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サファイアの煌めき。

ー/ー



それから少しするとまた競技会の日が迫ってきた。

「今年はスランにけがをさせないようにしよう」

と思い、スランを馬運車に乗せた。
スランはキョロキョロしていたが少しすると落ち着いてきた。
私は荷物置き場に行ってお茶を飲んだ。
すると
「おはよう!鈴ちゃん!」

後ろのほうで声がしたので振り向くと、私の友達の菜々ちゃんがいた。
私は
「おはよう!菜々ちゃん!」
と返した。菜々ちゃんは私の初めての友達だ。
つい先月、同じ競技会に出場すると聞き清宮先生の横木レッスンを受けたのだ。

 菜々ちゃんは1つ上の学年で中3。モラネンシスという自馬に乗っている。
「今日は頑張ろうね」
と言って笑い合う。

 私は菜々ちゃんと喋る時はとても幸せだった。

 競技が始まる直前まで私は菜々ちゃんと喋っていた。

 もうすぐスランの馬装をしようと思い、スランのもとへ行くとスランはいつものようには寄ってこなかった。
 私はどうして?と思いながらドアを開けて鞍を付け始めた。
 しかし、スランはじっとしてくれないし腹帯を締めようとすると、嚙みついていたりする。私はなぜスランがこんなことになっているのか理由を考えた。

 最近スランにニンジンをあげていないから、スランに会う時間が減っているから、スランに毎日会っていないからー。私は心当たりが多すぎる…。と思った。
スランは私が
「スランごめんね…。」
と言って顔をこすりつけるとわずかにほほ笑んだ気がした。
 私はスランと会う時間が少なくなり、菜々ちゃんとばかり話しているからスランは悲しんでしまったのだ。私は自分の行いを反省しスランと顔を合わせた。そうしている間に、

「鈴!時間だよ!」

という清宮先生の一言で私は目が覚めた。

 手早くスランの馬装をする。鞍はあと腹帯だけだったからよかったけれど問題は頭絡だ。
 スランはハミがあまり好きじゃなくて、いつも頭を上げてしまう。私は一息ついてから頭絡に取り掛かった。
 するとースランは自分から頭を下げてすぐにハミをくわえてくれた。

 その時私は天空の方から声がして空を見上げた。

「鈴ちゃん!今回こそは僕も完走したいー。」

 私はこの声はスランの声だと分かった。

 そうか、スランも去年のことを気にしてしっかり競技に参加したいと思ってるんだ、と思い手早く頭絡を付けた。
 そしてなんとか競技時間に間に合った。

 ーよかった。

 私はそう思いながらスランに体をこすりつけた。
 スランも目を閉じて私に顔を寄せてくる。

 やっぱり、スランといる時間もとても大切だな、と思った。

 私は以前より後ろに気をつけながらスランを運動させた。
 私の隣には真っ黒のモラネンシスと菜々ちゃんがいる。
 菜々ちゃんは私の2つ前の順番。私は38番。今は28番の選手が走行している。私はコースを確認しつつもスランを駈足させたりした。

ーそしていよいよスランとの初競技会。

私はスランに
「頑張ろう!」
と声をかけ馬場に入った。

 この前と同じ馬場なのにものすごく広く感じた。
 スランも少し興奮していたが私が首をさすってあげると落ち着いていつものスランになった。
私は
「行くよ!」
と声をかけて礼をし、スランを駈足させた。
 1つ目の横木、スランはいつもどうり横木を跨いだ。
 続いて2つ目の横木は、視界から見えないところにあったけど私もスランも自然に体を横木のほうに向けた。そして、スランの間歩を合わせて横木を跨ぐ。全ての横木を跨ぎ終わり最後の直線、スランを駈足させる。

 この競技は横木競技で基準タイム。タイムは60秒。60秒に走行タイムが最も近い人上位というルールだ。

 スランの駈足が早いと思った私はスランの歩度をつめて少し遅くした。そのまま最後までー。

 私とスランは初めての競技会を完走することが出来た。

 タイムは59.20。

 ベストタイムだった。私は夢だと思った。しかし、コースを走った感覚があった。私はスランをたくさん褒めて頭絡を外し鞍を外し、
スランに
「ありがとう」
と囁いた。

 競技がすべて終わり私はー2位。わずか0.01秒の差で。

 でも、私は結果よりスランと心が通じ合えたことが何よりも嬉しかった。私はメダルをもらい、スランと写真を撮った。

スランの目がいつもより輝き眩しかった。



次のエピソードへ進む 君といた幸せ。


みんなのリアクション

それから少しするとまた競技会の日が迫ってきた。
「今年はスランにけがをさせないようにしよう」
と思い、スランを馬運車に乗せた。
スランはキョロキョロしていたが少しすると落ち着いてきた。
私は荷物置き場に行ってお茶を飲んだ。
すると
「おはよう!鈴ちゃん!」
後ろのほうで声がしたので振り向くと、私の友達の菜々ちゃんがいた。
私は
「おはよう!菜々ちゃん!」
と返した。菜々ちゃんは私の初めての友達だ。
つい先月、同じ競技会に出場すると聞き清宮先生の横木レッスンを受けたのだ。
 菜々ちゃんは1つ上の学年で中3。モラネンシスという自馬に乗っている。
「今日は頑張ろうね」
と言って笑い合う。
 私は菜々ちゃんと喋る時はとても幸せだった。
 競技が始まる直前まで私は菜々ちゃんと喋っていた。
 もうすぐスランの馬装をしようと思い、スランのもとへ行くとスランはいつものようには寄ってこなかった。
 私はどうして?と思いながらドアを開けて鞍を付け始めた。
 しかし、スランはじっとしてくれないし腹帯を締めようとすると、嚙みついていたりする。私はなぜスランがこんなことになっているのか理由を考えた。
 最近スランにニンジンをあげていないから、スランに会う時間が減っているから、スランに毎日会っていないからー。私は心当たりが多すぎる…。と思った。
スランは私が
「スランごめんね…。」
と言って顔をこすりつけるとわずかにほほ笑んだ気がした。
 私はスランと会う時間が少なくなり、菜々ちゃんとばかり話しているからスランは悲しんでしまったのだ。私は自分の行いを反省しスランと顔を合わせた。そうしている間に、
「鈴!時間だよ!」
という清宮先生の一言で私は目が覚めた。
 手早くスランの馬装をする。鞍はあと腹帯だけだったからよかったけれど問題は頭絡だ。
 スランはハミがあまり好きじゃなくて、いつも頭を上げてしまう。私は一息ついてから頭絡に取り掛かった。
 するとースランは自分から頭を下げてすぐにハミをくわえてくれた。
 その時私は天空の方から声がして空を見上げた。
「鈴ちゃん!今回こそは僕も完走したいー。」
 私はこの声はスランの声だと分かった。
 そうか、スランも去年のことを気にしてしっかり競技に参加したいと思ってるんだ、と思い手早く頭絡を付けた。
 そしてなんとか競技時間に間に合った。
 ーよかった。
 私はそう思いながらスランに体をこすりつけた。
 スランも目を閉じて私に顔を寄せてくる。
 やっぱり、スランといる時間もとても大切だな、と思った。
 私は以前より後ろに気をつけながらスランを運動させた。
 私の隣には真っ黒のモラネンシスと菜々ちゃんがいる。
 菜々ちゃんは私の2つ前の順番。私は38番。今は28番の選手が走行している。私はコースを確認しつつもスランを駈足させたりした。
ーそしていよいよスランとの初競技会。
私はスランに
「頑張ろう!」
と声をかけ馬場に入った。
 この前と同じ馬場なのにものすごく広く感じた。
 スランも少し興奮していたが私が首をさすってあげると落ち着いていつものスランになった。
私は
「行くよ!」
と声をかけて礼をし、スランを駈足させた。
 1つ目の横木、スランはいつもどうり横木を跨いだ。
 続いて2つ目の横木は、視界から見えないところにあったけど私もスランも自然に体を横木のほうに向けた。そして、スランの間歩を合わせて横木を跨ぐ。全ての横木を跨ぎ終わり最後の直線、スランを駈足させる。
 この競技は横木競技で基準タイム。タイムは60秒。60秒に走行タイムが最も近い人上位というルールだ。
 スランの駈足が早いと思った私はスランの歩度をつめて少し遅くした。そのまま最後までー。
 私とスランは初めての競技会を完走することが出来た。
 タイムは59.20。
 ベストタイムだった。私は夢だと思った。しかし、コースを走った感覚があった。私はスランをたくさん褒めて頭絡を外し鞍を外し、
スランに
「ありがとう」
と囁いた。
 競技がすべて終わり私はー2位。わずか0.01秒の差で。
 でも、私は結果よりスランと心が通じ合えたことが何よりも嬉しかった。私はメダルをもらい、スランと写真を撮った。
スランの目がいつもより輝き眩しかった。