不思議な読後感

読み始める。
サクサクと進む話。主人公がふと見かける光景……
なんとなく展開が見えてきたような気もしつつ……。
そして最後の最後。

うっすらと分かっていたのに、なんとなく落ちが見えていたのに
なのに「やっぱりそうだったかー」ではなくて「ん?え?」という
不思議な感覚のまま最終行を読んでしまう。

普通ならある程度、こういう落ちが来るのだろうなって予想できた
作品は読み終わったらそれで終わりなのに、この作品は妙に
後を引く。それが何なのかがわからないので、また読んでしまう。
力がある作品なのだろうなと思う。




奇妙な作品……

ただの日常ものかと思いきや
突然不穏な空気が漂い始めるも
主人公の人柄のせいかそこまで重くもない。
だがヒロイン?の言動や存在がところどころに影を落とす。

そんな中、それまで比較的平穏だった日常が
加速度的に変化していく過程がハラハラする。
そしてその勢いのままヲチへと流れ込むぐいぐい引っ張ていく
文章の力がすごかった。いわゆる「読ませる文章」というやつ。

敢えて、この作品の出来が良いからこその
ブラッシュアップの意見を述べさせていただくなら。

1)背後の炎に照らされておなかの傷がはっきり見える
炎(光源)が背後なら、おなかの側は陰になって見えないのではないかと、読みながら「???」となってしまいました。

2)衝撃的な展開だったのに、ヲチの部分でインパクトだけ与えてフォローがない(いまいちすっと入ってこない)部分が、せっかくぐいぐい読ませていく文章の中で、引っ掛かりを覚えもったいない気がしました。

トータルで構成と力のある作品なので、この作者様の作品を今後も追いかけてみたいなと思いました。




すれ違いすぎる思いの果て

姉の視点で紡がれていく物語。
Twinというタイトルの示す通りの双子のやり取りの物語
なのだろうかと思っていたら……。

無邪気で単純、ストレートな思いと
大人の歪でゆがんだ思いが交錯して
そんなじれったいような、生々しい
等身大の話。

構成と引き込む力のある文章が素敵でした




短い中に物語がある

読み始めはよくある話に見えたのだけど
主人公の蓮っ葉な言葉遣いと、ループごとに
良くなるように見えて、どんどん狂っていく世界が面白い
そして最終最後に、ヒロインが下した決断は……
あとはぜひ読んで堪能してほしいと思います。

ありきたりに見えて、そう来るか!という落ちは
なかなかに面白く秀逸だと思いました。




詩的な世界

雨……天から水がこぼれ落ちてくるだけの現象
その減少に私達は様々なことを思い感じる。
雨が切り取り線……作者の着眼が面白く
そして日常の何気ない風景が特別になる。
その紡ぎ出された世界観がとても心地よくて
そして何より人らしいなって感じました。
良い作品をありがとうございました。