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出会い

ー/ー



シロクマは森の中帰り道を歩く途中、ピアノの音を聞いた。そのピアノの音色は綺麗であり、のびのびとしており、とても独創的だった。頭の中にはどんどんと幻想的な世界が広がり、まるでおとぎの国の住人になったかのような気分になる。

 シロクマは惹かれるままに横道に逸れて、ピアノの在り処へと足を運ぶ。するとそこには伴奏を続ける少女がいた。少女は森に差し込む月明かりをスポットライトのように浴びながら、ただ一心にピアノを弾いている。体を揺り動かしてリズムに乗り、まるでピアノの音色に自分自身の存在を委ねているかのようだった。

 やがてピアノの演奏を弾き終えると、時が止まったかのように少女は静止する。そして一拍の間を置くと椅子から立ち上がり、黒い髪と白いドレスを揺らしながら振り向いた。

「......誰?」

 シロクマは少女に見惚(みと)れていたことにしろどもどろになり、顔を赤らめて俯いてしまう。

「......僕は、シロクマだよ。この森に住んでいるんだ」

「そう......」

 少女が関心なさそうな素振りで言うと、椅子の隣に置いてあった学生カバンを持って立ち去ろうとする。

「あ、待って!」

 シロクマは手を伸ばして思わず少女を呼び止めた。

「君の演奏、きれいだね。なんていう曲なの?」

 その呼びかけに少女は少ない動作で、またシロクマにそっと振り返る。

「名前はない」

「えっ?」

「私のオリジナルの曲だから、タイトルはないの。私はこの曲が好きだから弾いてるだけ」

 そういうと彼女は森の外へと進み帰っていった。ピアノの演奏がなくなった森の中は、寂しいほどに静けさに包まれる。

(一体あの子は何者なんだろう? どうしてこんな森の奥でピアノを弾いてるのかな?)

 そんな疑問を抱きながらも、シロクマは自分の家へと帰っていったのだった。


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シロクマは森の中帰り道を歩く途中、ピアノの音を聞いた。そのピアノの音色は綺麗であり、のびのびとしており、とても独創的だった。頭の中にはどんどんと幻想的な世界が広がり、まるでおとぎの国の住人になったかのような気分になる。
 シロクマは惹かれるままに横道に逸れて、ピアノの在り処へと足を運ぶ。するとそこには伴奏を続ける少女がいた。少女は森に差し込む月明かりをスポットライトのように浴びながら、ただ一心にピアノを弾いている。体を揺り動かしてリズムに乗り、まるでピアノの音色に自分自身の存在を委ねているかのようだった。
 やがてピアノの演奏を弾き終えると、時が止まったかのように少女は静止する。そして一拍の間を置くと椅子から立ち上がり、黒い髪と白いドレスを揺らしながら振り向いた。
「......誰?」
 シロクマは少女に見惚《みと》れていたことにしろどもどろになり、顔を赤らめて俯いてしまう。
「......僕は、シロクマだよ。この森に住んでいるんだ」
「そう......」
 少女が関心なさそうな素振りで言うと、椅子の隣に置いてあった学生カバンを持って立ち去ろうとする。
「あ、待って!」
 シロクマは手を伸ばして思わず少女を呼び止めた。
「君の演奏、きれいだね。なんていう曲なの?」
 その呼びかけに少女は少ない動作で、またシロクマにそっと振り返る。
「名前はない」
「えっ?」
「私のオリジナルの曲だから、タイトルはないの。私はこの曲が好きだから弾いてるだけ」
 そういうと彼女は森の外へと進み帰っていった。ピアノの演奏がなくなった森の中は、寂しいほどに静けさに包まれる。
(一体あの子は何者なんだろう? どうしてこんな森の奥でピアノを弾いてるのかな?)
 そんな疑問を抱きながらも、シロクマは自分の家へと帰っていったのだった。