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プロローグ

ー/ー



「ここもか・・・、これで四つ目だな。クシナダ」
 私は目の前に見える砕かれた石碑のような物を眺めていた。
「これで残る封印石もあと四つ。これ以上やらせる訳にはいかぬぞ」
 いったいここは何処だろう。
 辺りはうっそうとした木々に囲まれている。朝が近いのか、それとももうじき夜がくるのだろうか。緑と土の匂いに包まれた空気は、群青色に染まり薄暗い。
「火、土、雷、風と壊され。次は一体何処を狙う」
 どうやら何処かの山の中にいるようだ。では私はいつからここにいたのだろう?
・・・不思議なことに記憶が抜け落ちている。
「おい、クシナダ。聞いているのか?」
 何だろう?さっきから誰かが話しかけている。だけど周りを見渡してみても人影はない。それ以前に生き物の気配すらない。
 人気の無い山中にて一人きり。
 薄暗く身動きが取れない上、記憶までもが覚束無い。さらに幻聴まであらわれているというのに、不思議と恐怖は感じていなかった。
「ク、シ、ナ、ダッ!!」
 聞こえないふりを決め込んでいたのだけれど、どうやら声の主は機嫌を損ねたようだ。
「・・・クシナダって、私の事?」
 幻聴に対して応えてみる。傍から見れば頭が暖かい人だと思われても文句の言えな
い行動である。だが幸いここには人がいない。
 ――しばしの沈黙。
 やはり幻聴は気のせいであったか。
「何を寝ぼけた事を言っている。おぬしがクシナダでなかったら誰がクシナダなのだ」
 返事が聞こえてしまった。しかも返答に困る幻聴である。誰がクシナダなんだと言われても。それはこっちが聞きたいくらいな訳で。
「しっかりするのだ。封印が半分も解かれてしまって遊んでいる暇などないというのに」
「・・・封印?」
 そういえばさっきもこの声は、封印がどうのこうのと言っていた気がした。
「そんな大事なことも忘れているのか。いや、これはもしや封印の解けている影響が出ているのかもしれぬ。よもや我のことまで忘れてはおらぬよな?」
 幻聴に知り合いはいなかったと思うが、私が忘れているとしたら申し訳ないのでこう答えてみる。
「ちょっと度忘れしてるみたい」
 幻聴に対して気を使うとは私もお人好しだ。
「ぬぬぬ・・・なんという事だ。このままでは全ての封印が解かれるのも時間の問題ではないか」
 またも封印という気になる言葉。
「私の頭の中で喋るあなたは誰?封印って何を封じ込めているの?」
 もうこの際だ。人の目は無いのだからこの状況を正面から乗っかってしまう事にしよう。
「頭の中で喋るだと?髪に刺している櫛を抜いてみよ」
 言われた通り髪を触ると、一本の長い櫛が刺さっていた事に初めて気づく。
そのまま櫛を引き抜くと、まとめていた長い髪がふさっと背中に落ちた。
「我の名はスサノオ。その櫛が今の我の姿だ」
 なんと声は櫛から聞こえていた。パッと見、100%木製である。特にスピーカーの類いは見当たらない。
「何をジロジロと見ている」
 繰り返すがパッと見、100%木製である。特にカメラの類いも見当たらない。
・・・ええい迷うな、今は乗っかっておくのが吉よ。
「スサノオさん、それで封印っていうのは?」
「ここ八雲山には、山頂を中心にして放射状に散らばった八つの封印石が立てられていた」
 八雲山、それがこの山の名前。困ったわ、全くピンとこない。そして・・・
「封印石?」
「そう。火、水、土、風、雷、毒、光、闇の八つの封印石。その内の火、土、雷。そして今目の前に砕けている風。すでに四つの封印が解かれてしまっている」
 この砕けてしまっている石碑のようなものが封印石。
「それで残り四つの封印も解けてしまった時、一体何が起こるというの?」
「奴がこの地に再び現れる・・・ヤマタノオロチが」
 ――ヤマタノオロチ。
「痛っ!」
 その名前を聞いて頭に鋭い痛みが走る。
まるで私の記憶を包んでいた殻にひびが入ったようで、消えた記憶が少しづつ滲み出てくる。
 私は知っていた。その名前を。
 それは七人の姉の命を奪った憎き仇。その姿は八つの首と八つの尾を持つ巨大な蛇の化け物。そして次の生け贄は私の番だった。それを助けてくれたのがスサノオ!!
「って・・・いや、ちょっとおかしいでしょ」
 手のひらに乗っているスサノオを見て私はこぼす。
「何がだ?」
「何もかもよ。スサノオにヤマタノオロチね。知ってるわよ、そのくらい。日本神話でも有名な話のひとつじゃない。クシナダは確かスサノオのお嫁さんだったわね」
「おお、そうだとも。クシナダ、記憶が戻ったのか?」
「何言ってるのよ。神話よ神話。つまり神様のお話よ。それも大昔の。なんで私に関係あるのよ。今、この世は令和よ、れ、い、わ」
「またそこから説明せねばならぬのか。時間が無いというのに」
 聞こえないけどこの櫛は舌打ちをしたような気がした。
「ひょっとして私がクシナダさんの子孫だって言いたい訳?」
 容易く思いつく私の推理を口にする。
「その通りだ」
 何て安直な・・・それを信用しろというのか。そんな無茶苦茶な話がある訳無い。
「信じられないといった所であろうな。だがそれでは何ゆえこの封印石が存在する?ヤマタノオロチは本当にこの地に封じられておるのだ」
 封印石。確かに何か凄いものを封じ込めているような、そんな仰々しさは感じはする。でもねぇ。
「ちょっと待って。百歩ゆずってその話が本当だとしましょ」
「うむ」
「確かスサノオはクシナダを守るため、彼女を櫛に変えてあなたの髪に隠したんじゃなかったかしら?今の状況は全くの正反対。スサノオが私に隠れているなんて何の
冗談よ。誰がヤマタノオロチを退治するというの?」
 私はあからさまアベコベになっている部分について指摘する。
「我がこの姿になっている理由は我にも分からん。この姿ではもちろん奴と戦うことは無理な話だ。だからこそ何としても封印を守り奴の復活を止めねばならぬのだ」
 なるほど、話の筋は通っている。
「どうやら納得してくれたようだな」
 通ってはいるけど、だからと言ってそれを納得したかというのはちょっと・・・。でもまぁ、文句言っても仕方ないか。
「とりあえず、今はね」
「それでも構わぬ。とにかく今は残り四つの封印を守りぬくのだ。奴を復活させた時点で我らの負けは決定してしまう」
 そうと決まれば行動するだけ。
「次の封印石の場所はどこ?」
 髪の毛をまとめ上げ、再びスサノオを刺して走る準備をする。
「おっと、そこまでです」
 突然新たな三人目の声が現れた。
「誰!?」
 私は反射的に身構える。さっきは人の気配を感じなかったのに。
「折角全て忘れてもらって、家に帰ってもらおうと思ったんですけどね。思い出しちゃいましたか」
 黒いスーツに身を包んだ何者かが、少し離れた木の影から姿を現した。
「あなたは何者?私の記憶を消したのはあなたなの?」
 目をこらしてみるが、薄暗くて顔がよく見えない。
「クシナダ、逃げろ。あの者から血の臭いがする」
 スサノオが言うが前に私は背を向け走りだしていた。あいつは危ない。本能でそれを感じていた。だがしかし、その事に気づくには既に遅すぎていた。見つかった時点で終わり。
 後ろを振り向き様子を伺いながら走っていた私は、突然前方に現れた障害物とぶつかり尻餅をついた。見上げると立ちはだかっていたのは黒スーツだった。
「ひぃっ」
 思わず小さく悲鳴をあげた。瞬間移動に驚くことは無かった。それ以上に驚くことがあったから。黒スーツの頭は大きな嘴のカラスだった。足がすくんでしまって立ち上がることが出来ない。
「オロチ様の復活後、最初の生け贄にあなたを取っておこうかと思っていたんですがね。ちょっとチョロチョロ煩いので、もう死んでもらいますね」
 カラスの顔でそんな事言われても、ハイそうですかと受け入れる訳にはいかない。
「・・・げほっ」
 私は急にむせ返り咳き込んだ。口を抑えた手のひらには赤黒い血がべっとりと付いていた。
「な、なんで!?」
 そして初めて自分の腹に何かが刺さっていることに気づいた。救いは痛みが無いことだろうか。ただ冷たいという感覚だけが何となくしていた。どんどん私の血液が身体の外へと流れていく。遠くでスサノオの声がする。
「・・ナダ・・ク・・!!」
 でも遠くて良く聞き取れない。
 暗い。
 薄暗かった景色も今は真っ暗になってしまっている。
 おかしいな、まるで瞼を綴じているよう。
 あの黒スーツと同じ色。バサバサっと沢山の音が遠く聞こえる。
 何の音?沢山の何かが私の身体をあちこちに引っ張っている。何をしてるの?
 痛みはないけれど、何をされているのか分からない不愉快感があった。でもそれも次第に薄れていく。
 私、死んじゃうんだ。
 何でこんな事になってんだろう。記憶が無いと後悔すら浮かばない。思うのは命って終わるのあっけないなって事。
 私が死んで誰か悲しむ人いたのかな?
 ・・・まだ死にたくないよ。
 とその時、一瞬一振りの剣が心に浮かんだ。だがそれはローソクの火のような最後の揺らぎ。私の意識はぷつりととぎれた。

 BAD END


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「ここもか・・・、これで四つ目だな。クシナダ」
 私は目の前に見える砕かれた石碑のような物を眺めていた。
「これで残る封印石もあと四つ。これ以上やらせる訳にはいかぬぞ」
 いったいここは何処だろう。
 辺りはうっそうとした木々に囲まれている。朝が近いのか、それとももうじき夜がくるのだろうか。緑と土の匂いに包まれた空気は、群青色に染まり薄暗い。
「火、土、雷、風と壊され。次は一体何処を狙う」
 どうやら何処かの山の中にいるようだ。では私はいつからここにいたのだろう?
・・・不思議なことに記憶が抜け落ちている。
「おい、クシナダ。聞いているのか?」
 何だろう?さっきから誰かが話しかけている。だけど周りを見渡してみても人影はない。それ以前に生き物の気配すらない。
 人気の無い山中にて一人きり。
 薄暗く身動きが取れない上、記憶までもが覚束無い。さらに幻聴まであらわれているというのに、不思議と恐怖は感じていなかった。
「ク、シ、ナ、ダッ!!」
 聞こえないふりを決め込んでいたのだけれど、どうやら声の主は機嫌を損ねたようだ。
「・・・クシナダって、私の事?」
 幻聴に対して応えてみる。傍から見れば頭が暖かい人だと思われても文句の言えな
い行動である。だが幸いここには人がいない。
 ――しばしの沈黙。
 やはり幻聴は気のせいであったか。
「何を寝ぼけた事を言っている。おぬしがクシナダでなかったら誰がクシナダなのだ」
 返事が聞こえてしまった。しかも返答に困る幻聴である。誰がクシナダなんだと言われても。それはこっちが聞きたいくらいな訳で。
「しっかりするのだ。封印が半分も解かれてしまって遊んでいる暇などないというのに」
「・・・封印?」
 そういえばさっきもこの声は、封印がどうのこうのと言っていた気がした。
「そんな大事なことも忘れているのか。いや、これはもしや封印の解けている影響が出ているのかもしれぬ。よもや我のことまで忘れてはおらぬよな?」
 幻聴に知り合いはいなかったと思うが、私が忘れているとしたら申し訳ないのでこう答えてみる。
「ちょっと度忘れしてるみたい」
 幻聴に対して気を使うとは私もお人好しだ。
「ぬぬぬ・・・なんという事だ。このままでは全ての封印が解かれるのも時間の問題ではないか」
 またも封印という気になる言葉。
「私の頭の中で喋るあなたは誰?封印って何を封じ込めているの?」
 もうこの際だ。人の目は無いのだからこの状況を正面から乗っかってしまう事にしよう。
「頭の中で喋るだと?髪に刺している櫛を抜いてみよ」
 言われた通り髪を触ると、一本の長い櫛が刺さっていた事に初めて気づく。
そのまま櫛を引き抜くと、まとめていた長い髪がふさっと背中に落ちた。
「我の名はスサノオ。その櫛が今の我の姿だ」
 なんと声は櫛から聞こえていた。パッと見、100%木製である。特にスピーカーの類いは見当たらない。
「何をジロジロと見ている」
 繰り返すがパッと見、100%木製である。特にカメラの類いも見当たらない。
・・・ええい迷うな、今は乗っかっておくのが吉よ。
「スサノオさん、それで封印っていうのは?」
「ここ八雲山には、山頂を中心にして放射状に散らばった八つの封印石が立てられていた」
 八雲山、それがこの山の名前。困ったわ、全くピンとこない。そして・・・
「封印石?」
「そう。火、水、土、風、雷、毒、光、闇の八つの封印石。その内の火、土、雷。そして今目の前に砕けている風。すでに四つの封印が解かれてしまっている」
 この砕けてしまっている石碑のようなものが封印石。
「それで残り四つの封印も解けてしまった時、一体何が起こるというの?」
「奴がこの地に再び現れる・・・ヤマタノオロチが」
 ――ヤマタノオロチ。
「痛っ!」
 その名前を聞いて頭に鋭い痛みが走る。
まるで私の記憶を包んでいた殻にひびが入ったようで、消えた記憶が少しづつ滲み出てくる。
 私は知っていた。その名前を。
 それは七人の姉の命を奪った憎き仇。その姿は八つの首と八つの尾を持つ巨大な蛇の化け物。そして次の生け贄は私の番だった。それを助けてくれたのがスサノオ!!
「って・・・いや、ちょっとおかしいでしょ」
 手のひらに乗っているスサノオを見て私はこぼす。
「何がだ?」
「何もかもよ。スサノオにヤマタノオロチね。知ってるわよ、そのくらい。日本神話でも有名な話のひとつじゃない。クシナダは確かスサノオのお嫁さんだったわね」
「おお、そうだとも。クシナダ、記憶が戻ったのか?」
「何言ってるのよ。神話よ神話。つまり神様のお話よ。それも大昔の。なんで私に関係あるのよ。今、この世は令和よ、れ、い、わ」
「またそこから説明せねばならぬのか。時間が無いというのに」
 聞こえないけどこの櫛は舌打ちをしたような気がした。
「ひょっとして私がクシナダさんの子孫だって言いたい訳?」
 容易く思いつく私の推理を口にする。
「その通りだ」
 何て安直な・・・それを信用しろというのか。そんな無茶苦茶な話がある訳無い。
「信じられないといった所であろうな。だがそれでは何ゆえこの封印石が存在する?ヤマタノオロチは本当にこの地に封じられておるのだ」
 封印石。確かに何か凄いものを封じ込めているような、そんな仰々しさは感じはする。でもねぇ。
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「うむ」
「確かスサノオはクシナダを守るため、彼女を櫛に変えてあなたの髪に隠したんじゃなかったかしら?今の状況は全くの正反対。スサノオが私に隠れているなんて何の
冗談よ。誰がヤマタノオロチを退治するというの?」
 私はあからさまアベコベになっている部分について指摘する。
「我がこの姿になっている理由は我にも分からん。この姿ではもちろん奴と戦うことは無理な話だ。だからこそ何としても封印を守り奴の復活を止めねばならぬのだ」
 なるほど、話の筋は通っている。
「どうやら納得してくれたようだな」
 通ってはいるけど、だからと言ってそれを納得したかというのはちょっと・・・。でもまぁ、文句言っても仕方ないか。
「とりあえず、今はね」
「それでも構わぬ。とにかく今は残り四つの封印を守りぬくのだ。奴を復活させた時点で我らの負けは決定してしまう」
 そうと決まれば行動するだけ。
「次の封印石の場所はどこ?」
 髪の毛をまとめ上げ、再びスサノオを刺して走る準備をする。
「おっと、そこまでです」
 突然新たな三人目の声が現れた。
「誰!?」
 私は反射的に身構える。さっきは人の気配を感じなかったのに。
「折角全て忘れてもらって、家に帰ってもらおうと思ったんですけどね。思い出しちゃいましたか」
 黒いスーツに身を包んだ何者かが、少し離れた木の影から姿を現した。
「あなたは何者?私の記憶を消したのはあなたなの?」
 目をこらしてみるが、薄暗くて顔がよく見えない。
「クシナダ、逃げろ。あの者から血の臭いがする」
 スサノオが言うが前に私は背を向け走りだしていた。あいつは危ない。本能でそれを感じていた。だがしかし、その事に気づくには既に遅すぎていた。見つかった時点で終わり。
 後ろを振り向き様子を伺いながら走っていた私は、突然前方に現れた障害物とぶつかり尻餅をついた。見上げると立ちはだかっていたのは黒スーツだった。
「ひぃっ」
 思わず小さく悲鳴をあげた。瞬間移動に驚くことは無かった。それ以上に驚くことがあったから。黒スーツの頭は大きな嘴のカラスだった。足がすくんでしまって立ち上がることが出来ない。
「オロチ様の復活後、最初の生け贄にあなたを取っておこうかと思っていたんですがね。ちょっとチョロチョロ煩いので、もう死んでもらいますね」
 カラスの顔でそんな事言われても、ハイそうですかと受け入れる訳にはいかない。
「・・・げほっ」
 私は急にむせ返り咳き込んだ。口を抑えた手のひらには赤黒い血がべっとりと付いていた。
「な、なんで!?」
 そして初めて自分の腹に何かが刺さっていることに気づいた。救いは痛みが無いことだろうか。ただ冷たいという感覚だけが何となくしていた。どんどん私の血液が身体の外へと流れていく。遠くでスサノオの声がする。
「・・ナダ・・ク・・!!」
 でも遠くて良く聞き取れない。
 暗い。
 薄暗かった景色も今は真っ暗になってしまっている。
 おかしいな、まるで瞼を綴じているよう。
 あの黒スーツと同じ色。バサバサっと沢山の音が遠く聞こえる。
 何の音?沢山の何かが私の身体をあちこちに引っ張っている。何をしてるの?
 痛みはないけれど、何をされているのか分からない不愉快感があった。でもそれも次第に薄れていく。
 私、死んじゃうんだ。
 何でこんな事になってんだろう。記憶が無いと後悔すら浮かばない。思うのは命って終わるのあっけないなって事。
 私が死んで誰か悲しむ人いたのかな?
 ・・・まだ死にたくないよ。
 とその時、一瞬一振りの剣が心に浮かんだ。だがそれはローソクの火のような最後の揺らぎ。私の意識はぷつりととぎれた。
 BAD END