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 私は、になりたかった。
 「学校一かわいい」でも「東大現役合格」でもない。
 田んぼの怪人とか、闇夜に現れる幽霊とか、そういうジャンルで。

 だってその方が、ロマンがあるから。
 時空を超えて語り継がれる“伝説”になりたい!
 私は決めた。
 誰が見ても「これは……やばいな」と思うような行動を、地道に続けよう。
 そうすれば、私の奇行はいつか伝説となるに違いない!

 ある日の夕暮れ、私は白いセーラー服に身を包み、
 篠笛片手に田んぼのど真ん中へ突撃した。
 髪はストレートで、長く、顔半分は影にして。
 いわゆる“出る側”の雰囲気を全力で演出してみた。
 私は篠笛を吹いた。吹きまくった。

 ピ~ ヒョロロ~  ヒョロロピ~  ピ~ヒョロピ~

 まさに、風情と不穏のハイブリッドサウンド。
 闇夜の田んぼに響く篠笛の音色。
 これで通行人が震えて逃げ出してくれれば大成功だ。

 ……しかし、通らない。
 誰も通ってくれない。
 知ってた。田舎ってそういうところ。



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 私は、《《伝説の女》》になりたかった。
 「学校一かわいい」でも「東大現役合格」でもない。
 田んぼの怪人とか、闇夜に現れる幽霊とか、そういうジャンルで。
 だってその方が、ロマンがあるから。
 時空を超えて語り継がれる“伝説”になりたい!
 私は決めた。
 誰が見ても「これは……やばいな」と思うような行動を、地道に続けよう。
 そうすれば、私の奇行はいつか伝説となるに違いない!
 ある日の夕暮れ、私は白いセーラー服に身を包み、
 篠笛片手に田んぼのど真ん中へ突撃した。
 髪はストレートで、長く、顔半分は影にして。
 いわゆる“出る側”の雰囲気を全力で演出してみた。
 私は篠笛を吹いた。吹きまくった。
 ピ~ ヒョロロ~  ヒョロロピ~  ピ~ヒョロピ~
 まさに、風情と不穏のハイブリッドサウンド。
 闇夜の田んぼに響く篠笛の音色。
 これで通行人が震えて逃げ出してくれれば大成功だ。
 ……しかし、通らない。
 誰も通ってくれない。
 知ってた。田舎ってそういうところ。