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@74話 バレンタインデー

ー/ー





 普段より遅れて学校に到着し、その上汗と渇き。着替えをして自動販売機で水分を補給しながら休んでいるとHR開始まで5分を切っていた。


 


「え?! やばいっ」


 


 遅刻したことなど無い。遅刻など自分を律することもできず、計画性のない者の振る舞いとしか思えなかった。


 


 50年に一度と言われた積雪の日は早朝4時前には学校へ出発。学校から臨時休校の連絡が発せられた6:00にはすでに登校し終えていた。


 


 


 遅刻ギリギリというのもプライドが許さない。せめて3分前には着席しておきたい、ダッシュだ。


 


 


 


 昇降口まで30秒、外履きから上履きに履き替えるという導線。ここで予定外の出来事、下駄箱に異物を発見。慌てず回収しつつ2Fへ。廊下は走らず早歩きで右側通行しながら異物を確認……。


 


「こ、こ、これは……」


 


 思わず立ち止まる恭吾。ここで担任に追い抜かれる。チャイムが鳴り先生より遅く教室に入るという人生初の不名誉なことが起きてしまった。


 


 


 


「俺としたことが……」


 


 がっくりと肩を落とす恭吾。全ては下駄箱に入っていたあれの所為だ。


 


 


 


「今日はバレンタインデー……集団生活を始めて以来、下駄箱、机、ロッカー、部室までも欠かしたことのないバレンタインデーの早朝チェック……」


 


 遅刻よりも耐え難い屈辱を噛みしめた恭吾であった。




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 普段より遅れて学校に到着し、その上汗と渇き。着替えをして自動販売機で水分を補給しながら休んでいるとHR開始まで5分を切っていた。
「え?! やばいっ」
 遅刻したことなど無い。遅刻など自分を律することもできず、計画性のない者の振る舞いとしか思えなかった。
 50年に一度と言われた積雪の日は早朝4時前には学校へ出発。学校から臨時休校の連絡が発せられた6:00にはすでに登校し終えていた。
 遅刻ギリギリというのもプライドが許さない。せめて3分前には着席しておきたい、ダッシュだ。
 昇降口まで30秒、外履きから上履きに履き替えるという導線。ここで予定外の出来事、下駄箱に異物を発見。慌てず回収しつつ2Fへ。廊下は走らず早歩きで右側通行しながら異物を確認……。
「こ、こ、これは……」
 思わず立ち止まる恭吾。ここで担任に追い抜かれる。チャイムが鳴り先生より遅く教室に入るという人生初の不名誉なことが起きてしまった。
「俺としたことが……」
 がっくりと肩を落とす恭吾。全ては下駄箱に入っていたあれの所為だ。
「今日はバレンタインデー……集団生活を始めて以来、下駄箱、机、ロッカー、部室までも欠かしたことのないバレンタインデーの早朝チェック……」
 遅刻よりも耐え難い屈辱を噛みしめた恭吾であった。