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君にずっと伝え続けたい。

ー/ー



「小鳥遊って3股してたらしいよwマジ酷すぎるから」
そういう瞬月の声はやけにウザく聞こえた。俺―對馬一颯は心の底から瞬月にムカついていた。なんで穂希の個人情報言わないといけないんだよ。マジで酷すぎる。瞬月には穂希のこと関係ないだろ。「だからさぁ、早く別れたほうが―」

 ―ゴン。俺の手から鈍い衝撃音が鳴った。気が付けば俺は自分の机に拳を手の感覚がなくなるくらい全力で俺の怒りを机にぶつけていた。息が、荒くなる。苦しい。必死の思いで瞬月に告げた。
「おい、瞬月お前…」
俺はゆっくりと空気を吸い込む。
「最低だな」
自分でも出したことのなような低い声が出た。瞬月は俺の言葉に驚いたのか口をパクパクさせていた。。慌てて何か言おうとした時、瞬月から言葉が発せられる。
「は、何言って―」
「お前さぁ、」
俺の口から次々に言葉が出る。今まで瞬月にどれだけの人がどれだけ苦しめられたか、穂希がどんなに嫌な思いをしているかを伝えたくて。
 ただ、昔のように、穂希を守りたくて。
「ふざけんのも大概にしろよ」
「はぁ⁉」
瞬月が何言ってるか意味が分かりませんっていう感じで上擦った声を上げた。確かに、瞬月にこんな事を言うのは初めてかもしれない。でも、いずれ絶対言わないといけないことになる。あの事件のことが頭によぎる。この先ずっと頭から離れないあの事件が。その過去を思い出すのが嫌で俺は、穂希を見た。穂希も目を丸くしていた。
「穂希はさぁ」
目が合う。あぁ、やっぱ可愛い。穂希に惚れたあの瞬間を今でも覚えている。俺は笑った。穂希に愛をこめて。今、この瞬間に穂希に思いを伝えたい、と思い瞬月に告げた。
「瞬月、穂希は―」
俺の頬が熱くなるのを感じる。大きく息を吸って俺はこう告げる。そしてその言葉は俺の口からするすると出て行った。
「穂希は俺の彼女だから。」
「はへっ⁉」
穂希は咄嗟に変な声を出す。ちょ、ヤバ可愛すぎ。―ずっと、こういう関係を作りたかった。俺の長すぎる片思いはもう終わってほしかった。終わりにしてほしかった。―あの事件の頃から、俺は穂希に猛烈に片思いをしていた。
「ちょ、っと…」
穂希は涙に洗わされた大きな瞳で俺のことを見ていた。
「大丈夫?」
俺は小声で穂希に聞く。うん、と頷いた穂希の顔が可愛すぎて愛おしさが胸元に突き上げてきた。「っていうことだから、これ以上穂希に嫌な思いさせないで、瞬月。」
「は、なにそれ、小鳥遊と一颯が付き合ってんのキモいんだけど」
「それは瞬月個人の意見だし、そういう暴言を吐くのは俺だけにしてくれるかな、じゃ、俺ら教室出るから」
瞬月にそれだけ伝えて俺は穂希の手を引いて教室から出て行く。
穂希の手からぬくもりを感じて、もっと触れていたいと思った。

それと同時に穂希の細い手が俺の心を痛めつける。
―あの事件のことを穂希が覚えていなくてよかった。忘れていてくれて。でも俺のことを―。幸い、廊下に人影はなかった。俺らは4階の階段に二人並んで腰を下ろす。俺は一息吸ってから
「あ、穂希、さっきはついごめんね」
と言った。隣に座っている穂希の顔を見ると熱湯をかけられたみたいに赤くて、目には涙がにじんでいた。手で涙をぬぐっている穂希が可愛くて、大好きな君に触れたくて、俺は穂希の手を握る。穂希が勢いよくこっちを向いた。その顔が可愛くて、愛おしくて、ずっと見ていたい。まって、可愛すぎる死にそう。―瞬月に告げたあの言葉、ずっと、現実にしたかった。片思いを終わらせたかった。あの時からずっと君に思いを伝えたかった。
「―俺」
「あ、あの!」
言葉のタイミングがぶつかる。穂希が涙を流しながら何かを必死に伝えようとしている。穂希の涙に濡れている顔はまるで天使のようだった。
「うん、なに穂希?」
穂希の大きな瞳が俺を捉えた。
「その、さっきは、あ、ありがとう」
「うん、全然大丈夫。それより穂希は大丈夫なの?」

俺は穂希が心配だった。どんな時もずっとそばにいた俺だからわかる。―なのに。
「うん」
穂希は小さく頷いた。
「そっか」
「海勢頭君はああいう子だもんね」
と、小さく笑いながらつぶやいている穂希が可愛すぎた。
―「っへ⁉」
俺の体に誰かのぬくもりが触れていた。俺は気付かないうちに穂希を抱きしめていた。二人の身体の間には、空気の分子すら入れたくない気持ちで俺は穂希を強く抱きしめた。俺はの気持ちを穂希に受け取ってほしい。君を守りたい。君が―大好きだから。
―「ちょ、っと、いぶ…きくん」
俺の胸のあたりから彼女の苦しそうな声が聞こえ、俺はとっさに穂希の体から距離を置く。ちょ、待ってこの後どうしたらいいんだ⁉そ、そうだ、勝手に抱きしめたこと、謝らないと。
「あ、ご、ごめん。」
その声はぎこちなくて、正直言うととてもダサかった。恥ずかしすぎて穂希の顔を見ることができない。
「…」
それからずっと気まずい雰囲気の中、しばらくしても穂希の声が聞こえなくて俺はゆっくり顔を上げた。すると穂希は―。
「え」
俺の口からぽろっと言葉が出る。―穂希は心の染み入るような優しい笑顔で俺のことを見ていた。
「あ…」
いつまで経っても穂希は口元に笑みを刻んでいた。その顔は吸い込まれてしまうほど可愛かった。―そして、聞いていると思わず笑みが浮ぶほどかわいらしい声で俺の名前を呼んだのだ。
「一颯君。」
その声は小鳥のさえずりみたいに聞こえた。俺はそんな穂希に瞬き一つせずに、見惚れていた。あぁ、なんて穂希は可愛いのだろう。―あの頃の記憶が穂希の心の中にあったらいいのにな。
「私もね」
穂希は頬の辺りを紅潮させながら何かをゆっくりと告げようとする。穂希の手がぎゅっと握られた。
「え」
俺の体に再び誰かのぬくもりが伝わる。
「私も」
俺の顔の横で穂希の声が聞こえた。おそらく、今の状況を把握するのに5秒くらいはかかっただろう。俺は今―穂希に抱きしめられている。俺は耳まで熱湯をかけられたみたいに顔が熱くなった。でも穂希の体が震えていて俺もすかさず穂希の背中に手を回す。
「俺も」
穂希の言葉に重ねるように言葉を発する。
「一颯君が」
「穂希が」
お互いの名前を呼び合う。穂希…。いい、名前だな。彼女が俺を抱きしめる力がグン、と強くなる。
「私は…」
その今にも消えてしまいそうな声が微かに震えていた。あぁ、やっぱり君を守りたい。そばにいたい。俺は穂希の頭を優しくなでた。穂希の肩がビクッと上がる。穂希は俺から少しだけ離れ俺を―見た。至近距離で目が合って俺は穂希の可愛さに耐えきれず俺は少し目をそらした。
「あのね、」
穂希がゆっくりと告げる。俺ももう一度穂希を見た。長く黒いまつげが上下に動き、穂希の目が俺の心の的の中心を射抜いた。
 その途端、俺の目に何かの細工がかかったように、俺の目には穂希しか見えなくなった。俺を見つめている綺麗で美しい目、天使のような微笑み。あぁ、なんて素敵な世界に俺は生まれてきたんだろう。宇宙で一番かわいい天使がいるようなこの世界に。そして、その天使に触れられる距離に俺がいること。これが、これこそが、キセキというやつだ。でも、一つだけ。足りないことが―ある。
「ねぇ、」
穂希が口を開き、鈴のなるような声で俺に語りかける。そして、頬をバラ色に染めながら俺の待ち望んでいた言葉を口にした。
「私は一颯君が、好き、だよ。」
俺の体の頭から足のつま先まで一気に熱が広がった。そしてもう一度優しく穂希を抱きしめる。―9年間、ずっと君に片思いしていた。ずっと、好きだった。君の―が欠けていて、君が俺を覚えていなかったのは正直言って辛かった、苦しかった。でも、俺は君を守り続けるよ。―昔の、ように。―深呼吸をしてから大好きな君にこう告げた。
「うん俺も。世界一好きだよ、君のこと。」


次のエピソードへ進む 君の知らない本当の俺。


みんなのリアクション

「小鳥遊って3股してたらしいよwマジ酷すぎるから」
そういう瞬月の声はやけにウザく聞こえた。俺―對馬一颯は心の底から瞬月にムカついていた。なんで穂希の個人情報言わないといけないんだよ。マジで酷すぎる。瞬月には穂希のこと関係ないだろ。「だからさぁ、早く別れたほうが―」
 ―ゴン。俺の手から鈍い衝撃音が鳴った。気が付けば俺は自分の机に拳を手の感覚がなくなるくらい全力で俺の怒りを机にぶつけていた。息が、荒くなる。苦しい。必死の思いで瞬月に告げた。
「おい、瞬月お前…」
俺はゆっくりと空気を吸い込む。
「最低だな」
自分でも出したことのなような低い声が出た。瞬月は俺の言葉に驚いたのか口をパクパクさせていた。。慌てて何か言おうとした時、瞬月から言葉が発せられる。
「は、何言って―」
「お前さぁ、」
俺の口から次々に言葉が出る。今まで瞬月にどれだけの人がどれだけ苦しめられたか、穂希がどんなに嫌な思いをしているかを伝えたくて。
 ただ、昔のように、穂希を守りたくて。
「ふざけんのも大概にしろよ」
「はぁ⁉」
瞬月が何言ってるか意味が分かりませんっていう感じで上擦った声を上げた。確かに、瞬月にこんな事を言うのは初めてかもしれない。でも、いずれ絶対言わないといけないことになる。あの事件のことが頭によぎる。この先ずっと頭から離れないあの事件が。その過去を思い出すのが嫌で俺は、穂希を見た。穂希も目を丸くしていた。
「穂希はさぁ」
目が合う。あぁ、やっぱ可愛い。穂希に惚れたあの瞬間を今でも覚えている。俺は笑った。穂希に愛をこめて。今、この瞬間に穂希に思いを伝えたい、と思い瞬月に告げた。
「瞬月、穂希は―」
俺の頬が熱くなるのを感じる。大きく息を吸って俺はこう告げる。そしてその言葉は俺の口からするすると出て行った。
「穂希は俺の彼女だから。」
「はへっ⁉」
穂希は咄嗟に変な声を出す。ちょ、ヤバ可愛すぎ。―ずっと、こういう関係を作りたかった。俺の長すぎる片思いはもう終わってほしかった。終わりにしてほしかった。―あの事件の頃から、俺は穂希に猛烈に片思いをしていた。
「ちょ、っと…」
穂希は涙に洗わされた大きな瞳で俺のことを見ていた。
「大丈夫?」
俺は小声で穂希に聞く。うん、と頷いた穂希の顔が可愛すぎて愛おしさが胸元に突き上げてきた。「っていうことだから、これ以上穂希に嫌な思いさせないで、瞬月。」
「は、なにそれ、小鳥遊と一颯が付き合ってんのキモいんだけど」
「それは瞬月個人の意見だし、そういう暴言を吐くのは俺だけにしてくれるかな、じゃ、俺ら教室出るから」
瞬月にそれだけ伝えて俺は穂希の手を引いて教室から出て行く。
穂希の手からぬくもりを感じて、もっと触れていたいと思った。
それと同時に穂希の細い手が俺の心を痛めつける。
―あの事件のことを穂希が覚えていなくてよかった。忘れていてくれて。でも俺のことを―。幸い、廊下に人影はなかった。俺らは4階の階段に二人並んで腰を下ろす。俺は一息吸ってから
「あ、穂希、さっきはついごめんね」
と言った。隣に座っている穂希の顔を見ると熱湯をかけられたみたいに赤くて、目には涙がにじんでいた。手で涙をぬぐっている穂希が可愛くて、大好きな君に触れたくて、俺は穂希の手を握る。穂希が勢いよくこっちを向いた。その顔が可愛くて、愛おしくて、ずっと見ていたい。まって、可愛すぎる死にそう。―瞬月に告げたあの言葉、ずっと、現実にしたかった。片思いを終わらせたかった。あの時からずっと君に思いを伝えたかった。
「―俺」
「あ、あの!」
言葉のタイミングがぶつかる。穂希が涙を流しながら何かを必死に伝えようとしている。穂希の涙に濡れている顔はまるで天使のようだった。
「うん、なに穂希?」
穂希の大きな瞳が俺を捉えた。
「その、さっきは、あ、ありがとう」
「うん、全然大丈夫。それより穂希は大丈夫なの?」
俺は穂希が心配だった。どんな時もずっとそばにいた俺だからわかる。―なのに。
「うん」
穂希は小さく頷いた。
「そっか」
「海勢頭君はああいう子だもんね」
と、小さく笑いながらつぶやいている穂希が可愛すぎた。
―「っへ⁉」
俺の体に誰かのぬくもりが触れていた。俺は気付かないうちに穂希を抱きしめていた。二人の身体の間には、空気の分子すら入れたくない気持ちで俺は穂希を強く抱きしめた。俺はの気持ちを穂希に受け取ってほしい。君を守りたい。君が―大好きだから。
―「ちょ、っと、いぶ…きくん」
俺の胸のあたりから彼女の苦しそうな声が聞こえ、俺はとっさに穂希の体から距離を置く。ちょ、待ってこの後どうしたらいいんだ⁉そ、そうだ、勝手に抱きしめたこと、謝らないと。
「あ、ご、ごめん。」
その声はぎこちなくて、正直言うととてもダサかった。恥ずかしすぎて穂希の顔を見ることができない。
「…」
それからずっと気まずい雰囲気の中、しばらくしても穂希の声が聞こえなくて俺はゆっくり顔を上げた。すると穂希は―。
「え」
俺の口からぽろっと言葉が出る。―穂希は心の染み入るような優しい笑顔で俺のことを見ていた。
「あ…」
いつまで経っても穂希は口元に笑みを刻んでいた。その顔は吸い込まれてしまうほど可愛かった。―そして、聞いていると思わず笑みが浮ぶほどかわいらしい声で俺の名前を呼んだのだ。
「一颯君。」
その声は小鳥のさえずりみたいに聞こえた。俺はそんな穂希に瞬き一つせずに、見惚れていた。あぁ、なんて穂希は可愛いのだろう。―あの頃の記憶が穂希の心の中にあったらいいのにな。
「私もね」
穂希は頬の辺りを紅潮させながら何かをゆっくりと告げようとする。穂希の手がぎゅっと握られた。
「え」
俺の体に再び誰かのぬくもりが伝わる。
「私も」
俺の顔の横で穂希の声が聞こえた。おそらく、今の状況を把握するのに5秒くらいはかかっただろう。俺は今―穂希に抱きしめられている。俺は耳まで熱湯をかけられたみたいに顔が熱くなった。でも穂希の体が震えていて俺もすかさず穂希の背中に手を回す。
「俺も」
穂希の言葉に重ねるように言葉を発する。
「一颯君が」
「穂希が」
お互いの名前を呼び合う。穂希…。いい、名前だな。彼女が俺を抱きしめる力がグン、と強くなる。
「私は…」
その今にも消えてしまいそうな声が微かに震えていた。あぁ、やっぱり君を守りたい。そばにいたい。俺は穂希の頭を優しくなでた。穂希の肩がビクッと上がる。穂希は俺から少しだけ離れ俺を―見た。至近距離で目が合って俺は穂希の可愛さに耐えきれず俺は少し目をそらした。
「あのね、」
穂希がゆっくりと告げる。俺ももう一度穂希を見た。長く黒いまつげが上下に動き、穂希の目が俺の心の的の中心を射抜いた。
 その途端、俺の目に何かの細工がかかったように、俺の目には穂希しか見えなくなった。俺を見つめている綺麗で美しい目、天使のような微笑み。あぁ、なんて素敵な世界に俺は生まれてきたんだろう。宇宙で一番かわいい天使がいるようなこの世界に。そして、その天使に触れられる距離に俺がいること。これが、これこそが、キセキというやつだ。でも、一つだけ。足りないことが―ある。
「ねぇ、」
穂希が口を開き、鈴のなるような声で俺に語りかける。そして、頬をバラ色に染めながら俺の待ち望んでいた言葉を口にした。
「私は一颯君が、好き、だよ。」
俺の体の頭から足のつま先まで一気に熱が広がった。そしてもう一度優しく穂希を抱きしめる。―9年間、ずっと君に片思いしていた。ずっと、好きだった。君の―が欠けていて、君が俺を覚えていなかったのは正直言って辛かった、苦しかった。でも、俺は君を守り続けるよ。―昔の、ように。―深呼吸をしてから大好きな君にこう告げた。
「うん俺も。世界一好きだよ、君のこと。」