめっちゃ痛いし苦しいんだとっ!!!」

「あ…うん…そうじゃろうな……」

一時期のシロウの死の原因を作っていたエリスは、バツが悪そうに相槌を打つ事しか出来なかった。

「今回はエリスに助けられたが、元々は俺がしっかりとしていれば起きなかったことだ」
「だから、済まない」

そう言って、シロウはマコトとサーシャに頭を下げて謝った。

「ええぇ……私が一番悪いんだけど……ねぇ、マコっちゃん」

「いや……僕がシロウさんの指示に直ぐに反応出来ていれば起きなかった事だから……」

「まぁまぁ、結果的に何とも無かったんじゃから良いではないか」
「次の事は次として、また考えればええことじゃ」

反省会になって辛気臭くなるのを嫌ったエリスは、そう言ってその場を締めた。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

‥‥‥。

それは、帰りの荷馬車の中。
事がことだっただけに、みな静かに馬車に乗っていた。
そんな中、沈黙を破ったのはサーシャであった。

「あーあ。あの場面が笑いで済んでれば『今のは(ピー)ラゾーマではない……(ピー)ラだ』って言えたのに」

サーシャは座りながら右手を前に伸ばし、威厳のある老人のような声を真似て言った。
そんなサーシャを、マコトはただ目を細めて苦笑いをする他なかった。

「お主の言う(ピー)ラゾーマがなんなのか知らんが、あの時に撃った魔法は何だったんじゃ?」

「え?火球(ファイアボール)だけど」

「そんなわけなかろう。あれは火球(ファイアボール)の威力を遥かに超えておったぞ」

「伯母上。わたくしは傍で見ておりましたが、間違いなく火球(ファイアボール)を放ってましたわ」

「なんとっ!?」

リリスの証言に、エリスのみならず皆驚きを隠せなかった。

「え?何?私なんかやっちゃった?」

「みたいだねぇ」

「くーっ!!!だったら、尚更言えなかったのが悔やまれるっ!……」

本気で悔しがるサーシャに、マコトは『またの機会があるよ』と慰めた。

「そうかぁ。あんなに凄い火球(ファイアボール)が撃てるなんて」
「この調子なら、近いうちに高難易度のクエストにも挑戦できるかもしれないな」

「シロウは気が早いなぁ」

「そうじゃ。まだまだ小僧と小娘のレベルでは早いわい」

「………」

シロウ、オフィーリア、エリスも和気藹々と話をし始める中、リリスだけは無言を貫いたのだった。




みんなのリアクション

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「サーシャ、サーシャ」
うな垂れたままのサーシャに、よく聞き知った声が耳に入って来た。
その声に引き寄せられるように、サーシャは顔を上げた。
「あ……マコっちゃん!!!」
次の瞬間、サーシャはマコトの胸に飛び込み感触を十分に味わった後、彼の両手を握ってブンブン上下に振った。
「もぅ……死んじゃったのかと思ったよ」
「エリスさんに助けてもらって……」
サーシャの問いにマコトはそう答えて、エリスを手のひらで指した。
「そうじゃぞ。存分にわしを敬うが良い」
エリスは|得意顔《ドヤがお》を決めながら胸を張る。
「ありがとーっ!!!今日のコカトリス南蛮の残り一枚は譲るわっ!!!」
サーシャは、マコトにしたようにエリスの両手を握って上下にブンブンと振った。
「命を助けた見返りが、たったの一枚かや………まぁええわい」
そんな中、神妙な顔をしてシロウが口を開いた。
「すまない。今回の一件は全て俺のミスだ」
そう言って、シロウは皆の前で頭を下げた。
「シロウ!悪いのはこの小娘で……」
リリスがサーシャを指差して非難しようとしたところを、シロウは遮った。
「|この世界《・・・・》では生き返りが出来ると、俺はどこかで甘い考えをしていた」
「しかし、今回の事で思い出したんだ………」
少しの沈黙の後、シロウは続けた。
「死ぬ時はめっちゃ痛いし苦しいんだとっ!!!」
「あ…うん…そうじゃろうな……」
一時期のシロウの死の原因を作っていたエリスは、バツが悪そうに相槌を打つ事しか出来なかった。
「今回はエリスに助けられたが、元々は俺がしっかりとしていれば起きなかったことだ」
「だから、済まない」
そう言って、シロウはマコトとサーシャに頭を下げて謝った。
「ええぇ……私が一番悪いんだけど……ねぇ、マコっちゃん」
「いや……僕がシロウさんの指示に直ぐに反応出来ていれば起きなかった事だから……」
「まぁまぁ、結果的に何とも無かったんじゃから良いではないか」
「次の事は次として、また考えればええことじゃ」
反省会になって辛気臭くなるのを嫌ったエリスは、そう言ってその場を締めた。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
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それは、帰りの荷馬車の中。
事がことだっただけに、みな静かに馬車に乗っていた。
そんな中、沈黙を破ったのはサーシャであった。
「あーあ。あの場面が笑いで済んでれば『今のは|●《ピー》ラゾーマではない……|●《ピー》ラだ』って言えたのに」
サーシャは座りながら右手を前に伸ばし、威厳のある老人のような声を真似て言った。
そんなサーシャを、マコトはただ目を細めて苦笑いをする他なかった。
「お主の言う|●《ピー》ラゾーマがなんなのか知らんが、あの時に撃った魔法は何だったんじゃ?」
「え?|火球《ファイアボール》だけど」
「そんなわけなかろう。あれは|火球《ファイアボール》の威力を遥かに超えておったぞ」
「伯母上。わたくしは傍で見ておりましたが、間違いなく|火球《ファイアボール》を放ってましたわ」
「なんとっ!?」
リリスの証言に、エリスのみならず皆驚きを隠せなかった。
「え?何?私なんかやっちゃった?」
「みたいだねぇ」
「くーっ!!!だったら、尚更言えなかったのが悔やまれるっ!……」
本気で悔しがるサーシャに、マコトは『またの機会があるよ』と慰めた。
「そうかぁ。あんなに凄い|火球《ファイアボール》が撃てるなんて」
「この調子なら、近いうちに高難易度のクエストにも挑戦できるかもしれないな」
「シロウは気が早いなぁ」
「そうじゃ。まだまだ小僧と小娘のレベルでは早いわい」
「………」
シロウ、オフィーリア、エリスも和気藹々と話をし始める中、リリスだけは無言を貫いたのだった。