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第55話 公立高校の受験

ー/ー



 義務教育終了式も終わり、今日は公立高校の受験日だ。そうだ、西馬高校だ。何度かひとりで下見も行っている。
 
 テレビの件以降、迅くんとは家の中以外で遊ぶのを禁止されている。

 受験会場は大阪市内だと思っていた。受験票に書かれていた住所は宝賀の近くだ。
 あぁ、そういえば、下見に行った時、校門に貼られていた移転の関係か。

 
 国語、数学、英語、昼休憩、理科、社会と試験は当たり前のように進んでいった。

 …………?

 全ての科目で、途中からなにか違和感があった。確か、選択肢問題、全ての科目、アルファベットで答えた。問題用紙を最後に見直すと社会はカタカナ表記だった。それに気づいたのが試験終了2分前だ。

 ごめん、迅くん、お姉ちゃん、お父さん、夏美センパイに、あぁ、そうだ、宝賀の先生達も。

 帰り道は家までトボトボ徒歩だ。きっとあのミスがなければ数問だけのミスだろうし、西馬よりも遥かに賢い高校でも高得点で合格の自信はあった。あぁ、問題文をよく読むんだった。そういう意味では中学の定期テストって意味あるんだなぁ。

 迅くんやお姉ちゃんは学年末試験最終日で早めに帰宅しているだろう。3月半ばまで試験があるのか、高校は。

 前々から気になってるけど、彩莉センパイはどうなったんだろう? 恋敵として気になるというよりもあの()()()()を見ているので刑罰や宝賀の処分が気になるのだ。

 いろいろ考えていると家に着いた。その頃にはもう高校は宝賀で頑張ろうと決めた。

「ただ……」

 ――それは!! 夏芽……だけじゃない、有紀のこととかも考えてですか!?

 迅くんがすごい大声で叫んでいる。

 どうしたんだろう? ケンカの相手はお父さんっぽい。もしかして、わたしの受験のこと? いや、バイトのことかもしれない。……どっちも違うっぽい。お姉ちゃんの名前が出ている。恋人はわたしだ。お姉ちゃんと言っても嫉妬しそうだ。

 迅くんってお姉ちゃんとすごく仲良いよね。

 ……かわいくないのかな? わたし

 迅くんがお父さんと気まずくなったのか、玄関に向かって歩いてきた。
 
「夏芽……」
「なにかあったの?」
「……なんもないよ」
「ウソだ!! さっき、お父さんに迅くんが怒ってるの聞こえたよ。何があったの? ……話してよ、わたし達、恋人だよね……?」
「……そうだね、でも、話せない」
「わかったよ。そういえばお姉ちゃんは?」

 迅くんは学年末試験が終わって予想通り家にいる。お姉ちゃんがいない。そもそも迅くんが梶原家にいるのも放火という不幸な出来事が起こった関係だ。

「有紀は麻実さんのとこかなぁ? あー、違う、多奈川さんとこだ。オレはちょっと広瀬家に行くから」

 そのまま迅くんは広瀬家に向かった。何しに行ったんだろう?

「お父さん、迅くんと何があったの?」
「なんでもない、それより夏芽、受験はどうだった?」

 お父さんに受験の手応えを話した。ざっと不合格だろうと。

「そうか、広瀬も前言ってたけど、今回の夏芽の努力は西馬の受験以外で報われる。気にするな。最悪、夏芽がはなまるの4代目になればいいんだ」 
「お父さん、迅くんに何したの? 迅くんがあんなに感情むき出しなの珍しいよ。それにお父さんが迅くん以外をはなまるの4代目にしようとするのも珍しいよ」
「……か……。いや、なんでもない。……おではどうすればいいんだ……?」

 迅くんがどこかおかしい。さらにお父さんもどこかおかしい。さっきのケンカが原因なのだろうか?

 しばらくして迅くんが帰ってきた。様子を見る限り、不満タラタラだ。

「夏芽、忠さん、有紀、3ヶ月くらいお世話になりました。オレの家が無事予定よりかなり速く修繕が終わったので明日から広瀬家に戻ります。この3ヶ月間すごく楽しく色々なことを学びました」


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 義務教育終了式も終わり、今日は公立高校の受験日だ。そうだ、西馬高校だ。何度かひとりで下見も行っている。
 テレビの件以降、迅くんとは家の中以外で遊ぶのを禁止されている。
 受験会場は大阪市内だと思っていた。受験票に書かれていた住所は宝賀の近くだ。
 あぁ、そういえば、下見に行った時、校門に貼られていた移転の関係か。
 国語、数学、英語、昼休憩、理科、社会と試験は当たり前のように進んでいった。
 …………?
 全ての科目で、途中からなにか違和感があった。確か、選択肢問題、全ての科目、アルファベットで答えた。問題用紙を最後に見直すと社会はカタカナ表記だった。それに気づいたのが試験終了2分前だ。
 ごめん、迅くん、お姉ちゃん、お父さん、夏美センパイに、あぁ、そうだ、宝賀の先生達も。
 帰り道は家までトボトボ徒歩だ。きっとあのミスがなければ数問だけのミスだろうし、西馬よりも遥かに賢い高校でも高得点で合格の自信はあった。あぁ、問題文をよく読むんだった。そういう意味では中学の定期テストって意味あるんだなぁ。
 迅くんやお姉ちゃんは学年末試験最終日で早めに帰宅しているだろう。3月半ばまで試験があるのか、高校は。
 前々から気になってるけど、彩莉センパイはどうなったんだろう? 恋敵として気になるというよりもあの|放《・》|火《・》|事《・》|件《・》を見ているので刑罰や宝賀の処分が気になるのだ。
 いろいろ考えていると家に着いた。その頃にはもう高校は宝賀で頑張ろうと決めた。
「ただ……」
 ――それは!! 夏芽……だけじゃない、有紀のこととかも考えてですか!?
 迅くんがすごい大声で叫んでいる。
 どうしたんだろう? ケンカの相手はお父さんっぽい。もしかして、わたしの受験のこと? いや、バイトのことかもしれない。……どっちも違うっぽい。お姉ちゃんの名前が出ている。恋人はわたしだ。お姉ちゃんと言っても嫉妬しそうだ。
 迅くんってお姉ちゃんとすごく仲良いよね。
 ……かわいくないのかな? わたし
 迅くんがお父さんと気まずくなったのか、玄関に向かって歩いてきた。
「夏芽……」
「なにかあったの?」
「……なんもないよ」
「ウソだ!! さっき、お父さんに迅くんが怒ってるの聞こえたよ。何があったの? ……話してよ、わたし達、恋人だよね……?」
「……そうだね、でも、話せない」
「わかったよ。そういえばお姉ちゃんは?」
 迅くんは学年末試験が終わって予想通り家にいる。お姉ちゃんがいない。そもそも迅くんが梶原家にいるのも放火という不幸な出来事が起こった関係だ。
「有紀は麻実さんのとこかなぁ? あー、違う、多奈川さんとこだ。オレはちょっと広瀬家に行くから」
 そのまま迅くんは広瀬家に向かった。何しに行ったんだろう?
「お父さん、迅くんと何があったの?」
「なんでもない、それより夏芽、受験はどうだった?」
 お父さんに受験の手応えを話した。ざっと不合格だろうと。
「そうか、広瀬も前言ってたけど、今回の夏芽の努力は西馬の受験以外で報われる。気にするな。最悪、夏芽がはなまるの4代目になればいいんだ」 
「お父さん、迅くんに何したの? 迅くんがあんなに感情むき出しなの珍しいよ。それにお父さんが迅くん以外をはなまるの4代目にしようとするのも珍しいよ」
「……か……。いや、なんでもない。……おではどうすればいいんだ……?」
 迅くんがどこかおかしい。さらにお父さんもどこかおかしい。さっきのケンカが原因なのだろうか?
 しばらくして迅くんが帰ってきた。様子を見る限り、不満タラタラだ。
「夏芽、忠さん、有紀、3ヶ月くらいお世話になりました。オレの家が無事予定よりかなり速く修繕が終わったので明日から広瀬家に戻ります。この3ヶ月間すごく楽しく色々なことを学びました」