おやすみ
ー/ー
背伸びしながら目を輝かせて料理たちを見つめるスパチー。
シシトは笑顔でスパチーに言う。
「スパチーちゃん。食べるかい?」
「食べるー!!」
二つ返事でスパチーは言うが、ルサークが肩をがっしりと掴んでいる。
「お前は後で食べさせてやるから待っていろ!」
デルタはそんな二人を尻目に、シシトに尋ねた。
「お食事は一人で大丈夫でしょうか?」
「えぇ、大丈夫です」
そろそろルサーク達も休憩の時間になり、シシトの食事の邪魔にもなりそうなので、いったんこの場を失礼しようとルサークが切り出す。
「我々は外しておりますので、御用の際は連絡石でお呼びください」
「えぇ、感謝します」
廊下に出ると、ルサークとデルタは部屋に向かって一礼する。
スパチーはそんなものお構いなしだった。
「シシトー、またなー!!!」
彼は笑顔でスパチーに手を振るだけだった。
ヴィシソワに城を軽く案内されていたが、迷いそうで、そこらにいる使用人や衛兵に道を尋ねながら、何とか使用人たちの食堂まで辿り着く。
「おぉー!! いい匂いするな!!」
スパチーははしゃいでいたが、シシトの様に好意的に見てくれる人ばかりではないと、ルサークはひやひやしていた。
食堂は衛兵と使用人が使い、基本的には食べ放題だ。料金もかからないという好待遇でもある。
「ほら、飯よそってやるからこれ持ってまってろ」
ルサークとデルタは、スパチーにトレイを持たせ、パンやらスープ、惣菜を取って渡してやった。
「美味いぞ!!」
立ち食いを始めるスパチーをルサークは注意する。
「こらっ! 立ちながら食べるな! 行儀が悪い!」
「あはは。お嬢ちゃん美味しいかい?」
配膳のおばちゃんがスパチーに声を掛けた。
「あぁ! すごく美味しいぞ!!」
「そりゃよかった!」
気まずそうにルサークは頭を下げる。
「すいません、躾がなっていないものでして」
「いやいや、いいんだよ」
適当に席に座ると、ようやくルサークとデルタは一息付けた。
「あー、メチャクチャ疲れた……」
ルサークはスープにスプーンを突っ込みながら言う。
「本当ね、気疲れしたわ……」
デルタもはぁっとため息を吐く。一人呑気そうなのは食事をむさぼるスパチーだけだった。
食事を堪能した後は、またシシトの部屋へと向かうルサーク達。
部屋のドアをノックし、返事を待ってから入室する。
「どうぞ」
「失礼します。シシト様」
ルサークとデルタはシシトの料理皿を確認する。半分も減っていない。
「シシト! お前飯食わないのか!?」
「うん、食欲が無くてね……」
寂しそうに笑うシシトだったが、スパチーは目を輝かせていた。
「それ食べてもいいか!?」
スパチーの発言にルサークは呆れていた。
「おまっ、さっきしこたま食ったばかりだろ!!」
シシトはクスクスと笑う。
「本当はあげたいんだけど、ダメだよスパチーちゃん。僕の病気が移ったらいけないからね」
「私は魔人だから平気だぞ!!」
デルタもはぁっと諦めつつもスパチーに言う。
「だから、魔人だって言ったらダメって言ったでしょ」
そして、シシトのもとに近付いて一礼する。
「こちら、お下げしてもよろしいでしょうか?」
「えぇ」
「あー、よこせデルタ!!」
ルサークも「これ以上うるさくするべきではないな」と考え、シシトに一礼してから言う。
「そろそろお休みのお時間ですね、我々は失礼します。また何かありましたらお呼びください」
「えぇ、ありがとうございます」
シシトもゆっくりと会釈をし返した。
「もう行くのか? シシトまたな!!」
「またね、スパチーちゃん」
ルサーク達は一室、使用人の部屋を与えられていた。
「えーっと。この部屋か」
使用人の部屋と言えど、城内なので立派な部屋だ。
スパチーは部屋に入るなり、走ってベッドにダイブした。
「おー、いいぞーこれー!!」
ルサークとデルタも、緊張が解けて、ぐったりと椅子に座る。
「あいつがいると余計に疲れるな……」
ルサークはスパチーを指さし言うと、デルタも同意してうなずいた。
これからの行く末が不安だが、逃亡生活に比べれば気持ちは楽だ。
シシト様も人が良さそうで、ヴィシソワから脅されたような事は起きないだろう。
ルサークはうーんと伸びをして立ち上がる。
「疲れたな、俺達も寝よう」
デルタも同じく立ち上がって、ベッドに向かう。
「えぇ、おやすみ」
スパチーはとっくに寝ていたみたいだ。
ルサークは部屋の明かりを消して「おやすみ」と言って夢の中へ行く。
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シシトは笑顔でスパチーに言う。
「スパチーちゃん。食べるかい?」
「食べるー!!」
二つ返事でスパチーは言うが、ルサークが肩をがっしりと掴んでいる。
「お前は後で食べさせてやるから待っていろ!」
デルタはそんな二人を尻目に、シシトに尋ねた。
「お食事は一人で大丈夫でしょうか?」
「えぇ、大丈夫です」
そろそろルサーク達も休憩の時間になり、シシトの食事の邪魔にもなりそうなので、いったんこの場を失礼しようとルサークが切り出す。
「我々は外しておりますので、御用の際は連絡石でお呼びください」
「えぇ、感謝します」
廊下に出ると、ルサークとデルタは部屋に向かって一礼する。
スパチーはそんなものお構いなしだった。
「シシトー、またなー!!!」
彼は笑顔でスパチーに手を振るだけだった。
ヴィシソワに城を軽く案内されていたが、迷いそうで、そこらにいる使用人や衛兵に道を尋ねながら、何とか使用人たちの食堂まで辿り着く。
「おぉー!! いい匂いするな!!」
スパチーははしゃいでいたが、シシトの様に好意的に見てくれる人ばかりではないと、ルサークはひやひやしていた。
食堂は衛兵と使用人が使い、基本的には食べ放題だ。料金もかからないという好待遇でもある。
「ほら、飯よそってやるからこれ持ってまってろ」
ルサークとデルタは、スパチーにトレイを持たせ、パンやらスープ、惣菜を取って渡してやった。
「美味いぞ!!」
立ち食いを始めるスパチーをルサークは注意する。
「こらっ! 立ちながら食べるな! 行儀が悪い!」
「あはは。お嬢ちゃん美味しいかい?」
配膳のおばちゃんがスパチーに声を掛けた。
「あぁ! すごく美味しいぞ!!」
「そりゃよかった!」
気まずそうにルサークは頭を下げる。
「すいません、|躾《しつけ》がなっていないものでして」
「いやいや、いいんだよ」
適当に席に座ると、ようやくルサークとデルタは一息付けた。
「あー、メチャクチャ疲れた……」
ルサークはスープにスプーンを突っ込みながら言う。
「本当ね、気疲れしたわ……」
デルタもはぁっとため息を吐く。一人呑気そうなのは食事をむさぼるスパチーだけだった。
食事を堪能した後は、またシシトの部屋へと向かうルサーク達。
部屋のドアをノックし、返事を待ってから入室する。
「どうぞ」
「失礼します。シシト様」
ルサークとデルタはシシトの料理皿を確認する。半分も減っていない。
「シシト! お前飯食わないのか!?」
「うん、食欲が無くてね……」
寂しそうに笑うシシトだったが、スパチーは目を輝かせていた。
「それ食べてもいいか!?」
スパチーの発言にルサークは呆れていた。
「おまっ、さっきしこたま食ったばかりだろ!!」
シシトはクスクスと笑う。
「本当はあげたいんだけど、ダメだよスパチーちゃん。僕の病気が移ったらいけないからね」
「私は魔人だから平気だぞ!!」
デルタもはぁっと諦めつつもスパチーに言う。
「だから、魔人だって言ったらダメって言ったでしょ」
そして、シシトのもとに近付いて一礼する。
「こちら、お下げしてもよろしいでしょうか?」
「えぇ」
「あー、よこせデルタ!!」
ルサークも「これ以上うるさくするべきではないな」と考え、シシトに一礼してから言う。
「そろそろお休みのお時間ですね、我々は失礼します。また何かありましたらお呼びください」
「えぇ、ありがとうございます」
シシトもゆっくりと会釈をし返した。
「もう行くのか? シシトまたな!!」
「またね、スパチーちゃん」
ルサーク達は一室、使用人の部屋を与えられていた。
「えーっと。この部屋か」
使用人の部屋と言えど、城内なので立派な部屋だ。
スパチーは部屋に入るなり、走ってベッドにダイブした。
「おー、いいぞーこれー!!」
ルサークとデルタも、緊張が解けて、ぐったりと椅子に座る。
「あいつがいると余計に疲れるな……」
ルサークはスパチーを指さし言うと、デルタも同意してうなずいた。
これからの行く末が不安だが、逃亡生活に比べれば気持ちは楽だ。
シシト様も人が良さそうで、ヴィシソワから脅されたような事は起きないだろう。
ルサークはうーんと伸びをして立ち上がる。
「疲れたな、俺達も寝よう」
デルタも同じく立ち上がって、ベッドに向かう。
「えぇ、おやすみ」
スパチーはとっくに寝ていたみたいだ。
ルサークは部屋の明かりを消して「おやすみ」と言って夢の中へ行く。