#12
ー/ー その間に、何かプレゼン的なものが出来たらよかったのだろうけれど、私はそういったスキルを持ち合わせていなかった。
「分かったわ、ほとんど顔を出せなくていいのなら、顧問になります」
しばらくの静寂に断られる覚悟をしていたが、塚本先生の口から出た言葉は予想外の言葉だった。
「本当ですか!」
「ただし、条件があります」
「条件?」
「もしも部内で問題が起こったら、逐一報告すること。練習とかには顔を出せないけれど、無責任には引き受けたくないの」
「そう言ってくれると、助かります」
「私に迷惑をかけないように、問題が起こっても隠しておくのは駄目よ」
「はい、みんなにもそう言っておきます」
「あと、あなたは三年生なんだから、勉強を疎かにしないこと」
「はい……分かりました」
良かった、断られるかと思ったが、熱意を持って頼めば願いは叶うものである。
私にとって、顧問の先生は誰でもいいのではなく、出来れば塚本先生になってもらいたかった。
塚本先生なら、定期的に顔を出せたとしても、生徒の自主性を尊重してくれる感じがする。なまじ演劇をかじった先生を顧問にしてしまったら、ああではない、こうではないと芝居を押し付けられ、稽古がつまらなくなってしまう。
交渉が終わったので、視線を朱理に移す。
朱理は、無表情で私を見つめていた。
塚本先生と交渉する私を、朱理はどんな気持ちで見ていたのだろう? 人を傷つけないように、行動範囲を保健室のベッドだけにしている朱理にとって、活発に行動を起こす私は、どう見られているのだろう?
「朱理は、劇に参加しないよね?」
朱理の元に移動し、駄目元で聞いてみる。
「うん……」
「メンバーは私の友達だけだから、事情を話せば仲良くしてくれるよ」
「みんな、良い人なの?」
意外にも、話に乗ってきた。取り付く島がないほど拒否されると思っていたので少し慌ててしまう。
「自慢できるぐらい、良い人揃いだよ。そりゃ、欠点もあるけど、性格は保証出来る」
「なら、尚更一緒にやるのは無理だよ」
「どうして?」
「良い人を、傷つけたくないから」
良い人だから、一緒にいたくないのなら、悪い人となら一緒でもかまわないということになる。
良い人を傷つけるよりも、悪い人に傷つけられる方が良いと自虐的に考えているようだ。
「分かったわ、ほとんど顔を出せなくていいのなら、顧問になります」
しばらくの静寂に断られる覚悟をしていたが、塚本先生の口から出た言葉は予想外の言葉だった。
「本当ですか!」
「ただし、条件があります」
「条件?」
「もしも部内で問題が起こったら、逐一報告すること。練習とかには顔を出せないけれど、無責任には引き受けたくないの」
「そう言ってくれると、助かります」
「私に迷惑をかけないように、問題が起こっても隠しておくのは駄目よ」
「はい、みんなにもそう言っておきます」
「あと、あなたは三年生なんだから、勉強を疎かにしないこと」
「はい……分かりました」
良かった、断られるかと思ったが、熱意を持って頼めば願いは叶うものである。
私にとって、顧問の先生は誰でもいいのではなく、出来れば塚本先生になってもらいたかった。
塚本先生なら、定期的に顔を出せたとしても、生徒の自主性を尊重してくれる感じがする。なまじ演劇をかじった先生を顧問にしてしまったら、ああではない、こうではないと芝居を押し付けられ、稽古がつまらなくなってしまう。
交渉が終わったので、視線を朱理に移す。
朱理は、無表情で私を見つめていた。
塚本先生と交渉する私を、朱理はどんな気持ちで見ていたのだろう? 人を傷つけないように、行動範囲を保健室のベッドだけにしている朱理にとって、活発に行動を起こす私は、どう見られているのだろう?
「朱理は、劇に参加しないよね?」
朱理の元に移動し、駄目元で聞いてみる。
「うん……」
「メンバーは私の友達だけだから、事情を話せば仲良くしてくれるよ」
「みんな、良い人なの?」
意外にも、話に乗ってきた。取り付く島がないほど拒否されると思っていたので少し慌ててしまう。
「自慢できるぐらい、良い人揃いだよ。そりゃ、欠点もあるけど、性格は保証出来る」
「なら、尚更一緒にやるのは無理だよ」
「どうして?」
「良い人を、傷つけたくないから」
良い人だから、一緒にいたくないのなら、悪い人となら一緒でもかまわないということになる。
良い人を傷つけるよりも、悪い人に傷つけられる方が良いと自虐的に考えているようだ。
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