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ー/ー
「愛茉に言われたら断れないんだよ、桔平君は」
「気をつけます……」
「愛茉ちゃん。和室にお布団敷いたから、今日はそこで寝たらいいわよ」
「あ、智美さん、ありがとう」
このままじゃ、首とか凝っちゃうよね。とりあえず、桔平くんの体をゆすって起こしてみる。
「桔平くん」
「ん~」
反応はあったけれど、動かない。
「お布団を敷いてもらったよ。あっちで寝よう?」
ていうか、普通は逆じゃない? 私が可愛く酔っ払って、それを桔平くんが介抱するっていう。おかしいな。いい気分になってテンション高くはなったけれど、思った以上に私はお酒が強かった……こんなの全然可愛くないし。
「ほら、桔平くん。ゆっくり立って~」
「はいよ~」
返事をして体を起こすものの、目は閉じたまま。
結局お父さんが支えてくれて、桔平くんを和室へ運んだ。
「愛茉ちゃん。もし桔平君が起きたら、お水を飲ませてあげてね」
「うん、分かった」
キッチンの片付けも終えてみんなお風呂に入ったあと、お父さんと智美さんは2階へ上がった。
桔平くんの横でしばらく様子を見ていると、薄らと目が開く。でも焦点が合っていないような。
「……大丈夫? お水を」
「愛茉~」
顔を覗き込んだら、腰に抱きついてきた。
「オレ愛茉の体すげぇ好きなんだよなぁ愛茉ってなんでこんなに愛茉なわけー?」
「ど、どういうこと?」
「だからさ愛茉が愛茉だからオレは愛茉のことが好きなわけで一生そばにいてくんないともう死ぬし全然まったく生きていけねぇわけ」
息継ぎなしで一気に喋る桔平くん。
……なにこれ、可愛い。酔っ払った桔平くん、めちゃくちゃ可愛い。顔が赤くなっているわけでもないし、一見すると普通なんだけど。少し舌足らずだし、なのにいつもより早口。可愛すぎて、すっごくキュンキュンする。
「なんでこんなに可愛いんだよ可愛すぎるから抱いていい?」
「だっ、ダメダメダメ! 2階にお父さんたちがいるし、お、お母さんの前だし!」
しかも「アレ」を持ってきてない。私の部屋に置いているはずだもん。絶対ダメ、節度ある付き合いをするって、お父さんに約束したじゃない。
でも酔っ払った桔平くんは、自制心ゼロ。食べるようなキスをして、布団に押し倒してくる。そして耳や頬を舐められて、思わず声が出そうになった。
「あ~すっげぇ甘い。全身舐めまわしてぇ」
出た、変態発言。酔っ払うと変態度が増すのね。
ていうか、本当にどうやって切り抜けよう。途中で酔いが醒めたりしないかな。こういうハプニングはダメ、絶対。
桔平くんが、私の胸に顔をうずめる。ああ、どうしよう……と思っていたら、そのまま動かなくなった。
「……桔平くん?」
声をかけると、寝息が聞こえてくる。
……はい、お約束。こっちはめちゃくちゃ焦ったっていうのに。なんでこんなに可愛い顔して寝るのよ。
少しガッカリなんて、してないもんね。
桔平くんの頬を軽くつねって、私も寝ることにした。
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「気をつけます……」
「愛茉ちゃん。和室にお布団敷いたから、今日はそこで寝たらいいわよ」
「あ、智美さん、ありがとう」
このままじゃ、首とか凝っちゃうよね。とりあえず、桔平くんの体をゆすって起こしてみる。
「桔平くん」
「ん~」
反応はあったけれど、動かない。
「お布団を敷いてもらったよ。あっちで寝よう?」
ていうか、普通は逆じゃない? 私が可愛く酔っ払って、それを桔平くんが介抱するっていう。おかしいな。いい気分になってテンション高くはなったけれど、思った以上に私はお酒が強かった……こんなの全然可愛くないし。
「ほら、桔平くん。ゆっくり立って~」
「はいよ~」
返事をして体を起こすものの、目は閉じたまま。
結局お父さんが支えてくれて、桔平くんを和室へ運んだ。
「愛茉ちゃん。もし桔平君が起きたら、お水を飲ませてあげてね」
「うん、分かった」
キッチンの片付けも終えてみんなお風呂に入ったあと、お父さんと智美さんは2階へ上がった。
桔平くんの横でしばらく様子を見ていると、薄らと目が開く。でも焦点が合っていないような。
「……大丈夫? お水を」
「愛茉~」
顔を覗き込んだら、腰に抱きついてきた。
「オレ愛茉の体すげぇ好きなんだよなぁ愛茉ってなんでこんなに愛茉なわけー?」
「ど、どういうこと?」
「だからさ愛茉が愛茉だからオレは愛茉のことが好きなわけで一生そばにいてくんないともう死ぬし全然まったく生きていけねぇわけ」
息継ぎなしで一気に喋る桔平くん。
……なにこれ、可愛い。酔っ払った桔平くん、めちゃくちゃ可愛い。顔が赤くなっているわけでもないし、一見すると普通なんだけど。少し舌足らずだし、なのにいつもより早口。可愛すぎて、すっごくキュンキュンする。
「なんでこんなに可愛いんだよ可愛すぎるから抱いていい?」
「だっ、ダメダメダメ! 2階にお父さんたちがいるし、お、お母さんの前だし!」
しかも「アレ」を持ってきてない。私の部屋に置いているはずだもん。絶対ダメ、節度ある付き合いをするって、お父さんに約束したじゃない。
でも酔っ払った桔平くんは、自制心ゼロ。食べるようなキスをして、布団に押し倒してくる。そして耳や頬を舐められて、思わず声が出そうになった。
「あ~すっげぇ甘い。全身舐めまわしてぇ」
出た、変態発言。酔っ払うと変態度が増すのね。
ていうか、本当にどうやって切り抜けよう。途中で酔いが醒めたりしないかな。こういうハプニングはダメ、絶対。
桔平くんが、私の胸に顔をうずめる。ああ、どうしよう……と思っていたら、そのまま動かなくなった。
「……桔平くん?」
声をかけると、寝息が聞こえてくる。
……はい、お約束。こっちはめちゃくちゃ焦ったっていうのに。なんでこんなに可愛い顔して寝るのよ。
少しガッカリなんて、してないもんね。
桔平くんの頬を軽くつねって、私も寝ることにした。