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第6話:認識の瞬間、あるいは磨耗した軌道の外へ

ー/ー



「残念ながら、出かけるんだ」

と答えた。

「でも無駄じゃない。また別の週末がある」

その言葉に、口の端がまたわずかに上がった。

タカシは黙ってこの微妙な気分の変化を観察していた。心の底では騙されなかった。この「出かける」というのは、年上の同僚がまた言い訳を使っているだけで、彼を悩ませているものから逃げているのだと固く信じていた。相沢がまるで鎧のように内側に纏い続けている、あの根本的な悲しみから。

「でも、また繰り返すって約束してください」

とやがて若者が沈黙を破りながら言った。半階段で立ち止まり、まっすぐ目を見た。

「次の機会にな」

『実際……悪くなかった』

と相沢は突然温かい戸惑いを感じながら思った。

「では財政的な頂点を征服しに行きましょう!」

とタカシは両腕を上げて取り戻したエネルギーで階段を駆け上がった。

『いつも通りの変な奴だ』

と相沢は口の中で微笑みながら後に続いた。

仕事での一日は驚くほど速く過ぎた。最近の殺人的な週たちの後、早めにオフィスを出ることができ、それは本当に嬉しい変化だった。電話で電車の時刻を確認した——次の便は数分後だった。

『一時間多く眠れる』

とこの単純な数学的計算が嬉しかった。昨日のバーの夜の疲れがまだ体に残っていた。

駅ではよくあくびをして、プラットフォームで待つ何人かの人に移してしまった。車両は普段のこの時間より空いていて、窓際の空席を楽に見つけた。疲れた目で暗闇の中で瞬く光を見つめた。

夜の電車での帰りには独特の魅力があった。これらの鋭いコントラスト——清潔な光とインクのような黒、車両の温もりと窓の外の冷たい空虚——は、一方は他方なしに存在しないことを思い起こさせた。遠い星々でさえ、すべてを絶対的な静けさで眺めているようだった。

スピーカーの機械的な声が彼の駅を告げた。席から立ち上がって、少数の他の乗客とともに出口へ向かった。ブレーキの音、ドアの開くシューという音、家までの慣れた短い散歩。辺りはすっかり深い静寂に沈んでいた。乗り合わせた乗客たちの人影がたちまち暗闇に溶けていった。

相沢はいつもの場所に立ち止まってタバコに火をつけた。夕方の寒さが迷い込んだ通行人に容赦なく牙を剥いていた。冷たい風の突風が骨の髄まで刺し込んだ。風に背を向けて、どうにかタバコを吸い終えてから、吸い殻を街の灰皿付きゴミ箱に投げ込んだ。凍えながら、アパートに向かって歩き始めた。

公園の路地はさらに強い風が吹いていた。この裏切りのような秋の季節が嫌いだった。朝は軽いジャケットで出かけられるのに、夜にはもう厚い冬のコートが必要になる。

帰ってからは何も食べなかった。素早い温かいシャワーを浴びただけだった。バスルームを出てアパートの軽い散らかり具合に目が止まった。

『祖父母から戻ったら掃除しないと』

と思った。

布団に潜り込み、電話のアラームが設定されているかをいつも通り確認して、ほぼ即座に眠り込んだ。

惰眠からの本当の目覚めはようやく土曜の朝に訪れた。週に数少ない好きなだけ眠れる日の一つだったが、運命は全く違う計画を持っていた。しつこく大きく鳴る電話の着信音が目を覚まさせた。相沢は手探りで枕元のテーブルを探り、画面の緑のアイコンを押した。

「もしもし……?」

とベッドの端に重くもたれかかりながら、しゃがれた声で答えた。

「もしもし、相沢? 何時に来るの?」

と受話器の向こうから異様に元気なおばあちゃんの声が聞こえた。

「ええと……わからない。多分十一時くらい」

「なんで十一時? もう電車に乗ってるの?」

「いや、まだ……今何時?」

「十時十二分よ」

この情報が電流のように体を走った。眠気が一瞬で消え飛び、突然のパニックに取って代わられた。当初の計画よりずっと長く眠っていた。

「正直に言うと、今起こしてもらったばかり。もっと早いと思ってた。出かけたら連絡する」

と目を擦りながら受話器に向かってぼやいた。

「わかった、急いで用意して。電話待ってるから」

おばあちゃんは彼の返事も待たずに電話を切った。

「十時十二分か……」

と独りごちてから、力なくマットレスの上に仰向けに倒れ込んだ。

その時、戻ってきた。夢が。

謎の夢の記憶が全力で打ちのめした。また彼女がいた。同じ白いワンピースを着て砂場で遊んでいる、同じ少女。しかし今回はまったく違っていた。いつも端に立っていた。完全に透明で、彼女には気づかれていなかった。

今回は、彼女の頭がゆっくりとこちらに向いた。まっすぐ目を見た。唇が声もなく動き、しかし頭の中でクリスタルのように澄んだ声で一つの言葉が聞こえた。

「相沢」

それは問いではなかった。

確認だった。初めて、ただの無言の傍観者ではなかった。気づかれた。

そこに横たわりながら、まだこの発見に頭がくらくらしていると、激しい咳の発作が来た。肺を吐き出しそうになるほど強烈だった。ベッドで丸くなり、痛みを伴う痙攣が弱まるのを待ってから、さらに何度か咳をした。体が痛く疲れていたが、待っている祖父母のことを思うと諦める気にはなれなかった。起き上がるよう自分に気合を入れた。寝ぼけた目を擦りながら、重い足でバスルームに向かった。

顔に浴びた冷水はその疲れにはほとんど効果がなかったのでシャワーをひねった。冷たい流れが肌を打ち、激しい震えが走った。

『つめた!』

と温度を必死で調整しながら思った。

ようやく完璧な温度に設定できたとき、頭を垂れて温かい流れが体を自由に流れるままにした。ウォーターパークと強い水圧のマッサージを思い出した。あれほど好きだったものだ。何年前のことだろう。十年? 最後に体がこれほど強く屈託なく感じた時がいつかを覚えていなかった。

しっかりとした朝食は諦めた。ヨーグルトを素早く食べただけだった。おばあちゃんのところに着けば料理の饗宴が待っているとわかっていたから、それに太刀打ちしようとは思わなかった。準備を始めた。清潔なシャツとズボンにアイロンをかけ、最後に靴を丁寧に磨いて、久しく失われていた輝きを取り戻した。

手ぶらでは行けなかった、こんなに長い間ご無沙汰したのだから。電話で電車の時刻を調べた。四十分あった。ちょうど途中でおばあちゃんへの花束と、おじいちゃんへの良いウィスキーを買うのに十分な時間だった。花屋は道順ではなかったが、一瞬も迷わなかった。十五分後に黄色と白の水仙の束を抱えて店を出た。しばらくして紙袋の中、花束のすぐそばに老人のお気に入りのウィスキーが収まっていた。すべて揃った。

電車の四分前に駅に着いた。朝のタバコを吸う時間はなかった。地下道を通って反対側のホームへ。今まで一度も待ったことのない場所に立った。奇妙な刺しのような感覚があった——まるで一瞬、自分自身のすり切れた軌道から、その果てしない職場と家の往復から抜け出したかのように。今日は反対方向に向かっていた。

構内放送が流れた。相沢はふと気づいた——家族の訪問を考えただけでいつも起きていた、あの神経を締め付けるような胃の締め付けが全く感じられないことを。タカシとの率直な会話の後に、何かが彼の中でついに壊れた。日常の不安を鎮めたその同じ力が、夢の中の何かも動かしたのではないかと思った。

物思いから引き戻したのは、近づいてくる電車の金属的な軋みだった。

旅は約一時間かかった。週末の車両はほぼがらんどうだった。空席が見つかった。荷物を上の棚に入れて、祖父母へのプレゼントの袋だけ手元に残した。窓の外では、鋭い陽光にもかかわらず、寒さが木の葉にすでに最初の秋の色を描き始めていた。花束に目を留め、そっと袋から取り出した。花を手に持ったまま、また窓の外を見た。赤、オレンジ、黄色の穏やかな色合いが、彼にとってはただぼんやりとした背景に過ぎなかった。意識のすべてが別のところへ飛んでいた——再び現れた少女が待つ、その未知の内なる場所へ。彼女が誰なのかまだわからなかったが、一つだけ確かだった。今回初めて、彼女は接触を求めていた。

『そもそも夢とは何なのだろう』

と窓の外に虚ろな目を向けながら思った。

『どこへ連れて行くのか。もし偶然の映像ではなく、体から離れた魂が全く別の次元を彷徨う本当の旅だとしたら?』

ラベンダーの淡い香りと布地の静かなざわめきが、突然物思いから引き戻した。


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「残念ながら、出かけるんだ」
と答えた。
「でも無駄じゃない。また別の週末がある」
その言葉に、口の端がまたわずかに上がった。
タカシは黙ってこの微妙な気分の変化を観察していた。心の底では騙されなかった。この「出かける」というのは、年上の同僚がまた言い訳を使っているだけで、彼を悩ませているものから逃げているのだと固く信じていた。相沢がまるで鎧のように内側に纏い続けている、あの根本的な悲しみから。
「でも、また繰り返すって約束してください」
とやがて若者が沈黙を破りながら言った。半階段で立ち止まり、まっすぐ目を見た。
「次の機会にな」
『実際……悪くなかった』
と相沢は突然温かい戸惑いを感じながら思った。
「では財政的な頂点を征服しに行きましょう!」
とタカシは両腕を上げて取り戻したエネルギーで階段を駆け上がった。
『いつも通りの変な奴だ』
と相沢は口の中で微笑みながら後に続いた。
仕事での一日は驚くほど速く過ぎた。最近の殺人的な週たちの後、早めにオフィスを出ることができ、それは本当に嬉しい変化だった。電話で電車の時刻を確認した——次の便は数分後だった。
『一時間多く眠れる』
とこの単純な数学的計算が嬉しかった。昨日のバーの夜の疲れがまだ体に残っていた。
駅ではよくあくびをして、プラットフォームで待つ何人かの人に移してしまった。車両は普段のこの時間より空いていて、窓際の空席を楽に見つけた。疲れた目で暗闇の中で瞬く光を見つめた。
夜の電車での帰りには独特の魅力があった。これらの鋭いコントラスト——清潔な光とインクのような黒、車両の温もりと窓の外の冷たい空虚——は、一方は他方なしに存在しないことを思い起こさせた。遠い星々でさえ、すべてを絶対的な静けさで眺めているようだった。
スピーカーの機械的な声が彼の駅を告げた。席から立ち上がって、少数の他の乗客とともに出口へ向かった。ブレーキの音、ドアの開くシューという音、家までの慣れた短い散歩。辺りはすっかり深い静寂に沈んでいた。乗り合わせた乗客たちの人影がたちまち暗闇に溶けていった。
相沢はいつもの場所に立ち止まってタバコに火をつけた。夕方の寒さが迷い込んだ通行人に容赦なく牙を剥いていた。冷たい風の突風が骨の髄まで刺し込んだ。風に背を向けて、どうにかタバコを吸い終えてから、吸い殻を街の灰皿付きゴミ箱に投げ込んだ。凍えながら、アパートに向かって歩き始めた。
公園の路地はさらに強い風が吹いていた。この裏切りのような秋の季節が嫌いだった。朝は軽いジャケットで出かけられるのに、夜にはもう厚い冬のコートが必要になる。
帰ってからは何も食べなかった。素早い温かいシャワーを浴びただけだった。バスルームを出てアパートの軽い散らかり具合に目が止まった。
『祖父母から戻ったら掃除しないと』
と思った。
布団に潜り込み、電話のアラームが設定されているかをいつも通り確認して、ほぼ即座に眠り込んだ。
惰眠からの本当の目覚めはようやく土曜の朝に訪れた。週に数少ない好きなだけ眠れる日の一つだったが、運命は全く違う計画を持っていた。しつこく大きく鳴る電話の着信音が目を覚まさせた。相沢は手探りで枕元のテーブルを探り、画面の緑のアイコンを押した。
「もしもし……?」
とベッドの端に重くもたれかかりながら、しゃがれた声で答えた。
「もしもし、相沢? 何時に来るの?」
と受話器の向こうから異様に元気なおばあちゃんの声が聞こえた。
「ええと……わからない。多分十一時くらい」
「なんで十一時? もう電車に乗ってるの?」
「いや、まだ……今何時?」
「十時十二分よ」
この情報が電流のように体を走った。眠気が一瞬で消え飛び、突然のパニックに取って代わられた。当初の計画よりずっと長く眠っていた。
「正直に言うと、今起こしてもらったばかり。もっと早いと思ってた。出かけたら連絡する」
と目を擦りながら受話器に向かってぼやいた。
「わかった、急いで用意して。電話待ってるから」
おばあちゃんは彼の返事も待たずに電話を切った。
「十時十二分か……」
と独りごちてから、力なくマットレスの上に仰向けに倒れ込んだ。
その時、戻ってきた。夢が。
謎の夢の記憶が全力で打ちのめした。また彼女がいた。同じ白いワンピースを着て砂場で遊んでいる、同じ少女。しかし今回はまったく違っていた。いつも端に立っていた。完全に透明で、彼女には気づかれていなかった。
今回は、彼女の頭がゆっくりとこちらに向いた。まっすぐ目を見た。唇が声もなく動き、しかし頭の中でクリスタルのように澄んだ声で一つの言葉が聞こえた。
「相沢」
それは問いではなかった。
確認だった。初めて、ただの無言の傍観者ではなかった。気づかれた。
そこに横たわりながら、まだこの発見に頭がくらくらしていると、激しい咳の発作が来た。肺を吐き出しそうになるほど強烈だった。ベッドで丸くなり、痛みを伴う痙攣が弱まるのを待ってから、さらに何度か咳をした。体が痛く疲れていたが、待っている祖父母のことを思うと諦める気にはなれなかった。起き上がるよう自分に気合を入れた。寝ぼけた目を擦りながら、重い足でバスルームに向かった。
顔に浴びた冷水はその疲れにはほとんど効果がなかったのでシャワーをひねった。冷たい流れが肌を打ち、激しい震えが走った。
『つめた!』
と温度を必死で調整しながら思った。
ようやく完璧な温度に設定できたとき、頭を垂れて温かい流れが体を自由に流れるままにした。ウォーターパークと強い水圧のマッサージを思い出した。あれほど好きだったものだ。何年前のことだろう。十年? 最後に体がこれほど強く屈託なく感じた時がいつかを覚えていなかった。
しっかりとした朝食は諦めた。ヨーグルトを素早く食べただけだった。おばあちゃんのところに着けば料理の饗宴が待っているとわかっていたから、それに太刀打ちしようとは思わなかった。準備を始めた。清潔なシャツとズボンにアイロンをかけ、最後に靴を丁寧に磨いて、久しく失われていた輝きを取り戻した。
手ぶらでは行けなかった、こんなに長い間ご無沙汰したのだから。電話で電車の時刻を調べた。四十分あった。ちょうど途中でおばあちゃんへの花束と、おじいちゃんへの良いウィスキーを買うのに十分な時間だった。花屋は道順ではなかったが、一瞬も迷わなかった。十五分後に黄色と白の水仙の束を抱えて店を出た。しばらくして紙袋の中、花束のすぐそばに老人のお気に入りのウィスキーが収まっていた。すべて揃った。
電車の四分前に駅に着いた。朝のタバコを吸う時間はなかった。地下道を通って反対側のホームへ。今まで一度も待ったことのない場所に立った。奇妙な刺しのような感覚があった——まるで一瞬、自分自身のすり切れた軌道から、その果てしない職場と家の往復から抜け出したかのように。今日は反対方向に向かっていた。
構内放送が流れた。相沢はふと気づいた——家族の訪問を考えただけでいつも起きていた、あの神経を締め付けるような胃の締め付けが全く感じられないことを。タカシとの率直な会話の後に、何かが彼の中でついに壊れた。日常の不安を鎮めたその同じ力が、夢の中の何かも動かしたのではないかと思った。
物思いから引き戻したのは、近づいてくる電車の金属的な軋みだった。
旅は約一時間かかった。週末の車両はほぼがらんどうだった。空席が見つかった。荷物を上の棚に入れて、祖父母へのプレゼントの袋だけ手元に残した。窓の外では、鋭い陽光にもかかわらず、寒さが木の葉にすでに最初の秋の色を描き始めていた。花束に目を留め、そっと袋から取り出した。花を手に持ったまま、また窓の外を見た。赤、オレンジ、黄色の穏やかな色合いが、彼にとってはただぼんやりとした背景に過ぎなかった。意識のすべてが別のところへ飛んでいた——再び現れた少女が待つ、その未知の内なる場所へ。彼女が誰なのかまだわからなかったが、一つだけ確かだった。今回初めて、彼女は接触を求めていた。
『そもそも夢とは何なのだろう』
と窓の外に虚ろな目を向けながら思った。
『どこへ連れて行くのか。もし偶然の映像ではなく、体から離れた魂が全く別の次元を彷徨う本当の旅だとしたら?』
ラベンダーの淡い香りと布地の静かなざわめきが、突然物思いから引き戻した。