第42話 ゲート戦争
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朝風の士官と瑠璃子、瞳、桐子そしてリリスは車座になって向かい合った。士官たちに自己紹介をさせてから、瑠璃子が立ち上がった。
「これから話すことは重要機密ですが、それ以上にあなたたちの将来にかかわることなので、注意して聞いてください」と瑠璃子。「それから、この会議ではあなたたちの発言を許可します。もちろんこれは非公式なものです。記録には残しません。話について行けなくなったり、分からなくなったりしたら質問をするように」
「明日の式典は一条大佐に取り仕切ってもらうことになっています。ですから、式典では大佐の指示に従ってください」と瑠璃子。「それでは、一条大佐、お願いします」
「困ったよ。何から話していいかわからない。君たちは何も知らないようだから」とリリス。「まず涙の魔術師について説明しようか」
「その話は私たちも知りたいわ」と瑠璃子。
「特に、女王との関係が気になるのだが」と桐子。
「そうね、私も聞きたいわ」と瞳。
「分かりました。私の知る限りについてですが、お話ししましょう」とリリス。「ゲート戦争の後期の頃からでいいでしょうか」
「そうね」と瑠璃子。
「待ってください。ゲート戦争って、あのおとぎ話のですか!」と副艦長の恵子。
「そうよ」と瞳。「あれは本当の話なの。第一次防衛戦争の後、無かったことにされたのよ」
「本当にゲートがあるのですか?」と恵子。
「あるわよ」と瞳。「あなた達もフォボス沖で大きなゲートを見たでしょ」
「二百年ほど前に、地上で大量発生したのだ」とリリス。「それで大きな混乱が起こった。それがゲート戦争の発端と言われている。それから百年ほど続いた」
「涙の魔術師は初期から活動が知られている。彼について、それ以前のことはわからない」とリリス。
「一条大佐は生まれておられたのでしょうか?」と軍医の涼子。
「私が生まれたのはゲート戦争の後期頃で、参戦したのは短い期間だけだ」とリリス。
「そもそもゲートとは何なのでしょうか?」と機関長の舞。
「地上のゲートはあの世との接続点だ。この世からゲートを抜けるとあの世に行ける」とリリス。「あの世のどこに続いているかはゲートによる。ゲートは一時的なものもあれば、長く安定に存在するものもある。また大きさも様々だ」
「あの世とは何でしょうか?」と通信士のエリカ。
「人間にとっては死後の世界だ」とリリス。「あの世には、あの世の生き物というか意志を持った存在がいる」
「神様もそこにいるのでしょうか?」とエリカ。
「ゲートがつながる先は通常、あの世でも冥界と呼ばれる場所だ。この世に一番近いあの世だ。神様が住むのは、あの世でもずっと奥深く、高い場所だ」とリリス。
「では先ほどの女王様というのは?」と砲雷長の早苗。
「冥界を統べるお方のことだ」とリリス。
「分かりやすい説明だわ。さすがリリスね」と瑠璃子。
「ありがとうございます」とリリス。「魔女というのは、この冥界の存在と関係を持つ者のことだ。だから、私たち魔女は女王様の配下だ」
「男性の場合は魔術師なのでしょうか?」と航海士の綾子。
「この三百年ほど、優秀な魔女は女性しかいない」とリリス。「魔術師は冥界と直接の関係を持つとは限らない。というか、魔女以外のものを魔術師と呼んでいる」
「涙の魔術師以外に魔術師はいるのでしょうか?」と綾子。
「私が知る限りいない」とリリス。「歴史上には、冥界の存在を使役する魔術師と呼ばれる者たちがいたが、今はいない」
「これでようやくゲート戦争の話に入れるな」とリリス。
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「これから話すことは重要機密ですが、それ以上にあなたたちの将来にかかわることなので、注意して聞いてください」と瑠璃子。「それから、この会議ではあなたたちの発言を許可します。もちろんこれは非公式なものです。記録には残しません。話について行けなくなったり、分からなくなったりしたら質問をするように」
「明日の式典は一条大佐に取り仕切ってもらうことになっています。ですから、式典では大佐の指示に従ってください」と瑠璃子。「それでは、一条大佐、お願いします」
「困ったよ。何から話していいかわからない。君たちは何も知らないようだから」とリリス。「まず涙の魔術師について説明しようか」
「その話は私たちも知りたいわ」と瑠璃子。
「特に、女王との関係が気になるのだが」と桐子。
「そうね、私も聞きたいわ」と瞳。
「分かりました。私の知る限りについてですが、お話ししましょう」とリリス。「ゲート戦争の後期の頃からでいいでしょうか」
「そうね」と瑠璃子。
「待ってください。ゲート戦争って、あのおとぎ話のですか!」と副艦長の恵子。
「そうよ」と瞳。「あれは本当の話なの。第一次防衛戦争の後、無かったことにされたのよ」
「本当にゲートがあるのですか?」と恵子。
「あるわよ」と瞳。「あなた達もフォボス沖で大きなゲートを見たでしょ」
「二百年ほど前に、地上で大量発生したのだ」とリリス。「それで大きな混乱が起こった。それがゲート戦争の発端と言われている。それから百年ほど続いた」
「涙の魔術師は初期から活動が知られている。彼について、それ以前のことはわからない」とリリス。
「一条大佐は生まれておられたのでしょうか?」と軍医の涼子。
「私が生まれたのはゲート戦争の後期頃で、参戦したのは短い期間だけだ」とリリス。
「そもそもゲートとは何なのでしょうか?」と機関長の舞。
「地上のゲートはあの世との接続点だ。この世からゲートを抜けるとあの世に行ける」とリリス。「あの世のどこに続いているかはゲートによる。ゲートは一時的なものもあれば、長く安定に存在するものもある。また大きさも様々だ」
「あの世とは何でしょうか?」と通信士のエリカ。
「人間にとっては死後の世界だ」とリリス。「あの世には、あの世の生き物というか意志を持った存在がいる」
「神様もそこにいるのでしょうか?」とエリカ。
「ゲートがつながる先は通常、あの世でも冥界と呼ばれる場所だ。この世に一番近いあの世だ。神様が住むのは、あの世でもずっと奥深く、高い場所だ」とリリス。
「では先ほどの女王様というのは?」と砲雷長の早苗。
「冥界を統べるお方のことだ」とリリス。
「分かりやすい説明だわ。さすがリリスね」と瑠璃子。
「ありがとうございます」とリリス。「魔女というのは、この冥界の存在と関係を持つ者のことだ。だから、私たち魔女は女王様の配下だ」
「男性の場合は魔術師なのでしょうか?」と航海士の綾子。
「この三百年ほど、優秀な魔女は女性しかいない」とリリス。「魔術師は冥界と直接の関係を持つとは限らない。というか、魔女以外のものを魔術師と呼んでいる」
「涙の魔術師以外に魔術師はいるのでしょうか?」と綾子。
「私が知る限りいない」とリリス。「歴史上には、冥界の存在を使役する魔術師と呼ばれる者たちがいたが、今はいない」
「これでようやくゲート戦争の話に入れるな」とリリス。