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第31話 非公式会議

ー/ー



 艦隊司令の瑠璃子は防衛隊本部に連絡を取ったのち、参謀長の瞳と夕霧艦長の桐子と共に、会議室に朝風の士官を集めた。

「全員いるかしら。来てくれてありがとう」と瑠璃子。「どうしても話しておきたいことがあって、集まってもらいました」

「艦長が来ていませんが」と恵子。

「艦長はまだ体調が万全ではないのよ。だからしばらくは、どうしても判断が必要なとき以外は医務室で寝ててもらうことにしたわ」と瑠璃子。

「艦長がいなくては、艦のことを決められません」と恵子。

「悠木君がいないところで話をしたいの。これは公式の会議ではないから、記録を残しません。だからあなたたちは自由に発言しても構わないわ」と瑠璃子。「ただその前に私から話をさせてください」

「作戦に関することでしょうか?」と恵子。

「あなたたちの処遇に関することです」と瑠璃子。

「私たち乗組員の処遇ということでしょうか?」と恵子。

「いいえ、この艦の士官のみです。正確には、悠木艦長に直接関わりを持った人物、ということになります」と瑠璃子。

 悠木のプライベートな内容であることを察して「分かりました」と恵子は答えた。そして悠木の姉である、夕霧の艦長の桐子が来ていることに納得した。

「まず皆さんに謝らなければならないわ」と瑠璃子。「あなた方には当分、下船の許可が下りません。あなたたちは知りすぎてしまったから。艦長を極力あなたたち士官以外に接触させなかったのは、機密保持のためだったのよ」

「どの程度でしょうか?」と恵子。

「申し訳ないけど、具体的にいつまでとは言えません。おそらく、この戦争にめどがつくまでよ」と瑠璃子。「そのかわり、軍の施設は将官用も含めて無制限に使うことができるようにしました。休養期間には保養施設を自由に使っていいわよ」

「本当ですか!」と早苗。

「本当よ。でも地球には降りられないし、民間人とも自由に接触できません。いいですか?」と瑠璃子。

「命令なのでしょうか?」と恵子。

「そうよ」と瑠璃子。

「この船に乗るときに死ぬ覚悟はできていましたが、降りられないとは思ってもいませんでした。しばらくということは、この艦が沈むまでということですよね」と綾子。

「任務が終わるまでという意味です」と瑠璃子。「艦長がいる限り、この艦は沈みません」

「艦長が死んでしまったら、どうなるのでしょうか。今回は回復されましたが」と涼子。

「艦長が死ねば、人類は異星生物に滅ぼされるわ」と瑠璃子。

「艦長と生死を共にするということでしょうか」と舞。

「そのとおりよ」と瑠璃子。「だけどそのかわり、あなたたちの質問に答えてあげる。私たちの知っている範囲でだけど」

「艦長のことでしょうか?」とエリカ。

「そうよ。いろいろ噂してるのでしょう?」と瑠璃子。

「でも、ほとんどが都市伝説みたいな怪しげな噂ばかりなのです」とエリカ。

「信じてるの?」と瑠璃子。

「ええ、少しだけ。先月のフォボス沖海戦で艦長のことを知ってしまったから」とエリカ。「でも何から聞いていいのかわかりません。生まれ変わりとか、四分割されたとか、とりとめがなくて……」

「どちらも本当よ」と瑠璃子。

「キャー!」と早苗。

「でも、話の筋道がわかるように私がまず概要を説明してあげるわ。それからあなたたちが質問をするということで、どうかしら」と瑠璃子。

「お願いします」と恵子。



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 艦隊司令の瑠璃子は防衛隊本部に連絡を取ったのち、参謀長の瞳と夕霧艦長の桐子と共に、会議室に朝風の士官を集めた。
「全員いるかしら。来てくれてありがとう」と瑠璃子。「どうしても話しておきたいことがあって、集まってもらいました」
「艦長が来ていませんが」と恵子。
「艦長はまだ体調が万全ではないのよ。だからしばらくは、どうしても判断が必要なとき以外は医務室で寝ててもらうことにしたわ」と瑠璃子。
「艦長がいなくては、艦のことを決められません」と恵子。
「悠木君がいないところで話をしたいの。これは公式の会議ではないから、記録を残しません。だからあなたたちは自由に発言しても構わないわ」と瑠璃子。「ただその前に私から話をさせてください」
「作戦に関することでしょうか?」と恵子。
「あなたたちの処遇に関することです」と瑠璃子。
「私たち乗組員の処遇ということでしょうか?」と恵子。
「いいえ、この艦の士官のみです。正確には、悠木艦長に直接関わりを持った人物、ということになります」と瑠璃子。
 悠木のプライベートな内容であることを察して「分かりました」と恵子は答えた。そして悠木の姉である、夕霧の艦長の桐子が来ていることに納得した。
「まず皆さんに謝らなければならないわ」と瑠璃子。「あなた方には当分、下船の許可が下りません。あなたたちは知りすぎてしまったから。艦長を極力あなたたち士官以外に接触させなかったのは、機密保持のためだったのよ」
「どの程度でしょうか?」と恵子。
「申し訳ないけど、具体的にいつまでとは言えません。おそらく、この戦争にめどがつくまでよ」と瑠璃子。「そのかわり、軍の施設は将官用も含めて無制限に使うことができるようにしました。休養期間には保養施設を自由に使っていいわよ」
「本当ですか!」と早苗。
「本当よ。でも地球には降りられないし、民間人とも自由に接触できません。いいですか?」と瑠璃子。
「命令なのでしょうか?」と恵子。
「そうよ」と瑠璃子。
「この船に乗るときに死ぬ覚悟はできていましたが、降りられないとは思ってもいませんでした。しばらくということは、この艦が沈むまでということですよね」と綾子。
「任務が終わるまでという意味です」と瑠璃子。「艦長がいる限り、この艦は沈みません」
「艦長が死んでしまったら、どうなるのでしょうか。今回は回復されましたが」と涼子。
「艦長が死ねば、人類は異星生物に滅ぼされるわ」と瑠璃子。
「艦長と生死を共にするということでしょうか」と舞。
「そのとおりよ」と瑠璃子。「だけどそのかわり、あなたたちの質問に答えてあげる。私たちの知っている範囲でだけど」
「艦長のことでしょうか?」とエリカ。
「そうよ。いろいろ噂してるのでしょう?」と瑠璃子。
「でも、ほとんどが都市伝説みたいな怪しげな噂ばかりなのです」とエリカ。
「信じてるの?」と瑠璃子。
「ええ、少しだけ。先月のフォボス沖海戦で艦長のことを知ってしまったから」とエリカ。「でも何から聞いていいのかわかりません。生まれ変わりとか、四分割されたとか、とりとめがなくて……」
「どちらも本当よ」と瑠璃子。
「キャー!」と早苗。
「でも、話の筋道がわかるように私がまず概要を説明してあげるわ。それからあなたたちが質問をするということで、どうかしら」と瑠璃子。
「お願いします」と恵子。