【1】③
ー/ー ◇ ◇ ◇
「向こうの駅まで伯父さんが迎えに来てくれるからね」
「新幹線の駅から結構遠いんでしょ? いいのかな」
「荷物が多いから乗り換え大変だろうって伯父さんが。それはママからちゃんとお礼を言ってあるわ」
新幹線のホームで。わざわざ手間を掛けてもらわなくても最寄りの駅まで自力で行くのに、と疑問を返した瑛璃に、母が答えた。
「これはお家についたら伯母さんに渡して。瑛璃ちゃんなら心配ないだろうけど挨拶はきちんとね。夏中他所の子を預かるのってすごく大変だと思うし」
菓子折りの箱と現金が入っているという封筒について母が念を押して来る。
乗車券を持っている瑛璃はともかく、母は改札口の中に入るのにも入場券が必要になる。そのため改札から先は一人でいいと断ったのに、聞く気もなさそうにホームまでついて来てくれた。
優しい母。おそらく、瑛璃のことを考えてくれている母。この旅もきっとそうなのだ。ただ信じるしかない。
瑛璃が一人でどれだけ何を考えても、どうにもならないのだから。
「わかってる! 伯父さんは知ってるけど、伯母さんも、えっと航さんも初対面だしね。『東京の子は常識がない』なんて思われたら嫌だもん」
知らない町、知らない家、……一歳上で高校二年生だという従兄。
赤の他人ではない。親族なのだから、邪魔だと感じたとしても悪意を向けられるようなことはない、筈だ。
どうしても納得がいかないなら最初から断るだろう。
ほんの一か月と少し。小さな子どもでもあるまいし、瑛璃はもう高校生なのだから。
必死で自分に言い聞かせても、不安と寂しさは完全には払拭できなかった。
「向こうの駅まで伯父さんが迎えに来てくれるからね」
「新幹線の駅から結構遠いんでしょ? いいのかな」
「荷物が多いから乗り換え大変だろうって伯父さんが。それはママからちゃんとお礼を言ってあるわ」
新幹線のホームで。わざわざ手間を掛けてもらわなくても最寄りの駅まで自力で行くのに、と疑問を返した瑛璃に、母が答えた。
「これはお家についたら伯母さんに渡して。瑛璃ちゃんなら心配ないだろうけど挨拶はきちんとね。夏中他所の子を預かるのってすごく大変だと思うし」
菓子折りの箱と現金が入っているという封筒について母が念を押して来る。
乗車券を持っている瑛璃はともかく、母は改札口の中に入るのにも入場券が必要になる。そのため改札から先は一人でいいと断ったのに、聞く気もなさそうにホームまでついて来てくれた。
優しい母。おそらく、瑛璃のことを考えてくれている母。この旅もきっとそうなのだ。ただ信じるしかない。
瑛璃が一人でどれだけ何を考えても、どうにもならないのだから。
「わかってる! 伯父さんは知ってるけど、伯母さんも、えっと航さんも初対面だしね。『東京の子は常識がない』なんて思われたら嫌だもん」
知らない町、知らない家、……一歳上で高校二年生だという従兄。
赤の他人ではない。親族なのだから、邪魔だと感じたとしても悪意を向けられるようなことはない、筈だ。
どうしても納得がいかないなら最初から断るだろう。
ほんの一か月と少し。小さな子どもでもあるまいし、瑛璃はもう高校生なのだから。
必死で自分に言い聞かせても、不安と寂しさは完全には払拭できなかった。
みんなのリアクション
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「向こうの駅まで伯父さんが迎えに来てくれるからね」
「新幹線の駅から結構遠いんでしょ? いいのかな」
「荷物が多いから乗り換え大変だろうって伯父さんが。それはママからちゃんとお礼を言ってあるわ」
新幹線のホームで。わざわざ手間を掛けてもらわなくても最寄りの駅まで自力で行くのに、と疑問を返した瑛璃に、母が答えた。
「これはお家についたら伯母さんに渡して。瑛璃ちゃんなら心配ないだろうけど挨拶はきちんとね。夏中他所の子を預かるのってすごく大変だと思うし」
菓子折りの箱と現金が入っているという封筒について母が念を押して来る。
乗車券を持っている瑛璃はともかく、母は改札口の中に入るのにも入場券が必要になる。そのため改札から先は一人でいいと断ったのに、聞く気もなさそうにホームまでついて来てくれた。
優しい母。おそらく、瑛璃のことを考えてくれている母。この旅もきっとそうなのだ。ただ信じるしかない。
瑛璃が一人でどれだけ何を考えても、どうにもならないのだから。
「わかってる! 伯父さんは知ってるけど、伯母さんも、えっと航さんも初対面だしね。『東京の子は常識がない』なんて思われたら嫌だもん」
知らない町、知らない家、……一歳上で高校二年生だという従兄。
赤の他人ではない。親族なのだから、邪魔だと感じたとしても悪意を向けられるようなことはない、筈だ。
どうしても納得がいかないなら最初から断るだろう。
ほんの一か月と少し。小さな子どもでもあるまいし、瑛璃はもう高校生なのだから。
必死で自分に言い聞かせても、不安と寂しさは完全には払拭できなかった。
「向こうの駅まで伯父さんが迎えに来てくれるからね」
「新幹線の駅から結構遠いんでしょ? いいのかな」
「荷物が多いから乗り換え大変だろうって伯父さんが。それはママからちゃんとお礼を言ってあるわ」
新幹線のホームで。わざわざ手間を掛けてもらわなくても最寄りの駅まで自力で行くのに、と疑問を返した瑛璃に、母が答えた。
「これはお家についたら伯母さんに渡して。瑛璃ちゃんなら心配ないだろうけど挨拶はきちんとね。夏中他所の子を預かるのってすごく大変だと思うし」
菓子折りの箱と現金が入っているという封筒について母が念を押して来る。
乗車券を持っている瑛璃はともかく、母は改札口の中に入るのにも入場券が必要になる。そのため改札から先は一人でいいと断ったのに、聞く気もなさそうにホームまでついて来てくれた。
優しい母。おそらく、瑛璃のことを考えてくれている母。この旅もきっとそうなのだ。ただ信じるしかない。
瑛璃が一人でどれだけ何を考えても、どうにもならないのだから。
「わかってる! 伯父さんは知ってるけど、伯母さんも、えっと航さんも初対面だしね。『東京の子は常識がない』なんて思われたら嫌だもん」
知らない町、知らない家、……一歳上で高校二年生だという従兄。
赤の他人ではない。親族なのだから、邪魔だと感じたとしても悪意を向けられるようなことはない、筈だ。
どうしても納得がいかないなら最初から断るだろう。
ほんの一か月と少し。小さな子どもでもあるまいし、瑛璃はもう高校生なのだから。
必死で自分に言い聞かせても、不安と寂しさは完全には払拭できなかった。