ep71 魔剣使いvs魔銃使い②
ー/ー 俺は発砲より先に始動する。
「止まったらダメだ! 一気に間合いを詰めて一撃で仕留める!」
銃弾の軌道に定まらぬよう俊敏にギザギザに跳び進んでいく。
「いい動きだ。だがかわし続けられっか?」
シヴィスはこちらと呼吸を合わせるかのように跳び退がりつつ距離を保ちながら銃弾を発射する。
「きゃあ!」
「あぶねぇ!」
「やべぇ! 離れろ!」
周辺でおそるおそる観戦していた野次馬たちの悲鳴が上がる。被弾した周囲の建物が音と破片をバラ撒きながら次々と損壊していく。
「うわぁ!」
知った女の声が耳に入る。シヒロだ。
「!」
俺は一瞬そちらへ視線を向ける。
「あ、ありがとうございます。ええと、ドリブルさんと……ぶ、ブースカさん?」
「大丈夫か嬢ちゃん…っておれはトレブルだ!」
「おれはブーストだ!」
シヒロに目がけて降ってきた瓦礫からトレブルとブーストが守ったようだ。俺の狙いが功を奏した。
「よし、あとは……」
俺は銃弾をかわしながらシヴィスに迫っていく。
「すばしっこいなテメーは!」
シヴィスは一定距離を保って退がりながら銃を放つ。
「一定距離を保つ?」
なぜヤツは最初にいた屋根上からここまで降りて近づいてきた? もっと俺に踏み込まれない距離から撃ってきた方が有利ではないのか? 普通の銃ならともかく、魔銃なら充分それは可能そうなことだが。
ということはつまり……
『距離と威力の相反性ですね。もしくは正確性と威力の相反性』
『だよな』
〔謎の声〕と見解が一致する。
『あの魔銃とやらは、魔力を銃弾にして攻撃するもの。魔力が続く限り使用できますので非常に便利な武器です』
『だが威力を上げようとすればするほど制御が難しくなり正確性が下がる。よって威力を維持したまま当てようとするなら結果的に相手との距離を縮めざるを得なくなる』
『そのとおりです。おそらく彼が見立てたクロー様を仕留めるために必要な威力が今のそれなのでしょう』
『ヤツにとってはあの威力ならこの距離がベストってことだな』
『そして魔力は有限です。いずれ消耗してしまいます。そういう意味でもこの威力と距離かと』
『とはいえヤツが消耗するのを待つと街への被害が大きくなる。トレブルとブーストに守らせちゃいるがシヒロにも危険を及ぼしかねない』
『ワタクシの〔空間転移〕で一気に距離を縮めて仕留めますか?』
『いや、お前のそれはできるだけ温存しておきたい。いつ何があるかわからないからな』
『わかりました。ではどうするので?』
『試したいことがある』
俺は唐突にピタリと動きを止めた。
「お? 疲れちまったかぁ!?」
シヴィスはここぞとばかりにバンッバンッバンッと連射する。弾道は正確に俺の体へ突き進んでくる。弾はそのまま俺を貫くのか?
「特殊技能〔ニュンパ・フガティオ〕」
ヤツからは俺が忽然と消失したように見えただろう。弾丸は空を切り、無人の建物へ着弾してボガァァァンと破壊音を立てる。そのやかましい音は俺の気配を紛らせるのを手伝った。
「魔剣使い……そこか!」
俺の移動した距離はせいぜい十歩程度。意表を衝かれたとはいえシヴィスが俺を視界にとらえ直すのに、ものの二秒もかからなかっただろう。しかしそのわずかな間は、俺にとっては充分な溜めとなる。
「こいつもかわせるか? 魔剣使い!」
シヴィスは素早くバーンと魔銃を発射した。同時に、すでに始動体制に入っていた俺も発動する。
「〔発閃〕」
その場でズバァァッと空を抉るように振り抜く渾身の一閃。それだけであればただの力いっぱいの素振りに過ぎないが、もちろん違う。
「なにぃ!?」
斬閃は空気を斬り裂き鎌鼬のような衝撃波となって、向かってくる弾丸を滅しながら敵へと疾る。我ながら完璧な軌道とタイミング。
「!!」
予想外の飛び道具にズバァァァッと被弾したシヴィス。咄嗟に両腕で防御はしたものの、
「クッ、今のは……」
ダメージは免れていなかった。
「止まったらダメだ! 一気に間合いを詰めて一撃で仕留める!」
銃弾の軌道に定まらぬよう俊敏にギザギザに跳び進んでいく。
「いい動きだ。だがかわし続けられっか?」
シヴィスはこちらと呼吸を合わせるかのように跳び退がりつつ距離を保ちながら銃弾を発射する。
「きゃあ!」
「あぶねぇ!」
「やべぇ! 離れろ!」
周辺でおそるおそる観戦していた野次馬たちの悲鳴が上がる。被弾した周囲の建物が音と破片をバラ撒きながら次々と損壊していく。
「うわぁ!」
知った女の声が耳に入る。シヒロだ。
「!」
俺は一瞬そちらへ視線を向ける。
「あ、ありがとうございます。ええと、ドリブルさんと……ぶ、ブースカさん?」
「大丈夫か嬢ちゃん…っておれはトレブルだ!」
「おれはブーストだ!」
シヒロに目がけて降ってきた瓦礫からトレブルとブーストが守ったようだ。俺の狙いが功を奏した。
「よし、あとは……」
俺は銃弾をかわしながらシヴィスに迫っていく。
「すばしっこいなテメーは!」
シヴィスは一定距離を保って退がりながら銃を放つ。
「一定距離を保つ?」
なぜヤツは最初にいた屋根上からここまで降りて近づいてきた? もっと俺に踏み込まれない距離から撃ってきた方が有利ではないのか? 普通の銃ならともかく、魔銃なら充分それは可能そうなことだが。
ということはつまり……
『距離と威力の相反性ですね。もしくは正確性と威力の相反性』
『だよな』
〔謎の声〕と見解が一致する。
『あの魔銃とやらは、魔力を銃弾にして攻撃するもの。魔力が続く限り使用できますので非常に便利な武器です』
『だが威力を上げようとすればするほど制御が難しくなり正確性が下がる。よって威力を維持したまま当てようとするなら結果的に相手との距離を縮めざるを得なくなる』
『そのとおりです。おそらく彼が見立てたクロー様を仕留めるために必要な威力が今のそれなのでしょう』
『ヤツにとってはあの威力ならこの距離がベストってことだな』
『そして魔力は有限です。いずれ消耗してしまいます。そういう意味でもこの威力と距離かと』
『とはいえヤツが消耗するのを待つと街への被害が大きくなる。トレブルとブーストに守らせちゃいるがシヒロにも危険を及ぼしかねない』
『ワタクシの〔空間転移〕で一気に距離を縮めて仕留めますか?』
『いや、お前のそれはできるだけ温存しておきたい。いつ何があるかわからないからな』
『わかりました。ではどうするので?』
『試したいことがある』
俺は唐突にピタリと動きを止めた。
「お? 疲れちまったかぁ!?」
シヴィスはここぞとばかりにバンッバンッバンッと連射する。弾道は正確に俺の体へ突き進んでくる。弾はそのまま俺を貫くのか?
「特殊技能〔ニュンパ・フガティオ〕」
ヤツからは俺が忽然と消失したように見えただろう。弾丸は空を切り、無人の建物へ着弾してボガァァァンと破壊音を立てる。そのやかましい音は俺の気配を紛らせるのを手伝った。
「魔剣使い……そこか!」
俺の移動した距離はせいぜい十歩程度。意表を衝かれたとはいえシヴィスが俺を視界にとらえ直すのに、ものの二秒もかからなかっただろう。しかしそのわずかな間は、俺にとっては充分な溜めとなる。
「こいつもかわせるか? 魔剣使い!」
シヴィスは素早くバーンと魔銃を発射した。同時に、すでに始動体制に入っていた俺も発動する。
「〔発閃〕」
その場でズバァァッと空を抉るように振り抜く渾身の一閃。それだけであればただの力いっぱいの素振りに過ぎないが、もちろん違う。
「なにぃ!?」
斬閃は空気を斬り裂き鎌鼬のような衝撃波となって、向かってくる弾丸を滅しながら敵へと疾る。我ながら完璧な軌道とタイミング。
「!!」
予想外の飛び道具にズバァァァッと被弾したシヴィス。咄嗟に両腕で防御はしたものの、
「クッ、今のは……」
ダメージは免れていなかった。
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