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【1】②

ー/ー



「断られてもいいから、せめて俺の気持ちだけでも知っててもらいたいんだよ」
 それでも祥平は、キッと前を見て覚悟決めたみたいに口開いた。

「だから明日! 俺、麻帆に告白する! 決めたんだ」
 あたしがずっと密かに恋してた幼馴染みは、あたしの前できっぱり決意表明する。
 他の、あたしじゃない女の子に告白することを。

 ──明日。明日、かぁ。

「なぁ、『好きだ。俺と付き合ってくれ!』じゃあんまり芸なさ過ぎか? でも小っちゃい頃から知ってんのに、今更カッコつけんのもどうかなって。……お前はどう思う?」
 耳ペタンと寝かせて尻尾垂らした犬みたいに、見上げるほどでっかい祥平が隣に座ったあたしの顔を覗き込んで来る。
 ああ、そっか。これ訊くために、わざわざうちまで来たんだ。

「そーだね。ヘンに小細工するよりストレートな方がいいんじゃない? ただ……」
「何? 俺、ホントに全然わかんないから。遠慮なく何でも言ってくれ! 是非、女心をレクチャーしてくれ!」
 真剣な顔で食い下がってくる祥平。
 大丈夫、麻帆はアンタのこと好きだよ。
 子どもの頃からずっと。あたし、あの子のことはよくわかってるから。さすがになんでも、とまでは行かないけど、きっと他の誰よりも詳しいよ。

「告白すんのはまあいいんじゃないの。思い切ってぶつかって、玉砕すんのも青春じゃん?」
「お前、さり気にヒドいこと言うなぁ。振られんの前提かよ」
 敢えて軽く口にしたあたしに、祥平はちょっと拗ねたような表情になった。この程度の意地悪言うくらい許されるでしょ? 何も知らない鈍いアンタにはさ。

「いや、こういう場合最悪の事態を想定して動くべきじゃない? 自信満々で崖の上から突き落とされるより、『どーせダメ元』からの逆転ハッピーのが絶対いいじゃん。気分的に」
「……まあ、な」
 ちょっと真面目な口調になったあたしに、祥平は不承不承って感じで頷いてる。

「けどさ、明日ってのはどうかなぁ。木曜日でしょ? 次の日も学校あるんだよ? 休みの日か、……せめてその前の日にした方がいいって!」
「うん、お前の言うこともわかる。断られたときとか、ちょっと時間おける方がいいんだろうし。それでも、やっぱ明日がいいんだ」
 無駄に力入ってるのは自覚してるあたしの説得に、それでも祥平の決意は揺らがないらしい。どうしても、明日でないとダメなの……?

「明日は麻帆の誕生日だからさ」
 もちろん知ってるよ。当たり前じゃん。だから言ってるんだよ。

 だって麻帆の誕生日は──。




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「断られてもいいから、せめて俺の気持ちだけでも知っててもらいたいんだよ」
 それでも祥平は、キッと前を見て覚悟決めたみたいに口開いた。
「だから明日! 俺、麻帆に告白する! 決めたんだ」
 あたしがずっと密かに恋してた幼馴染みは、あたしの前できっぱり決意表明する。
 他の、あたしじゃない女の子に告白することを。
 ──明日。明日、かぁ。
「なぁ、『好きだ。俺と付き合ってくれ!』じゃあんまり芸なさ過ぎか? でも小っちゃい頃から知ってんのに、今更カッコつけんのもどうかなって。……お前はどう思う?」
 耳ペタンと寝かせて尻尾垂らした犬みたいに、見上げるほどでっかい祥平が隣に座ったあたしの顔を覗き込んで来る。
 ああ、そっか。これ訊くために、わざわざうちまで来たんだ。
「そーだね。ヘンに小細工するよりストレートな方がいいんじゃない? ただ……」
「何? 俺、ホントに全然わかんないから。遠慮なく何でも言ってくれ! 是非、女心をレクチャーしてくれ!」
 真剣な顔で食い下がってくる祥平。
 大丈夫、麻帆はアンタのこと好きだよ。
 子どもの頃からずっと。あたし、あの子のことはよくわかってるから。さすがになんでも、とまでは行かないけど、きっと他の誰よりも詳しいよ。
「告白すんのはまあいいんじゃないの。思い切ってぶつかって、玉砕すんのも青春じゃん?」
「お前、さり気にヒドいこと言うなぁ。振られんの前提かよ」
 敢えて軽く口にしたあたしに、祥平はちょっと拗ねたような表情になった。この程度の意地悪言うくらい許されるでしょ? 何も知らない鈍いアンタにはさ。
「いや、こういう場合最悪の事態を想定して動くべきじゃない? 自信満々で崖の上から突き落とされるより、『どーせダメ元』からの逆転ハッピーのが絶対いいじゃん。気分的に」
「……まあ、な」
 ちょっと真面目な口調になったあたしに、祥平は不承不承って感じで頷いてる。
「けどさ、明日ってのはどうかなぁ。木曜日でしょ? 次の日も学校あるんだよ? 休みの日か、……せめてその前の日にした方がいいって!」
「うん、お前の言うこともわかる。断られたときとか、ちょっと時間おける方がいいんだろうし。それでも、やっぱ明日がいいんだ」
 無駄に力入ってるのは自覚してるあたしの説得に、それでも祥平の決意は揺らがないらしい。どうしても、明日でないとダメなの……?
「明日は麻帆の誕生日だからさ」
 もちろん知ってるよ。当たり前じゃん。だから言ってるんだよ。
 だって麻帆の誕生日は──。