異世界転移異聞録
ー/ー私の名前は長山瑚雪。
またの名をニェボルニェカ・D・イルカナトワという、ごくごく普通のぴっちぴちの11歳独身小学生のホムンクルスである。
またの名をニェボルニェカ・D・イルカナトワという、ごくごく普通のぴっちぴちの11歳独身小学生のホムンクルスである。
父は、頭のおかしいマッドサイエンティストで『極東の緋熊』の異名を持つ長山熊藏、母は同じく頭がおかしい……いや、ネジがちょっとどころでなくぶっ飛んでいる『シベリアの銀狼』の異名を持つルーヴシュカ・I・イルカナトワだ。
某国の闇の組織に属している父と母は正式には結婚しておらず、私は実験によって二人の精子・卵子の遺伝子の器同士をちゅっちゅとキッスさせて、なんか良い感じに遺伝子操作もされて生み出された結果、頭脳だけは完璧超人となってしまった。
それが私。
そんな事はどうでもよく、いつものようにランドセルを背負って超面倒な学校へと通うべく道を歩いていた時、私は彼と運命の出会いを果たしてしまった。
「超カッコイイ………」
それは1か月前の登校中での出来事だった。
それが私。
そんな事はどうでもよく、いつものようにランドセルを背負って超面倒な学校へと通うべく道を歩いていた時、私は彼と運命の出会いを果たしてしまった。
「超カッコイイ………」
それは1か月前の登校中での出来事だった。
真夏にもかかわらず、首には『黒のマフラー』、上半身は『黒のTシャツ』を着用して、下半身には『黒のジーパン』に『黒のスニーカー』‥‥まさに痛々しいまで全身を黒で纏った中年の男だった。
彼の顔には滝のように汗が流れていて、太陽の光でまばゆい程輝いている。
それだけではなく、試行錯誤しているのか何か良く分からないポーズを何回もしていた。
そんな彼に対し、道を歩く人々は不審そうな目でちらちらと眺めながら絶対に関わるまいと通り過ぎ、その人々の視線の先には電信柱の影で見守っている私も漏れなく含まれていた。
「これは学校なんかに行っている場合じゃない」
「これは学校なんかに行っている場合じゃない」
私は学校とは真逆へと走り出す。
3回コケながらも、急いで家へと舞い戻ると、今頃起きたのか新聞紙を片手に焦げたパンを食べる父とエンカウントした。
「おぉ、最愛の娘よ。学校はどうした?」
「というか、膝をすりむいてるじゃないか」
「パッパが絆創膏を貼って、可愛い足に頬ずりしてやろう」
そんなセクハラ父の言葉を見事にスルーすると、階段を上り自分の部屋へと入りスパコンを立ち上げた。
そして、スパコンの中で待機していた3つの僕に命令したのだった。
「リリ、ティラミス、リョク」
「街中の監視カメラをハッキングして、彼の映像を手に入れて」
しかし、そんな私のお願いにリョクは言う。
「マスター。彼の画像を手に入れてって言いますけど、私達、相手の人の顔どころか名前すら分からないんですけどぉ」
そう言えばそうだった。
私は押し入れから自作の『頭の中よみとおる君』を取り出すとすぐさまかぶり、彼の映像を取り出して情報をスパコンに転送した。
「名前は分からないけど、顔情報でよろしく」
「ヴ・ラジャー」
それから10秒くらい待ち『まだかなぁ』と貧乏ゆすりを始めたちょうどその頃、リョクたちから結果報告が来た。
早速、私は受け取った映像を写真にして部屋中の壁に貼り付けて若気ていたが、やがて、それでは物足りなくなってしまった。
「そうだ、彼が住んでいるところを調べれば、いつでも陰から見守ることが出来る」
そう考えた私は、役所のサーバーに不正アクセスして彼の顔情報と一致するワイナンバー情報を入手することに成功した。
「一色蒼治良………これが愛しの彼の本名………」
それからは、彼の家を覗き見る日々が続いた。
といっても、彼の家はすぐ隣であったので、覗き見るのは超楽であった。
しかも、彼は部屋にカーテン一切しないし。
そうだ、父と母が彼に関する有益な情報を持っているかも知れない。
私は、それとなく彼の事を聞いてみることにした。
「隣の家の一色蒼治良ってどんな人?」
その問いに対し、母は自分の事を棚に上げて答えた。
「頭のおかしな中年中二病患者よ」
そして、こう続けた。
「人に一切興味を持たなかったアンタが珍しいねぇ。ひょっとして、その男に恋でもしたのかい?いや、まさかあんな変な男にないわぁ………って、えっ!?マジで!?」
超絶驚いた表情を浮かべ口を開けた状態で固まった母の隣で、新聞を読んでいた父は折りたたんで代わりに口を開いた。
「いやはや、流石はホムンクルス同士、惹かれ合ったといったところか」
「よし、ここは父として威厳を示す意味でも、彼と二人っきりで話が出来る場を提供しようじゃないか」
「なぁに、安心しろ。わしも母さんも、お隣の夫妻とは顔見知りだからね」
そこは、友達じゃないんだ。
そんな事を思いながら父と母に依頼したのだった。
私は、それとなく彼の事を聞いてみることにした。
「隣の家の一色蒼治良ってどんな人?」
その問いに対し、母は自分の事を棚に上げて答えた。
「頭のおかしな中年中二病患者よ」
そして、こう続けた。
「人に一切興味を持たなかったアンタが珍しいねぇ。ひょっとして、その男に恋でもしたのかい?いや、まさかあんな変な男にないわぁ………って、えっ!?マジで!?」
超絶驚いた表情を浮かべ口を開けた状態で固まった母の隣で、新聞を読んでいた父は折りたたんで代わりに口を開いた。
「いやはや、流石はホムンクルス同士、惹かれ合ったといったところか」
「よし、ここは父として威厳を示す意味でも、彼と二人っきりで話が出来る場を提供しようじゃないか」
「なぁに、安心しろ。わしも母さんも、お隣の夫妻とは顔見知りだからね」
そこは、友達じゃないんだ。
そんな事を思いながら父と母に依頼したのだった。
そして、それは次の日にやって来た。
朝起きて階段を下りると、超煤まみれの父と母と‥‥恐らく愛しのあの人の父母と思しき2人の計4人が玄関前で立ち尽くしていた。
目の前まで行くと、父が口を開く。
「あー………すまん娘よ」
「一色さんとこの夫妻と4人で徹夜のなか眠いのを我慢しながら『秘密部屋にGo君一号』を製作したんだが、早速不具合が生じてしまってな……」
「彼を秘密部屋にではなく、異世界に転送させてしまったわい。わっはっはっは」
その報告を受けた私は、僅か30秒の間に部屋に戻って手にしたハリセンで父と母の頭をスパーンと叩いた後『秘密部屋にGo君一号』の所まで案内させて、私はそれに乗り込んだ。
「行くんなら、この子達も連れて行きな」
頭をさすりながらの母はそう言うと、リリ達が押し込められている携帯型汎用スパコンをポイっと投げ渡して来てビッと親指を立てた。
こうして、私は3つの僕と共に愛しの彼の待つ異世界へと旅立ったのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・。
「ここが異世界………リョク、ここがどこだか分かる?」
「えっと、そうですね………どうやら異世界で間違いないようです」
「世界は……マルスニア、大陸はアストライア、今居る所は………ルナリス王国のガングリという場所っぽいです」
なるほど、良く分からん。
っていうか、何で妖精みたいな姿形してるの?
「さぁ。どうやらこの世界での仕様っぽいですよ」
「ほら、リリとティラミスも」
そう言ってリョクの指差したところに視線を向けると、 セーラー服に刀を差して見た目はともかく凛々しい武士っぽいリリと、ところどころ透けて見える超エロいシスター服を身に纏ったボインボインのティラミスの姿があった。
「そして、マスターも姿変わってますよ」
リョクは、どこから出したのか自分の身長と同じサイズの鏡を取り出し手渡してきた。
「おー、超耳が長い。これはエルフか」
更には、ついさっきまで小学校の制服姿だったのに、今では忍者のような衣装に変わっていた。
ミニスカでちょっとエロめなやつだ。
「とりあえず町に入って情報収集しよう」
「流石マスター。このおかしな状況下でも全く動じませんね」
こうして私たち一行は町の中に入って行った。
てってってって。
町は凄く大きいということも無く、かと言って小さいわけでもない所だった。
「RPGで情報収集といえば酒場ですけど、どうなんでしょうね」
「とりあえず、行ってみよう」
てってってって。
「嬢ちゃん、ここは未成年は入れないぜ」
酒場の店主によって、私達は酒場に入った瞬間追い出された。
「リリ、ティラミス、リョク。この店を破壊して」
私は酒場を指差し命令する。
リョク「いや、流石にダメでしょ、マスター」
リリ「その命令には従えません、マスター」
ティラミス「私も同様に反対です、マスター」
ロボット三原則どこいった、みたいに私の命令を聞いてくれなかった。
「いや、むしろロボット三原則に忠実ですよ、私たちの方が」
む‥‥‥言われてみれば確かにそうだ。
「わたくし達が代わりに訊いてまいります」
こうして、リリとティラミスが酒場に再び入って行った。
そして、ガタンゴトンバキボキドッガシャーンという音が酒場から聞こえたあと、リリとティラミスが出て来た。
「どうやら一色蒼治良殿は魔王討伐に向かったそうです」
そういうわけで、私たち一行は町の入口付近にあった食堂で食事を済ませた後、町を出た。
「というか、さっきの音はなんだったの?」
「『よぉ、ねーちゃんいいケツとパイパイしてんじゃねーか。俺達と良いことしようぜ。そしたら情報教えてやんよ』と言ってきたのでブチのめして、情報だけ手に入れてきました」
リリは無表情に、そう答える。
ロボット三原則どこにいった?とツッコもうとしたけど、まぁいいや、と心の中に仕舞っておくことにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・。
そして、魔王城。
唐突だが、ガングリの町から3kmほど西に行った先にそれはあった。
ギギギギギギギギ。
魔王城の鍵は閉まって無く、あっさりと開いた。
「うわぁ、流石魔王城だけあってジメジメしてますねぇ」
リョクの言うとおり、万年窓を開けてないのか、石畳などにコケが生えていた。
魔王をブチのめしたら窓を全開にしよう。
そう心に決めて先を進んだ。
魔王城に入ってから既に10分以上経過しているものの、魔物に一切遭遇しない。
「もしかしたら、マスターの重い人が全部倒しちゃったんじゃないですか?」
そうかも知れない。
それから更に数分ほどして、一際大きな扉が目の前に現れた。
「マスター、後ろに下がって」
リリはそう言って私の前に立ちはだかった。
私の目には、リリのでかい尻が映ったので、ついおっさんみたいにおさわりしてしまう。
「もっ!もう!マスター……おたわむれは後で…」
後ならいいんだ。
そんな事はともかく、私たち一行は意を決して中へと入って行った。
「ふっふっふ。よく来たな勇者よ」
奥の王座に座った全身黒ずくめの鎧姿の男は言う。
その脇には、マントをまとったいかにも魔王っぽいのがいる。
「はっ!?貴方はまさかっ!?」
「ん?余を知っているのか?小さな可愛らしいエルフの勇者よ」
可愛いって言った?可愛いって言った?ねぇ、私のこと超可愛いって言ったよね?
「えっと、マスター。喜んでいるところ申し訳ないのですが、あれ、どう見てもラスボスが蒼治良さんですよ。あと超は言ってないです」
リョクの言うとおり、どう見ても現魔王は超カッコイイあの方であろう。
「どうするんです?」
そんなリョクを他所に、私は魔王蒼治良に向かって足を進める。
リョク「流石、マスター。重い人といえど、対決するんですね」
リリ「マスター、助太刀いたします」
ティラミス「私も微力ながら頑張ります、マスター」
こうして、魔王蒼治良から数メートルのところまでやって来たところで、彼は玉座から立ち上がった。
「ふっふっふ。この私を倒せたら、望むものを与えてやろう」
「その言葉、しかと聞いた」
「リリ、ティラミス、リョク。この者達を懲らしめて上げなさい。なお、元魔王の生死は問わない」
そして、文字数の関係から勝敗はあっさりと決した。
ちなみに、元魔王とかいう輩は戦闘開始直後にリリの抜刀をその身に一発浴びただけで王座でずっと伸びている。
「くっ………流石は勇者。この身を貴殿に預けよう………」
「じゃあ、私と結婚して」
「えっ!?いや……流石にそれは………警察に逮捕されるし」
「大丈夫。この世界にはロリコンを罰する法律はないし、私の年齢は1000歳になっている」
一切戦闘に参加していない私は、想い人蒼治良に手を差し伸べる。
「そういう事であれば断る理由はない」
蒼治良は私の手を取り立ち上がった。
リョク「1000歳って大嘘言ってますけど、いいんですかね」
リリ「人は嘘を吐く生物ですので問題ないでしょう」
ティラミス「いいのかなぁ………」
こうして、私達はめでたく異世界で結婚した‥‥‥しようと役所に提出しにいったところで不法住民である事がバレた上に未成年者であることもバレたため、官憲から逃げるように町を後にしたのだった。
風の噂では、元魔王が再び彼の地で勢いを戻し支配しているらしい。
私達を追い出した罰である。
そして‥‥‥。極東のロリコンでも大丈夫な小さな島国で、私達は元の世界に戻るための素材をダンジョンで集めながら幸せに暮らしている。
THE END
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
私の名前は|長山瑚雪《ながやまこゆき》。
またの名をニェボルニェカ・D・イルカナトワという、ごくごく普通のぴっちぴちの11歳独身小学生のホムンクルスである。
またの名をニェボルニェカ・D・イルカナトワという、ごくごく普通のぴっちぴちの11歳独身小学生のホムンクルスである。
父は、頭のおかしいマッドサイエンティストで『極東の緋熊』の異名を持つ|長山熊藏《ながやまくまぞう》、母は同じく頭がおかしい……いや、ネジがちょっとどころでなくぶっ飛んでいる『シベリアの銀狼』の異名を持つルーヴシュカ・I・イルカナトワだ。
某国の闇の組織に属している父と母は正式には結婚しておらず、私は実験によって二人の精子・卵子の遺伝子の|器《うつわ》同士をちゅっちゅとキッスさせて、なんか良い感じに遺伝子操作もされて生み出された結果、頭脳だけは完璧超人となってしまった。
それが私。
それが私。
そんな事はどうでもよく、いつものようにランドセルを背負って超面倒な学校へと通うべく道を歩いていた時、私は彼と運命の出会いを果たしてしまった。
「超カッコイイ………」
それは1か月前の登校中での出来事だった。
|真夏《・・》にもかかわらず、首には『黒のマフラー』、上半身は『黒のTシャツ』を着用して、下半身には『黒のジーパン』に『黒のスニーカー』‥‥まさに痛々しいまで全身を黒で|纏《まと》った中年の男だった。
彼の顔には滝のように汗が流れていて、太陽の光でまばゆい程輝いている。
それだけではなく、試行錯誤しているのか何か良く分からないポーズを何回もしていた。
それだけではなく、試行錯誤しているのか何か良く分からないポーズを何回もしていた。
そんな彼に対し、道を歩く人々は不審そうな目でちらちらと眺めながら絶対に関わるまいと通り過ぎ、その人々の視線の先には電信柱の影で見守っている私も漏れなく含まれていた。
「これは学校なんかに行っている場合じゃない」
私は学校とは真逆へと走り出す。
3回コケながらも、急いで家へと舞い戻ると、今頃起きたのか新聞紙を片手に|焦《こ》げたパンを食べる父とエンカウントした。
「おぉ、最愛の娘よ。学校はどうした?」
「というか、膝をすりむいてるじゃないか」
「パッパが絆創膏を貼って、可愛い足に頬ずりしてやろう」
「というか、膝をすりむいてるじゃないか」
「パッパが絆創膏を貼って、可愛い足に頬ずりしてやろう」
そんなセクハラ父の言葉を見事にスルーすると、階段を上り自分の部屋へと入りスパコンを立ち上げた。
そして、スパコンの中で待機していた3つの|僕《しもべ》に命令したのだった。
そして、スパコンの中で待機していた3つの|僕《しもべ》に命令したのだった。
「リリ、ティラミス、リョク」
「街中の監視カメラをハッキングして、彼の映像を手に入れて」
「街中の監視カメラをハッキングして、彼の映像を手に入れて」
しかし、そんな私の|お願い《命令》にリョクは言う。
「マスター。彼の画像を手に入れてって言いますけど、私達、相手の人の顔どころか名前すら分からないんですけどぉ」
そう言えばそうだった。
私は押し入れから自作の『頭の中よみとおる君』を取り出すとすぐさまかぶり、彼の映像を取り出して情報をスパコンに転送した。
私は押し入れから自作の『頭の中よみとおる君』を取り出すとすぐさまかぶり、彼の映像を取り出して情報をスパコンに転送した。
「名前は分からないけど、顔情報でよろしく」
「ヴ・ラジャー」
それから10秒くらい待ち『まだかなぁ』と貧乏ゆすりを始めたちょうどその頃、リョクたちから結果報告が来た。
早速、私は受け取った映像を写真にして部屋中の壁に貼り付けて|若気《にやけ》ていたが、やがて、それでは物足りなくなってしまった。
早速、私は受け取った映像を写真にして部屋中の壁に貼り付けて|若気《にやけ》ていたが、やがて、それでは物足りなくなってしまった。
「そうだ、彼が住んでいるところを調べれば、いつでも陰から見守ることが出来る」
そう考えた私は、役所のサーバーに不正アクセスして彼の顔情報と一致するワイナンバー情報を入手することに成功した。
「|一色蒼治良《いっしきそうじろう》………これが愛しの彼の本名………」
それからは、彼の家を覗き見る日々が続いた。
といっても、彼の家はすぐ隣であったので、覗き見るのは超楽であった。
しかも、彼は部屋にカーテン一切しないし。
そうだ、父と母が彼に関する有益な情報を持っているかも知れない。
私は、それとなく彼の事を聞いてみることにした。
私は、それとなく彼の事を聞いてみることにした。
「隣の家の一色蒼治良ってどんな人?」
その問いに対し、母は自分の事を棚に上げて答えた。
「頭のおかしな中年中二病患者よ」
そして、こう続けた。
「人に一切興味を持たなかったアンタが珍しいねぇ。ひょっとして、その男に恋でもしたのかい?いや、まさかあんな変な男にないわぁ………って、えっ!?マジで!?」
超絶驚いた表情を浮かべ口を開けた状態で固まった母の隣で、新聞を読んでいた父は折りたたんで代わりに口を開いた。
「いやはや、流石はホムンクルス同士、惹かれ合ったといったところか」
「よし、ここは父として威厳を示す意味でも、彼と二人っきりで話が出来る場を提供しようじゃないか」
「なぁに、安心しろ。わしも母さんも、お隣の夫妻とは顔見知りだからね」
「よし、ここは父として威厳を示す意味でも、彼と二人っきりで話が出来る場を提供しようじゃないか」
「なぁに、安心しろ。わしも母さんも、お隣の夫妻とは顔見知りだからね」
そこは、友達じゃないんだ。
そんな事を思いながら父と母に依頼したのだった。
そんな事を思いながら父と母に依頼したのだった。
そして、それは次の日にやって来た。
朝起きて階段を下りると、超|煤《すす》まみれの父と母と‥‥恐らく愛しのあの人の父母と思しき2人の計4人が玄関前で立ち尽くしていた。
目の前まで行くと、父が口を開く。
朝起きて階段を下りると、超|煤《すす》まみれの父と母と‥‥恐らく愛しのあの人の父母と思しき2人の計4人が玄関前で立ち尽くしていた。
目の前まで行くと、父が口を開く。
「あー………すまん娘よ」
「一色さんとこの夫妻と4人で徹夜のなか眠いのを我慢しながら『秘密部屋にGo君一号』を製作したんだが、早速不具合が生じてしまってな……」
「彼を秘密部屋にではなく、異世界に転送させてしまったわい。わっはっはっは」
「一色さんとこの夫妻と4人で徹夜のなか眠いのを我慢しながら『秘密部屋にGo君一号』を製作したんだが、早速不具合が生じてしまってな……」
「彼を秘密部屋にではなく、異世界に転送させてしまったわい。わっはっはっは」
その報告を受けた私は、僅か30秒の間に部屋に戻って手にしたハリセンで父と母の頭をスパーンと叩いた後『秘密部屋にGo君一号』の所まで案内させて、私はそれに乗り込んだ。
「行くんなら、この子達も連れて行きな」
頭をさすりながらの母はそう言うと、リリ達が押し込められている携帯型汎用スパコンをポイっと投げ渡して来てビッと親指を立てた。
こうして、私は3つの|僕《しもべ》と共に愛しの彼の待つ異世界へと旅立ったのであった。
こうして、私は3つの|僕《しもべ》と共に愛しの彼の待つ異世界へと旅立ったのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・。
「ここが異世界………リョク、ここがどこだか分かる?」
「えっと、そうですね………どうやら異世界で間違いないようです」
「世界は……マルスニア、大陸はアストライア、今居る所は………ルナリス王国のガングリという場所っぽいです」
なるほど、良く分からん。
っていうか、何で妖精みたいな姿形してるの?
「さぁ。どうやらこの世界での仕様っぽいですよ」
「ほら、リリとティラミスも」
そう言ってリョクの指差したところに視線を向けると、 セーラー服に刀を差して見た目はともかく凛々しい武士っぽいリリと、ところどころ透けて見える超エロいシスター服を身に纏ったボインボインのティラミスの姿があった。
「そして、マスターも姿変わってますよ」
リョクは、どこから出したのか自分の身長と同じサイズの鏡を取り出し手渡してきた。
「おー、超耳が長い。これはエルフか」
更には、ついさっきまで小学校の制服姿だったのに、今では忍者のような衣装に変わっていた。
ミニスカでちょっとエロめなやつだ。
「とりあえず町に入って情報収集しよう」
「流石マスター。このおかしな状況下でも全く動じませんね」
こうして私たち一行は町の中に入って行った。
てってってって。
町は凄く大きいということも無く、かと言って小さいわけでもない所だった。
「RPGで情報収集といえば酒場ですけど、どうなんでしょうね」
「とりあえず、行ってみよう」
てってってって。
「嬢ちゃん、ここは未成年は入れないぜ」
酒場の店主によって、私達は酒場に入った瞬間追い出された。
「リリ、ティラミス、リョク。この店を破壊して」
私は酒場を指差し命令する。
リョク「いや、流石にダメでしょ、マスター」
リリ「その命令には従えません、マスター」
ティラミス「私も同様に反対です、マスター」
ロボット三原則どこいった、みたいに私の命令を聞いてくれなかった。
「いや、むしろロボット三原則に忠実ですよ、私たちの方が」
む‥‥‥言われてみれば確かにそうだ。
「わたくし達が代わりに訊いてまいります」
こうして、リリとティラミスが酒場に再び入って行った。
そして、ガタンゴトンバキボキドッガシャーンという音が酒場から聞こえたあと、リリとティラミスが出て来た。
「どうやら一色蒼治良殿は魔王討伐に向かったそうです」
そういうわけで、私たち一行は町の入口付近にあった食堂で食事を済ませた後、町を出た。
「というか、さっきの音はなんだったの?」
「『よぉ、ねーちゃんいいケツとパイパイしてんじゃねーか。俺達と良いことしようぜ。そしたら情報教えてやんよ』と言ってきたのでブチのめして、情報だけ手に入れてきました」
リリは無表情に、そう答える。
ロボット三原則どこにいった?とツッコもうとしたけど、まぁいいや、と心の中に仕舞っておくことにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・。
そして、魔王城。
唐突だが、ガングリの町から3kmほど西に行った先にそれはあった。
ギギギギギギギギ。
魔王城の鍵は閉まって無く、あっさりと開いた。
「うわぁ、流石魔王城だけあってジメジメしてますねぇ」
リョクの言うとおり、万年窓を開けてないのか、石畳などにコケが生えていた。
魔王をブチのめしたら窓を全開にしよう。
そう心に決めて先を進んだ。
魔王城に入ってから既に10分以上経過しているものの、魔物に一切遭遇しない。
「もしかしたら、マスターの|重《想》い人が全部倒しちゃったんじゃないですか?」
そうかも知れない。
それから更に数分ほどして、一際大きな扉が目の前に現れた。
「マスター、後ろに下がって」
リリはそう言って私の前に立ちはだかった。
私の目には、リリのでかい尻が映ったので、ついおっさんみたいにおさわりしてしまう。
「もっ!もう!マスター……おたわむれは後で…」
後ならいいんだ。
そんな事はともかく、私たち一行は意を決して中へと入って行った。
「ふっふっふ。よく来たな勇者よ」
奥の王座に座った全身黒ずくめの鎧姿の男は言う。
その脇には、マントをまとったいかにも魔王っぽいのがいる。
「はっ!?貴方はまさかっ!?」
「ん?余を知っているのか?小さな可愛らしいエルフの勇者よ」
可愛いって言った?可愛いって言った?ねぇ、私のこと超可愛いって言ったよね?
「えっと、マスター。喜んでいるところ申し訳ないのですが、あれ、どう見てもラスボスが蒼治良さんですよ。あと超は言ってないです」
リョクの言うとおり、どう見ても現魔王は超カッコイイあの方であろう。
「どうするんです?」
そんなリョクを他所に、私は魔王蒼治良に向かって足を進める。
リョク「流石、マスター。|重《想》い人といえど、対決するんですね」
リリ「マスター、助太刀いたします」
ティラミス「私も微力ながら頑張ります、マスター」
こうして、魔王蒼治良から数メートルのところまでやって来たところで、彼は玉座から立ち上がった。
「ふっふっふ。この私を倒せたら、望むものを与えてやろう」
「その言葉、しかと聞いた」
「リリ、ティラミス、リョク。この者達を懲らしめて上げなさい。なお、元魔王の生死は問わない」
そして、文字数の関係から勝敗はあっさりと決した。
ちなみに、元魔王とかいう輩は戦闘開始直後にリリの抜刀をその身に一発浴びただけで王座でずっと伸びている。
「くっ………流石は勇者。この身を貴殿に預けよう………」
「じゃあ、私と結婚して」
「えっ!?いや……流石にそれは………警察に逮捕されるし」
「大丈夫。この世界にはロリコンを罰する法律はないし、私の年齢は1000歳になっている」
一切戦闘に参加していない私は、想い人蒼治良に手を差し伸べる。
「そういう事であれば断る理由はない」
蒼治良は私の手を取り立ち上がった。
リョク「1000歳って大嘘言ってますけど、いいんですかね」
リリ「人は嘘を吐く生物ですので問題ないでしょう」
ティラミス「いいのかなぁ………」
こうして、私達はめでたく異世界で結婚した‥‥‥しようと役所に提出しにいったところで不法住民である事がバレた上に未成年者であることもバレたため、官憲から逃げるように町を後にしたのだった。
風の噂では、元魔王が再び彼の地で勢いを戻し支配しているらしい。
私達を追い出した罰である。
そして‥‥‥。極東のロリコンでも大丈夫な小さな島国で、私達は元の世界に戻るための素材をダンジョンで集めながら幸せに暮らしている。
THE END