SCENE176 あたしのターンですわね
ー/ー 横浜ダンジョンで下僕とシードラゴンと一緒に配信を始めましたけれど、ウィンクさんはまだ配信をつなげてくれませんわね。
一人で喋っているのも飽きてきましたわ。
下僕が示す時計を確認しましたら、もう二十分は経っていますわね。いくらなんでも遅すぎませんかしら。
そんな風に不満を抱えておりましたら、ようやく何か通知が来ましたわね。
「おほん、長らくお待たせいたしましたわ。ようやくウィンクスダンジョンのウィンク様とつながりましたわね」
『お、待ってました』
『すっかり二人とも人気になっちゃったからなぁ』
あたしの配信を見ていらっしゃる視聴者様たちが、待ってましたという反応をしていらっしゃいますわね。悔しいですけれど、ウィンクさんにもウィンクさんなりの魅力がございますものね。
受諾のボタンを押しますと、あたしの配信の画面半分に、ウィンクさんの姿が映りましたわ。
「申し訳ありません。お待たせしてしまいました」
開口一番、ウィンクさんから謝罪の言葉が出てまいりましたわね。本当にお人好しですわ。こんなことでは、本来のダンジョン戦争の中では生き残れませんわよ。
とはいいましても、ウィンクさんはあたしたちとは違う世界の方ですから、そこは同じものを求めるのは酷というものですわね。
思うところはございますけれど、あたしはぐっと言葉を飲み込んでおきますわ。
「仕方ありませんわ。そちらは大所帯、こちらはあたし一人ですもの。さぁ、つながりましたことですし、合同配信を始めましょうか」
「はい」
あたしが話し掛けますと、ウィンクさんは可愛らしく両手を握りしめて、笑顔で返事していますわね。
本当に、これでもかというくらいまぶしい方ですわ。
あたしたちダンジョンマスターというのは、異界より送り込まれた侵略者だといいますのにね。とはいいましても、実のところ、あたし自身もよくは知りませんわ。
周りやシードラゴンなどから、ちょっとだけは聞いておりますわよ。
あちらのダンジョンで楽しそうに話しているアルカナ様も、あの辺りは聞いているはずですわ。
はぁ……。なんとも楽しそうな様子を見ていますと、ちょっといらつきますわね。
っと、いけませんわね。今は配信中ですわ。ダンジョンマスターとしての務めは、今のところは忘れておきましょう。
「そういえば、セイレーンさんの調子はいかがですか? 一階層に作ったサブダンジョンのこととか」
配信が共同になりましてから、ウィンクさんが積極的に話を振ってきますわね。
まあ、いいですわ。乗って差し上げましょう。
「なかなか好評ですわよ。初心者の方々には命がけなところもありますけれど、このダンジョンには復活システムがございますからね」
「それは大きいですよね。死なないっていうのは、探索者からすれば、とても安心できるものですからね」
「でも、それはそれで問題だと思いますわよ」
あたしとウィンクさんとの会話の中に、アルカナ様が入ってこられましたわ。
アルカナ様はリッチですから、別の価値観を持っていらっしゃいますものね。それは口を挟みたくなるでしょう。
「死んでも生き返れるとなれば、死への恐怖感が薄れてしまいます。そもそも、復活システムを持ったダンジョンなど、他にございまして?」
『あー、それはそうだな』
『一応、サイトで全部見れるようにはなってるけど、片手で数えられるくらいだっけか?』
『希少希少、超希少』
視聴者様たちの反応からするに、一応他にもあたしと同じシステムを備えたダンジョンがございますのね。となりますと、少なくとも侯爵か公爵以上の身分をお持ちということなのでしょうか。財力がないことには、初期のダンジョンポイントはほぼ一定のはずですもの。
こういう配信というのは、時折とんでもない情報が入ってきますのね。
あたしは感心しておりましたけれど、せっかくの配信なのですから、ちょっとした芸くらいはお見せした方がよろしいでしょうね。
ボス部屋から歩み出まして、パチンと指を鳴らしますと、あたしの可愛い護衛であるツーヘッドジャイアントシーシャークたちが姿を見せますわ。
「さあ、この日のために練習しました芸というものを見せて差し上げますわ」
『うげぇ、あの凶悪なモンスターに芸を仕込んだだと?!』
『やっぱ最凶ダンジョンの名はだてじゃないなぁ』
『なんだよ、俺たちは一体何を見せられてるんだ?!』
おほほほほ。この驚きようは心地よいですわね。
あたしの目の前では、数匹のツーヘッドジャイアントシーシャークたちが、一糸乱れぬ素晴らしい動きを見せておりますわよ。
十階層の入口からボス部屋までにある道は、実は下が通れるようになっておりましてね、そこを潜り抜けて見事な演技を決めておりますわ。
「さすがセイレーンさん。こんな凶悪なモンスターを手懐けちゃうなんて、憧れちゃいます」
「おほほほほ。いかがかしら。もしこの十階層にたどり着けることができましたら、一度くらいは直に見学させてあげますわよ」
『無理だぁ、おしまいだぁ・・・』
『六階層ですら入れねえのに、無理だよ』
まったく、ノリの悪い方々ですわね。
反応には不満がございますけれど、あたしは可愛いツーヘッドジャイアントシーシャークたちにご褒美のお肉を差し上げましたわ。
ひとまず見世物は終わりましたので、一度ウィンクさんにバトンタッチを致しましょうか。
あたしがそう思っていましたら、なにやら騒がしくなってきましたわね。何が起きているというのかしら。
気になったあたしは、ウィンクさんの配信画面の方に目を向けましたわよ。
一人で喋っているのも飽きてきましたわ。
下僕が示す時計を確認しましたら、もう二十分は経っていますわね。いくらなんでも遅すぎませんかしら。
そんな風に不満を抱えておりましたら、ようやく何か通知が来ましたわね。
「おほん、長らくお待たせいたしましたわ。ようやくウィンクスダンジョンのウィンク様とつながりましたわね」
『お、待ってました』
『すっかり二人とも人気になっちゃったからなぁ』
あたしの配信を見ていらっしゃる視聴者様たちが、待ってましたという反応をしていらっしゃいますわね。悔しいですけれど、ウィンクさんにもウィンクさんなりの魅力がございますものね。
受諾のボタンを押しますと、あたしの配信の画面半分に、ウィンクさんの姿が映りましたわ。
「申し訳ありません。お待たせしてしまいました」
開口一番、ウィンクさんから謝罪の言葉が出てまいりましたわね。本当にお人好しですわ。こんなことでは、本来のダンジョン戦争の中では生き残れませんわよ。
とはいいましても、ウィンクさんはあたしたちとは違う世界の方ですから、そこは同じものを求めるのは酷というものですわね。
思うところはございますけれど、あたしはぐっと言葉を飲み込んでおきますわ。
「仕方ありませんわ。そちらは大所帯、こちらはあたし一人ですもの。さぁ、つながりましたことですし、合同配信を始めましょうか」
「はい」
あたしが話し掛けますと、ウィンクさんは可愛らしく両手を握りしめて、笑顔で返事していますわね。
本当に、これでもかというくらいまぶしい方ですわ。
あたしたちダンジョンマスターというのは、異界より送り込まれた侵略者だといいますのにね。とはいいましても、実のところ、あたし自身もよくは知りませんわ。
周りやシードラゴンなどから、ちょっとだけは聞いておりますわよ。
あちらのダンジョンで楽しそうに話しているアルカナ様も、あの辺りは聞いているはずですわ。
はぁ……。なんとも楽しそうな様子を見ていますと、ちょっといらつきますわね。
っと、いけませんわね。今は配信中ですわ。ダンジョンマスターとしての務めは、今のところは忘れておきましょう。
「そういえば、セイレーンさんの調子はいかがですか? 一階層に作ったサブダンジョンのこととか」
配信が共同になりましてから、ウィンクさんが積極的に話を振ってきますわね。
まあ、いいですわ。乗って差し上げましょう。
「なかなか好評ですわよ。初心者の方々には命がけなところもありますけれど、このダンジョンには復活システムがございますからね」
「それは大きいですよね。死なないっていうのは、探索者からすれば、とても安心できるものですからね」
「でも、それはそれで問題だと思いますわよ」
あたしとウィンクさんとの会話の中に、アルカナ様が入ってこられましたわ。
アルカナ様はリッチですから、別の価値観を持っていらっしゃいますものね。それは口を挟みたくなるでしょう。
「死んでも生き返れるとなれば、死への恐怖感が薄れてしまいます。そもそも、復活システムを持ったダンジョンなど、他にございまして?」
『あー、それはそうだな』
『一応、サイトで全部見れるようにはなってるけど、片手で数えられるくらいだっけか?』
『希少希少、超希少』
視聴者様たちの反応からするに、一応他にもあたしと同じシステムを備えたダンジョンがございますのね。となりますと、少なくとも侯爵か公爵以上の身分をお持ちということなのでしょうか。財力がないことには、初期のダンジョンポイントはほぼ一定のはずですもの。
こういう配信というのは、時折とんでもない情報が入ってきますのね。
あたしは感心しておりましたけれど、せっかくの配信なのですから、ちょっとした芸くらいはお見せした方がよろしいでしょうね。
ボス部屋から歩み出まして、パチンと指を鳴らしますと、あたしの可愛い護衛であるツーヘッドジャイアントシーシャークたちが姿を見せますわ。
「さあ、この日のために練習しました芸というものを見せて差し上げますわ」
『うげぇ、あの凶悪なモンスターに芸を仕込んだだと?!』
『やっぱ最凶ダンジョンの名はだてじゃないなぁ』
『なんだよ、俺たちは一体何を見せられてるんだ?!』
おほほほほ。この驚きようは心地よいですわね。
あたしの目の前では、数匹のツーヘッドジャイアントシーシャークたちが、一糸乱れぬ素晴らしい動きを見せておりますわよ。
十階層の入口からボス部屋までにある道は、実は下が通れるようになっておりましてね、そこを潜り抜けて見事な演技を決めておりますわ。
「さすがセイレーンさん。こんな凶悪なモンスターを手懐けちゃうなんて、憧れちゃいます」
「おほほほほ。いかがかしら。もしこの十階層にたどり着けることができましたら、一度くらいは直に見学させてあげますわよ」
『無理だぁ、おしまいだぁ・・・』
『六階層ですら入れねえのに、無理だよ』
まったく、ノリの悪い方々ですわね。
反応には不満がございますけれど、あたしは可愛いツーヘッドジャイアントシーシャークたちにご褒美のお肉を差し上げましたわ。
ひとまず見世物は終わりましたので、一度ウィンクさんにバトンタッチを致しましょうか。
あたしがそう思っていましたら、なにやら騒がしくなってきましたわね。何が起きているというのかしら。
気になったあたしは、ウィンクさんの配信画面の方に目を向けましたわよ。
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