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第39話【反逆編】宣戦布告!不純物のお届け物だ。受け取り拒否は無しだぜ!

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第39話【反逆編】宣戦布告!不純物のお届け物だ。受け取り拒否は無しだぜ!


「……あんな前時代の遺物で我が隊に挑むとは」

​黒煙を撒き散らして爆走する〝ヘルメス号〟の前に立ちふさがったのは、政府の精鋭地上部隊だった。
彼らが操る最新鋭の魔導装甲車が、重力浮遊機能で滑るように展開する。

「ターゲットを確認。全車、魔導障壁を展開。物理衝突による排除を開始する!」

​対するテラは、操縦席でニヤリと笑い、背中の鞘から剣を激しく引き抜いた。

「アレス、準備はいいか!蒸気圧、臨界突破(オーバーリミット)だ!」

「……ああ!僕の〝屈辱〟と〝実験台〟の日々を、物理法則に変えて叩きつける!」

​テラがヘルメス号のハッチを蹴破って飛び出し、全力でガイアセイバーを振り抜く。
その瞬間、右腕の〝プロキオン〟がガコンッと咆哮し、超高圧の蒸気がテラの筋肉を爆発的に押し上げた。

「オラァッ!計算外の重さを味わいな!!テラ・バスタァァァーッ!!」

​――ドコォォォォォォンッ!!

​聖なる輝きを失ったはずの鉄塊が、魔導シールドをガラス細工のように粉砕した。
装甲車の正面に深い亀裂が走り、動力源である魔石が火花を吹いて沈黙する。

「なっ!?計算上の質量を……300%以上上回っているだと!?」

​そこへ、プロキオンの脚部フレームを軋ませたアレスが、弾丸のような速度で装甲車の天板に跳び乗った。

「魔力じゃない……これが、僕の手で回した〝抵抗〟の証だ!深淵雷鳴(アビス・ボルト)!!」

​――ギュィィィィィィンッ!!

​サタンブレイドが、物理的な放電を撒き散らし、装甲車の電子回路を内側から焼き切った。
​テラたちは、行動不能になった指揮車両と中の兵士たちを力技で捕縛した。
メルクリアが即座にブリッジの基板をこじ開け、自作の不純物回路を強引にハンダ付けする。

「この車両にある〝政府の個体識別信号〟を利用させてもらったよ。ボクの魔力遮断塗装を施したヘルメス号を〝回収されたスクラップ〟として登録しておく」

政府の監視網は、自軍の車両がスクラップを運んでいるとしか認識できない。

「このまま政府センターまで運ばせてあげよう。魔法のシステムに頼り切った連中の目は、節穴同然だからね!」



ヘルメス号は〝トロイの木馬〟のように、政府中央サーバーセンターの最深部へと運び込まれた。
​重機に吊り下げられたヘルメス号が運ばれていく。周囲には最新鋭の魔導ライフルを構えた警備兵たちが整列していた。

「おい、このスクラップ……さっきから妙な音が聞こえないか?規則的な、心臓の音みたいな……」

「バカを言うな。最新の魔力スキャナーには何の反応も……待て。計器が狂ってる。魔力反応ゼロなのに、質量反応だけが異常に増大して――」

​その言葉が終わる前に、ヘルメス号のハッチが開く。

「……お掃除の時間だぁぁぁ!!」

​――ガッシャァァァンッ!!

​爆発的な蒸気の噴出と共に、ヘルメス号のハッチが内側から吹き飛んだ。鉄板は警備兵の鼻先をかすめ、背後のサーバーラックをなぎ倒す。煙の中から飛び出したのは、ススまみれの女剣士、テラだった。

「よぉ。不純物のお届け物だ。受け取り拒否は無しだぜ!」

「なっ!?貴様、魔力を失って死んだはずでは――ぐはぁっ!?」

​テラは返事の代わりに、プロキオンで加速されたガイアセイバーを叩きつけた。
魔力のないはずの鉄の塊が、兵士たちの魔導防具を衝撃波だけで粉砕し、彼らを壁まで吹き飛ばす。

「死んでいないよ。死ぬほどハンドルを回して、生き返ったんだ!」

​アレスが脚部フレームを爆ぜさせ、頭上の監視カメラと警備ロボを次々と踏み潰していく。
サタンブレイドの刀身から放たれる〝深淵雷鳴(アビス・ボルト)〟が、センターの精密機器を次々とスクラップに変えていった。

「ま、魔王軍機動兵器を起動させろ!〝大魔獣オーガ〟をここに転送――!」

​転送ゲートから現れたのは、かつて世界を震え上がらせたはずの凶悪な魔獣。

――グォォォォォォン!!

その叫びに応じるように、サーバー室の奥から政府製の魔王軍ロボットたちが、機械的な駆動音を鳴らして次々と這い出してきた。

「……ヘッ、どいつもこいつも生気のない顔しやがって。セレネ、メルクリア!少女たちを連れて奥のメインハブへ行け!」

​テラがガイアセイバーを肩に担ぎ、プロキオンからブシュゥッ!と真っ白な蒸気を噴射させる。

「ここは僕たちが引き受けます!……セレネさん、僕らの〝真実〟を世界に届けてください!」

「……分かりました。お二人とも、どうかご無事で!」

「死ぬんじゃないよ、二人とも!ボクがこの世界の〝ウソ〟を全部剥ぎ取ってやるからさ!」

​メルクリアとセレネが少女たちの手を引き、複雑に入り組んだ巨大サーバーの森へと走り出す。
背後では、テラが迫りくる機械兵の首を素手で掴み、物理的な剛力で引きちぎる激しい音が響いていた。






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第39話【反逆編】宣戦布告!不純物のお届け物だ。受け取り拒否は無しだぜ!
「……あんな前時代の遺物で我が隊に挑むとは」
​黒煙を撒き散らして爆走する〝ヘルメス号〟の前に立ちふさがったのは、政府の精鋭地上部隊だった。
彼らが操る最新鋭の魔導装甲車が、重力浮遊機能で滑るように展開する。
「ターゲットを確認。全車、魔導障壁を展開。物理衝突による排除を開始する!」
​対するテラは、操縦席でニヤリと笑い、背中の鞘から剣を激しく引き抜いた。
「アレス、準備はいいか!蒸気圧、臨界突破(オーバーリミット)だ!」
「……ああ!僕の〝屈辱〟と〝実験台〟の日々を、物理法則に変えて叩きつける!」
​テラがヘルメス号のハッチを蹴破って飛び出し、全力でガイアセイバーを振り抜く。
その瞬間、右腕の〝プロキオン〟がガコンッと咆哮し、超高圧の蒸気がテラの筋肉を爆発的に押し上げた。
「オラァッ!計算外の重さを味わいな!!テラ・バスタァァァーッ!!」
​――ドコォォォォォォンッ!!
​聖なる輝きを失ったはずの鉄塊が、魔導シールドをガラス細工のように粉砕した。
装甲車の正面に深い亀裂が走り、動力源である魔石が火花を吹いて沈黙する。
「なっ!?計算上の質量を……300%以上上回っているだと!?」
​そこへ、プロキオンの脚部フレームを軋ませたアレスが、弾丸のような速度で装甲車の天板に跳び乗った。
「魔力じゃない……これが、僕の手で回した〝抵抗〟の証だ!深淵雷鳴(アビス・ボルト)!!」
​――ギュィィィィィィンッ!!
​サタンブレイドが、物理的な放電を撒き散らし、装甲車の電子回路を内側から焼き切った。
​テラたちは、行動不能になった指揮車両と中の兵士たちを力技で捕縛した。
メルクリアが即座にブリッジの基板をこじ開け、自作の不純物回路を強引にハンダ付けする。
「この車両にある〝政府の個体識別信号〟を利用させてもらったよ。ボクの魔力遮断塗装を施したヘルメス号を〝回収されたスクラップ〟として登録しておく」
政府の監視網は、自軍の車両がスクラップを運んでいるとしか認識できない。
「このまま政府センターまで運ばせてあげよう。魔法のシステムに頼り切った連中の目は、節穴同然だからね!」
ヘルメス号は〝トロイの木馬〟のように、政府中央サーバーセンターの最深部へと運び込まれた。
​重機に吊り下げられたヘルメス号が運ばれていく。周囲には最新鋭の魔導ライフルを構えた警備兵たちが整列していた。
「おい、このスクラップ……さっきから妙な音が聞こえないか?規則的な、心臓の音みたいな……」
「バカを言うな。最新の魔力スキャナーには何の反応も……待て。計器が狂ってる。魔力反応ゼロなのに、質量反応だけが異常に増大して――」
​その言葉が終わる前に、ヘルメス号のハッチが開く。
「……お掃除の時間だぁぁぁ!!」
​――ガッシャァァァンッ!!
​爆発的な蒸気の噴出と共に、ヘルメス号のハッチが内側から吹き飛んだ。鉄板は警備兵の鼻先をかすめ、背後のサーバーラックをなぎ倒す。煙の中から飛び出したのは、ススまみれの女剣士、テラだった。
「よぉ。不純物のお届け物だ。受け取り拒否は無しだぜ!」
「なっ!?貴様、魔力を失って死んだはずでは――ぐはぁっ!?」
​テラは返事の代わりに、プロキオンで加速されたガイアセイバーを叩きつけた。
魔力のないはずの鉄の塊が、兵士たちの魔導防具を衝撃波だけで粉砕し、彼らを壁まで吹き飛ばす。
「死んでいないよ。死ぬほどハンドルを回して、生き返ったんだ!」
​アレスが脚部フレームを爆ぜさせ、頭上の監視カメラと警備ロボを次々と踏み潰していく。
サタンブレイドの刀身から放たれる〝深淵雷鳴(アビス・ボルト)〟が、センターの精密機器を次々とスクラップに変えていった。
「ま、魔王軍機動兵器を起動させろ!〝大魔獣オーガ〟をここに転送――!」
​転送ゲートから現れたのは、かつて世界を震え上がらせたはずの凶悪な魔獣。
――グォォォォォォン!!
その叫びに応じるように、サーバー室の奥から政府製の魔王軍ロボットたちが、機械的な駆動音を鳴らして次々と這い出してきた。
「……ヘッ、どいつもこいつも生気のない顔しやがって。セレネ、メルクリア!少女たちを連れて奥のメインハブへ行け!」
​テラがガイアセイバーを肩に担ぎ、プロキオンからブシュゥッ!と真っ白な蒸気を噴射させる。
「ここは僕たちが引き受けます!……セレネさん、僕らの〝真実〟を世界に届けてください!」
「……分かりました。お二人とも、どうかご無事で!」
「死ぬんじゃないよ、二人とも!ボクがこの世界の〝ウソ〟を全部剥ぎ取ってやるからさ!」
​メルクリアとセレネが少女たちの手を引き、複雑に入り組んだ巨大サーバーの森へと走り出す。
背後では、テラが迫りくる機械兵の首を素手で掴み、物理的な剛力で引きちぎる激しい音が響いていた。