ep13 朝チュン

ー/ー



  【5】


 目を覚ますと、俺はベッドに仰向けになっていた。
 身体はひどくグッタリしている。

「ああ……けっこう飲んだなぁ、きのうは……」
 
 カーテンの遮光具合と鳥のさえずりが、今が早朝だということを示している。
 もうひと眠りしようと寝返りを打つと、すーすーと寝息をたてる美女を発見する。生まれたての姿である。

「じ、人生初の、おもちかえり……」

 これが世に言う「朝チュン?」てやつか。
 俺は思わず感慨にふけった。いや、これは感慨の類のモノだろうか。
 そもそも俺は、転生して最初の夜に……いったいなにをやっているんだ!?
 アソんでやる、と意気込んでいたのは他ならぬ俺だけれども!
 
「……ん」

 全裸の美女が寝返りを打ってこちら側を向いてきた。女のあらわな乳房が、彼女に代わって「おはようございます」と挨拶してきたかのように、俺へ向けられた。数秒それを凝視したのち……。

「ちょっと、さわるぐらいなら、いいよな……」

 俺は俺の手に、出撃命令を下した。俺の手は音もなく飛び立つと、目標へ向かい一直線で最接近した。

「や、やわらかい……」

 触りはじめたら止まらない。与える力も自然と強くなっていく。

「……ん。ん?」

 彼女の瞼が開かれた。絶賛隠密戦闘中だった俺の手は一目散に撤退する。

「おはよぉ……」

「お、おはよう!」

「ねえ……」

「な、なに?」

「むね、さわってたでしょ?」

「ごごゴメン!」

「べつにいいけど」

「ゴメン!」

「いま、なんじだろ」

「え、ええと、時間は……」

 寝起きのせいだろうか。なんとなくナオミの態度が素っ気なく感じる。 

「ふぁ〜。んんん」

 あくびをしながら伸びをするナオミ。まるで妖艶な猫だ。あらわになった胸部を隠そうともしない。
 俺はムラムラと彼女を抱きしめたい欲求に駆られてくる。迷うことなんてないよな。俺と彼女は一線を越えたんだ。
 俺は彼女に抱きついた。

「きゃっ。なあに? またシたいの?」

「そ、そうじゃないんだけど」

「じゃあなに? あたしが可愛すぎて抱きしめたくなった?」

 ナオミはそう言いながら抱擁を解くと、俺に向かってイタズラっぽい顔を見せた。
 俺は急激に胸が熱くなって、なにか抑えきれない愛おしい想いがマグマのように込み上がる。

「あ、あの、ナオミ!」

「ん?」

「俺たち、付き合わない?」

「!」

 俺はいきなり何を口走っているんだ? タイミングおかしくないか? いや、俺にタイミングの良し悪しなんてわからない。

「……」

 ナオミの返答がない。
 それはどういう顔なんだろうか。喜怒哀楽のどれともつかない彼女の表情からは、なにも読みとることができない。
 そりゃあ寝起きでいきなりこんなことを言われたらビックリはするだろうけど……でも、言わずにはいられなかったんだ。

「あの……ナオミ?」

「……」

 何秒経ったかわからない。否、何秒も経っていないのか。ナオミは困ったように微笑みを浮かべてから、予想外の行動に出た。

「あ、あたし、もう、かえるね…!」

 そそくさとベッドから降りて慌ただしく服を着たかと思うと、あっという間にナオミは部屋から出ていってしまった。
 つきさっきまで寝起きだったのがウソみたいに、あっという間に。
 ひとり部屋に残された俺。ベッドって、こんなに広かったっけ?


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  【5】
 目を覚ますと、俺はベッドに仰向けになっていた。
 身体はひどくグッタリしている。
「ああ……けっこう飲んだなぁ、きのうは……」
 カーテンの遮光具合と鳥のさえずりが、今が早朝だということを示している。
 もうひと眠りしようと寝返りを打つと、すーすーと寝息をたてる美女を発見する。生まれたての姿である。
「じ、人生初の、おもちかえり……」
 これが世に言う「朝チュン?」てやつか。
 俺は思わず感慨にふけった。いや、これは感慨の類のモノだろうか。
 そもそも俺は、転生して最初の夜に……いったいなにをやっているんだ!?
 アソんでやる、と意気込んでいたのは他ならぬ俺だけれども!
「……ん」
 全裸の美女が寝返りを打ってこちら側を向いてきた。女のあらわな乳房が、彼女に代わって「おはようございます」と挨拶してきたかのように、俺へ向けられた。数秒それを凝視したのち……。
「ちょっと、さわるぐらいなら、いいよな……」
 俺は俺の手に、出撃命令を下した。俺の手は音もなく飛び立つと、目標へ向かい一直線で最接近した。
「や、やわらかい……」
 触りはじめたら止まらない。与える力も自然と強くなっていく。
「……ん。ん?」
 彼女の瞼が開かれた。絶賛隠密戦闘中だった俺の手は一目散に撤退する。
「おはよぉ……」
「お、おはよう!」
「ねえ……」
「な、なに?」
「むね、さわってたでしょ?」
「ごごゴメン!」
「べつにいいけど」
「ゴメン!」
「いま、なんじだろ」
「え、ええと、時間は……」
 寝起きのせいだろうか。なんとなくナオミの態度が素っ気なく感じる。 
「ふぁ〜。んんん」
 あくびをしながら伸びをするナオミ。まるで妖艶な猫だ。あらわになった胸部を隠そうともしない。
 俺はムラムラと彼女を抱きしめたい欲求に駆られてくる。迷うことなんてないよな。俺と彼女は一線を越えたんだ。
 俺は彼女に抱きついた。
「きゃっ。なあに? またシたいの?」
「そ、そうじゃないんだけど」
「じゃあなに? あたしが可愛すぎて抱きしめたくなった?」
 ナオミはそう言いながら抱擁を解くと、俺に向かってイタズラっぽい顔を見せた。
 俺は急激に胸が熱くなって、なにか抑えきれない愛おしい想いがマグマのように込み上がる。
「あ、あの、ナオミ!」
「ん?」
「俺たち、付き合わない?」
「!」
 俺はいきなり何を口走っているんだ? タイミングおかしくないか? いや、俺にタイミングの良し悪しなんてわからない。
「……」
 ナオミの返答がない。
 それはどういう顔なんだろうか。喜怒哀楽のどれともつかない彼女の表情からは、なにも読みとることができない。
 そりゃあ寝起きでいきなりこんなことを言われたらビックリはするだろうけど……でも、言わずにはいられなかったんだ。
「あの……ナオミ?」
「……」
 何秒経ったかわからない。否、何秒も経っていないのか。ナオミは困ったように微笑みを浮かべてから、予想外の行動に出た。
「あ、あたし、もう、かえるね…!」
 そそくさとベッドから降りて慌ただしく服を着たかと思うと、あっという間にナオミは部屋から出ていってしまった。
 つきさっきまで寝起きだったのがウソみたいに、あっという間に。
 ひとり部屋に残された俺。ベッドって、こんなに広かったっけ?