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@70話 新たな事件

ー/ー





「ところで……」


 


 恭吾が振り返る。


 


「聞きたいことが二つある」


 


 松岡を見る恭吾の目には敵意はない。松岡は怒られた飼い犬のようにシュンとしたまま黙っている。恭吾は構わず続ける。


 


「1月15日火曜日と2月1日金曜日の放課後、生徒会室を覗いていたのは君かい?」


 


 


 答える気がないのか、思い出しているのか松岡は暫く黙っていた。


 


「1月は知らない」


「……分かった」


 


 噓を言っているようには感じられない。質問を変える。


 


 


「二つ目……松岡……お前どうして恋実を狙ったんだ? あの感じだと『優香ちゃん』絡みじゃない、よな?」


 


 もはや狂気は消えている。遊びに行こうとしたところへ、農作業の手伝いを言いつけられた時と同じように、おとなしくなっている。


 


 


「……ゆうか、ってどっちの?」


 


 恐る恐る口を開く。


 


「可愛い方に決まってるだろ!」


「俺、華咲さんしか興味ないし……」


 


 そこの返しは紫電一閃。松岡の譲れないところなのであろう。


 


 


 


「ご、ごめんなさい……普通のお友達……同級生、でお願いします」


 


 女性の『ごめんなさい』とは意外とオールマイティだと気付かされる。返事に戸惑う恋実の気持ちを柔らかく、きっぱりと意志を示す。


 


「三つ目に……恋実のサドルに結んであった紐だか……」


 


 恭吾が話し出した時、誰もが思った……。自分で『三つ目』って言ってるじゃないか、と。


 何事も無かったように話を続ける恭吾。


 


「どうやってラケットのガットを手に入れた?」


「ガット?」


「そうだ。貴様、時巻に罪を着せようと企んだはずだ!」


 


 


「あれは普通の農作業用の誘引紐だけど?!」


 松岡の言葉に嘘はない。雰囲気で分かる。


 


「オーマイガット!!」


 誰もが言葉を失った……。




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「ところで……」
 恭吾が振り返る。
「聞きたいことが二つある」
 松岡を見る恭吾の目には敵意はない。松岡は怒られた飼い犬のようにシュンとしたまま黙っている。恭吾は構わず続ける。
「1月15日火曜日と2月1日金曜日の放課後、生徒会室を覗いていたのは君かい?」
 答える気がないのか、思い出しているのか松岡は暫く黙っていた。
「1月は知らない」
「……分かった」
 噓を言っているようには感じられない。質問を変える。
「二つ目……松岡……お前どうして恋実を狙ったんだ? あの感じだと『優香ちゃん』絡みじゃない、よな?」
 もはや狂気は消えている。遊びに行こうとしたところへ、農作業の手伝いを言いつけられた時と同じように、おとなしくなっている。
「……ゆうか、ってどっちの?」
 恐る恐る口を開く。
「可愛い方に決まってるだろ!」
「俺、華咲さんしか興味ないし……」
 そこの返しは紫電一閃。松岡の譲れないところなのであろう。
「ご、ごめんなさい……普通のお友達……同級生、でお願いします」
 女性の『ごめんなさい』とは意外とオールマイティだと気付かされる。返事に戸惑う恋実の気持ちを柔らかく、きっぱりと意志を示す。
「三つ目に……恋実のサドルに結んであった紐だか……」
 恭吾が話し出した時、誰もが思った……。自分で『三つ目』って言ってるじゃないか、と。
 何事も無かったように話を続ける恭吾。
「どうやってラケットのガットを手に入れた?」
「ガット?」
「そうだ。貴様、時巻に罪を着せようと企んだはずだ!」
「あれは普通の農作業用の誘引紐だけど?!」
 松岡の言葉に嘘はない。雰囲気で分かる。
「オーマイガット!!」
 誰もが言葉を失った……。