ep110 決着。そして
ー/ー「追い返した、でいいのか」
俺は空を眺めながら吐息をついた。煙が晴れた頃にはもうヤツの姿はどこにもなかった。とりあえず今回の戦いは終わった……かに見えた。
「それでは銀髪の魔剣使いクロー。お前を連行させてもらう!」
満を持してと言わんばかりに今度はカレンが俺に向かって剣尖を突き立ててきた。おいおい勘弁してくれよ。
「一応、俺、民間の協力者ってことになんないの?」
なかば呆れたようにお堅い女隊長さんに言ってみた。案の定、彼女に譲る気配はない。
「魔剣使い……〔戦場の厄災〕との言い伝えもある。数多の不幸をもたらしたという史実も残っている。クロー、必ずしもお前がそうだとは限らない。しかしこのまま放っておくわけにもいかないのだ」
カレン隊長に呼応して、部下の兵士たちも彼女のもとへに集まってきて、俺を牽制し始めた。
「やるしか、ないか」
こうなれば仕方がない。魔剣使いの力をもってしてこの場を切り抜けるしかない。
「ま、待ってくださ〜い!」
「クロー!」
一色触発の緊迫の場面に、シヒロをおぶったエレサが俺の横へふわっと舞い降りてきた。
「シヒロとエレサ?」
俺は彼女たちを見て少々ビックリした。意外な行動だった。シヒロはエレサの背中から降りると、カレンに向かって相対する。
「カレンさん! クローさんは悪者ではありません!」
「シヒロか。すまない。お前には謝らなければならない」
カレンもまた意外なことを口にした。
「えっ?」
「お前が、銀髪の魔剣使いの仲間であるということは目星がついていたんだ。だから私はお前たちに声をかけた」
「そ、そんな! カレンさんはぼくたちを利用して?」
「そういうことだ。騙してしまいすまない」
カレンは素直に謝った。誠実な態度だった。
「そ、それはもういいです!」とやや機先を制された格好のシヒロだったが、すぐに本題を切り出した。
「そんなことより、クローさんを捕まえるのはやめてください! クローさんは、カレンさんたちとは違うけど、街や人々を〔フリーダム〕から守っているんです! それは貴女だってわかっているはずです!」
シヒロは必死に訴えた。哀願していると言ってもいい。
俺は彼女たちのやり取りを眺めながら、ふとお堅い女隊長には効果的でありそうな方法をひらめく。
「シヒロ。お前はさがっていろ」
俺はシヒロを押しのけて一歩前に出る。
「クローさん? ど、どうするつもりなんですか??」
不安そうな顔を向けてくるシヒロ。俺は前に出るなり、カレンへ剣を向けた。
「カレン。ただ見逃せとは言わない。今ここで俺と一対一で立ち合え。俺が負ければ大人しく従う。だが、俺が勝ったら大人しく見逃してもらう。それでどうだ?」
俺がそう言い放つなり、やにわにまわりがザワつき始める。
「オイオイあいつ身の程をわかっているのか?」
「カレン隊長に勝てると思っているのか?」
「あの男に万に一つも勝ち目はないぞ?」
部下の兵士たちは隊長の勝利を信じて疑っていないようだ。ついさっき俺の力を見せつけたのにも関わらずだ。つまり、本気のカレンはそれ以上ということか。
「魔剣使いクロー。剣士らしく剣で決着をつけると、そういうことか?」
微動だにせず反問してくるカレン。拒否する様子は微塵も窺えない。
「ああ。そういうことだ」
「わかった。お前からそのような事を言うとは意外だったが、私に異存はない。正々堂々相手をしてやろう」
カレンは承諾した。
よし。やはりこのお堅い女隊長は乗ってきた。こういう形でなら遺恨を残さずにきっちりと決着がつけられる。今後のことを考えてもベストだ。
「クローさん!」
シヒロがすがりつくように心配面を寄せてきた。
「大丈夫だ。それにあういうお堅そうな隊長様には説得よりもこっちのほうが手っ取り早い」
俺は安心させるようにシヒロの肩へポンと手を置いた。
俺は空を眺めながら吐息をついた。煙が晴れた頃にはもうヤツの姿はどこにもなかった。とりあえず今回の戦いは終わった……かに見えた。
「それでは銀髪の魔剣使いクロー。お前を連行させてもらう!」
満を持してと言わんばかりに今度はカレンが俺に向かって剣尖を突き立ててきた。おいおい勘弁してくれよ。
「一応、俺、民間の協力者ってことになんないの?」
なかば呆れたようにお堅い女隊長さんに言ってみた。案の定、彼女に譲る気配はない。
「魔剣使い……〔戦場の厄災〕との言い伝えもある。数多の不幸をもたらしたという史実も残っている。クロー、必ずしもお前がそうだとは限らない。しかしこのまま放っておくわけにもいかないのだ」
カレン隊長に呼応して、部下の兵士たちも彼女のもとへに集まってきて、俺を牽制し始めた。
「やるしか、ないか」
こうなれば仕方がない。魔剣使いの力をもってしてこの場を切り抜けるしかない。
「ま、待ってくださ〜い!」
「クロー!」
一色触発の緊迫の場面に、シヒロをおぶったエレサが俺の横へふわっと舞い降りてきた。
「シヒロとエレサ?」
俺は彼女たちを見て少々ビックリした。意外な行動だった。シヒロはエレサの背中から降りると、カレンに向かって相対する。
「カレンさん! クローさんは悪者ではありません!」
「シヒロか。すまない。お前には謝らなければならない」
カレンもまた意外なことを口にした。
「えっ?」
「お前が、銀髪の魔剣使いの仲間であるということは目星がついていたんだ。だから私はお前たちに声をかけた」
「そ、そんな! カレンさんはぼくたちを利用して?」
「そういうことだ。騙してしまいすまない」
カレンは素直に謝った。誠実な態度だった。
「そ、それはもういいです!」とやや機先を制された格好のシヒロだったが、すぐに本題を切り出した。
「そんなことより、クローさんを捕まえるのはやめてください! クローさんは、カレンさんたちとは違うけど、街や人々を〔フリーダム〕から守っているんです! それは貴女だってわかっているはずです!」
シヒロは必死に訴えた。哀願していると言ってもいい。
俺は彼女たちのやり取りを眺めながら、ふとお堅い女隊長には効果的でありそうな方法をひらめく。
「シヒロ。お前はさがっていろ」
俺はシヒロを押しのけて一歩前に出る。
「クローさん? ど、どうするつもりなんですか??」
不安そうな顔を向けてくるシヒロ。俺は前に出るなり、カレンへ剣を向けた。
「カレン。ただ見逃せとは言わない。今ここで俺と一対一で立ち合え。俺が負ければ大人しく従う。だが、俺が勝ったら大人しく見逃してもらう。それでどうだ?」
俺がそう言い放つなり、やにわにまわりがザワつき始める。
「オイオイあいつ身の程をわかっているのか?」
「カレン隊長に勝てると思っているのか?」
「あの男に万に一つも勝ち目はないぞ?」
部下の兵士たちは隊長の勝利を信じて疑っていないようだ。ついさっき俺の力を見せつけたのにも関わらずだ。つまり、本気のカレンはそれ以上ということか。
「魔剣使いクロー。剣士らしく剣で決着をつけると、そういうことか?」
微動だにせず反問してくるカレン。拒否する様子は微塵も窺えない。
「ああ。そういうことだ」
「わかった。お前からそのような事を言うとは意外だったが、私に異存はない。正々堂々相手をしてやろう」
カレンは承諾した。
よし。やはりこのお堅い女隊長は乗ってきた。こういう形でなら遺恨を残さずにきっちりと決着がつけられる。今後のことを考えてもベストだ。
「クローさん!」
シヒロがすがりつくように心配面を寄せてきた。
「大丈夫だ。それにあういうお堅そうな隊長様には説得よりもこっちのほうが手っ取り早い」
俺は安心させるようにシヒロの肩へポンと手を置いた。
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