第9話 蜘蛛の糸

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 俺がノートに書いたのは、忍者みたいなキャラクターだった。

「こいつはショウ。勇者一行の四人目として設定していたが、ペトルーシュカの設定を思いついたので没にした」

 しかし、設定上はこいつも勇者と同じくらい強い。

「ポッと出の強キャラなんか出すのか?」

 ヤンセの言うとおり、それでは物語に深みが生まれない。

「それな。だから設定が少ないジークハルトの生き別れの弟ということにする」

 そうすれば仲間の肉親と戦う事に勇者たちは躊躇するという「弱点」も生まれようというもの。

「でもマッチョのジークと細い忍者のショウは似てないし、名前の系統も違うだろ」

 と、ヤンセ。

「顔似てない兄弟なんてよくいるだろ?名前はほら、忍者だからコードネームだ。真の名はラインハルト!よし決定!」

 俺が念じるとノートは光り、そこから1体のキャラクターが具現化した。

「死神忍者ショウよ!これより貴様は勇者の命を獲って来るのだ!」

「御意!」

 俺が命じると、生まれて間もないキャラクターのショウはドロンと姿を消した。

「ありがとよ。お陰でいいキャラクターが出来た」

 ヤンセは大魔王として俺が行う戦いには介入も助力もしない。だが、俺が作る設定の相談には乗ってくれるのだ。

「例には及ばん。だが信雄、ノートに物語を書き込むお前は実にじゃないか?」

 にやりと笑うヤンセの視線に背筋が凍えた。
 実際に、俺はヤンセと二人で設定を練るのは楽しい。中学生の俺にはこんな友達がいなかった。だから、ノートに痩せた子猫の絵を描く大槻ケンヂの様な日々を送っていた。

「心許せる友もおらず、鬱屈とした日々から逃れる為にお前はノートに物語をしたためていたんだろ?」

 その通りだ。

「この世界を滅ぼす等と息巻いてはいるが、大魔王として物語の一部となったお前は、この状況を楽しんでいる……」

 否定できない。

「だが、お前は創世主として決断をしなければならん。ページをめくれ!」

 ヤンセの言うまま、俺はショウの設定を書いたページをめくる……

「……ページが、残り一枚だと…?」

「信雄、物語を畳め。従来のハッピーエンドか、全てを滅ぼすバッドエンドかを選ぶのだ!!」

 俺の選んだ答えは……



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 俺がノートに書いたのは、忍者みたいなキャラクターだった。
「こいつはショウ。勇者一行の四人目として設定していたが、ペトルーシュカの設定を思いついたので没にした」
 しかし、設定上はこいつも勇者と同じくらい強い。
「ポッと出の強キャラなんか出すのか?」
 ヤンセの言うとおり、それでは物語に深みが生まれない。
「それな。だから設定が少ないジークハルトの生き別れの弟ということにする」
 そうすれば仲間の肉親と戦う事に勇者たちは躊躇するという「弱点」も生まれようというもの。
「でもマッチョのジークと細い忍者のショウは似てないし、名前の系統も違うだろ」
 と、ヤンセ。
「顔似てない兄弟なんてよくいるだろ?名前はほら、忍者だからコードネームだ。真の名はラインハルト!よし決定!」
 俺が念じるとノートは光り、そこから1体のキャラクターが具現化した。
「死神忍者ショウよ!これより貴様は勇者の命を獲って来るのだ!」
「御意!」
 俺が命じると、生まれて間もないキャラクターのショウはドロンと姿を消した。
「ありがとよ。お陰でいいキャラクターが出来た」
 ヤンセは大魔王として俺が行う戦いには介入も助力もしない。だが、俺が作る設定の相談には乗ってくれるのだ。
「例には及ばん。だが信雄、ノートに物語を書き込むお前は実に《《楽しそう》》じゃないか?」
 にやりと笑うヤンセの視線に背筋が凍えた。
 実際に、俺はヤンセと二人で設定を練るのは楽しい。中学生の俺にはこんな友達がいなかった。だから、ノートに痩せた子猫の絵を描く大槻ケンヂの様な日々を送っていた。
「心許せる友もおらず、鬱屈とした日々から逃れる為にお前はノートに物語をしたためていたんだろ?」
 その通りだ。
「この世界を滅ぼす等と息巻いてはいるが、大魔王として物語の一部となったお前は、この状況を楽しんでいる……」
 否定できない。
「だが、お前は創世主として決断をしなければならん。ページをめくれ!」
 ヤンセの言うまま、俺はショウの設定を書いたページをめくる……
「……ページが、残り一枚だと…?」
「信雄、物語を畳め。従来のハッピーエンドか、全てを滅ぼすバッドエンドかを選ぶのだ!!」
 俺の選んだ答えは……