159. この浮気者……

ー/ー



「……え?」

 ルナの緋色の瞳が、大きく揺れた。

 その瞳に、戸惑いが浮かぶ――。

「僕のこと……」

 レオンは、少し寂しそうに首をかしげた。

「嫌い……?」

「……え? え?」

 ルナは、ビクッと身体を震わせ、慌てて瞳を泳がせた。

「そんな……そんなわけ……」

 レオンは、変わらず優しい笑顔で、ルナの緋色の瞳を覗き込む。

 その優しさ。

 その温かさ。

 その真っ直ぐさ。

 すっかりレオンの優しい雰囲気に飲み込まれ、ルナは抵抗する力を失った。

 ゆっくりと、首を振る。

「……好き」

 つい口をついて出てしまった、隠しきれない本音。

「あっ! いや、ち、ち、ち、違うの! こ、これは……」

 慌てて訂正しようとするルナ。

「ありがとう、ルナ。僕も、君が大好きだよ」

 レオンは、ニコッと満面の笑みを浮かべ――そっとルナの小さな身体を優しくハグした。

「あ……」

 じんわりと伝わってくるレオンの体温――――。

 その温かさにほだされ、そっと目をつぶるルナ。

「私……レオンのこと……好き……」

 ルナは、ギュッとレオンに抱きついて、胸に顔を埋めた。

 温かい。

 優しい。

 幸せ――――。

「チョロいわねぇ……」

 ミーシャが、呆れたように呟く。

「単純よね」

 エリナも、ジト目で見ている。

「なっ!」

 ルナが、顔を真っ赤にして振り返った。

「何がチョロいのよぉ!! 聞こえてるわよ!!」

 思わず、レオンから離れようとする。

 しかし――レオンは、その可愛らしい顔を両手で優しく包み、そっと自分の方を向かせた。

「ルナ」

 レオンの声が、優しく響く。

「あの二人は、僕らに嫉妬してるだけだよ」

「し、嫉妬……?」

 ルナが、きょとんとする。

「そう」

 レオンは、悪戯っぽく笑った。

「見せつけてやろうよ。僕たちの幸せを」

「み、見せつける……?」

「そう、幸せな人が一番強いんだよ?」

 ニヤリと笑うレオン。

「そ、そうね!」

「結婚してくれるかい?」

 レオンは再度問う。

「うんっ!」

 ルナは、ニコッと笑った。

 いつもの勝気な笑顔。

 けれど、その瞳には、幸せが溢れていた。

 ルナはそっと目を閉じて、ぎこちなく上を向く――――。

 その仕草は、初々しく、可愛らしかった。

 レオンは、そんなルナを愛おしそうに見つめ――そっと、唇を重ねた。

 優しく。

 愛情を込めて。

 瞬間――黄金色の光が、二人を包み込んだ。

 祝福の光。それは、他の三人の時よりもさらに眩く、暖かく、二人を包んでいく。

「何が嫉妬よ!」

 ミーシャが顔を赤くして叫ぶ。

「この浮気者……」

 エリナもジト目で光に包まれている二人を睨んでいた。

「でも……」

 シエルは、少し悔しそうにつぶやいた。

「ちょっと羨ましい……かな? あんなに真っ直ぐなプロポーズ……」

【運命を共にすると誓った者を確認――ルナ・クリムゾン】

 レオンの脳裏に、金色の文字が浮かび上がる。

 四人目の運命が、結ばれた。

 運命に祝福される二人。

「えへへ……」

 ルナは、照れくさそうに笑った。

 いつもの強がりは、そこにはない。

 ただ、幸せそうな、心からの笑顔だけがあった。

「ずっと、ずっと、そうやって笑っていてね?」

 レオンが、優しく髪を撫でる。

「うん!」

 ルナは大きく頷いた。

「幸せにしてね? 約束だからね?」

 ルナは少し心配そうにレオンを見上げる。

「もちろん」

 レオンは、ルナの額に優しくキスをした。

「君は、僕の太陽だよ。いつも明るく、いつも元気で、みんなを照らしてくれる」

「レオン……」

 ルナの目から、また涙が零れた。

 嬉しさの涙。

「ありがとう……」

 そう言って、またレオンは、ルナの唇に優しくキスをした。

 長く、愛おしそうに。

 永遠にこの瞬間が続けばいいのにと思うほど、幸せな口づけ。

 牢獄の中が、四人分の黄金色の光で満たされていた。

 絶望の場所が、今は希望の光に包まれている。

 五人の運命が、結ばれた。

 反撃が――――始まる。


     ◇

 黄金色の光が、五人全員を包み込んでいく。

 それは、まるで神の祝福のような温かな光だった。肌を撫で、心を満たし、魂の奥底まで染み渡っていく。

 冷たい牢獄の空気が、春の陽光に包まれたかのように和らいでいく。

【運命を共にすると誓った者たち――エリナ・ブラックソード、ミーシャ・ホーリーベル、ルナ・クリムゾン、シエル・フォン・アステリア】

【五つの魂が、一つの運命として結ばれました】

【『運命創造』を発動しますか?】

 レオンの視界に、黄金の文字が浮かび上がった。



スタンプを贈って作者を応援しよう!

次のエピソードへ進む 160. 殺意の海


みんなのリアクション



おすすめ作品を読み込み中です…



「……え?」
 ルナの緋色の瞳が、大きく揺れた。
 その瞳に、戸惑いが浮かぶ――。
「僕のこと……」
 レオンは、少し寂しそうに首をかしげた。
「嫌い……?」
「……え? え?」
 ルナは、ビクッと身体を震わせ、慌てて瞳を泳がせた。
「そんな……そんなわけ……」
 レオンは、変わらず優しい笑顔で、ルナの緋色の瞳を覗き込む。
 その優しさ。
 その温かさ。
 その真っ直ぐさ。
 すっかりレオンの優しい雰囲気に飲み込まれ、ルナは抵抗する力を失った。
 ゆっくりと、首を振る。
「……好き」
 つい口をついて出てしまった、隠しきれない本音。
「あっ! いや、ち、ち、ち、違うの! こ、これは……」
 慌てて訂正しようとするルナ。
「ありがとう、ルナ。僕も、君が大好きだよ」
 レオンは、ニコッと満面の笑みを浮かべ――そっとルナの小さな身体を優しくハグした。
「あ……」
 じんわりと伝わってくるレオンの体温――――。
 その温かさにほだされ、そっと目をつぶるルナ。
「私……レオンのこと……好き……」
 ルナは、ギュッとレオンに抱きついて、胸に顔を埋めた。
 温かい。
 優しい。
 幸せ――――。
「チョロいわねぇ……」
 ミーシャが、呆れたように呟く。
「単純よね」
 エリナも、ジト目で見ている。
「なっ!」
 ルナが、顔を真っ赤にして振り返った。
「何がチョロいのよぉ!! 聞こえてるわよ!!」
 思わず、レオンから離れようとする。
 しかし――レオンは、その可愛らしい顔を両手で優しく包み、そっと自分の方を向かせた。
「ルナ」
 レオンの声が、優しく響く。
「あの二人は、僕らに嫉妬してるだけだよ」
「し、嫉妬……?」
 ルナが、きょとんとする。
「そう」
 レオンは、悪戯っぽく笑った。
「見せつけてやろうよ。僕たちの幸せを」
「み、見せつける……?」
「そう、幸せな人が一番強いんだよ?」
 ニヤリと笑うレオン。
「そ、そうね!」
「結婚してくれるかい?」
 レオンは再度問う。
「うんっ!」
 ルナは、ニコッと笑った。
 いつもの勝気な笑顔。
 けれど、その瞳には、幸せが溢れていた。
 ルナはそっと目を閉じて、ぎこちなく上を向く――――。
 その仕草は、初々しく、可愛らしかった。
 レオンは、そんなルナを愛おしそうに見つめ――そっと、唇を重ねた。
 優しく。
 愛情を込めて。
 瞬間――黄金色の光が、二人を包み込んだ。
 祝福の光。それは、他の三人の時よりもさらに眩く、暖かく、二人を包んでいく。
「何が嫉妬よ!」
 ミーシャが顔を赤くして叫ぶ。
「この浮気者……」
 エリナもジト目で光に包まれている二人を睨んでいた。
「でも……」
 シエルは、少し悔しそうにつぶやいた。
「ちょっと羨ましい……かな? あんなに真っ直ぐなプロポーズ……」
【運命を共にすると誓った者を確認――ルナ・クリムゾン】
 レオンの脳裏に、金色の文字が浮かび上がる。
 四人目の運命が、結ばれた。
 運命に祝福される二人。
「えへへ……」
 ルナは、照れくさそうに笑った。
 いつもの強がりは、そこにはない。
 ただ、幸せそうな、心からの笑顔だけがあった。
「ずっと、ずっと、そうやって笑っていてね?」
 レオンが、優しく髪を撫でる。
「うん!」
 ルナは大きく頷いた。
「幸せにしてね? 約束だからね?」
 ルナは少し心配そうにレオンを見上げる。
「もちろん」
 レオンは、ルナの額に優しくキスをした。
「君は、僕の太陽だよ。いつも明るく、いつも元気で、みんなを照らしてくれる」
「レオン……」
 ルナの目から、また涙が零れた。
 嬉しさの涙。
「ありがとう……」
 そう言って、またレオンは、ルナの唇に優しくキスをした。
 長く、愛おしそうに。
 永遠にこの瞬間が続けばいいのにと思うほど、幸せな口づけ。
 牢獄の中が、四人分の黄金色の光で満たされていた。
 絶望の場所が、今は希望の光に包まれている。
 五人の運命が、結ばれた。
 反撃が――――始まる。
     ◇
 黄金色の光が、五人全員を包み込んでいく。
 それは、まるで神の祝福のような温かな光だった。肌を撫で、心を満たし、魂の奥底まで染み渡っていく。
 冷たい牢獄の空気が、春の陽光に包まれたかのように和らいでいく。
【運命を共にすると誓った者たち――エリナ・ブラックソード、ミーシャ・ホーリーベル、ルナ・クリムゾン、シエル・フォン・アステリア】
【五つの魂が、一つの運命として結ばれました】
【『運命創造』を発動しますか?】
 レオンの視界に、黄金の文字が浮かび上がった。