第28話

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ここはウエス国の森の中。

「待てー!」
「待つキキー!」
「待たないキー!」
相変わらずリリィたちは追いかけっこをしている。

「今日も紅茶が美味しいわ。」
フィーネ、スザク、イブは、ロッキングチェアでのんびりしている。
「それにしても暑いな。」
イブは汗だくになりながら言う。それにしても汗をかきすぎだ。
「どうしたの?イブ、汗びっしょりじゃない!?」
フィーネがイブの異常に気付いた。
「女神は体温調整が苦手なんだ。暑さ寒さには弱い。」
イブがぐったりして言う。
「そんなこと初めて聞いたわ。とりあえず氷で冷やす?」
「かき氷が食べたいな。」
イブが無茶を言う。
フィーネは少し考えて、
「わかったわ。かき氷を作りましょう。」
フィーネが右手を振ると、調理器具や材料が勝手に動き出す。
飲み水が氷になり削られて器に盛られる。シロップはハチミツや砂糖を煮詰めて作る。
あっという間に人数分のかき氷が出来上がった。

「フィーネ特製かき氷の完成よ!」

「わー!かき氷だ!」
リリィが目を輝かせている。
「かき氷ってなんだキー?」
「なんだキキー?」
モックとドンキーは初めて見るかき氷に興味津々だ。
「氷を細かく削って、それに甘いシロップをかけた食べ物だ。」
イブがかき氷を食べながら解説する。
「これは、冷たくて甘くて美味しいね。」
スザクも気に入った様子だ。
「暑い夏はかき氷に限るわね。日本の夏が懐かしいわ。」
フィーネもかき氷の出来に満足そうだ。

「ねえ、フィーネ?」
「何?リリィ。」
「海水浴にみんなで行かない?」
「海水浴?ここから海は遠いし、魔物も出るから危険よ。」
「私、泳ぎたい!」
リリィはスッカリ夏の気分になってしまったらしい。
「そうねえ。湖で良ければ……」
「湖があるの?」
「数時間歩いたところにウエス湖っていう、大きな湖があるわよ。」
フィーネが言うと、リリィが食いついてきた。
「ウエス湖行こう!みんなで!」
「面倒くさいなあ。でも、たまには良いか。」
「やったー!ゴブローとオルガも誘おうよ!」
「もう、好きにして良いわよ……」


こうして、2日後、フィーネたちはウエス湖に行くことになった。オルガに馬車を出してもらい、荷物を積んで準備万端。
いよいよ出発の時がやってきた

「水着も作ったし。浮き輪やボートも作ったし。準備OKね。」リリィが楽しそうだ。
「私は泳がないわよ。」
フィーネは乗り気ではなさそうだ。
「まあ、たまにはこういうのも良いんじゃないか?」
イブはもう水着を着ている。一番前のめりのようだ。
「今日はお誘いいただいてありがとうございます!」オルガが馬車を引く馬を撫でながら言う。
「わざわざ馬車まで出してもらってありがとう、オルガ。」
スザクが言う。
「俺まで誘ってもらって良いのか?なんだか申し訳ないな。」
ゴブローが言う。
「よし!出発しよう!」オルガが言うと、馬車がゆっくりと動き出した。


ウエス湖までは、馬車なら1時間ほどの距離だ。ウエス国最大の湖で、中央に島がある。そこには神の竜が祭られているそうだ。ウエス湖の神竜は、はるか昔、魔神と戦って勝ったという伝説が残っている。


森の中を1時間ほど走ると、視界が急に開けて、大きな湖が見えた。これがウエス湖だ。
「大きな水たまりキー!」
モックが言う。
「モック、あれは湖って言うのよ。」
リリィがモックに言う。
「きれいなところね。」
スザクが言う。
「ここには魔物はいないと思うけど、一応気を付けてね。」
フィーネがくぎを刺す。
馬車は砂浜に止まった。

リリィ、モック、ドンキーが、早速走り出す。
ゴブローとオルガは、敷物やパラソル、椅子など、荷物を手際よく準備する。
フィーネ、イブ、スザクは、水着に着替えて、水辺まで歩いていく。
「リリィ!あまり遠くまで行かないでよ!」
「わかった!」
フィーネは、やれやれという感じで息を吐いた。
「この森の中に、こんなにいい場所があるなんて知らなかった。」
スザクが言う。
「この湖には神の竜が住んでると言われているの。水もきれいだし、波も穏やかだし。確かにいい場所ね。」
フィーネが言う。
「もう我慢できん!ぼくは泳ぐぞ!」
イブが水の中に入っていった。物凄い水しぶきを上げて泳いでいる。

「イブ、すごーい!私も泳ぐ!」
「泳ぐキー!」
「泳ぐキキー!」
リリィとモック、ドンキーも泳ぎだした。

「フィーネ、私も行ってくる。」
スザクも我慢できずに水に入っていった。
フィーネは、その様子を見ながら、平穏な時間を噛みしめるように楽しんでいた。

「フィーネ!準備ができたよ!」
オルガがフィーネに向かって叫んだ。
セッティングが出来たようだ。
フィーネは早速、椅子に座り、冷たい紅茶を淹れる。
「やっぱり、のんびりが一番。」
そういうと、アイスティを一口飲んだ。



フィーネたちがバカンスを楽しんでいるころ。

ウエスの森を移動する、黒い影が湖の方向に向かっていた。

「お兄様、今回の任務は小娘を捕らえるだけの簡単な任務。なぜ私たちまで駆り出されるのですか?」
「フウジンよ、任務に簡単な物はない。気を抜くな。」
「わかりました。お兄様。」
「ビャッコたちが手こずった相手だ。気を引き締めていくぞ。」
「はい。」

フウジンとライジンが、フィーネたちに襲い掛かろうとしていた。



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みんなのリアクション

ここはウエス国の森の中。
「待てー!」
「待つキキー!」
「待たないキー!」
相変わらずリリィたちは追いかけっこをしている。
「今日も紅茶が美味しいわ。」
フィーネ、スザク、イブは、ロッキングチェアでのんびりしている。
「それにしても暑いな。」
イブは汗だくになりながら言う。それにしても汗をかきすぎだ。
「どうしたの?イブ、汗びっしょりじゃない!?」
フィーネがイブの異常に気付いた。
「女神は体温調整が苦手なんだ。暑さ寒さには弱い。」
イブがぐったりして言う。
「そんなこと初めて聞いたわ。とりあえず氷で冷やす?」
「かき氷が食べたいな。」
イブが無茶を言う。
フィーネは少し考えて、
「わかったわ。かき氷を作りましょう。」
フィーネが右手を振ると、調理器具や材料が勝手に動き出す。
飲み水が氷になり削られて器に盛られる。シロップはハチミツや砂糖を煮詰めて作る。
あっという間に人数分のかき氷が出来上がった。
「フィーネ特製かき氷の完成よ!」
「わー!かき氷だ!」
リリィが目を輝かせている。
「かき氷ってなんだキー?」
「なんだキキー?」
モックとドンキーは初めて見るかき氷に興味津々だ。
「氷を細かく削って、それに甘いシロップをかけた食べ物だ。」
イブがかき氷を食べながら解説する。
「これは、冷たくて甘くて美味しいね。」
スザクも気に入った様子だ。
「暑い夏はかき氷に限るわね。日本の夏が懐かしいわ。」
フィーネもかき氷の出来に満足そうだ。
「ねえ、フィーネ?」
「何?リリィ。」
「海水浴にみんなで行かない?」
「海水浴?ここから海は遠いし、魔物も出るから危険よ。」
「私、泳ぎたい!」
リリィはスッカリ夏の気分になってしまったらしい。
「そうねえ。湖で良ければ……」
「湖があるの?」
「数時間歩いたところにウエス湖っていう、大きな湖があるわよ。」
フィーネが言うと、リリィが食いついてきた。
「ウエス湖行こう!みんなで!」
「面倒くさいなあ。でも、たまには良いか。」
「やったー!ゴブローとオルガも誘おうよ!」
「もう、好きにして良いわよ……」
こうして、2日後、フィーネたちはウエス湖に行くことになった。オルガに馬車を出してもらい、荷物を積んで準備万端。
いよいよ出発の時がやってきた

「水着も作ったし。浮き輪やボートも作ったし。準備OKね。」リリィが楽しそうだ。
「私は泳がないわよ。」
フィーネは乗り気ではなさそうだ。
「まあ、たまにはこういうのも良いんじゃないか?」
イブはもう水着を着ている。一番前のめりのようだ。
「今日はお誘いいただいてありがとうございます!」オルガが馬車を引く馬を撫でながら言う。
「わざわざ馬車まで出してもらってありがとう、オルガ。」
スザクが言う。
「俺まで誘ってもらって良いのか?なんだか申し訳ないな。」
ゴブローが言う。
「よし!出発しよう!」オルガが言うと、馬車がゆっくりと動き出した。
ウエス湖までは、馬車なら1時間ほどの距離だ。ウエス国最大の湖で、中央に島がある。そこには神の竜が祭られているそうだ。ウエス湖の神竜は、はるか昔、魔神と戦って勝ったという伝説が残っている。
森の中を1時間ほど走ると、視界が急に開けて、大きな湖が見えた。これがウエス湖だ。
「大きな水たまりキー!」
モックが言う。
「モック、あれは湖って言うのよ。」
リリィがモックに言う。
「きれいなところね。」
スザクが言う。
「ここには魔物はいないと思うけど、一応気を付けてね。」
フィーネがくぎを刺す。
馬車は砂浜に止まった。
リリィ、モック、ドンキーが、早速走り出す。
ゴブローとオルガは、敷物やパラソル、椅子など、荷物を手際よく準備する。
フィーネ、イブ、スザクは、水着に着替えて、水辺まで歩いていく。
「リリィ!あまり遠くまで行かないでよ!」
「わかった!」
フィーネは、やれやれという感じで息を吐いた。
「この森の中に、こんなにいい場所があるなんて知らなかった。」
スザクが言う。
「この湖には神の竜が住んでると言われているの。水もきれいだし、波も穏やかだし。確かにいい場所ね。」
フィーネが言う。
「もう我慢できん!ぼくは泳ぐぞ!」
イブが水の中に入っていった。物凄い水しぶきを上げて泳いでいる。
「イブ、すごーい!私も泳ぐ!」
「泳ぐキー!」
「泳ぐキキー!」
リリィとモック、ドンキーも泳ぎだした。
「フィーネ、私も行ってくる。」
スザクも我慢できずに水に入っていった。
フィーネは、その様子を見ながら、平穏な時間を噛みしめるように楽しんでいた。
「フィーネ!準備ができたよ!」
オルガがフィーネに向かって叫んだ。
セッティングが出来たようだ。
フィーネは早速、椅子に座り、冷たい紅茶を淹れる。
「やっぱり、のんびりが一番。」
そういうと、アイスティを一口飲んだ。
フィーネたちがバカンスを楽しんでいるころ。
ウエスの森を移動する、黒い影が湖の方向に向かっていた。
「お兄様、今回の任務は小娘を捕らえるだけの簡単な任務。なぜ私たちまで駆り出されるのですか?」
「フウジンよ、任務に簡単な物はない。気を抜くな。」
「わかりました。お兄様。」
「ビャッコたちが手こずった相手だ。気を引き締めていくぞ。」
「はい。」
フウジンとライジンが、フィーネたちに襲い掛かろうとしていた。