ep156 事後②

ー/ー



 ジェイズは酒場で部下どもと酒食をむさぼりながら待っていた。

「よう。元気そうじゃねえか」

 俺がシヒロたちとともに席に着くと、さっそく酒が運ばれてきた。

「さあテメーも飲め」

「いや、俺はいい」

「なんだ? 疲れてんのか?」

「むしろお前は疲れてないのか?」

「んなもん気合いでなんとかなる」
 ジェイズはグラスを口に運んでグッと飲み干した。
「でも腹は減ってんだろ? 食え食え」

「ああ。でもその前に話ってなんだ?」

「テメーもカレン嬢も遊び心が足りねえなぁ」

「そういえばカレンは?」

「キラースを尋問している」

 横からアイが答えた。

「じゃあクロー。テメーの希望どおりさっそく話してやる」

 ジェイズはグラスを置いた。その後の彼の言葉に俺は些か驚かされた。

「まずはヘッドフィールドを代表して感謝する。ありがとな」

「えっ」

 思わず当惑してしまった。ジェイズは頭まで下げている。しかも彼のみならずアイもギャング連中もみんな頭を下げている。

「ちょっ、待ってくれ。別に俺は…」

 固辞しようとする俺の腕をシヒロが掴んできて言った。

「クローさんは体を張ってヘッドフィールドを救ったんです。もちろんぼくたちのことも。だから感謝しているんです。ここは素直に受け入れてください」

「クローはもっと人の感謝を素直に受けてもいいと思う」

 エレサも言葉を重ねた。
 俺がどうしたもんかと思い視線を運んだ先に、トレブルとブーストの姿をとらえた。二人は俺に向かってニカッと笑い、無言でグッと親指を突き立てた。
 イラッとした。けど、おかげで気が楽になった。

「とりあえずみんな無事で良かった」

 そう言って俺はジェイズに手を差し出した。
 彼はおもむろに頭を上げると、ニカッと笑い握手に応じた。

「よし。てなわけで……勝利の宴だ!!」

 そしてボスの号令でどんちゃん騒ぎが始まった。
「また宴会か…」と思った。けど、まわりの者たちの笑顔を見ると、とりあえずは勝利の余韻に浸るのも悪くないかとも思った。
 それにシヒロとエレサも楽しそうだ。
 特にこのふたりが楽しそうなのを見ると、なぜだかとても嬉しい気持ちになる。

「いつのまにかすっかり仲良くなったようだな……」

 シヒロはエレサと友達になりたがっていたし、純真で純朴なシヒロはエレサにとって良い存在となるに違いない。

「そういえば、アイツらもいたな」

 トレブルとブーストは、俺の頼みでヘッドフィールドの一員となったんだった。まあ、アイツらに関しては良くも悪くもいつも通りだ。

「いずれにしても……」

 これで俺がいなくなった後の準備はある程度整った。あとは残りの時間で〔フリーダム〕を潰せれば。
 だが、その前に……。


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 ジェイズは酒場で部下どもと酒食をむさぼりながら待っていた。
「よう。元気そうじゃねえか」
 俺がシヒロたちとともに席に着くと、さっそく酒が運ばれてきた。
「さあテメーも飲め」
「いや、俺はいい」
「なんだ? 疲れてんのか?」
「むしろお前は疲れてないのか?」
「んなもん気合いでなんとかなる」
 ジェイズはグラスを口に運んでグッと飲み干した。
「でも腹は減ってんだろ? 食え食え」
「ああ。でもその前に話ってなんだ?」
「テメーもカレン嬢も遊び心が足りねえなぁ」
「そういえばカレンは?」
「キラースを尋問している」
 横からアイが答えた。
「じゃあクロー。テメーの希望どおりさっそく話してやる」
 ジェイズはグラスを置いた。その後の彼の言葉に俺は些か驚かされた。
「まずはヘッドフィールドを代表して感謝する。ありがとな」
「えっ」
 思わず当惑してしまった。ジェイズは頭まで下げている。しかも彼のみならずアイもギャング連中もみんな頭を下げている。
「ちょっ、待ってくれ。別に俺は…」
 固辞しようとする俺の腕をシヒロが掴んできて言った。
「クローさんは体を張ってヘッドフィールドを救ったんです。もちろんぼくたちのことも。だから感謝しているんです。ここは素直に受け入れてください」
「クローはもっと人の感謝を素直に受けてもいいと思う」
 エレサも言葉を重ねた。
 俺がどうしたもんかと思い視線を運んだ先に、トレブルとブーストの姿をとらえた。二人は俺に向かってニカッと笑い、無言でグッと親指を突き立てた。
 イラッとした。けど、おかげで気が楽になった。
「とりあえずみんな無事で良かった」
 そう言って俺はジェイズに手を差し出した。
 彼はおもむろに頭を上げると、ニカッと笑い握手に応じた。
「よし。てなわけで……勝利の宴だ!!」
 そしてボスの号令でどんちゃん騒ぎが始まった。
「また宴会か…」と思った。けど、まわりの者たちの笑顔を見ると、とりあえずは勝利の余韻に浸るのも悪くないかとも思った。
 それにシヒロとエレサも楽しそうだ。
 特にこのふたりが楽しそうなのを見ると、なぜだかとても嬉しい気持ちになる。
「いつのまにかすっかり仲良くなったようだな……」
 シヒロはエレサと友達になりたがっていたし、純真で純朴なシヒロはエレサにとって良い存在となるに違いない。
「そういえば、アイツらもいたな」
 トレブルとブーストは、俺の頼みでヘッドフィールドの一員となったんだった。まあ、アイツらに関しては良くも悪くもいつも通りだ。
「いずれにしても……」
 これで俺がいなくなった後の準備はある程度整った。あとは残りの時間で〔フリーダム〕を潰せれば。
 だが、その前に……。