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Way to the Light

ー/ー



俺の名前は武本祐樹! 今をときめく高校2年生だ!! 突然だが今の俺はめちゃくちゃピンチ!! ん?なんでかって!? それは!!!!


 グギュルルルルル……


 朝からとんでもなく腹を下してるってことだ!!!


「電車乗ってる時点でピンチだったけど、降りた瞬間よりきつくなってきたぁ……」


 グギュルルルルル!!!


「しまっ!!??」


 きつくなってきた……そんな俺の思いに呼応するかのように腹の中の魔物はより激しく暴れ出す!!しまった病は気から!!どれだけきつくても思ってはいけない言葉がある!!!俺はその禁を犯したのだ!!嗚呼!!己の心の弱さが今の俺の状況をより悪化させようとしているというのか!!?


「ぐぬおおおお!!!!」


 しかしどれだけ悔いたところで状況が好転するはずもなし!!!なら少しでも前へ……我が歩を進める!!目的地までその意思を折らず!!最後の最後まで!!!……だがしかし……。  

グギュルルルルルルルルルル!!!!!!


「んうおおおおおおおお……めっちゃ暴れてるぅン……! 朝食ったもんが出口を求めて腹の中でぐるぐるしているぅ……もう無理ぃ……漏れちゃううう……」  


 一度動き出した我が腹内の魔物は宿主の進軍を阻まんとより一層強く暴れ始めている……このままでは最悪の事態に……!そんな恐怖が俺の額にひんやりとした汗となって現れはじめる……。しかし俺はそんな逆境の中でニヤリと不敵な笑みを浮かべた。


「……なんてな……甘いぜ……」


 そう易々とてめえの思惑通りに事が運ぶとおもうなよ!?今俺がこうして騙し騙し早歩きで向かっているのはどこだと思う?そう……Water Closet!トイレ!!一限には遅刻確定だが背に腹は代えられねぇ!!今ここで我が腹の内に宿りし大いなる魔を解き放ち……そしてすべてを終わらせる!!それで……それだけで万事解決よ!!!!


 「そうだ……! 先へ……!! 一歩でも前へ……!!」


 俺は瀕死の身体をひきずりながら、駅構内を進む……!だが悲しいかな……。それも長くは続かなかった……。なぜなら……


「おいおいおいおい!! どういうことだよ……くそ……!」


 普段はなんてことのない駅内が、いつのまにかまるでどこまでも続く終わりなきトンネルのように感じてしまったからだ……!!


「……っ!!」


 深く……暗い……どこまでもどこまでも続くトンネル……。そう思った刹那、ゾクっとした感覚が俺を包み込んだ。再び得も言われぬ恐怖が……最悪のビジョンが俺を襲う……!


「あ……ああああ……」


 蛍光灯の照らす明るいはずの駅構内は、絶望の闇に閉ざされようとしている今の俺の視界にはどこまでも真っ暗な恐ろしい闇として映し出されていた……。意識が暗い……暗いどん底へと落ちようとしている……。その時だった。


 グギュルルルルル!!!!


 俺の腹の中の魔物が再び勢いよく暴れ出したのだ……!


「グ……!こいつまた!! ……っ!?」


 なんだ?視界が明るい……。ちゃんと蛍光灯に照らされた普段の駅構内が見える……。ようやく落ち着くことができた俺は一つの結論を導き出した。


「そうか……そう……だったのか……」


 俺は勘違いしていた……。確かに腹の中のこいつは味方ではない……。だがしかし……敵でもない! こいつは最初から今までずっと外に出たがっている、ただそれだけだったのだ!ずっとずっとトンネルの中を光明を求めていた……本当にただそれだけ……!


「へ……」


 自然と笑みがこぼれる……まさか俺としたことが、こいつに教えられることになるとはな……。


「よっと……」


身体もさっきより不思議と軽く感じる……! 歩ける、行こう!


「ったくしょうがねぇ! 俺がお前を出口まで連れてってやるよ!!! そんじゃ行こうか!!!」


 そうなのだ!どれだけ深く暗いトンネルであっても!延々と続く闇のように見えていようとも!いつかは抜ける!!!諦めて歩を進めることを止めさえしなければ絶対に出口という名の光明は見えるのだ!!


「見えてきた! あと少しだ!!!」


 ずんずんと俺は進む、ただ一つの目的地を目指して!そうして……


「よし! たどり着いた!!! ちょうどおあつらえ向きに個室も一つ空いている!! ようやくこの物語も今……感動のフィナーr……」


 ズボンを降ろし、目に映る惨状からすべてを悟った俺は、震えた手でスマホを手に取り、そうして一件の電話をかけた。


「あ、もしもし……山田先生ですか?はい……武本です……あの……すみません。あの……今日ちょっとその……欠席します……」






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俺の名前は武本祐樹! 今をときめく高校2年生だ!! 突然だが今の俺はめちゃくちゃピンチ!! ん?なんでかって!? それは!!!!
 グギュルルルルル……
 朝からとんでもなく腹を下してるってことだ!!!
「電車乗ってる時点でピンチだったけど、降りた瞬間よりきつくなってきたぁ……」
 グギュルルルルル!!!
「しまっ!!??」
 きつくなってきた……そんな俺の思いに呼応するかのように腹の中の魔物はより激しく暴れ出す!!しまった病は気から!!どれだけきつくても思ってはいけない言葉がある!!!俺はその禁を犯したのだ!!嗚呼!!己の心の弱さが今の俺の状況をより悪化させようとしているというのか!!?
「ぐぬおおおお!!!!」
 しかしどれだけ悔いたところで状況が好転するはずもなし!!!なら少しでも前へ……我が歩を進める!!目的地までその意思を折らず!!最後の最後まで!!!……だがしかし……。  
グギュルルルルルルルルルル!!!!!!
「んうおおおおおおおお……めっちゃ暴れてるぅン……! 朝食ったもんが出口を求めて腹の中でぐるぐるしているぅ……もう無理ぃ……漏れちゃううう……」  
 一度動き出した我が腹内の魔物は宿主の進軍を阻まんとより一層強く暴れ始めている……このままでは最悪の事態に……!そんな恐怖が俺の額にひんやりとした汗となって現れはじめる……。しかし俺はそんな逆境の中でニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「……なんてな……甘いぜ……」
 そう易々とてめえの思惑通りに事が運ぶとおもうなよ!?今俺がこうして騙し騙し早歩きで向かっているのはどこだと思う?そう……Water Closet!トイレ!!一限には遅刻確定だが背に腹は代えられねぇ!!今ここで我が腹の内に宿りし大いなる魔を解き放ち……そしてすべてを終わらせる!!それで……それだけで万事解決よ!!!!
 「そうだ……! 先へ……!! 一歩でも前へ……!!」
 俺は瀕死の身体をひきずりながら、駅構内を進む……!だが悲しいかな……。それも長くは続かなかった……。なぜなら……
「おいおいおいおい!! どういうことだよ……くそ……!」
 普段はなんてことのない駅内が、いつのまにかまるでどこまでも続く終わりなきトンネルのように感じてしまったからだ……!!
「……っ!!」
 深く……暗い……どこまでもどこまでも続くトンネル……。そう思った刹那、ゾクっとした感覚が俺を包み込んだ。再び得も言われぬ恐怖が……最悪のビジョンが俺を襲う……!
「あ……ああああ……」
 蛍光灯の照らす明るいはずの駅構内は、絶望の闇に閉ざされようとしている今の俺の視界にはどこまでも真っ暗な恐ろしい闇として映し出されていた……。意識が暗い……暗いどん底へと落ちようとしている……。その時だった。
 グギュルルルルル!!!!
 俺の腹の中の魔物が再び勢いよく暴れ出したのだ……!
「グ……!こいつまた!! ……っ!?」
 なんだ?視界が明るい……。ちゃんと蛍光灯に照らされた普段の駅構内が見える……。ようやく落ち着くことができた俺は一つの結論を導き出した。
「そうか……そう……だったのか……」
 俺は勘違いしていた……。確かに腹の中のこいつは味方ではない……。だがしかし……敵でもない! こいつは最初から今までずっと外に出たがっている、ただそれだけだったのだ!ずっとずっとトンネルの中を光明を求めていた……本当にただそれだけ……!
「へ……」
 自然と笑みがこぼれる……まさか俺としたことが、こいつに教えられることになるとはな……。
「よっと……」
身体もさっきより不思議と軽く感じる……! 歩ける、行こう!
「ったくしょうがねぇ! 俺がお前を出口まで連れてってやるよ!!! そんじゃ行こうか!!!」
 そうなのだ!どれだけ深く暗いトンネルであっても!延々と続く闇のように見えていようとも!いつかは抜ける!!!諦めて歩を進めることを止めさえしなければ絶対に出口という名の光明は見えるのだ!!
「見えてきた! あと少しだ!!!」
 ずんずんと俺は進む、ただ一つの目的地を目指して!そうして……
「よし! たどり着いた!!! ちょうどおあつらえ向きに個室も一つ空いている!! ようやくこの物語も今……感動のフィナーr……」
 ズボンを降ろし、目に映る惨状からすべてを悟った俺は、震えた手でスマホを手に取り、そうして一件の電話をかけた。
「あ、もしもし……山田先生ですか?はい……武本です……あの……すみません。あの……今日ちょっとその……欠席します……」