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@62話

ー/ー





「……どうでもいいって……」


「いや、どうでもいい、訳ない……」


 


 震える恋実の言葉に慌てる恭吾の心もとない声……恭吾にいつもの『根拠もない自信』が微塵もない。


 


 


 


「……分かった……せっかくここまでやって来たのにね……」


 


 どうして伝わらなかったのであろう? 恭吾が『どうでもいい』と言ったのは何を指していたのか……。恋実は何を思ったのか……。


 


 


「いや、違う、そういうわけじゃ……」


 


 C組に戻る恋実の背中に声を投げるも、もう声が届かないのか、振り向くことはなかった。


 


 


 


(急がねば……)


 


 恭吾の頭はすぐに切り替わる。


 


 もし今回恋実を狙った犯行が、優香ちゃん事件の犯人捜しを邪魔すべきものだとしたのなら、捜査をしなければ犯行も止まるはずである。


 


 恭吾の思う通りなら、捜査を始めれば再び犯人は恋実に前回より強力なアクションを起こすはずである。


 


 もしそこで犯人を取り押さえることができたのなら、優香ちゃん事件も解決へと向かう。それは一石二鳥、まさしく快刀乱麻。


 


 


 恭吾は最低限、今日中の準備を心に誓った。


 


 


 


 


 2月13日、水曜日。


 


 冬晴れが続く。来年の今頃は大学受験の真っただ中であろう。そんなことを思うと、高校生活でゆっくりできる最後の冬かもしれない。


 優香ちゃんは、恋実は、時巻はこの先の進路はどうするつもりであろうか? そんなことを考えながら自転車のペダルを回し続ける。


 少なくとも今日のように来年の冬が穏やかであればいいなと感じる。


 


 今日もいい日になりそうだ。


 


 


 昨日の異常気象が幸いして対策はできた。しかしまた二人で捜査を始めることで恋実が狙われるとしたのなら、それは恋実を囮に使うのと同じことだ。


 


(何とかして他にあぶり出す方法はないのだろうか……松岡はフォークダンスでも容疑の範囲に入っている……しかしパンチラが放課後、部活の時の出来事であるのなら、帰宅部の松岡には犯行は不可能となる……)


 


 時巻ではないと信じたい恭吾がいるのは間違いない。しかし私情は捜査において命取りとなる。




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「……どうでもいいって……」
「いや、どうでもいい、訳ない……」
 震える恋実の言葉に慌てる恭吾の心もとない声……恭吾にいつもの『根拠もない自信』が微塵もない。
「……分かった……せっかくここまでやって来たのにね……」
 どうして伝わらなかったのであろう? 恭吾が『どうでもいい』と言ったのは何を指していたのか……。恋実は何を思ったのか……。
「いや、違う、そういうわけじゃ……」
 C組に戻る恋実の背中に声を投げるも、もう声が届かないのか、振り向くことはなかった。
(急がねば……)
 恭吾の頭はすぐに切り替わる。
 もし今回恋実を狙った犯行が、優香ちゃん事件の犯人捜しを邪魔すべきものだとしたのなら、捜査をしなければ犯行も止まるはずである。
 恭吾の思う通りなら、捜査を始めれば再び犯人は恋実に前回より強力なアクションを起こすはずである。
 もしそこで犯人を取り押さえることができたのなら、優香ちゃん事件も解決へと向かう。それは一石二鳥、まさしく快刀乱麻。
 恭吾は最低限、今日中の準備を心に誓った。
 2月13日、水曜日。
 冬晴れが続く。来年の今頃は大学受験の真っただ中であろう。そんなことを思うと、高校生活でゆっくりできる最後の冬かもしれない。
 優香ちゃんは、恋実は、時巻はこの先の進路はどうするつもりであろうか? そんなことを考えながら自転車のペダルを回し続ける。
 少なくとも今日のように来年の冬が穏やかであればいいなと感じる。
 今日もいい日になりそうだ。
 昨日の異常気象が幸いして対策はできた。しかしまた二人で捜査を始めることで恋実が狙われるとしたのなら、それは恋実を囮に使うのと同じことだ。
(何とかして他にあぶり出す方法はないのだろうか……松岡はフォークダンスでも容疑の範囲に入っている……しかしパンチラが放課後、部活の時の出来事であるのなら、帰宅部の松岡には犯行は不可能となる……)
 時巻ではないと信じたい恭吾がいるのは間違いない。しかし私情は捜査において命取りとなる。