商談17 学生気分で!
ー/ー
手洗いから戻った俺を、島津は不敵な笑みで迎える。
「入間が腹を下すとは珍しいなぁ? お前も歳を取ったもんだな」
言われてみると、ここ最近は自ら辛い物を食べなくなった気がする。これが老いというものか。けれど、ここは学生気分で食ってやるさ!
俺は意気込んでカレー皿を手に取る。ええやん咖喱は、数十種類の野菜を数日間煮詰めた濃厚なコクが特徴的で、香辛料の調合は開店以来門外不出とされている。
そんな日替わりカレーだが、今日は挽肉を入れたキーマカレーと魚介類をふんだんに入れたシーフードカレーのようだ。どちらも甲乙つけがたいが、ここはナンとの相性を鑑みてキーマカレーを選択する。ナン以外にもライスやうどん、ラーメン等も組み合わせることが出来る。選択肢が多くあることは昔から変わらない。
それと、サラダの選択も忘れてはいけない。いくら学生気分で食べるとはいえ、健康に留意することも大切だ。そして何より、ゆなにとっていつまでもカッコいいパパでいたい!
「スライスオニオンにサンチュ......おや、これは何だ?」
数多くの野菜の中に、見慣れない野菜の姿があった。一見ブロッコリーのように見えるが、どことなくモミの木を彷彿とさせる形だ。野菜の札を見ると『ロマネスク』と書かれている。どんなものか分からないが、俺はとりあえずカレー皿に乗せた。
飲み物も数多くあるが、俺は迷わずラッシーを手に取った。キーマカレーときたらラッシーは必須だ。
「入間、お前もずいぶん健康志向だな?」
島津は年甲斐もなく、特大どんぶりにカレーうどんというカロリーの暴力を具現化したようなメニューだ。ついでに言うと、どんぶりにはザンギまで添えられている。いくら公安職の体力勝負な仕事とはいえ、彼の健康は大丈夫なのだろうか?
「俺は今でも現役。何事も、若い奴らには負けねぇさ!」
昔から島津は華奢な体型の割に大食いだった。今でこそ多少中年太りしたものの、それでも細身であることに変わりない。きっと、彼の胃袋は宇宙なのかもしれない。
俺が席へ着くと、二人で早食い競争の如くカレーを食べ始める。思えば、俺と島津は毎回こんな感じだった。俺達は体育会系の部活動をしていたから、いくら食べても腹が満たされたことはなかった。
俺達がどんな部活動をしていたかって? 何を隠そう、俺達は西郷高校の剣道部員だったんだ!
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俺は意気込んでカレー皿を手に取る。ええやん咖喱は、数十種類の野菜を数日間煮詰めた濃厚なコクが特徴的で、香辛料の調合は開店以来門外不出とされている。
そんな日替わりカレーだが、今日は挽肉を入れたキーマカレーと魚介類をふんだんに入れたシーフードカレーのようだ。どちらも甲乙つけがたいが、ここはナンとの相性を鑑みてキーマカレーを選択する。ナン以外にもライスやうどん、ラーメン等も組み合わせることが出来る。選択肢が多くあることは昔から変わらない。
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飲み物も数多くあるが、俺は迷わずラッシーを手に取った。キーマカレーときたらラッシーは必須だ。
「入間、お前もずいぶん健康志向だな?」
島津は年甲斐もなく、特大どんぶりにカレーうどんというカロリーの暴力を具現化したようなメニューだ。ついでに言うと、どんぶりにはザンギまで添えられている。いくら公安職の体力勝負な仕事とはいえ、彼の健康は大丈夫なのだろうか?
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