【1】
ー/ー
新しい環境には、正直まだ完全に慣れたとは言えなかった。
大学卒業と同時に入社して以来、一貫して同じ部署で十年以上を過ごして来たんだ。
自分とは縁がなかった筈の権力ゲームに、いつの間にか俺は巻き込まれていた。負けて初めて、俺は自分もゲームの参加者として数えられていたことを知ったんだ。
なんて間抜けな。
そこで終わらなかったのはきっと幸運だったんだよな。
住み慣れた東京を離れて、偶然の巡り合わせによって仙台へ拠点を移した。声を掛けてくれた人が居たんだ。
『三十三歳の新人』として、もう俺には新天地で持てる力を出し切って突っ走るしか生きる道はない。まだ俺はやれる。大丈夫、だ。
それでも新たな同僚となるメンバーには、案外早く溶け込むことができた、と思う。
今の職場は新加入の人間が馴染みやすいところだと感じた。転勤での入れ替わりの多い土地柄だというのは大きいのだろう。
何より本題ではないとはいえ、この街はとても過ごしやすいところだった。正直、もっと不便で暮らしにくそうだ、と偏見を持っていた自分を恥じる。
あとはどうにか戦力としても受け入れられて、この場の欠かせないピースになりたい、と俺は日々足搔いていた。
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大学卒業と同時に入社して以来、一貫して同じ部署で十年以上を過ごして来たんだ。
自分とは縁がなかった筈の権力ゲームに、いつの間にか俺は巻き込まれていた。負けて初めて、俺は自分もゲームの参加者として数えられていたことを知ったんだ。
なんて間抜けな。
そこで終わらなかったのはきっと|幸運《ラッキー》だったんだよな。
住み慣れた東京を離れて、偶然の巡り合わせによって仙台へ拠点を移した。声を掛けてくれた人が居たんだ。
『三十三歳の新人』として、もう俺には新天地で持てる力を出し切って突っ走るしか生きる道はない。まだ俺はやれる。大丈夫、だ。
それでも新たな同僚となるメンバーには、案外早く溶け込むことができた、と思う。
今の職場は新加入の人間が馴染みやすいところだと感じた。転勤での入れ替わりの多い土地柄だというのは大きいのだろう。
何より本題ではないとはいえ、この街はとても過ごしやすいところだった。正直、もっと不便で暮らしにくそうだ、と偏見を持っていた自分を恥じる。
あとはどうにか戦力としても受け入れられて、この場の欠かせないピースになりたい、と俺は日々|足搔《あが》いていた。