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偽装工作 4

ー/ー



 そこにはギルドの紋章を付けた仮面を被る3人組が居た。それを見てユモトは「あっ」と声を上げる。

「警邏(けいら)の連中か」

「そうだ」

 アシノが言うとトウヨウは肯定する。

「あのー、アシノさん。警邏って何ですか?」

 ムツヤが質問をすると、アシノは答えた。

「警邏ってのは、悪い噂のある冒険者の素行を調査したり、ギルドへの驚異となる者を監視する密偵みたいなもんだな」

「みってい……? ってなんですか」

「あー、とにかく信頼できる奴らだ」

 面倒くさくなったのか、アシノはムツヤを適当に納得させる。

「しかし、警邏をもっと早く動かしてくれれば私達も楽できたんだけどね」

「警邏は別の仕事にあたっていた。それに街から数日離れっぱなしにさせるわけにもいかない。そっちにはお前とルーとムツヤがいるから戦力面では心配無いだろうと判断しての事だ」

 トウヨウはアシノへそう答えた。

「さて、早速ギルスには地下で巨大探知盤を作成してもらう。お前達は葬儀へ参加しろ」

「かしこまりました」

 ルーが立ち上がり頭を下げると、アシノ以外の皆も同じ様にして部屋を出ていく。

 遺体安置所へ行くと、棺桶に入れられたギルスのデコイがあった。

「ギルドでの葬儀はこれを広場まで親しい者たちで運ぶ、私達で運ぶぞ」

 大きな台車に乗せられた棺桶の周りをムツヤ達が囲む、その時ふとアシノが言った。

「肝心なことを言い忘れるところだった。ギルスの死因は実験の事故で、私達の仲間になったのは、私がギルドに勧誘したからという設定だ」

「わがりまじだ」

 ムツヤは少し緊張気味に言った、他の皆も頷いて返事をする。

「それじゃ行くぞ」

 薄暗い遺体安置所を抜けると眩しい日差しが出迎えてくれた。全員でガラガラと台車を押してギルドの横を通り抜け、正面まで歩く。

 そこには喪服を着た者たちが集まってギルスを待っていた。チラホラと泣いている者がいる。

 待っていた者たちもムツヤの後を着いて広場まで移動する。演説台の隣でトウヨウが待っていた。

 その演説台の前へ棺桶を置くとアシノとルーはトウヨウに1礼する。それに習い皆もお辞儀をした。

 ムツヤ達は参列者の場所へと下がり、トウヨウが演説台に上がる。

「皆、お集まり頂き感謝する。きっと故人もそう思っているだろう」

 そこまで言って少し間を開けてまた話し始める。

「ギルスは昔から冒険者ギルドへ勧誘していた。そして数日前にやっと首を縦に振ったというのに、実験中の事故という形で、この才のある若者が死んでしまった事は非常に残念で、非常に無念である」

 ルーは泣き始めていた。おそらくまた唐辛子をちぎった手で目をこすったのだろう。ユモトも雰囲気に流されて少し泣きそうになる。

「ギルドの仲間となって日は浅いが、ギルスの店で世話になった者も多いことだろう。そういった意味ではギルスは昔から私達の良き仲間であったと言える」

「ギルスの安らかな眠りと冥福を祈って黙祷」

 参列者達は皆、手を組んで目をつむり、両手を組んで祈りを捧げた。その後は1人、また1人棺桶に花を入れながらギルスへ最後のお別れの挨拶をする。

 泣きながら花を入れる人々を見ると、ギルスの人の良さと慕われていることがよく分かった。

 そして、そんな人達を騙していることにムツヤ達は心が痛む。

 棺桶の蓋が閉められると、男達が棺桶を担いで町の外の墓地へと歩く。1つ空いた大きな穴に棺桶を入れて皆で土を被せた。そしてまた黙祷をする。

 これでギルスはこの世にいない者となった。

 遺体安置所へ行くと、棺桶に入れられたギルスのデコイがあった。

「ギルドでの葬儀はこれを広場まで親しい者たちで運ぶ、私達で運ぶぞ」

 大きな台車に乗せられた棺桶の周りをムツヤ達が囲む、その時ふとアシノが言った。

「肝心なことを言い忘れるところだった。ギルスの死因は実験の事故で、私達の仲間になったのは、私がギルドに勧誘したからという設定だ」

「わがりまじだ」

 ムツヤは少し緊張気味に言った、他の皆も頷いて返事をする。

「それじゃ行くぞ」

 薄暗い遺体安置所を抜けると眩しい日差しが出迎えてくれた。全員でガラガラと台車を押してギルドの横を通り抜け、正面まで歩く。

 そこには喪服を着た者たちが集まってギルスを待っていた。チラホラと泣いている者がいる。

 待っていた者たちもムツヤの後を着いて広場まで移動する。演説台の隣でトウヨウが待っていた。

 その演説台の前へ棺桶を置くとアシノとルーはトウヨウに1礼する。それに習い皆もお辞儀をした。

 ムツヤ達は参列者の場所へと下がり、トウヨウが演説台に上がる。

「皆、お集まり頂き感謝する。きっと故人もそう思っているだろう」

 そこまで言って少し間を開けてまた話し始める。

「ギルスは昔から冒険者ギルドへ勧誘していた。そして数日前にやっと首を縦に振ったというのに、実験中の事故という形で、この才のある若者が死んでしまった事は非常に残念で、非常に無念である」

 ルーは泣き始めていた。おそらくまた唐辛子をちぎった手で目をこすったのだろう。ユモトも雰囲気に流されて少し泣きそうになる。

「ギルドの仲間となって日は浅いが、ギルスの店で世話になった者も多いことだろう。そういった意味ではギルスは昔から私達の良き仲間であったと言える」

「ギルスの安らかな眠りと冥福を祈って黙祷」

 参列者達は皆、手を組んで目をつむり、両手を組んで祈りを捧げた。その後は1人、また1人棺桶に花を入れながらギルスへ最後のお別れの挨拶をする。

 泣きながら花を入れる人々を見ると、ギルスの人の良さと慕われていることがよく分かった。

 そして、そんな人達を騙していることにムツヤ達は心が痛む。

 棺桶の蓋が閉められると、男達が棺桶を担いで町の外の墓地へと歩く。1つ空いた大きな穴に棺桶を入れて皆で土を被せた。そしてまた黙祷をする。

 これでギルスはこの世にいない者となった。


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 そこにはギルドの紋章を付けた仮面を被る3人組が居た。それを見てユモトは「あっ」と声を上げる。
「警邏(けいら)の連中か」
「そうだ」
 アシノが言うとトウヨウは肯定する。
「あのー、アシノさん。警邏って何ですか?」
 ムツヤが質問をすると、アシノは答えた。
「警邏ってのは、悪い噂のある冒険者の素行を調査したり、ギルドへの驚異となる者を監視する密偵みたいなもんだな」
「みってい……? ってなんですか」
「あー、とにかく信頼できる奴らだ」
 面倒くさくなったのか、アシノはムツヤを適当に納得させる。
「しかし、警邏をもっと早く動かしてくれれば私達も楽できたんだけどね」
「警邏は別の仕事にあたっていた。それに街から数日離れっぱなしにさせるわけにもいかない。そっちにはお前とルーとムツヤがいるから戦力面では心配無いだろうと判断しての事だ」
 トウヨウはアシノへそう答えた。
「さて、早速ギルスには地下で巨大探知盤を作成してもらう。お前達は葬儀へ参加しろ」
「かしこまりました」
 ルーが立ち上がり頭を下げると、アシノ以外の皆も同じ様にして部屋を出ていく。
 遺体安置所へ行くと、棺桶に入れられたギルスのデコイがあった。
「ギルドでの葬儀はこれを広場まで親しい者たちで運ぶ、私達で運ぶぞ」
 大きな台車に乗せられた棺桶の周りをムツヤ達が囲む、その時ふとアシノが言った。
「肝心なことを言い忘れるところだった。ギルスの死因は実験の事故で、私達の仲間になったのは、私がギルドに勧誘したからという設定だ」
「わがりまじだ」
 ムツヤは少し緊張気味に言った、他の皆も頷いて返事をする。
「それじゃ行くぞ」
 薄暗い遺体安置所を抜けると眩しい日差しが出迎えてくれた。全員でガラガラと台車を押してギルドの横を通り抜け、正面まで歩く。
 そこには喪服を着た者たちが集まってギルスを待っていた。チラホラと泣いている者がいる。
 待っていた者たちもムツヤの後を着いて広場まで移動する。演説台の隣でトウヨウが待っていた。
 その演説台の前へ棺桶を置くとアシノとルーはトウヨウに1礼する。それに習い皆もお辞儀をした。
 ムツヤ達は参列者の場所へと下がり、トウヨウが演説台に上がる。
「皆、お集まり頂き感謝する。きっと故人もそう思っているだろう」
 そこまで言って少し間を開けてまた話し始める。
「ギルスは昔から冒険者ギルドへ勧誘していた。そして数日前にやっと首を縦に振ったというのに、実験中の事故という形で、この才のある若者が死んでしまった事は非常に残念で、非常に無念である」
 ルーは泣き始めていた。おそらくまた唐辛子をちぎった手で目をこすったのだろう。ユモトも雰囲気に流されて少し泣きそうになる。
「ギルドの仲間となって日は浅いが、ギルスの店で世話になった者も多いことだろう。そういった意味ではギルスは昔から私達の良き仲間であったと言える」
「ギルスの安らかな眠りと冥福を祈って黙祷」
 参列者達は皆、手を組んで目をつむり、両手を組んで祈りを捧げた。その後は1人、また1人棺桶に花を入れながらギルスへ最後のお別れの挨拶をする。
 泣きながら花を入れる人々を見ると、ギルスの人の良さと慕われていることがよく分かった。
 そして、そんな人達を騙していることにムツヤ達は心が痛む。
 棺桶の蓋が閉められると、男達が棺桶を担いで町の外の墓地へと歩く。1つ空いた大きな穴に棺桶を入れて皆で土を被せた。そしてまた黙祷をする。
 これでギルスはこの世にいない者となった。
 遺体安置所へ行くと、棺桶に入れられたギルスのデコイがあった。
「ギルドでの葬儀はこれを広場まで親しい者たちで運ぶ、私達で運ぶぞ」
 大きな台車に乗せられた棺桶の周りをムツヤ達が囲む、その時ふとアシノが言った。
「肝心なことを言い忘れるところだった。ギルスの死因は実験の事故で、私達の仲間になったのは、私がギルドに勧誘したからという設定だ」
「わがりまじだ」
 ムツヤは少し緊張気味に言った、他の皆も頷いて返事をする。
「それじゃ行くぞ」
 薄暗い遺体安置所を抜けると眩しい日差しが出迎えてくれた。全員でガラガラと台車を押してギルドの横を通り抜け、正面まで歩く。
 そこには喪服を着た者たちが集まってギルスを待っていた。チラホラと泣いている者がいる。
 待っていた者たちもムツヤの後を着いて広場まで移動する。演説台の隣でトウヨウが待っていた。
 その演説台の前へ棺桶を置くとアシノとルーはトウヨウに1礼する。それに習い皆もお辞儀をした。
 ムツヤ達は参列者の場所へと下がり、トウヨウが演説台に上がる。
「皆、お集まり頂き感謝する。きっと故人もそう思っているだろう」
 そこまで言って少し間を開けてまた話し始める。
「ギルスは昔から冒険者ギルドへ勧誘していた。そして数日前にやっと首を縦に振ったというのに、実験中の事故という形で、この才のある若者が死んでしまった事は非常に残念で、非常に無念である」
 ルーは泣き始めていた。おそらくまた唐辛子をちぎった手で目をこすったのだろう。ユモトも雰囲気に流されて少し泣きそうになる。
「ギルドの仲間となって日は浅いが、ギルスの店で世話になった者も多いことだろう。そういった意味ではギルスは昔から私達の良き仲間であったと言える」
「ギルスの安らかな眠りと冥福を祈って黙祷」
 参列者達は皆、手を組んで目をつむり、両手を組んで祈りを捧げた。その後は1人、また1人棺桶に花を入れながらギルスへ最後のお別れの挨拶をする。
 泣きながら花を入れる人々を見ると、ギルスの人の良さと慕われていることがよく分かった。
 そして、そんな人達を騙していることにムツヤ達は心が痛む。
 棺桶の蓋が閉められると、男達が棺桶を担いで町の外の墓地へと歩く。1つ空いた大きな穴に棺桶を入れて皆で土を被せた。そしてまた黙祷をする。
 これでギルスはこの世にいない者となった。