お見合いで一目惚れ!? 6話
ー/ー かぁ、と耳まで真っ赤になったレオンハルトさまに、にっこりと微笑む。
婚約を白紙にしてくれてありがとうございます、陛下!
そしてありがとう、ダニエル殿下とアデーレ! あなたたちのおかげで、こんなに格好いい人とお見合いできました!
ダニエル殿下と結婚してから出会っていたら、悲惨だったわ。私が!
それにしても、耳まで赤くなっているレオンハルトさま……照れていらっしゃる?
女性とあまり接してこなかったから……?
「ええと、その、こ、光栄です」
あまりにも真っ赤でまるで熟れたトマトのよう。
――でも、なんだか可愛く見えちゃうのよねぇ、レオンハルトさま。
まさか婚約を白紙にしてからすぐに、こんな出逢いがあるとは思わないじゃない?
照れ隠しのように花を眺める彼に、私は小さく笑みを浮かべる。
目の前にはイケメン、横を見ればきれいに咲き誇る薔薇。
なんだか良いシチュエーションね。
「失礼いたします。フォルクヴァルツ辺境伯さま、お嬢さま、お茶とお菓子をご用意しました」
「ありがとう。ちょうど喉が渇いていたの」
「あ、ありがとうございます」
頼んでいたお茶とお菓子を用意してくれたメイドが、レオンハルトさまの言葉に目を大きく見開いた。きっと、お礼を伝えられるとは思わなかったのだろう。
メイドはすぐに柔らかく目元を細めて「いえ」と頭を下げ、手際よくお茶とお茶菓子をテーブルに広げる。
「なにかご用でしたら、いつでもお呼びください」
「ええ、そうするわ」
メイドが一礼して去っていく。その姿を見送り、カップへと手を伸ばした。
お茶を一口。
喉が渇いていたから、水分が身体に広がっていくのを感じ、ほっと息を吐く。
レオンハルトさまもお茶を飲み、なにかに気付いたように顔を上げた。
「これは……ローズティーですか?」
「はい。お口に合いますか?」
「こういうものはあまり飲んだことがないのですが……、思ったよりも、飲みやすいのですね」
仕事中、どんなお茶を飲んでいるのかしら? いや、もしかしたらコーヒーかもしれない。
「良かった。ハーブティーには好みがあるので、レオンハルトさまのお口に合ったのなら、嬉しいですわ」
見た目も香りも華やかなハーブティーだし、味に関しては本当に好みとしか言えないから……
レオンハルトさまはクッキーに手を伸ばして、さくりと食べた。
幸せそうに食べる人だなぁと、新しい発見に思わず口元が緩んでしまう。
こうしてまったりとした時間を過ごすのも悪くないけれど、その前に必要なことを済ませないとね。
「レオンハルトさま、現実的なお話をしましょう」
「現実的な、ですか?」
「はい。レオンハルトさまは王都にいつまで滞在できますか? 私は学園も卒業したので、少し羽を伸ばしてからレームクール領に戻るつもりでした」
あ、という顔になったレオンハルトさま。
学園を卒業したばかりだから、王都で少し羽を伸ばして、それから家族と一緒にレームクール領に戻ってそこでのんびりと恋を探す予定だった。
――でも、せっかくレオンハルトさまとお見合いしたのだもの。
彼は、ダニエル殿下とは違い、私に対して真剣に向き合ってくれるんじゃないか、という淡い期待を抱いている。
とくん、とくんと彼を見るだけで胸がときめくの。――やっぱり一目惚れなのかもしれない。
私ってもしかして惚れっぽい女だったのかしら?
領地に帰って、ゆっくりとダニエル殿下から受けた心の傷を癒して、次の恋はとびきり素敵な恋にしようと……そう考えていたのに。
「父に領主代理を頼んでいるので、長くて一ヶ月は王都にいられる予定です」
「まぁ、そんなに長く?」
「はい。これを機に、王都を見てこいと――そう、言われていたので。……ずっと、戦ってばかりだったので……観光でもしてこい、と」
眉を下げて微笑む姿を見て、きゅっと胸が締め付けられた。
フォルクヴァルツは魔物からも他国からも狙われやすい。
フォルクヴァルツの防衛戦の話題は、たまに王都にも流れてきていたけれど、大体終わってからの情報だったのよね……
「……ずっと、この国を守ってくださって、ありがとうございます」
心から、その言葉が出た。
彼らの国に対する忠誠心がなければ、この国はいつ他国に攻め入られていたかわからない。
「――それがフォルクヴァルツの仕事ですから」
凛とした、声だった。
国を守れることを、誇りに思っているのがわかる。
――どんなにつらいことがあっても、きっと乗り越えていくんだろう。
「あなたはとても……まぶしい方ですね」
「オレがまぶしい、ですか?」
目を丸くするレオンハルトさまに、小さくうなずく。
「ええ、とても。そして、とても素晴らしい方だと、思います」
「あ、あの、今日はこの辺で失礼しますね。お茶とお茶菓子、ありがとうございました」
顔をますます赤らめたレオンハルトさまは、一気にお茶を飲み干して去っていってしまった。
……照れさせすぎちゃったのかしら?
でも、きっとまたすぐに会える……そんな予感がするの。
うん、やっぱりダニエル殿下よりも、レオンハルトさまのほうに心が傾いているのがわかる。
――やっぱり、これが一目惚れってやつなのかしらね?
婚約を白紙にしてくれてありがとうございます、陛下!
そしてありがとう、ダニエル殿下とアデーレ! あなたたちのおかげで、こんなに格好いい人とお見合いできました!
ダニエル殿下と結婚してから出会っていたら、悲惨だったわ。私が!
それにしても、耳まで赤くなっているレオンハルトさま……照れていらっしゃる?
女性とあまり接してこなかったから……?
「ええと、その、こ、光栄です」
あまりにも真っ赤でまるで熟れたトマトのよう。
――でも、なんだか可愛く見えちゃうのよねぇ、レオンハルトさま。
まさか婚約を白紙にしてからすぐに、こんな出逢いがあるとは思わないじゃない?
照れ隠しのように花を眺める彼に、私は小さく笑みを浮かべる。
目の前にはイケメン、横を見ればきれいに咲き誇る薔薇。
なんだか良いシチュエーションね。
「失礼いたします。フォルクヴァルツ辺境伯さま、お嬢さま、お茶とお菓子をご用意しました」
「ありがとう。ちょうど喉が渇いていたの」
「あ、ありがとうございます」
頼んでいたお茶とお菓子を用意してくれたメイドが、レオンハルトさまの言葉に目を大きく見開いた。きっと、お礼を伝えられるとは思わなかったのだろう。
メイドはすぐに柔らかく目元を細めて「いえ」と頭を下げ、手際よくお茶とお茶菓子をテーブルに広げる。
「なにかご用でしたら、いつでもお呼びください」
「ええ、そうするわ」
メイドが一礼して去っていく。その姿を見送り、カップへと手を伸ばした。
お茶を一口。
喉が渇いていたから、水分が身体に広がっていくのを感じ、ほっと息を吐く。
レオンハルトさまもお茶を飲み、なにかに気付いたように顔を上げた。
「これは……ローズティーですか?」
「はい。お口に合いますか?」
「こういうものはあまり飲んだことがないのですが……、思ったよりも、飲みやすいのですね」
仕事中、どんなお茶を飲んでいるのかしら? いや、もしかしたらコーヒーかもしれない。
「良かった。ハーブティーには好みがあるので、レオンハルトさまのお口に合ったのなら、嬉しいですわ」
見た目も香りも華やかなハーブティーだし、味に関しては本当に好みとしか言えないから……
レオンハルトさまはクッキーに手を伸ばして、さくりと食べた。
幸せそうに食べる人だなぁと、新しい発見に思わず口元が緩んでしまう。
こうしてまったりとした時間を過ごすのも悪くないけれど、その前に必要なことを済ませないとね。
「レオンハルトさま、現実的なお話をしましょう」
「現実的な、ですか?」
「はい。レオンハルトさまは王都にいつまで滞在できますか? 私は学園も卒業したので、少し羽を伸ばしてからレームクール領に戻るつもりでした」
あ、という顔になったレオンハルトさま。
学園を卒業したばかりだから、王都で少し羽を伸ばして、それから家族と一緒にレームクール領に戻ってそこでのんびりと恋を探す予定だった。
――でも、せっかくレオンハルトさまとお見合いしたのだもの。
彼は、ダニエル殿下とは違い、私に対して真剣に向き合ってくれるんじゃないか、という淡い期待を抱いている。
とくん、とくんと彼を見るだけで胸がときめくの。――やっぱり一目惚れなのかもしれない。
私ってもしかして惚れっぽい女だったのかしら?
領地に帰って、ゆっくりとダニエル殿下から受けた心の傷を癒して、次の恋はとびきり素敵な恋にしようと……そう考えていたのに。
「父に領主代理を頼んでいるので、長くて一ヶ月は王都にいられる予定です」
「まぁ、そんなに長く?」
「はい。これを機に、王都を見てこいと――そう、言われていたので。……ずっと、戦ってばかりだったので……観光でもしてこい、と」
眉を下げて微笑む姿を見て、きゅっと胸が締め付けられた。
フォルクヴァルツは魔物からも他国からも狙われやすい。
フォルクヴァルツの防衛戦の話題は、たまに王都にも流れてきていたけれど、大体終わってからの情報だったのよね……
「……ずっと、この国を守ってくださって、ありがとうございます」
心から、その言葉が出た。
彼らの国に対する忠誠心がなければ、この国はいつ他国に攻め入られていたかわからない。
「――それがフォルクヴァルツの仕事ですから」
凛とした、声だった。
国を守れることを、誇りに思っているのがわかる。
――どんなにつらいことがあっても、きっと乗り越えていくんだろう。
「あなたはとても……まぶしい方ですね」
「オレがまぶしい、ですか?」
目を丸くするレオンハルトさまに、小さくうなずく。
「ええ、とても。そして、とても素晴らしい方だと、思います」
「あ、あの、今日はこの辺で失礼しますね。お茶とお茶菓子、ありがとうございました」
顔をますます赤らめたレオンハルトさまは、一気にお茶を飲み干して去っていってしまった。
……照れさせすぎちゃったのかしら?
でも、きっとまたすぐに会える……そんな予感がするの。
うん、やっぱりダニエル殿下よりも、レオンハルトさまのほうに心が傾いているのがわかる。
――やっぱり、これが一目惚れってやつなのかしらね?
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
かぁ、と耳まで真っ赤になったレオンハルトさまに、にっこりと微笑む。
婚約を白紙にしてくれてありがとうございます、陛下!
そしてありがとう、ダニエル殿下とアデーレ! あなたたちのおかげで、こんなに格好いい人とお見合いできました!
ダニエル殿下と結婚してから出会っていたら、悲惨だったわ。私が!
それにしても、耳まで赤くなっているレオンハルトさま……照れていらっしゃる?
女性とあまり接してこなかったから……?
「ええと、その、こ、光栄です」
あまりにも真っ赤でまるで熟れたトマトのよう。
――でも、なんだか可愛く見えちゃうのよねぇ、レオンハルトさま。
まさか婚約を白紙にしてからすぐに、こんな出逢いがあるとは思わないじゃない?
照れ隠しのように花を眺める彼に、私は小さく笑みを浮かべる。
目の前にはイケメン、横を見ればきれいに咲き誇る薔薇。
なんだか良いシチュエーションね。
「失礼いたします。フォルクヴァルツ辺境伯さま、お嬢さま、お茶とお菓子をご用意しました」
「ありがとう。ちょうど喉が渇いていたの」
「あ、ありがとうございます」
「ありがとう。ちょうど喉が渇いていたの」
「あ、ありがとうございます」
頼んでいたお茶とお菓子を用意してくれたメイドが、レオンハルトさまの言葉に目を大きく見開いた。きっと、お礼を伝えられるとは思わなかったのだろう。
メイドはすぐに柔らかく目元を細めて「いえ」と頭を下げ、手際よくお茶とお茶菓子をテーブルに広げる。
「なにかご用でしたら、いつでもお呼びください」
「ええ、そうするわ」
「ええ、そうするわ」
メイドが一礼して去っていく。その姿を見送り、カップへと手を伸ばした。
お茶を一口。
喉が渇いていたから、水分が身体に広がっていくのを感じ、ほっと息を吐く。
レオンハルトさまもお茶を飲み、なにかに気付いたように顔を上げた。
「これは……ローズティーですか?」
「はい。お口に合いますか?」
「こういうものはあまり飲んだことがないのですが……、思ったよりも、飲みやすいのですね」
「はい。お口に合いますか?」
「こういうものはあまり飲んだことがないのですが……、思ったよりも、飲みやすいのですね」
仕事中、どんなお茶を飲んでいるのかしら? いや、もしかしたらコーヒーかもしれない。
「良かった。ハーブティーには好みがあるので、レオンハルトさまのお口に合ったのなら、嬉しいですわ」
見た目も香りも華やかなハーブティーだし、味に関しては本当に好みとしか言えないから……
レオンハルトさまはクッキーに手を伸ばして、さくりと食べた。
幸せそうに食べる人だなぁと、新しい発見に思わず口元が緩んでしまう。
こうしてまったりとした時間を過ごすのも悪くないけれど、その前に必要なことを済ませないとね。
「レオンハルトさま、現実的なお話をしましょう」
「現実的な、ですか?」
「はい。レオンハルトさまは王都にいつまで滞在できますか? 私は学園も卒業したので、少し羽を伸ばしてからレームクール領に戻るつもりでした」
「現実的な、ですか?」
「はい。レオンハルトさまは王都にいつまで滞在できますか? 私は学園も卒業したので、少し羽を伸ばしてからレームクール領に戻るつもりでした」
あ、という顔になったレオンハルトさま。
学園を卒業したばかりだから、王都で少し羽を伸ばして、それから家族と一緒にレームクール領に戻ってそこでのんびりと恋を探す予定だった。
――でも、せっかくレオンハルトさまとお見合いしたのだもの。
彼は、ダニエル殿下とは違い、私に対して真剣に向き合ってくれるんじゃないか、という淡い期待を抱いている。
とくん、とくんと彼を見るだけで胸がときめくの。――やっぱり一目惚れなのかもしれない。
私ってもしかして惚れっぽい女だったのかしら?
領地に帰って、ゆっくりとダニエル殿下から受けた心の傷を癒して、次の恋はとびきり素敵な恋にしようと……そう考えていたのに。
「父に領主代理を頼んでいるので、長くて一ヶ月は王都にいられる予定です」
「まぁ、そんなに長く?」
「はい。これを機に、王都を見てこいと――そう、言われていたので。……ずっと、戦ってばかりだったので……観光でもしてこい、と」
「まぁ、そんなに長く?」
「はい。これを機に、王都を見てこいと――そう、言われていたので。……ずっと、戦ってばかりだったので……観光でもしてこい、と」
眉を下げて微笑む姿を見て、きゅっと胸が締め付けられた。
フォルクヴァルツは魔物からも他国からも狙われやすい。
フォルクヴァルツの防衛戦の話題は、たまに王都にも流れてきていたけれど、大体終わってからの情報だったのよね……
「……ずっと、この国を守ってくださって、ありがとうございます」
心から、その言葉が出た。
彼らの国に対する忠誠心がなければ、この国はいつ他国に攻め入られていたかわからない。
「――それがフォルクヴァルツの仕事ですから」
凛とした、声だった。
国を守れることを、誇りに思っているのがわかる。
――どんなにつらいことがあっても、きっと乗り越えていくんだろう。
「あなたはとても……まぶしい方ですね」
「オレがまぶしい、ですか?」
「オレがまぶしい、ですか?」
目を丸くするレオンハルトさまに、小さくうなずく。
「ええ、とても。そして、とても素晴らしい方だと、思います」
「あ、あの、今日はこの辺で失礼しますね。お茶とお茶菓子、ありがとうございました」
「あ、あの、今日はこの辺で失礼しますね。お茶とお茶菓子、ありがとうございました」
顔をますます赤らめたレオンハルトさまは、一気にお茶を飲み干して去っていってしまった。
……照れさせすぎちゃったのかしら?
でも、きっとまたすぐに会える……そんな予感がするの。
うん、やっぱりダニエル殿下よりも、レオンハルトさまのほうに心が傾いているのがわかる。
――やっぱり、これが一目惚れってやつなのかしらね?