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【少しこわい話】おみやげ

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「ただいま」お父さんが帰ってきた。「おみやげ」お父さんは白い粉の入ったビニール袋を手渡してきた。「また火葬場に寄ったの?」私は尋ねた。「火葬場はいいよ」この白い粉は、誰かの遺骨をちょろまかした物だ。「火葬場の何がいいの?」「煙がいいよ」「火葬場の煙の何がいいの?」「あれは今誰かが焼かれている煙なんだなあ、って思うと……」「思うと?」お父さんはしばらく黙っていた。「……何かいいのさ」「変なの」私はアパートのベランダに出て、土が入ったプランターに、誰かの遺骨を撒いた。「何してるの?」お父さんが尋ねてきた。「誰かが生えてきたらいいなあ、って思って……」しばらく黙った後に私がそう言うと、お父さんは「変なの」と言った。そして、私たちは顔を見合わせてくすくす笑った。


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「ただいま」お父さんが帰ってきた。「おみやげ」お父さんは白い粉の入ったビニール袋を手渡してきた。「また火葬場に寄ったの?」私は尋ねた。「火葬場はいいよ」この白い粉は、誰かの遺骨をちょろまかした物だ。「火葬場の何がいいの?」「煙がいいよ」「火葬場の煙の何がいいの?」「あれは今誰かが焼かれている煙なんだなあ、って思うと……」「思うと?」お父さんはしばらく黙っていた。「……何かいいのさ」「変なの」私はアパートのベランダに出て、土が入ったプランターに、誰かの遺骨を撒いた。「何してるの?」お父さんが尋ねてきた。「誰かが生えてきたらいいなあ、って思って……」しばらく黙った後に私がそう言うと、お父さんは「変なの」と言った。そして、私たちは顔を見合わせてくすくす笑った。