10ないてた
ー/ー 怪我をしてから一週間とちょっと。テーピングなしで生活できるようになった。病院からは少しずつ運動して慣らすように言われて、またひねるんじゃないかと怯えていたが、案外すぐ元の調子に戻れそうな気がした。レギュラー決めをする前で本当に良かった。
怜の言う通り、俺が心配しすぎだったのかもしれない。
部活では、いつもペアを組んでた吉田に「寂しかったぞー」と泣きつかれた。俺がいない間は部長がペアだったらしい。
俺は復帰初日ということもあって、走り込みや軽く筋トレから参加した。練習後の後片付けを通りこなしていると、いつもの日常に戻れたようでホッとした。
飛んで散らばったボールを集めていると、校舎入口の近くに女の子といる部長がいるのが見えた。仲がいいのか、女の子は部長の肩を叩いたりして笑っていた。三年生のように見えるので、クラスメイトだろうか。怜には見せたくないな、と思った。
その後数日、部活後の片付けの度に部長と女の子が一緒にいるのが目に付いた。もしかして待ち合わせでもしてるのだろうか。俺が負傷してる間に何が起きたんだろう。
ボールを抱えたまま俺は立ち尽くし、二人が歩いてどこかに行くのを見送った。
俺は誰かと付き合った経験がないからわからないけれど、待ち合わせしてるぐらいでは浮気にはならないはずだ。でもなんだか嫌な気分だ。
俺は朝の美化委員の仕事中、津田先輩に探りをいれてみることにした。
「先輩。中村部長って彼女いるんですか?」
「え?いないと思うけど?」
「実は、毎日部長が女の子と待ち合わせてるの見かけるんですよね」
津田先輩は、声を上げ本気で驚いていた。しかし、何が思い当たることがあったようで一瞬考えこむ。
「もしかしたらそれ大塚さんかも。中村と同じ高校が受験先だって話してたから、一緒に勉強でもしてるんじゃない?」
そういうこともあるのか。ただやっぱり二人の様子を思い出すと、納得できない気持ちになる。俺は怜と部長のことはもう気にしないと決めたのに、部活後こっそり部長の後をつけることにした。
部活が終わり、ぽつぽつと下校する運動部に紛れて待ち合わせる中村部長と大塚さんを見つける。
二人は学校の近くの図書館に入っていった。津田先輩の見立て通り、勉強しに来ているようだ。
俺は適当な本を手に取ると、二人の後ろの席に座った。部長達はいたって静かに勉強している。時々分からないところを質問し合うのか、お互いの手元を見合っていた。だが妙に距離が近い。特に大塚さんが先部長の方を向くと、くっついてると言ってもいいほどだ。
動悸がした。
こんなの見なければ良かった。何故か怜より先に、俺の方がダメージを受けてしまったようだ。俺はその場に居るのが急に馬鹿らしくなって図書館を出る。
空調の効いた室内から外に出ると、急にぬるい空気になって憂鬱になった。
女の子の方がいいなら、なんで怜にキスなんかしたんだ。俺には全く理解できなかった。
怜の言う通り、俺が心配しすぎだったのかもしれない。
部活では、いつもペアを組んでた吉田に「寂しかったぞー」と泣きつかれた。俺がいない間は部長がペアだったらしい。
俺は復帰初日ということもあって、走り込みや軽く筋トレから参加した。練習後の後片付けを通りこなしていると、いつもの日常に戻れたようでホッとした。
飛んで散らばったボールを集めていると、校舎入口の近くに女の子といる部長がいるのが見えた。仲がいいのか、女の子は部長の肩を叩いたりして笑っていた。三年生のように見えるので、クラスメイトだろうか。怜には見せたくないな、と思った。
その後数日、部活後の片付けの度に部長と女の子が一緒にいるのが目に付いた。もしかして待ち合わせでもしてるのだろうか。俺が負傷してる間に何が起きたんだろう。
ボールを抱えたまま俺は立ち尽くし、二人が歩いてどこかに行くのを見送った。
俺は誰かと付き合った経験がないからわからないけれど、待ち合わせしてるぐらいでは浮気にはならないはずだ。でもなんだか嫌な気分だ。
俺は朝の美化委員の仕事中、津田先輩に探りをいれてみることにした。
「先輩。中村部長って彼女いるんですか?」
「え?いないと思うけど?」
「実は、毎日部長が女の子と待ち合わせてるの見かけるんですよね」
津田先輩は、声を上げ本気で驚いていた。しかし、何が思い当たることがあったようで一瞬考えこむ。
「もしかしたらそれ大塚さんかも。中村と同じ高校が受験先だって話してたから、一緒に勉強でもしてるんじゃない?」
そういうこともあるのか。ただやっぱり二人の様子を思い出すと、納得できない気持ちになる。俺は怜と部長のことはもう気にしないと決めたのに、部活後こっそり部長の後をつけることにした。
部活が終わり、ぽつぽつと下校する運動部に紛れて待ち合わせる中村部長と大塚さんを見つける。
二人は学校の近くの図書館に入っていった。津田先輩の見立て通り、勉強しに来ているようだ。
俺は適当な本を手に取ると、二人の後ろの席に座った。部長達はいたって静かに勉強している。時々分からないところを質問し合うのか、お互いの手元を見合っていた。だが妙に距離が近い。特に大塚さんが先部長の方を向くと、くっついてると言ってもいいほどだ。
動悸がした。
こんなの見なければ良かった。何故か怜より先に、俺の方がダメージを受けてしまったようだ。俺はその場に居るのが急に馬鹿らしくなって図書館を出る。
空調の効いた室内から外に出ると、急にぬるい空気になって憂鬱になった。
女の子の方がいいなら、なんで怜にキスなんかしたんだ。俺には全く理解できなかった。
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