ep67 魔剣使いvsダムド
ー/ー
「く、クローさん? どうしましたか?」
俺の雰囲気の変化を敏感に察したのか、シヒロが不安そうに尋ねてきた。
「いや、なんでもない」と答えつつも、俺は今までにない警戒を心身に張りめぐらせる。
「ふーん。魔剣使いも、意外と慎重なところがあんじゃねーか。それとも、オレを警戒してか?」
シヴィスは相変わらずニヤついていた。が、おもむろに懐へ手を入れると、スッと銃を取り出して俺に向ける。
「まっ、楽しもーぜ。魔剣使いさんよ」
「銃?」
「これは魔銃だ…ぜっ!」
バーンという銃声が耳をつんざく。俺は咄嗟にサッと一歩退いていた。
「!」
目を見張った。手前の足元にマンホールサイズの銃痕を確認する。どう考えても普通の銃の威力じゃない。
「銃ではないのか?」
考えている暇はない。すでに側面からトレブルがダガーナイフを鋭角につっ立てて飛び込んできていた。
「チッ!」
ガキィィィンと剣で受け止める。そこからトレブルは至近距離でナイフ攻撃を連発してくる。
「死ね死ね死ねぇぇぇ!」
得物が短いぶん小回りが効くのだろう。息つく間もない連撃を入れてくる。
「オラオラどーしたどーした!」
このダガーナイフ使いのトレブルという男。ただのイキったゴロツキではないようだ。一連の動作も攻撃も間断なく鋭い。
「いつまでもつかなぁ!? 魔剣使いさんよぉ!!」
しかしながらついていけないスピードではない。俺は難なく捌きつづける。が、このままではラチがあかない。
「ふっ!」
俺は距離を嫌ってサッと跳び退いた。
その瞬間だ。
「はい終わり〜!」
背後からブーストのデカい図体がぬぅっと現れたかと思うと、鈍器をぶんと振り下ろしてきた。
「クッ!」
俺は上段に持っていった剣を両手で支えて防御した。
「!」
即座に払いのけて次の動作に移ろうとするが、武器を通して伝わってくるブーストの押さえつけがズーンと重くのしかかり、それを許さない。
「魔剣使い、おさらばだ」
「なに?」
俺はハッとして側面を見た。
「よぉ。おつかれさん」
いつの間にか地上に降り立っていたシヴィスが俺に銃口を向けていた。転瞬、バーンと銃声が轟く。
どう考えても絶体絶命。〔謎の声〕の空間転移で逃げるか? いやそれよりも、これだ!
「特殊技能〔ニュンパ・フガティオ〕」
ロウソクの火がフッと消えるかの如く、俺の身体は煙を巻くように瞬時にして十歩も離れた位置へ移動する。
「なにぃ!?」
「なんだ!?」
ブーストとトレブルが目を見開いて驚愕した。
「今のをかわしやがるか……」
シヴィスの表情からは余裕の色が引いたように見えた。
〔ニュンパ・フガティオ〕は高速の回避技。敵からすればあたかも瞬間移動したかに見えるだろう。
ちなみにこの技は、これまでの〔フリーダム〕との戦闘で使用したことは一度もない。
その理由は二つ。
一つは、そこまで追い詰められることがなかったから。
もう一つは〔謎の声〕が極力使用を控えるようにとうるさいから。〔魔導剣〕は振えば振うほど強力になる。だから可能な限りは剣で捌けと言うのだ。俺も俺で短期間でより強くなれるならそれに越したことはなかったので、素直に従っていた。
つまり、今回は敵にやむなく使わされたということになる。それはすなわち、それだけ敵が強いということを意味する。
「……さすがは幹部ってところか。さて、こっちも攻撃に移るか」
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俺の雰囲気の変化を敏感に察したのか、シヒロが不安そうに尋ねてきた。
「いや、なんでもない」と答えつつも、俺は今までにない警戒を心身に張りめぐらせる。
「ふーん。魔剣使いも、意外と慎重なところがあんじゃねーか。それとも、オレを警戒してか?」
シヴィスは相変わらずニヤついていた。が、おもむろに懐へ手を入れると、スッと銃を取り出して俺に向ける。
「まっ、楽しもーぜ。魔剣使いさんよ」
「銃?」
「これは魔銃だ…ぜっ!」
バーンという銃声が耳をつんざく。俺は咄嗟にサッと一歩退いていた。
「!」
目を見張った。手前の足元にマンホールサイズの銃痕を確認する。どう考えても普通の銃の威力じゃない。
「銃ではないのか?」
考えている暇はない。すでに側面からトレブルがダガーナイフを鋭角につっ立てて飛び込んできていた。
「チッ!」
ガキィィィンと剣で受け止める。そこからトレブルは至近距離でナイフ攻撃を連発してくる。
「死ね死ね死ねぇぇぇ!」
得物が短いぶん小回りが効くのだろう。息つく間もない連撃を入れてくる。
「オラオラどーしたどーした!」
このダガーナイフ使いのトレブルという男。ただのイキったゴロツキではないようだ。一連の動作も攻撃も間断なく鋭い。
「いつまでもつかなぁ!? 魔剣使いさんよぉ!!」
しかしながらついていけないスピードではない。俺は難なく捌きつづける。が、このままではラチがあかない。
「ふっ!」
俺は距離を嫌ってサッと跳び退いた。
その瞬間だ。
「はい終わり〜!」
背後からブーストのデカい図体がぬぅっと現れたかと思うと、鈍器をぶんと振り下ろしてきた。
「クッ!」
俺は上段に持っていった剣を両手で支えて防御した。
「!」
即座に払いのけて次の動作に移ろうとするが、武器を通して伝わってくるブーストの押さえつけがズーンと重くのしかかり、それを許さない。
「魔剣使い、おさらばだ」
「なに?」
俺はハッとして側面を見た。
「よぉ。おつかれさん」
いつの間にか地上に降り立っていたシヴィスが俺に銃口を向けていた。転瞬、バーンと銃声が轟く。
どう考えても絶体絶命。〔謎の声〕の空間転移で逃げるか? いやそれよりも、これだ!
「特殊技能〔ニュンパ・フガティオ〕」
ロウソクの火がフッと消えるかの如く、俺の身体は煙を巻くように瞬時にして十歩も離れた位置へ移動する。
「なにぃ!?」
「なんだ!?」
ブーストとトレブルが目を見開いて驚愕した。
「今のをかわしやがるか……」
シヴィスの表情からは余裕の色が引いたように見えた。
〔ニュンパ・フガティオ〕は高速の回避技。敵からすればあたかも瞬間移動したかに見えるだろう。
ちなみにこの技は、これまでの〔フリーダム〕との戦闘で使用したことは一度もない。
その理由は二つ。
一つは、そこまで追い詰められることがなかったから。
もう一つは〔謎の声〕が極力使用を控えるようにとうるさいから。〔魔導剣〕は振えば振うほど強力になる。だから可能な限りは剣で捌けと言うのだ。俺も俺で短期間でより強くなれるならそれに越したことはなかったので、素直に従っていた。
つまり、今回は敵にやむなく使わされたということになる。それはすなわち、それだけ敵が強いということを意味する。
「……さすがは幹部ってところか。さて、こっちも攻撃に移るか」