第53話 テレビ出演3~ここでカップルが!?~
ー/ー テレビ局の第6スタジオ付近の第7楽屋に案内された。はじめてテレビ局や楽屋に入る。
お手洗いとかに行って戻ってきた時ノックとかすべきなのだろうか?
「スタジオって第6スタジオなのかな?」
「ど、ど、どうだろう?」
迅くんが緊張でガタガタ震えている。わたしはまだ平常心だ。
――今度の放送のインタビューで面白そうな人らをここに集めてるらしいけど
芸能人2人組が第7楽屋の扉をノックしてから開けて入ってきた。確か、あの人たちはかなり有名な会社の芸人だ。芸人だけど声優業に力が入っているお笑いコンビだ。コンビ名がここまで出てきてるのに分からないのが悔しい。
「わっかっ!!」
「ホンマにここか……?」
迅くんがすごい目をキラキラさせている。ここまで目を輝かせているのはわたしも初めて見た。
――こんなにミーハーだったんだ
「兄ちゃん、なんか面白いエピソード持ってんの?」
「芸人であるあなた達が面白いと思えるエピソードはないです。ごめんなさい、ごめんなさい」
「あ、いや、責めてる訳じゃなくて……。緊張ほぐせたらいいなぁとおもってたんやけどなぁ」
『まぁまぁ』とわたしは迅くんをなだめていた。
「彼女の方は平常心やな、こっちの世界来るか?」
「いえ、わたしは中学生だし、まだ公立高校の受験残ってるので……」
お笑いコンビは目を見合せている。わたしが中学生と言うことに。
「いや、こんなこと聞くのも変なんはわかってんけどな、彼女さん受験勉強せんで大丈夫か?」
「自信はあります」
「夏芽すごい頑張ってるもんなー」
「ほな、この後の収録よろしくなー」
『誰だったけ? さっきの2人』
あんなに目をキラキラさせていたのに、名前を思い出せてもらえなくてお笑いコンビがかわいそうだ。思わずズッコケるポーズを取りかけた。ホントはズッコケる準備はしていた。ただ、さっきのお笑いコンビが楽屋のトビラをビミョーに開けて見ているのが見えたので辞めた。
そして、10分くらいして収録が始まった。迅くんの緊張も解けている。
「さぁ、今日も始まりました、こんな所になんでカップルが!?」
わたしは思わず心の中で『いや、声かけられたのテレビ局の近くだからふつうの場所だからね!?』とぼやいていた。
「ちょ司会しっかりして。今日から『ここでカップルが!?』やでー」
司会のインフルエンサーの女の人が慌てて台本を見てる。ここはカットだろうなぁ。だったら、わたしにできることはひとつだろう。
「司会の弥左さん、ゆっくりで大丈夫ですから、ひとつひとつきちんとこなしましょう」
「あっ、はい、ありがとうございます。それでは……」
わたしが慌てている司会の女性に指示を出した。改めてタイトルコールがされ本格的に収録が始まった。この収録は夕方の番組の終わりかけに流れる10分のコーナーだ。さっき、楽屋にいる時なわたしは大まかな概要の冊子を読んでいた。
チラッとカメラの近くのカンペを見た。
『ここでさっきのインタビュー動画』
1分くらい沈黙が走った。
「今日はこんな面白いカップル連れてきたんや」
弥左さんが『どうぞ』と言うとわたしと迅くんが軽く名前とかを話した。楽屋に来た声優に近い芸人がその後すぐに口を挟んだ。
「この兄ちゃんな、さっき楽屋でなんもおもろいエピソードないって言うてたんや。この動画見る時点でおもろすぎるがな。学生カップルやのに、付き合ってすぐ家族公認で住んでんねやで!? もうそんなんハナから二世帯住宅やないか」
「え、2世帯住宅……?」
「まず彼氏の方に彼女がおった時は彼氏の親の世帯と2人の世帯、逆も同じや」
「……?」
正直にわたしも迅くんも不思議そうに顔を見合せた。
2世帯住宅? イメージ論にはなるけどもっと家の中がギスギスしそう。
「え、まさか、そんな事ない?」
――ちょ待てや、なんで学生でどちらかの家にお世話になってんねん
すごい怖いくらいにテンポよく収録が進む。わたしも迅くんもウソはついていないし、話してはいけない個人情報などは隠している。ただ、たまに迅くんがうっかり話しかけるとわたしが迅くんの足を踏んだり、頬をつねったりした。
『夏芽、痛い、痛い』
迅くんはそう反応したり
『夏芽ってたまに暴力に頼るよね……』
などと言った。
芸能人の人達はそれまでの事情をある程度分かっているのでその度『アハハ』と笑ってくれた。
――え、待って。ヤバ!! 締めのタイトルコールせな……。せや、いっそ、迅さんと夏芽さんに頼みましょ!!
カンペを出す人もわたしと迅くんに『タイトルコールお願いします』と指示を出した。
――せーの
『ここでカップルが!?』
テレビ局の収録が終わった。予想の倍以上の時間も拘束したお詫びに非売品かつ試作キャラの番組グッズをたくさん渡された。
「転売したアカンで」
大阪城付近に戻ってきたらもう夜だった。そのまま家に帰った。
さすがにわたしも迅くんもお父さんとお姉ちゃんに怒られた。
お手洗いとかに行って戻ってきた時ノックとかすべきなのだろうか?
「スタジオって第6スタジオなのかな?」
「ど、ど、どうだろう?」
迅くんが緊張でガタガタ震えている。わたしはまだ平常心だ。
――今度の放送のインタビューで面白そうな人らをここに集めてるらしいけど
芸能人2人組が第7楽屋の扉をノックしてから開けて入ってきた。確か、あの人たちはかなり有名な会社の芸人だ。芸人だけど声優業に力が入っているお笑いコンビだ。コンビ名がここまで出てきてるのに分からないのが悔しい。
「わっかっ!!」
「ホンマにここか……?」
迅くんがすごい目をキラキラさせている。ここまで目を輝かせているのはわたしも初めて見た。
――こんなにミーハーだったんだ
「兄ちゃん、なんか面白いエピソード持ってんの?」
「芸人であるあなた達が面白いと思えるエピソードはないです。ごめんなさい、ごめんなさい」
「あ、いや、責めてる訳じゃなくて……。緊張ほぐせたらいいなぁとおもってたんやけどなぁ」
『まぁまぁ』とわたしは迅くんをなだめていた。
「彼女の方は平常心やな、こっちの世界来るか?」
「いえ、わたしは中学生だし、まだ公立高校の受験残ってるので……」
お笑いコンビは目を見合せている。わたしが中学生と言うことに。
「いや、こんなこと聞くのも変なんはわかってんけどな、彼女さん受験勉強せんで大丈夫か?」
「自信はあります」
「夏芽すごい頑張ってるもんなー」
「ほな、この後の収録よろしくなー」
『誰だったけ? さっきの2人』
あんなに目をキラキラさせていたのに、名前を思い出せてもらえなくてお笑いコンビがかわいそうだ。思わずズッコケるポーズを取りかけた。ホントはズッコケる準備はしていた。ただ、さっきのお笑いコンビが楽屋のトビラをビミョーに開けて見ているのが見えたので辞めた。
そして、10分くらいして収録が始まった。迅くんの緊張も解けている。
「さぁ、今日も始まりました、こんな所になんでカップルが!?」
わたしは思わず心の中で『いや、声かけられたのテレビ局の近くだからふつうの場所だからね!?』とぼやいていた。
「ちょ司会しっかりして。今日から『ここでカップルが!?』やでー」
司会のインフルエンサーの女の人が慌てて台本を見てる。ここはカットだろうなぁ。だったら、わたしにできることはひとつだろう。
「司会の弥左さん、ゆっくりで大丈夫ですから、ひとつひとつきちんとこなしましょう」
「あっ、はい、ありがとうございます。それでは……」
わたしが慌てている司会の女性に指示を出した。改めてタイトルコールがされ本格的に収録が始まった。この収録は夕方の番組の終わりかけに流れる10分のコーナーだ。さっき、楽屋にいる時なわたしは大まかな概要の冊子を読んでいた。
チラッとカメラの近くのカンペを見た。
『ここでさっきのインタビュー動画』
1分くらい沈黙が走った。
「今日はこんな面白いカップル連れてきたんや」
弥左さんが『どうぞ』と言うとわたしと迅くんが軽く名前とかを話した。楽屋に来た声優に近い芸人がその後すぐに口を挟んだ。
「この兄ちゃんな、さっき楽屋でなんもおもろいエピソードないって言うてたんや。この動画見る時点でおもろすぎるがな。学生カップルやのに、付き合ってすぐ家族公認で住んでんねやで!? もうそんなんハナから二世帯住宅やないか」
「え、2世帯住宅……?」
「まず彼氏の方に彼女がおった時は彼氏の親の世帯と2人の世帯、逆も同じや」
「……?」
正直にわたしも迅くんも不思議そうに顔を見合せた。
2世帯住宅? イメージ論にはなるけどもっと家の中がギスギスしそう。
「え、まさか、そんな事ない?」
――ちょ待てや、なんで学生でどちらかの家にお世話になってんねん
すごい怖いくらいにテンポよく収録が進む。わたしも迅くんもウソはついていないし、話してはいけない個人情報などは隠している。ただ、たまに迅くんがうっかり話しかけるとわたしが迅くんの足を踏んだり、頬をつねったりした。
『夏芽、痛い、痛い』
迅くんはそう反応したり
『夏芽ってたまに暴力に頼るよね……』
などと言った。
芸能人の人達はそれまでの事情をある程度分かっているのでその度『アハハ』と笑ってくれた。
――え、待って。ヤバ!! 締めのタイトルコールせな……。せや、いっそ、迅さんと夏芽さんに頼みましょ!!
カンペを出す人もわたしと迅くんに『タイトルコールお願いします』と指示を出した。
――せーの
『ここでカップルが!?』
テレビ局の収録が終わった。予想の倍以上の時間も拘束したお詫びに非売品かつ試作キャラの番組グッズをたくさん渡された。
「転売したアカンで」
大阪城付近に戻ってきたらもう夜だった。そのまま家に帰った。
さすがにわたしも迅くんもお父さんとお姉ちゃんに怒られた。
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