第26話 四分割
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「わが夫を四人に分割するじゃと? 意味が分からぬ。説明せよ」と女王。
「悠木大尉には分身を作り、敵を四方から攻撃する能力があります。技を出した瞬間に分身を引き離して元に戻れないようにするのです」と桐子。
「そんなことはできぬ。分身は自然と一体化してしまうであろう。以前、わが冥界の博士どもがすでに試しておる」と女王。
「それは分身を作る術者によります。悠木大尉は史上まれにみる大魔術師です。成功する確率は高いはずです」と瞳。
「わが夫で実験すると申すか。不埒な。それで分割してどうする。分割した夫が武士として使い物になるかどうかは分からぬ」と女王。
「悠木大尉はどのように疲労しても人格と能力を失いません。試す価値は十分にあります」と桐子。
「わが夫を四人に増やして、何をさせるつもりじゃ?」と女王。
「一人はあなたの元にお返しします」と桐子。
「なるほど。それで残りの三人はどうなる」と女王。
「それはお話しできません」と桐子。
「それでは同意できぬな」と女王。
「ではどうするおつもりですか?」と桐子。
「予は、今ここで夫の肉体のかけらが入ったこのガラス瓶を壊し、夫の心をわが冥界のもとに返すまでじゃ」と女王。
「お話すれば同意してくださるのですか?」と瞳。
「内容によるであろう。言うまでもないことじゃ」と女王。
「一人は今まで通り地上で育てます。一人は戦闘艦朝風の艦長として働いてもらいます」と瞳。
「もう一人はどうするのじゃ?」と女王。
「敵の母星へ派遣します。そのための船を用意しています」と瞳。
「ほう。成算はあるのか?」と女王。
「あります」と瞳。
「説明せよ」と女王。
「敵の母星のある惑星系で超新星爆発を引き起こし、敵を殲滅します」と瞳。
「夫は帰ってこれぬな」と女王。
「はい」と瞳。
「予が許すと思うか?」と女王。
「いいえ」と瞳。
「では会見は終わりじゃ。夫はここで返してもらう」と女王。
「お待ちください! 私たちにはもう他に手段がないのです。どうかお願いです。お許しください。あなたがそれで納得してくださるのでしたら、私たちも悠木君と一緒に死にます。だからどうか……」と瑠璃子。
「女王陛下、ご一考をなされてはいかがでしょうか」とタタ卿。
「予の考えは変わらぬな」と女王。
「この者たちの申す所、嘘偽りはなさそうにございます」とタタ卿。
「この者どもの、いけしゃあしゃあとした正直さが気に入らぬわ」と女王。
「私たちには、もう他に生き残る道はないのです」と瞳。
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「悠木大尉には分身を作り、敵を四方から攻撃する能力があります。技を出した瞬間に分身を引き離して元に戻れないようにするのです」と桐子。
「そんなことはできぬ。分身は自然と一体化してしまうであろう。以前、わが冥界の博士どもがすでに試しておる」と女王。
「それは分身を作る術者によります。悠木大尉は史上まれにみる大魔術師です。成功する確率は高いはずです」と瞳。
「わが夫で実験すると申すか。不埒な。それで分割してどうする。分割した夫が|武士《もののふ》として使い物になるかどうかは分からぬ」と女王。
「悠木大尉はどのように疲労しても人格と能力を失いません。試す価値は十分にあります」と桐子。
「わが夫を四人に増やして、何をさせるつもりじゃ?」と女王。
「一人はあなたの元にお返しします」と桐子。
「なるほど。それで残りの三人はどうなる」と女王。
「それはお話しできません」と桐子。
「それでは同意できぬな」と女王。
「ではどうするおつもりですか?」と桐子。
「予は、今ここで夫の肉体のかけらが入ったこのガラス瓶を壊し、夫の心をわが冥界のもとに返すまでじゃ」と女王。
「お話すれば同意してくださるのですか?」と瞳。
「内容によるであろう。言うまでもないことじゃ」と女王。
「一人は今まで通り地上で育てます。一人は戦闘艦朝風の艦長として働いてもらいます」と瞳。
「もう一人はどうするのじゃ?」と女王。
「敵の母星へ派遣します。そのための船を用意しています」と瞳。
「ほう。成算はあるのか?」と女王。
「あります」と瞳。
「説明せよ」と女王。
「敵の母星のある惑星系で超新星爆発を引き起こし、敵を殲滅します」と瞳。
「夫は帰ってこれぬな」と女王。
「はい」と瞳。
「予が許すと思うか?」と女王。
「いいえ」と瞳。
「では会見は終わりじゃ。夫はここで返してもらう」と女王。
「お待ちください! 私たちにはもう他に手段がないのです。どうかお願いです。お許しください。あなたがそれで納得してくださるのでしたら、私たちも悠木君と一緒に死にます。だからどうか……」と瑠璃子。
「女王陛下、ご一考をなされてはいかがでしょうか」とタタ卿。
「予の考えは変わらぬな」と女王。
「この者たちの申す所、|嘘偽《うそいつわ》りはなさそうにございます」とタタ卿。
「この者どもの、いけしゃあしゃあとした正直さが気に入らぬわ」と女王。
「私たちには、もう他に生き残る道はないのです」と瞳。