【11】①
ー/ー 夏休みもあともう残すところ数日になり、明日瑛璃は東京に帰る。
母からも、無事に新居での生活も始められると知らされていた。
つまり、戻るなり家や部屋の片づけが待っているということになるが、「母と二人きりでの新生活」の前では楽しみでさえあった。
「瑛璃ちゃん、レアチーズケーキ好き?」
「はい、好きです」
おやつにしない? と伯母に呼ばれて階下に降りた瑛璃は、彼女の問いに答える。
最終日だからと特別に身構えることなく、まるきりいつも通りの雰囲気を保って接してくれる彼女がありがたい。
「これ、『ふろまーじゅ』ってこのあたりでは有名なお店のなの。ここからだとモールの近くまで行かないと買えないんだけど、航が今朝街に行くっていうから頼んだのよ」
嬉しそうな伯母がホールの白いケーキを切り分けてくれた。
「先に食べちゃっていいんですか?」
「いいのいいの! お父さんと航に合わせたら夕食前とか食後になっちゃうでしょ。こういうのは『三時』が一番合うじゃない~」
いっつもあたしが昼間に食べて、あの二人は好きな時に勝手に食べてるのよ、と伯母が話すのを聞きながら、瑛璃が紅茶を淹れる。
そして確かに美味な菓子を二人で味わった。
「そういえば航くん、今日も部活の練習なのに朝から出掛けるって言ってましたね」
朝食の席で顔を合わせた際、「街まで行って来る」と言う従兄に伯母が何か頼んでいた。「『ふろまーじゅ』でいつもの買って来て」という会話は、瑛璃には未知の固有名詞によく意味が掴めず黙って聞いていたのだ。
帰宅したかと思うと、一息つく暇もなく帰りに買ったパンを食べながら行く、と学校へと向かった彼とは言葉も交わしていない。
母からも、無事に新居での生活も始められると知らされていた。
つまり、戻るなり家や部屋の片づけが待っているということになるが、「母と二人きりでの新生活」の前では楽しみでさえあった。
「瑛璃ちゃん、レアチーズケーキ好き?」
「はい、好きです」
おやつにしない? と伯母に呼ばれて階下に降りた瑛璃は、彼女の問いに答える。
最終日だからと特別に身構えることなく、まるきりいつも通りの雰囲気を保って接してくれる彼女がありがたい。
「これ、『ふろまーじゅ』ってこのあたりでは有名なお店のなの。ここからだとモールの近くまで行かないと買えないんだけど、航が今朝街に行くっていうから頼んだのよ」
嬉しそうな伯母がホールの白いケーキを切り分けてくれた。
「先に食べちゃっていいんですか?」
「いいのいいの! お父さんと航に合わせたら夕食前とか食後になっちゃうでしょ。こういうのは『三時』が一番合うじゃない~」
いっつもあたしが昼間に食べて、あの二人は好きな時に勝手に食べてるのよ、と伯母が話すのを聞きながら、瑛璃が紅茶を淹れる。
そして確かに美味な菓子を二人で味わった。
「そういえば航くん、今日も部活の練習なのに朝から出掛けるって言ってましたね」
朝食の席で顔を合わせた際、「街まで行って来る」と言う従兄に伯母が何か頼んでいた。「『ふろまーじゅ』でいつもの買って来て」という会話は、瑛璃には未知の固有名詞によく意味が掴めず黙って聞いていたのだ。
帰宅したかと思うと、一息つく暇もなく帰りに買ったパンを食べながら行く、と学校へと向かった彼とは言葉も交わしていない。
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夏休みもあともう残すところ数日になり、明日|瑛璃《えいり》は東京に帰る。
母からも、無事に新居での生活も始められると知らされていた。
つまり、戻るなり家や部屋の片づけが待っているということになるが、「母と二人きりでの新生活」の前では楽しみでさえあった。
「瑛璃ちゃん、レアチーズケーキ好き?」
「はい、好きです」
おやつにしない? と伯母に呼ばれて階下に降りた瑛璃は、彼女の問いに答える。
最終日だからと特別に身構えることなく、まるきりいつも通りの雰囲気を保って接してくれる彼女がありがたい。
「これ、『ふろまーじゅ』ってこのあたりでは有名なお店のなの。ここからだとモールの近くまで行かないと買えないんだけど、|航《わたる》が今朝街に行くっていうから頼んだのよ」
嬉しそうな伯母がホールの白いケーキを切り分けてくれた。
「先に食べちゃっていいんですか?」
「いいのいいの! お父さんと航に合わせたら夕食前とか食後になっちゃうでしょ。こういうのは『三時』が一番合うじゃない~」
いっつもあたしが昼間に食べて、あの二人は好きな時に勝手に食べてるのよ、と伯母が話すのを聞きながら、瑛璃が紅茶を淹れる。
そして確かに美味な菓子を二人で味わった。
「そういえば航くん、今日も部活の練習なのに朝から出掛けるって言ってましたね」
朝食の席で顔を合わせた際、「街まで行って来る」と言う従兄に伯母が何か頼んでいた。「『ふろまーじゅ』でいつもの買って来て」という会話は、瑛璃には未知の固有名詞によく意味が掴めず黙って聞いていたのだ。
帰宅したかと思うと、一息つく暇もなく帰りに買ったパンを食べながら行く、と学校へと向かった彼とは言葉も交わしていない。
母からも、無事に新居での生活も始められると知らされていた。
つまり、戻るなり家や部屋の片づけが待っているということになるが、「母と二人きりでの新生活」の前では楽しみでさえあった。
「瑛璃ちゃん、レアチーズケーキ好き?」
「はい、好きです」
おやつにしない? と伯母に呼ばれて階下に降りた瑛璃は、彼女の問いに答える。
最終日だからと特別に身構えることなく、まるきりいつも通りの雰囲気を保って接してくれる彼女がありがたい。
「これ、『ふろまーじゅ』ってこのあたりでは有名なお店のなの。ここからだとモールの近くまで行かないと買えないんだけど、|航《わたる》が今朝街に行くっていうから頼んだのよ」
嬉しそうな伯母がホールの白いケーキを切り分けてくれた。
「先に食べちゃっていいんですか?」
「いいのいいの! お父さんと航に合わせたら夕食前とか食後になっちゃうでしょ。こういうのは『三時』が一番合うじゃない~」
いっつもあたしが昼間に食べて、あの二人は好きな時に勝手に食べてるのよ、と伯母が話すのを聞きながら、瑛璃が紅茶を淹れる。
そして確かに美味な菓子を二人で味わった。
「そういえば航くん、今日も部活の練習なのに朝から出掛けるって言ってましたね」
朝食の席で顔を合わせた際、「街まで行って来る」と言う従兄に伯母が何か頼んでいた。「『ふろまーじゅ』でいつもの買って来て」という会話は、瑛璃には未知の固有名詞によく意味が掴めず黙って聞いていたのだ。
帰宅したかと思うと、一息つく暇もなく帰りに買ったパンを食べながら行く、と学校へと向かった彼とは言葉も交わしていない。