第53話 神楽殿
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三々九度の儀式の後、恵子とサキは二人の巫女に神楽殿に案内された。ある簡素な一室に入り、椅子に座らされた。二人の巫女は、お茶と菓子を出した。
二人の巫女は恭しく礼をしてから、葉月智美と佐藤咲子と名乗った。恵子とサキと同様に若かった。
「お話しさせていただいてもよろしいでしょうか」と立ったまま智美が言った。
「ええ、どうぞ」と恵子。「あなた方も座られたらどうですか?」
「ありがとうございます」と智美。「このままで結構です」
「もし差し支えなければ、あなた方の御身分を教えていただけないでしょうか」と智美。
「ええ。私は防空隊中尉で攻撃艦朝風の副艦長です。そして彼女は少尉で朝風の艦長の副官です」と恵子。
「そうなのですか」と智美。「私たちの祭神との関係もお聞かせいただけないでしょうか。」
「伊沢悠木少佐は私たちが乗る朝風の艦長です。ですから、私たちは艦長の直属の部下になります。それから艦長のお姉さんの伊沢桐子中佐は攻撃艦夕霧の艦長です」と恵子。「ご存知のことかと思いますが」
智美と咲子は戸惑った顔をした。「それらのことはおそらく機密事項に類することなので、私たちは存じません。それに私たちは巫女にすぎませんし」と智美。
「では、どのようなことを知りたいのですか?」と恵子。
「あの裏切りの黒い悪魔との関係です」と意を決したように智美が言った。
「ひょっとして、涙の魔術師のことでしょうか」と恵子。
「そうです」と智美。
「あなたたちにとっては、黒魚之風大神ではないのですか?」とサキ。
「私たちには黒魚之風大神であり、裏切りの悪魔でもあります」と智美。「黒魚之風大神は私たちの祭神ですが、裏切りの悪魔は敵です」
「何をおっしゃりたいのかわかりません」と恵子。「私たちは桐子さんに頼まれて防空隊の隊員としてここに来ているのです。私たちに神様のことは分かりません」
「あなたたちは、祭神様と名前で呼び合う仲なのですか?」と咲子。
「桐子さんのことですか?」と恵子。
「ええ」と咲子。
「同じ艦隊に所属してますから、親しくして頂いています」と恵子。
「そうなのですか」と咲子が残念そうにつぶやいた。
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二人の巫女は恭しく礼をしてから、葉月智美と佐藤咲子と名乗った。恵子とサキと同様に若かった。
「お話しさせていただいてもよろしいでしょうか」と立ったまま智美が言った。
「ええ、どうぞ」と恵子。「あなた方も座られたらどうですか?」
「ありがとうございます」と智美。「このままで結構です」
「もし差し支えなければ、あなた方の御身分を教えていただけないでしょうか」と智美。
「ええ。私は防空隊中尉で攻撃艦朝風の副艦長です。そして彼女は少尉で朝風の艦長の副官です」と恵子。
「そうなのですか」と智美。「私たちの祭神との関係もお聞かせいただけないでしょうか。」
「伊沢悠木少佐は私たちが乗る朝風の艦長です。ですから、私たちは艦長の直属の部下になります。それから艦長のお姉さんの伊沢桐子中佐は攻撃艦夕霧の艦長です」と恵子。「ご存知のことかと思いますが」
智美と咲子は戸惑った顔をした。「それらのことはおそらく機密事項に類することなので、私たちは存じません。それに私たちは巫女にすぎませんし」と智美。
「では、どのようなことを知りたいのですか?」と恵子。
「あの裏切りの黒い悪魔との関係です」と意を決したように智美が言った。
「ひょっとして、涙の魔術師のことでしょうか」と恵子。
「そうです」と智美。
「あなたたちにとっては、黒魚之風大神ではないのですか?」とサキ。
「私たちには黒魚之風大神であり、裏切りの悪魔でもあります」と智美。「黒魚之風大神は私たちの祭神ですが、裏切りの悪魔は敵です」
「何をおっしゃりたいのかわかりません」と恵子。「私たちは桐子さんに頼まれて防空隊の隊員としてここに来ているのです。私たちに神様のことは分かりません」
「あなたたちは、祭神様と名前で呼び合う仲なのですか?」と咲子。
「桐子さんのことですか?」と恵子。
「ええ」と咲子。
「同じ艦隊に所属してますから、親しくして頂いています」と恵子。
「そうなのですか」と咲子が残念そうにつぶやいた。