第54話

ー/ー



ここはウエス国の森の中。
ウエス山の頂上。


「ライトニングストーム!」
リリィの両手から放たれた光の洪水が、ライジンを直撃した。
辺りは眩い光に包まれた。
「やった!」
ハクが言うと、リリィがよろよろと立ち上がった。
「直撃したわ。フウジンはもう生きてないはず。」
リリィは呟いて、ハクの所に向かう。
「リリィ!凄かったぞ!」
ハクが嬉しそうにリリィに笑いかける。

しかし、

グググググッ!

フウジンは、そこに立っていた。
真っ黒に焼けこげ、ボロボロの姿ではあるが、二本の足でしっかりと立っている。

「やってくれたわね。私をここまで追い詰めるとは......」
フウジンの目は怒りに燃えている。

「フウジン!まだやるのか?」
ハクが叫ぶ。
「もう、勝負はついたわ。諦めて。」
リリィが言うと、

「勝負はこれからだ!リリィ!」
フウジンが重く低い声で言った。そして、身体が変化を始める。

身体が大きくなり、両手両足に鋭い爪が生える。口は大きく裂け、目の色は血のような赤色に。更に2本の腕が生えて、背中には大きな翼がついた。

「これが私の本当の姿。この姿を見た者は生きて帰れない。」
フウジンが言った。

「これが、本当のフウジンの姿......」
リリィは息を呑んだ。

「どんな姿になっても、おいらが倒す!」
ハクが叫んだ。

フウジンが大きな翼を羽ばたかせると突風がハクとリリィを襲った。

クッ!

両足で踏ん張るが、押されている。

今度は大きく口を開けた。

「避けろ!リリィ!」
ハクが叫ぶ。

フウジンの口から、猛烈な炎が吐き出された。

ゴーッ!

間一髪でリリィとハクはそれをかわす。

「今度はおいらの番だ。水竜の舞!」
ハクの手から激しい水流が出てフウジンに襲いかかる。

フウジンはそれを棒立ちのまま受け止める。
「私にその技は効かないわよ。」
フウジンは余裕の表情だ。
「くっそー!」
ハクが悔しそうに叫ぶ。

「ライトニングアロー!」
リリィの両手から無数の光の矢がフウジンに向かって放たれた。

ドドドドドッ!

全ての矢がフウジンの身体に命中する。
が、フウジンには、ほとんど効いていない。

「こうなったら、連打だ!」
ハクがフウジンに殴りかかった。
激しい撃ち合いになる。

「ライトニングソード!」
リリィは両手に光の剣を出して、フウジンに斬りかかる。

ハクとリリィの二人がかりでフウジンに攻撃するが、全て防御されている。

「リリィ!攻撃の手を緩めるな!」
「わかった!」
ハクは左右の手で交互に水流を繰り出す。
リリィは光の矢を連続して放つ。

グググググッ!

「こんなもの!」
フウジンは両手でそれを受け止めるが、ジリジリと後退していく。

「まだまだ!」
ハクもリリィも手を緩めない。
「クッ!」
フウジンは、受け止めるだけで精一杯のようだ。そのまま後退し続け、ついに火口の縁まで追い込まれた。

「今だ!水竜の舞・乱舞!」
ハクが放つ水流が勢いを増した。
「ライトニングドラゴン!」
リリィが放った光の竜がフウジンに襲いかかる。

フウジンの片足が火口の縁にかかり、足元が崩れる。
「くそっ!私はこんな子供には負けない!」

「行けー!」
ハクが、叫ぶ。

フウジンの身体が宙に浮いた。
「!?」
フウジンは、なす術もなく火口へと落ちていった。

「勝った。リリィ!おいらたち勝ったぞ!」
ハクが叫ぶ。
「私たち、やったのね。」
リリィはヘナヘナと座り込んだ。

「やったキー!」
「やったキキー!」
モックとドンキーが駆け寄ってくる。

「モック!ドンキー!」
リリィが二人を抱き締める。
その輪にハクも加わって、勝利を噛み締めた。

「大変な目にあったな。」
ハクがため息をつく。
「でも、凄い大冒険だったね。」
リリィは満足げだ。
「リリィ、帰りなんだけどさ。おいらがひとっ飛びして皆んなを連れて帰るってのはダメかな?」
ハクがリリィに提案した。
「疲れちゃったし、そうしようか。」
リリィがそう答えると、ハクはすぐに竜の姿に変身した。

「さあ、皆んな。おいらに掴まって。」
リリィ、モック、ドンキーがハクの体に乗ると、ゆっくりとハクは宙に浮かんだ。

「よし!我が家にひとっ飛びだ!」
ハクは一直線に丸太小屋に向かって飛び上がった。

「凄い!気持ちいい!」
「速いキー!」
「凄いキキー!」
「しっかり掴まってるんだぞ!それー!」

ハクは、空を飛びながら宙返りする。
あっという間に丸太小屋にたどり着いた。
ゆっくりと着地する。

そこには、イブがいた。
「リリィ、何処に行ってたんだ?」
イブが聞くと、
「ちょっと近所を探検してたの。危ないことはしてないよ。」
リリィが答えた。
「なら、良いんだ。」
イブは、意味ありげに笑って言った。

「おいら、疲れたから風呂に入るぞ。」
ハクがそう言って、さっさと風呂に向かった。
「私も!」
リリィも、風呂に向かう。
「モックも入るキー!」
「ドンキーも入るキキー!」
モックとドンキーも走って行った。

「まあ、無事に帰ってきたことだし、フィーネには黙っておくか。」
イブは、そう言って、ロッキングチェアに座った。

ウエスの森の空は晴れ渡り、穏やかな風が吹いていた。




次のエピソードへ進む 第55話


みんなのリアクション

ここはウエス国の森の中。
ウエス山の頂上。
「ライトニングストーム!」
リリィの両手から放たれた光の洪水が、ライジンを直撃した。
辺りは眩い光に包まれた。
「やった!」
ハクが言うと、リリィがよろよろと立ち上がった。
「直撃したわ。フウジンはもう生きてないはず。」
リリィは呟いて、ハクの所に向かう。
「リリィ!凄かったぞ!」
ハクが嬉しそうにリリィに笑いかける。
しかし、
グググググッ!
フウジンは、そこに立っていた。
真っ黒に焼けこげ、ボロボロの姿ではあるが、二本の足でしっかりと立っている。
「やってくれたわね。私をここまで追い詰めるとは......」
フウジンの目は怒りに燃えている。
「フウジン!まだやるのか?」
ハクが叫ぶ。
「もう、勝負はついたわ。諦めて。」
リリィが言うと、
「勝負はこれからだ!リリィ!」
フウジンが重く低い声で言った。そして、身体が変化を始める。
身体が大きくなり、両手両足に鋭い爪が生える。口は大きく裂け、目の色は血のような赤色に。更に2本の腕が生えて、背中には大きな翼がついた。
「これが私の本当の姿。この姿を見た者は生きて帰れない。」
フウジンが言った。
「これが、本当のフウジンの姿......」
リリィは息を呑んだ。
「どんな姿になっても、おいらが倒す!」
ハクが叫んだ。
フウジンが大きな翼を羽ばたかせると突風がハクとリリィを襲った。
クッ!
両足で踏ん張るが、押されている。
今度は大きく口を開けた。
「避けろ!リリィ!」
ハクが叫ぶ。
フウジンの口から、猛烈な炎が吐き出された。
ゴーッ!
間一髪でリリィとハクはそれをかわす。
「今度はおいらの番だ。水竜の舞!」
ハクの手から激しい水流が出てフウジンに襲いかかる。
フウジンはそれを棒立ちのまま受け止める。
「私にその技は効かないわよ。」
フウジンは余裕の表情だ。
「くっそー!」
ハクが悔しそうに叫ぶ。
「ライトニングアロー!」
リリィの両手から無数の光の矢がフウジンに向かって放たれた。
ドドドドドッ!
全ての矢がフウジンの身体に命中する。
が、フウジンには、ほとんど効いていない。
「こうなったら、連打だ!」
ハクがフウジンに殴りかかった。
激しい撃ち合いになる。
「ライトニングソード!」
リリィは両手に光の剣を出して、フウジンに斬りかかる。
ハクとリリィの二人がかりでフウジンに攻撃するが、全て防御されている。
「リリィ!攻撃の手を緩めるな!」
「わかった!」
ハクは左右の手で交互に水流を繰り出す。
リリィは光の矢を連続して放つ。
グググググッ!
「こんなもの!」
フウジンは両手でそれを受け止めるが、ジリジリと後退していく。
「まだまだ!」
ハクもリリィも手を緩めない。
「クッ!」
フウジンは、受け止めるだけで精一杯のようだ。そのまま後退し続け、ついに火口の縁まで追い込まれた。
「今だ!水竜の舞・乱舞!」
ハクが放つ水流が勢いを増した。
「ライトニングドラゴン!」
リリィが放った光の竜がフウジンに襲いかかる。
フウジンの片足が火口の縁にかかり、足元が崩れる。
「くそっ!私はこんな子供には負けない!」
「行けー!」
ハクが、叫ぶ。
フウジンの身体が宙に浮いた。
「!?」
フウジンは、なす術もなく火口へと落ちていった。
「勝った。リリィ!おいらたち勝ったぞ!」
ハクが叫ぶ。
「私たち、やったのね。」
リリィはヘナヘナと座り込んだ。
「やったキー!」
「やったキキー!」
モックとドンキーが駆け寄ってくる。
「モック!ドンキー!」
リリィが二人を抱き締める。
その輪にハクも加わって、勝利を噛み締めた。
「大変な目にあったな。」
ハクがため息をつく。
「でも、凄い大冒険だったね。」
リリィは満足げだ。
「リリィ、帰りなんだけどさ。おいらがひとっ飛びして皆んなを連れて帰るってのはダメかな?」
ハクがリリィに提案した。
「疲れちゃったし、そうしようか。」
リリィがそう答えると、ハクはすぐに竜の姿に変身した。
「さあ、皆んな。おいらに掴まって。」
リリィ、モック、ドンキーがハクの体に乗ると、ゆっくりとハクは宙に浮かんだ。
「よし!我が家にひとっ飛びだ!」
ハクは一直線に丸太小屋に向かって飛び上がった。
「凄い!気持ちいい!」
「速いキー!」
「凄いキキー!」
「しっかり掴まってるんだぞ!それー!」
ハクは、空を飛びながら宙返りする。
あっという間に丸太小屋にたどり着いた。
ゆっくりと着地する。
そこには、イブがいた。
「リリィ、何処に行ってたんだ?」
イブが聞くと、
「ちょっと近所を探検してたの。危ないことはしてないよ。」
リリィが答えた。
「なら、良いんだ。」
イブは、意味ありげに笑って言った。
「おいら、疲れたから風呂に入るぞ。」
ハクがそう言って、さっさと風呂に向かった。
「私も!」
リリィも、風呂に向かう。
「モックも入るキー!」
「ドンキーも入るキキー!」
モックとドンキーも走って行った。
「まあ、無事に帰ってきたことだし、フィーネには黙っておくか。」
イブは、そう言って、ロッキングチェアに座った。
ウエスの森の空は晴れ渡り、穏やかな風が吹いていた。