第4話 出会いと疑問

ー/ー



 「ただいま帰りました」

 少女の声が家に響く。リベルの小拠点を潰してから数日後、セイは修練を続けながらもある少女と生活を共にしていた。

 彼女はアリス。黒の長髪の少女で12歳。リベルの小拠点に監禁され、奴隷化の実験体にされていたようだ。リベルは神への反逆を中心としたテロ行為を行うことが多いが、別の犯罪行為をすることが多くある。おそらく人間を奴隷化して戦力を強化しようとでも思っていたのだろう。

 アリスは過去の記憶もしっかりあると言っていたし、スキルとゴッドシステムも持っている。なのでそこまで世話をしなければいけないような状況でもないのだが……

 「セイ様、お菓子をご用意いたします」「セイ様、夕食の準備ができました」

 なんか懐いた。
 だが、彼女もリベルへの恨みはかなりあるはずだし、対象のスキルを強化する術式をためしてみようと思う。もちろん彼女に同意はとった。というより

 「強くなれるのならばぜひお願いしたいです! あのゴミ共を全員焼却処分しましょう!」
 とかかなり物騒なことを考えていた。一方アリスは、疑問を持っていた。
 (……おかしい。なんで、セイ様とは初対面のはずなのにこんなに懐かしい感じがするの……? ずっと一緒にいたいくらいに……
 そして、セイ様から何かが流れ込んできたような……気のせいかな?)

 『対象のゴッドシステムとの連携完了。強化元となるスキルを読み込みます……』
 『完了。レベル3EXスキル[斬り刻む者(ファストカッター)]を確認しました。シュミレート完了、スキル強化を開始します』
 『完了。接続済みゴッドシステムマスター、アリスは神話級スキル[静夜を呼ぶ者(グランド・スラスター)]を取得しました』

 セイは聞きなれた神話級という等級に対して疑問を持ち始めた。
 「……は? 神話級ってそんなにポンポンとでるもんなのか?」

 『[斬り刻む者(ファストカッター)]は元より、成長型のスキルであり、将来の可能性が大きいスキルであるため、大幅な強化が可能でした。また、成長の可能性はまだあるため、今後も成長を続けるでしょう』

 これでリベルを皆殺しにできるとわくわくしながらアリスは、自分のゴッドシステムに新スキルの効果を聞いた。

 「システムさん、それで[静夜を呼ぶ者(グランド・スラスター)]ってどんな効果なんですか?」
 するとシステムはセイのシステムよりも淡々と作業かのように説明した。

 『神話級スキル[静夜を呼ぶ者(グランド・スラスター)]は、神話級以下のすべての物体を、固有の性能を無視し切ることができます』

 「神話級ってチートスキルしかないんだな」

 セイはあきれながらも自分のスキルを強化してみることにした。

 「システム、[鳥籠]を強化できるか?」
 流石に無理があるかと別のスキルを考えた瞬間。

 『可能です』
 『神話級スキル[鳥籠]を強化します。シュミレート完了』

 「え、ちょ」
 『EX神話級スキル[赤血の鳥籠]を取得しました』
 「え」

 『強化前同様、巨大な鳥籠で対象を閉じ込め切り刻みます。しかし、強化したことにより鳥籠からの脱出がワープ等でも不可能になり、また、鳥籠内の斬撃の威力が45倍になり、数も増えた事で対象を分子レベルに切り刻む事が可能になりました』

 「えぇ…」
 もともと語彙力がないセイも、完全に語彙力を失うのであった。

 『マスターは全生物の中で最初にEX神話スキルを2つ取得しました。
 アチーブメント[神話を創りし者]を獲得しました。
 これにより、EX神話級スキル[運命(ディメンション)()支配者(ドミネーター)]を付与した神、「運命神ストラルス」との謁見が可能になりました』

 「[運命(ディメンション)()支配者(ドミネーター)]を…付与した神……?」

 「謁見しますか?」
 セイは突然の大きい選択に困惑していたが、やっとあの疑問の答えを得られる事に嬉しさもあった。

 祝福の儀式で聞いた()()()()()()()()()()()()()
 『****************』

 (俺の気にしすぎだといいのだが……)
 「ああ。謁見する」

 謁見を受け入れセイはそっと目を閉じた。しかしすぐに一瞬体が熱くなったように感じ慌てて目を開けると、そこは雲の上の世界のようで、神殿のような物がそこら中に建っていた。

 「ここだ」

 男性とも女性ともいえない中性的な声が上空から聞こえた。上を向くとそこには一目で神と分かるほど神々しく、そして偉大な存在と認識できるほどの存在がたたずんでいた。

 その神は何か面白いのか少し笑っているようだった。

 「我の存在を認識した上で跪かない生物とは珍しい! 9000年ぶりだな!」
 たしかにセイは神に対しての礼儀とか全く知らないなと思いつつ一応跪いた。

 「我こそが全ての神の頂点であり、運命神。ストラルスである」

 (え。運命神って神様の頂点なの?)
 セイはどう話し出したら良いのか全く分からなかった。

 コミュ障は関係ない。緊張だ。コミュ障は関係ない。緊張だ。大切な事だから2回言った。

 「そうあまりかしこまらんで良い! 我がお主を選んだ理由の一つでもあるしな!」

 そういえばシステムも「神が付与した」と言っていた。
 世間では、そもそもスキルは神があらかじめ何種類か用意しておいたものから、ランダムに神官を通じ与えられる。という仕組みになっていたはずだ。

 つまり、スキルの付与は神が直接行うわけではないという事だ。
 セイがこの疑問を口にする前に、ストラルスは口を開いた。

 「確かに通常のスキルはそのように与えられる。だが[支配者(ドミネーター)]系は例外だ。
 強力すぎるからな。神が直接選んだ者にしか与えられないのだ」

 確かに[支配者(ドミネーター)]系は神話級の中でもトップクラスに強力なことから納得した。

 では[永氷(アイシクル)()支配者(ドミネーター)]は?

 「それはお主の[神々の業]がオーバーランクゆえ、制約を無視する事ができたのだろう」
 そしてセイは最後に一番の疑問を投げかけた。

 「祝福の儀式に聞こえた、『()()()()()()()()()()()()()()()()』とはなんなんですか?」

 「[ゴッドシステム]ではなく、[リベルシステム]と聞こえたのはなぜですか!」

 「[リベルシステム]とは何なんですか?! なぜリベルの名が!?」

 セイは不安からか、かなり興奮してしまっていた。しかしストラルスは先ほどの気さくな表情とは打って変わり、冷たい表情で冷静に返す。

 「今はまだ知らんで良い」

 そのままセイは元の科学次元に戻されたが、セイは最後の質問に答える時の、あのストラルスの表情が忘れられなかった。どうやら謁見の間、セイは意識を失い倒れていたそうだ。
 「何かあったのですか?」
 アリスは慌てた様子でセイに事情を訊いた。

 「あ、ああ。実は……」
 セイはアリスに事情を説明した。すると突然、アリスはまるで別人になったかのように雰囲気が変わった。
 「おかしいな……あやつはそのような性格ではなかったはずじゃが……おっと失礼」

 するとすぐに普段のアリスにもどる。
 「あれっ?! 今のは……」
 (なんだか……すごく懐かしい感じがする……)


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 「ただいま帰りました」
 少女の声が家に響く。リベルの小拠点を潰してから数日後、セイは修練を続けながらもある少女と生活を共にしていた。
 彼女はアリス。黒の長髪の少女で12歳。リベルの小拠点に監禁され、奴隷化の実験体にされていたようだ。リベルは神への反逆を中心としたテロ行為を行うことが多いが、別の犯罪行為をすることが多くある。おそらく人間を奴隷化して戦力を強化しようとでも思っていたのだろう。
 アリスは過去の記憶もしっかりあると言っていたし、スキルとゴッドシステムも持っている。なのでそこまで世話をしなければいけないような状況でもないのだが……
 「セイ様、お菓子をご用意いたします」「セイ様、夕食の準備ができました」
 なんか懐いた。
 だが、彼女もリベルへの恨みはかなりあるはずだし、対象のスキルを強化する術式をためしてみようと思う。もちろん彼女に同意はとった。というより
 「強くなれるのならばぜひお願いしたいです! あのゴミ共を全員焼却処分しましょう!」
 とかかなり物騒なことを考えていた。一方アリスは、疑問を持っていた。
 (……おかしい。なんで、セイ様とは初対面のはずなのにこんなに懐かしい感じがするの……? ずっと一緒にいたいくらいに……
 そして、セイ様から何かが流れ込んできたような……気のせいかな?)
 『対象のゴッドシステムとの連携完了。強化元となるスキルを読み込みます……』
 『完了。レベル3EXスキル[|斬り刻む者《ファストカッター》]を確認しました。シュミレート完了、スキル強化を開始します』
 『完了。接続済みゴッドシステムマスター、アリスは神話級スキル[|静夜を呼ぶ者《グランド・スラスター》]を取得しました』
 セイは聞きなれた神話級という等級に対して疑問を持ち始めた。
 「……は? 神話級ってそんなにポンポンとでるもんなのか?」
 『[|斬り刻む者《ファストカッター》]は元より、成長型のスキルであり、将来の可能性が大きいスキルであるため、大幅な強化が可能でした。また、成長の可能性はまだあるため、今後も成長を続けるでしょう』
 これでリベルを皆殺しにできるとわくわくしながらアリスは、自分のゴッドシステムに新スキルの効果を聞いた。
 「システムさん、それで[|静夜を呼ぶ者《グランド・スラスター》]ってどんな効果なんですか?」
 するとシステムはセイのシステムよりも淡々と作業かのように説明した。
 『神話級スキル[|静夜を呼ぶ者《グランド・スラスター》]は、神話級以下のすべての物体を、固有の性能を無視し切ることができます』
 「神話級ってチートスキルしかないんだな」
 セイはあきれながらも自分のスキルを強化してみることにした。
 「システム、[鳥籠]を強化できるか?」
 流石に無理があるかと別のスキルを考えた瞬間。
 『可能です』
 『神話級スキル[鳥籠]を強化します。シュミレート完了』
 「え、ちょ」
 『EX神話級スキル[赤血の鳥籠]を取得しました』
 「え」
 『強化前同様、巨大な鳥籠で対象を閉じ込め切り刻みます。しかし、強化したことにより鳥籠からの脱出がワープ等でも不可能になり、また、鳥籠内の斬撃の威力が45倍になり、数も増えた事で対象を分子レベルに切り刻む事が可能になりました』
 「えぇ…」
 もともと語彙力がないセイも、完全に語彙力を失うのであった。
 『マスターは全生物の中で最初にEX神話スキルを2つ取得しました。
 アチーブメント[神話を創りし者]を獲得しました。
 これにより、EX神話級スキル[|運命《ディメンション》|の《・》|支配者《ドミネーター》]を付与した神、「運命神ストラルス」との謁見が可能になりました』
 「[|運命《ディメンション》|の《・》|支配者《ドミネーター》]を…付与した神……?」
 「謁見しますか?」
 セイは突然の大きい選択に困惑していたが、やっとあの疑問の答えを得られる事に嬉しさもあった。
 祝福の儀式で聞いた|説《・》|明《・》|に《・》|な《・》|か《・》|っ《・》|た《・》|シ《・》|ス《・》|テ《・》|ム《・》|音《・》|声《・》。
 『****************』
 (俺の気にしすぎだといいのだが……)
 「ああ。謁見する」
 謁見を受け入れセイはそっと目を閉じた。しかしすぐに一瞬体が熱くなったように感じ慌てて目を開けると、そこは雲の上の世界のようで、神殿のような物がそこら中に建っていた。
 「ここだ」
 男性とも女性ともいえない中性的な声が上空から聞こえた。上を向くとそこには一目で神と分かるほど神々しく、そして偉大な存在と認識できるほどの存在がたたずんでいた。
 その神は何か面白いのか少し笑っているようだった。
 「我の存在を認識した上で跪かない生物とは珍しい! 9000年ぶりだな!」
 たしかにセイは神に対しての礼儀とか全く知らないなと思いつつ一応跪いた。
 「我こそが全ての神の頂点であり、運命神。ストラルスである」
 (え。運命神って神様の頂点なの?)
 セイはどう話し出したら良いのか全く分からなかった。
 コミュ障は関係ない。緊張だ。コミュ障は関係ない。緊張だ。大切な事だから2回言った。
 「そうあまりかしこまらんで良い! 我がお主を選んだ理由の一つでもあるしな!」
 そういえばシステムも「神が付与した」と言っていた。
 世間では、そもそもスキルは神があらかじめ何種類か用意しておいたものから、ランダムに神官を通じ与えられる。という仕組みになっていたはずだ。
 つまり、スキルの付与は神が直接行うわけではないという事だ。
 セイがこの疑問を口にする前に、ストラルスは口を開いた。
 「確かに通常のスキルはそのように与えられる。だが[|支配者《ドミネーター》]系は例外だ。
 強力すぎるからな。神が直接選んだ者にしか与えられないのだ」
 確かに[|支配者《ドミネーター》]系は神話級の中でもトップクラスに強力なことから納得した。
 では[|永氷《アイシクル》|の《・》|支配者《ドミネーター》]は?
 「それはお主の[神々の業]がオーバーランクゆえ、制約を無視する事ができたのだろう」
 そしてセイは最後に一番の疑問を投げかけた。
 「祝福の儀式に聞こえた、『|リ《・》|ベ《・》|ル《・》|シ《・》|ス《・》|テ《・》|ム《・》|、《・》|イ《・》|ン《・》|ス《・》|ト《・》|ー《・》|ル《・》|完《・》|了《・》』とはなんなんですか?」
 「[ゴッドシステム]ではなく、[リベルシステム]と聞こえたのはなぜですか!」
 「[リベルシステム]とは何なんですか?! なぜリベルの名が!?」
 セイは不安からか、かなり興奮してしまっていた。しかしストラルスは先ほどの気さくな表情とは打って変わり、冷たい表情で冷静に返す。
 「今はまだ知らんで良い」
 そのままセイは元の科学次元に戻されたが、セイは最後の質問に答える時の、あのストラルスの表情が忘れられなかった。どうやら謁見の間、セイは意識を失い倒れていたそうだ。
 「何かあったのですか?」
 アリスは慌てた様子でセイに事情を訊いた。
 「あ、ああ。実は……」
 セイはアリスに事情を説明した。すると突然、アリスはまるで別人になったかのように雰囲気が変わった。
 「おかしいな……あやつはそのような性格ではなかったはずじゃが……おっと失礼」
 するとすぐに普段のアリスにもどる。
 「あれっ?! 今のは……」
 (なんだか……すごく懐かしい感じがする……)