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第七十四話

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 丙良と共に脱出してきた、青ざめてしまった加賀美と共に、やっとの思いで田園調布に辿り着いた。何とか背中をさすり、胃の内容物を一旦排出し終わると、青ざめた表情が血の気が引いた程度のものに。結論、あまり変わらない。
「ごめんね、でも緊急事態だから分かってほしいな!」
「――後で美味しいもの奢ってくださいね……」
 負傷者(?)一名を抱えつつ。六人の休息地だった場所に戻る丙良。結界の使用履歴は、特になし。しかし、どうも信じきれなかったが、家の中から五体満足に出て来た四人を目の当たりにして、ようやく安心できた丙良。
 襲撃を察知した四人は、既に戦闘準備を備えていた。ドライバーを装着するか、あるいは武器を持つか。
 そこら中で襲撃が発生しているため、中心部だろうが高級住宅街だろうが、皆一様に燃え盛る。怪人も『どこから侵入したのか分からない』が、増殖の一途をたどっている。被害はさらに酷くなる一方であった。
(――仮拠点として用意されはしたが……大田区はもう終わりか)
 おあつらえ向きに防御壁付きで用意された拠点は、一切安全では無かったのだ。攻めることを第一に考えなかった、英雄側の落ち度であった。
 そのため丙良は、連れてきた加賀美と礼安をはじめとした五人を、
「――すまない皆、僕が殿を務めるから逃げてくれ」
 逃がす選択を取ったのだ。
「へ、丙良くん!?」
「正直、この何でもありの状況で、大将を失い試合に敗北することが何より危険だ。なら大将のジョブを与えられていない僕が残って、ある程度敵を殲滅した方が……」
 そこで丙良の横に並び立つのは、礼安であった。
「何で、礼安ちゃんは大将じゃあないか!?」
 そんな丙良の驚きをよそに、エヴァがこっそり耳打ち。その内容に、呆れて笑ってしまう。
「――マジ?」「マジもマジ、大マジだよ丙良くん」
 腑に落ちた丙良は、礼安と共に戦うことを決めた。加賀美に道案内を願い、エヴァたちは拠点から脱出することとなった。
「――いつ考えたの、それ?」「何かししょー達とエヴァちゃんが、色々と話し合っている時だよ!」
 丙良にとっての『最悪』は、多くを失うこと。仲間が死亡することに限らず、仲間に裏切られること。それは、礼安も同様である。
「……丙良ししょー、今は襲撃されないんじゃ……? それに、まだ試合は始まっていないはずだよね??」
「――簡単だよ、ルール内に作られた穴をついて、拠点が最も安全な場所、って固定観念を壊しにかかっているんだ」
 そして、多くの戦力を無力化すること。それが『教会』茨城支部の思惑であった。
「……覚悟してね礼安ちゃん。今までのそれとは、正直次元が違う相手と戦うことになるだろうから。それこそ――――僕ら二年次でもとてもじゃあないが無事では済まない、そんな手練れしかいないだろうね」
 礼安は静かに頷くと、辺りの倒壊した家や未だ無事な家全てに、走りこんで呼び掛けていく。
「私たちと一緒に、『教会』と戦おうよ! 拠点を取り戻すために!」
 しかし、その礼安の呼びかけは、虚しくこだまするのみ。応える者は、誰もいない。
「そんな――皆無事じゃあないってこと……?」
「――いや、その逆だ」
 丙良は、事の重大さに気付いていた。礼安が嘘を見抜く、心の色を感じることのできる第六感があるとしたら、丙良は予感を的中させることができる。特に、『悪い予感』の。大勢の人間が、どことなく感じ取ることのできる『予感』を、より色濃く感じ取る。
 それ故に、今心臓の動悸が収まらない。礼安の精神を案じることを優先するか、この状況に立ち向かうことを優先するか。
 しかし、足が動かないのだ。眼前の現実に対して、とても無力であったのだ。
「――え?」
「……ああ、本当に最悪だ。今回の敵は……『教会』は、今までのそれよりも強い上に、実に性格が悪いようだ」
 こちらに向かい、足音もなく歩く二年次の生徒。その表情は虚ろであった。声をかけようと歩み寄る礼安に、それ以上その先へ進まないことを大声で警告する。
「――もう駄目だ。そいつらは……『裏切り者』だ」
 信一郎は、裏切り者が『何人か』を伝えることはしなかった。それは、二年次英雄科、武器科の両方の生徒が、ある程度の人数纏まって裏切り行為を働いた結果である。
 その顔触れは、二年次の中でも落第間近である五組から、組の中間でありながらさして成績が良くはない三組。三組分の生徒の大体、それが科をまたいで二つの塊として存在する。大凡百二十名ほどが、総じて礼安たち六名の最強格に牙をむいたのだ。
「……誇りは無いのか、英雄やそれを補佐する武器としての、矜持は捨てたのか!?」
「プライドや矜持で、飯が食えるのか??」
 丙良の怒りは通じることなく、そのまま拠点にいる裏切り者の七割が、礼安たちを捕縛しようと動いていた。
「え……何で……? 私は敵じゃあないよ!?」
 丙良が礼安の前に立ちはだかるも、二年次の緩慢な歩みは止まることが無い。
「――何でだ。何で礼安ちゃんを狙う!!」
 丙良と同級生。ただそれだけではあるが、礼安たちの目の前で捕縛しようと動くのは、皆二年次三組から五組の生徒。そして、今まさに狙われている本人が一組である。それだけで、丙良は粗方察してしまった。それと同時に、表情からしても湧き立つ怒りが抑えきれずにいた。
「――ああ。どうせ俺たちは『才能がない』英雄なんだ」
「……私も、著名な英雄の武具ってことを誇りに、原動力に……どれだけ『劣等』と言われようと戦ってきたわ」
「けれど、世の中は不平等だ。努力で埋めようのない差は存在した。むしろ、それ以外この世には存在しないとも言っていい」
 礼安や院、丙良、エヴァなど。稀に生まれる真の天才に飲まれた、普遍的な天才。それこそが、寝返った存在。『教会』は、条件こそあれどすべての存在に、現状の英雄以上の力をもたらすことを目的に布教活動を行っている。
 その思想と、現在進行形で燻った存在である、落第寸前の生徒たちの思想が完全に一致したのだ。卒業することはおろか、英雄を目指すことすらできないのなら、その力を有効活用できる場所があるのなら。完全上位互換がいて、存在価値を今見いだせていないのなら。
 そんなドロップアウトした存在の心の縁こそ、そんな存在の受け皿こそ『教会』なのだ。
 そして、その瞬間に丙良は理解してしまった。裏切りにまつわるルールの落とし穴。
「今の時間帯は試合の時間帯じゃあない……故にどんなルールを逸脱した行為も許される、究極の無法時間――『準備』と『休息』の固定意識に気を取られている間に、一気呵成に攻め立てることが……この試合の、この時間の作戦における、本当の正解だった……!!」
 学園長はルール説明の際、『同士討ち』は禁じたが『騙し打ち』『奇襲』は一切禁じなかった。時間外は不戦の固定観念を覆す、より無法な戦いができるかどうかを、どちら側にも問うていたのだ。無論、英雄側にそんな考えを持つものは、よほどでない限り存在しない。
「才能があって。努力もして。得られるもの全てを得られるような、そんなお前たち真の天才には分からないだろうよ」
「真の崖っぷちを知らないような、そんな天才に俺たちの気持ちが分かってたまるか」
「努力するのにも、し続けるのにも才能がいる。私たちは……何度もアンタらみたいな化け物に食らいつけるようトライしたけど……全て無駄だってわかった瞬間の虚無感たるや」
「努力して叶わない夢を追うより、努力して叶う範囲の夢を、すぐに叶えた方が良いんだって。その方が、精神も体も健全よ」
 裏切った面子は皆、丙良の過去は知っていようと、礼安たちの苦悩に満ちた最悪の過去など知る由もない。故に感情移入もできない。
 だからこそ、歪んだ力に手を出すのだ。
「――お前らが、何を知っているんだ。嫌というほどどん底を経験した礼安たちに、勝手に嫉妬して、勝手に自分に失望して……」
 丙良の叫びは、未だ多くの痛々しい傷跡が残る、そんな礼安の心を揺さぶるものであった。
「何も知らないからこそ、輝かしく思えるんだろうが!! 彼女の心身の痛みは……お前らの理解の及ばないレベルまで達しているんだ!! お前らなんぞに理解なんて求めていないが……瀧本礼安という努力の天才の『努力』を!! 『生きてきた証』を愚弄することは、『俺』が許さない!!!!」
 眩いほどの同級生の存在が、たまらなく裏切り者たちを苛立たせる。
 皆、デバイスがチーティングドライバーへ急速変質。全員が、淀んだ魔力を纏いながらライセンスを装填、変身待機状態へ移行する。
「「「変身」」」
『『『Crunch The Story――――Game Start』』』
 皆、英雄として素質があるため砕けた装甲ではなく、全てちゃんとしたもの。さらに、精神汚染も済んでいるのか、英雄時代よりも圧倒的に戦闘力が上昇している。
「――礼安ちゃん、もう加減は無用だ。そして今の時間ならこの通り、ルールも無用だ。僕の同級生だが……その頭にはたった今『元』がついた。優しい君は苦悩するだろうが……手伝ってくれるかい」
「……分かったよ。私のことを信じてくれる丙良ししょーを、信じる!!」
 二人ともライセンスを装填し、土塊と雷を纏い始める。
「「変身!!」」
 多数の怪人と、たった二人の英雄。火災があちらこちらで起こる大田区にて、裏切りの業火燃え盛る戦いが始まったのだった。


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 丙良と共に脱出してきた、青ざめてしまった加賀美と共に、やっとの思いで田園調布に辿り着いた。何とか背中をさすり、胃の内容物を一旦排出し終わると、青ざめた表情が血の気が引いた程度のものに。結論、あまり変わらない。
「ごめんね、でも緊急事態だから分かってほしいな!」
「――後で美味しいもの奢ってくださいね……」
 負傷者(?)一名を抱えつつ。六人の休息地だった場所に戻る丙良。結界の使用履歴は、特になし。しかし、どうも信じきれなかったが、家の中から五体満足に出て来た四人を目の当たりにして、ようやく安心できた丙良。
 襲撃を察知した四人は、既に戦闘準備を備えていた。ドライバーを装着するか、あるいは武器を持つか。
 そこら中で襲撃が発生しているため、中心部だろうが高級住宅街だろうが、皆一様に燃え盛る。怪人も『どこから侵入したのか分からない』が、増殖の一途をたどっている。被害はさらに酷くなる一方であった。
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 おあつらえ向きに防御壁付きで用意された拠点は、一切安全では無かったのだ。攻めることを第一に考えなかった、英雄側の落ち度であった。
 そのため丙良は、連れてきた加賀美と礼安をはじめとした五人を、
「――すまない皆、僕が殿を務めるから逃げてくれ」
 逃がす選択を取ったのだ。
「へ、丙良くん!?」
「正直、この何でもありの状況で、大将を失い試合に敗北することが何より危険だ。なら大将のジョブを与えられていない僕が残って、ある程度敵を殲滅した方が……」
 そこで丙良の横に並び立つのは、礼安であった。
「何で、礼安ちゃんは大将じゃあないか!?」
 そんな丙良の驚きをよそに、エヴァがこっそり耳打ち。その内容に、呆れて笑ってしまう。
「――マジ?」「マジもマジ、大マジだよ丙良くん」
 腑に落ちた丙良は、礼安と共に戦うことを決めた。加賀美に道案内を願い、エヴァたちは拠点から脱出することとなった。
「――いつ考えたの、それ?」「何かししょー達とエヴァちゃんが、色々と話し合っている時だよ!」
 丙良にとっての『最悪』は、多くを失うこと。仲間が死亡することに限らず、仲間に裏切られること。それは、礼安も同様である。
「……丙良ししょー、今は襲撃されないんじゃ……? それに、まだ試合は始まっていないはずだよね??」
「――簡単だよ、ルール内に作られた穴をついて、拠点が最も安全な場所、って固定観念を壊しにかかっているんだ」
 そして、多くの戦力を無力化すること。それが『教会』茨城支部の思惑であった。
「……覚悟してね礼安ちゃん。今までのそれとは、正直次元が違う相手と戦うことになるだろうから。それこそ――――僕ら二年次でもとてもじゃあないが無事では済まない、そんな手練れしかいないだろうね」
 礼安は静かに頷くと、辺りの倒壊した家や未だ無事な家全てに、走りこんで呼び掛けていく。
「私たちと一緒に、『教会』と戦おうよ! 拠点を取り戻すために!」
 しかし、その礼安の呼びかけは、虚しくこだまするのみ。応える者は、誰もいない。
「そんな――皆無事じゃあないってこと……?」
「――いや、その逆だ」
 丙良は、事の重大さに気付いていた。礼安が嘘を見抜く、心の色を感じることのできる第六感があるとしたら、丙良は予感を的中させることができる。特に、『悪い予感』の。大勢の人間が、どことなく感じ取ることのできる『予感』を、より色濃く感じ取る。
 それ故に、今心臓の動悸が収まらない。礼安の精神を案じることを優先するか、この状況に立ち向かうことを優先するか。
 しかし、足が動かないのだ。眼前の現実に対して、とても無力であったのだ。
「――え?」
「……ああ、本当に最悪だ。今回の敵は……『教会』は、今までのそれよりも強い上に、実に性格が悪いようだ」
 こちらに向かい、足音もなく歩く二年次の生徒。その表情は虚ろであった。声をかけようと歩み寄る礼安に、それ以上その先へ進まないことを大声で警告する。
「――もう駄目だ。そいつらは……『裏切り者』だ」
 信一郎は、裏切り者が『何人か』を伝えることはしなかった。それは、二年次英雄科、武器科の両方の生徒が、ある程度の人数纏まって裏切り行為を働いた結果である。
 その顔触れは、二年次の中でも落第間近である五組から、組の中間でありながらさして成績が良くはない三組。三組分の生徒の大体、それが科をまたいで二つの塊として存在する。大凡百二十名ほどが、総じて礼安たち六名の最強格に牙をむいたのだ。
「……誇りは無いのか、英雄やそれを補佐する武器としての、矜持は捨てたのか!?」
「プライドや矜持で、飯が食えるのか??」
 丙良の怒りは通じることなく、そのまま拠点にいる裏切り者の七割が、礼安たちを捕縛しようと動いていた。
「え……何で……? 私は敵じゃあないよ!?」
 丙良が礼安の前に立ちはだかるも、二年次の緩慢な歩みは止まることが無い。
「――何でだ。何で礼安ちゃんを狙う!!」
 丙良と同級生。ただそれだけではあるが、礼安たちの目の前で捕縛しようと動くのは、皆二年次三組から五組の生徒。そして、今まさに狙われている本人が一組である。それだけで、丙良は粗方察してしまった。それと同時に、表情からしても湧き立つ怒りが抑えきれずにいた。
「――ああ。どうせ俺たちは『才能がない』英雄なんだ」
「……私も、著名な英雄の武具ってことを誇りに、原動力に……どれだけ『劣等』と言われようと戦ってきたわ」
「けれど、世の中は不平等だ。努力で埋めようのない差は存在した。むしろ、それ以外この世には存在しないとも言っていい」
 礼安や院、丙良、エヴァなど。稀に生まれる真の天才に飲まれた、普遍的な天才。それこそが、寝返った存在。『教会』は、条件こそあれどすべての存在に、現状の英雄以上の力をもたらすことを目的に布教活動を行っている。
 その思想と、現在進行形で燻った存在である、落第寸前の生徒たちの思想が完全に一致したのだ。卒業することはおろか、英雄を目指すことすらできないのなら、その力を有効活用できる場所があるのなら。完全上位互換がいて、存在価値を今見いだせていないのなら。
 そんなドロップアウトした存在の心の縁こそ、そんな存在の受け皿こそ『教会』なのだ。
 そして、その瞬間に丙良は理解してしまった。裏切りにまつわるルールの落とし穴。
「今の時間帯は試合の時間帯じゃあない……故にどんなルールを逸脱した行為も許される、究極の無法時間――『準備』と『休息』の固定意識に気を取られている間に、一気呵成に攻め立てることが……この試合の、この時間の作戦における、本当の正解だった……!!」
 学園長はルール説明の際、『同士討ち』は禁じたが『騙し打ち』『奇襲』は一切禁じなかった。時間外は不戦の固定観念を覆す、より無法な戦いができるかどうかを、どちら側にも問うていたのだ。無論、英雄側にそんな考えを持つものは、よほどでない限り存在しない。
「才能があって。努力もして。得られるもの全てを得られるような、そんなお前たち真の天才には分からないだろうよ」
「真の崖っぷちを知らないような、そんな天才に俺たちの気持ちが分かってたまるか」
「努力するのにも、し続けるのにも才能がいる。私たちは……何度もアンタらみたいな化け物に食らいつけるようトライしたけど……全て無駄だってわかった瞬間の虚無感たるや」
「努力して叶わない夢を追うより、努力して叶う範囲の夢を、すぐに叶えた方が良いんだって。その方が、精神も体も健全よ」
 裏切った面子は皆、丙良の過去は知っていようと、礼安たちの苦悩に満ちた最悪の過去など知る由もない。故に感情移入もできない。
 だからこそ、歪んだ力に手を出すのだ。
「――お前らが、何を知っているんだ。嫌というほどどん底を経験した礼安たちに、勝手に嫉妬して、勝手に自分に失望して……」
 丙良の叫びは、未だ多くの痛々しい傷跡が残る、そんな礼安の心を揺さぶるものであった。
「何も知らないからこそ、輝かしく思えるんだろうが!! 彼女の心身の痛みは……お前らの理解の及ばないレベルまで達しているんだ!! お前らなんぞに理解なんて求めていないが……瀧本礼安という努力の天才の『努力』を!! 『生きてきた証』を愚弄することは、『俺』が許さない!!!!」
 眩いほどの同級生の存在が、たまらなく裏切り者たちを苛立たせる。
 皆、デバイスがチーティングドライバーへ急速変質。全員が、淀んだ魔力を纏いながらライセンスを装填、変身待機状態へ移行する。
「「「変身」」」
『『『Crunch The Story――――Game Start』』』
 皆、英雄として素質があるため砕けた装甲ではなく、全てちゃんとしたもの。さらに、精神汚染も済んでいるのか、英雄時代よりも圧倒的に戦闘力が上昇している。
「――礼安ちゃん、もう加減は無用だ。そして今の時間ならこの通り、ルールも無用だ。僕の同級生だが……その頭にはたった今『元』がついた。優しい君は苦悩するだろうが……手伝ってくれるかい」
「……分かったよ。私のことを信じてくれる丙良ししょーを、信じる!!」
 二人ともライセンスを装填し、土塊と雷を纏い始める。
「「変身!!」」
 多数の怪人と、たった二人の英雄。火災があちらこちらで起こる大田区にて、裏切りの業火燃え盛る戦いが始まったのだった。