表示設定
表示設定
目次 目次




車内にて

ー/ー



 ヴァイとエリシアは車で高速道路を移動していた。



 エンジンの低い音が車内に響き、窓の外には流れる景色が続く。



 助手席に座るエリシアが、不意に口を開いた。



「歯医者でさぁ……」



 唐突な話題にヴァイはちらりと横目を向ける。

「あん?」



「あれですわよ。痛い時って麻酔を打つじゃありませんの。」

「まぁな。」



 エリシアは頷きながら続ける。



「あれでね……こう……『うわああぁ痛い痛い痛いよおおおおお!』って大袈裟に騒いでみたら、どうですの?」



「……」



「その……ほら、麻酔マシマシで打ってくれるんじゃありませんの?やっぱ、そう言う駆け引きって大事ですわね……」



 自信満々の様子で語るエリシア。



 ヴァイはハンドルを握りながら、一瞬だけ呆れた顔で彼女を見た。



(何言ってんだこいつ)



 口には出さず、ため息混じりに目を前方の道路に戻す。



 エリシアは満足げに窓の外を眺めていた。



スタンプを贈って作者を応援しよう!

次のエピソードへ進む 車内にて


みんなのリアクション



おすすめ作品を読み込み中です…



 ヴァイとエリシアは車で高速道路を移動していた。
 エンジンの低い音が車内に響き、窓の外には流れる景色が続く。
 助手席に座るエリシアが、不意に口を開いた。
「歯医者でさぁ……」
 唐突な話題にヴァイはちらりと横目を向ける。
「あん?」
「あれですわよ。痛い時って麻酔を打つじゃありませんの。」
「まぁな。」
 エリシアは頷きながら続ける。
「あれでね……こう……『うわああぁ痛い痛い痛いよおおおおお!』って大袈裟に騒いでみたら、どうですの?」
「……」
「その……ほら、麻酔マシマシで打ってくれるんじゃありませんの?やっぱ、そう言う駆け引きって大事ですわね……」
 自信満々の様子で語るエリシア。
 ヴァイはハンドルを握りながら、一瞬だけ呆れた顔で彼女を見た。
(何言ってんだこいつ)
 口には出さず、ため息混じりに目を前方の道路に戻す。
 エリシアは満足げに窓の外を眺めていた。