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第3話 筋肉モリモリマッチョマンかと思ったら肩透かし食らった

ー/ー



 月明かりが幻想的に輝く夜の寝室。天蓋のついたベッドが揺れる。
 そこに映し出されるのは筋肉隆々の巨人とも見間違うような大男。
 彼こそ、私の旦那――マベル・クレプリーズ。

 そんな大男の下に、私は一糸まとわぬ姿で怯えた子羊のように委縮していた。
 丸太としか思えない、剛直を突き出され、どうしたらいいか分からなかった。

「ま、待ってくれマベル。そんなものが私に挿入(はい)るわけが……」

 私の制止など歯牙にもかけず、強靭な肉体を持つ大男は狂人の如く距離を詰める。不覚にも、悍ましいと思う感情と、逞しいと思う感動を覚えてしまった。
 彼は何も言わず、ケダモノのように私の上に四つん這いで覆いかぶさる。

 これが初夜なのか。私の処女はこれで散らされるのか。
 途轍もなく荒い息遣いを感じ、死を受け入れるくらいの覚悟が私に迫る。

「――やっぱ無理だあああぁぁっ!!」

 私は上半身を起こし、渾身の力で押し返す――……。

「……ん?」

 空は明るく、外からは小鳥のさえずりが聞こえ、私は一瞬混乱した。
 あの大男の姿はない。というか、ここは何処なのだろう。
 そこまで思い至り、私はハッとした。

「ゆ、夢か……、な、なんという夢を……」

 やや時間をかけて思い出した。ここはクレプリーズ家のお屋敷。
 昨晩は、妹リノンに私とマベルのお見合いパーティーを勝手に開催されてしまい、逃げようもない状況に追い込まれてしまった。
 いよいよ私も結婚しなければならないのかと内心ビクビクしていた。

 ……だが、肝心のお相手、マベル・クレプリーズはとうとう現れなかった。

 騎士の家系であるクレプリーズ家の長男だ。
 どんな男なのだろうかと想像が膨らんでいたことは認めよう。
 だからといって、あんなケダモノみたいな夢を見なくたっていいだろうに。

 肩透かしを食らった私は妹の好意もあり、こうして泊めてもらえることになった。
 リノンも、そしてその旦那のペウルも、かなりガッカリした様子だったが。

 私としては、よく知りもしない男と勝手に結婚進められるのはまっぴらご免だ。
 まあ、それを妹に押し付けた身としては「お前が言うな」という話ではあるか。

「やれやれ……、最悪の目覚めになってしまったな」

 ぁー、すっごい汗をかいてしまった。

 どうしてマベルがいなくなってしまったのか、その理由は聞いていない。
 わざわざ招待されてきた偉い貴族の面々も面を食らっていた。

 よほど結婚するのが嫌だったのか、それとも何か理由があったのか。
 あるいは、誰かに連れていかれた可能性も考えられるのだろうか。

 何にしても、考えても仕方のないことだ。

 結局あの後、パーティもそのままお開きになり、お見合いも当然一時破談。
 またの機会を、とは言っていたが、はたしていつになることやら。

 ※ ※ ※

「リノン、顔が見れてよかったよ。ペウルと、マロッカと幸せにな」

 私は帰りの馬車の前に立ち、屋敷の門前まで見送りに来た妹夫婦へ言う。
 まだ妹はマベルと会わせられなかったことを残念がっているのか、渋い顔だ。
 ペウルの方も苦笑いだが、その太い腕の中にマロッカを抱き、幸せそうだ。

「義姉上さま、またいつでもアミトラインに来てください。歓迎しますから」
「ああ、今度は余計なパーティなど挟まないでくれると助かるがな」

 そういうと、ペウルも苦笑いを強め、リノンの方に顔を向ける。
 勿論、リノンも悔しそうな顔を浮かべるばかりだ。
 どんだけ私に結婚させたいのだ、この妹は。

「我が領パエデロスとアミトラインは隣同士。また、いつでも直ぐに来れるのだからそんな顔をするな、リノン。せめて姉を笑顔で見送ってくれ」

 私の意図を汲み取ってか、汲み取らずか、リノンが顔を上げる。

「姉さん、次に会うときまで傷物にだけはならないでね」

 どういう別れの挨拶だ。にっこりと皮肉かも分からない表情を見せる。
 特に返事もしようもなく、私は馬車の扉を開け、御者に出発の合図を送る。

「じゃあな、二人とも。お幸せに」

 振り向きざま、それだけ言い残し、私は扉を閉める。
 御者が鞭をピシャンと鳴らすと馬車が走り出し、屋敷から遠ざかっていく。
 ゴトゴトと揺れる馬車の窓から小さくなっていく二人の姿を眺めた。
 しばらくはアミトラインに来ることもないだろう――そんなことを考えつつ。

「マベル・クレプリーズ……、一目だけでも見ておきたかったかもな」

 小さく呟く。別にこれは、結婚したかったとか、そういう意味ではない。
 その辺りは強調させてもらう。

 ※ ※ ※

 ※ ※

 ※

 馬車の退屈な長旅も、ようやく終わりへと差し掛かってきた。
 見慣れた景色に、窓から顔を出してみれば、向かう先に高い壁が視野に収まる。
 あれはアミトライン領とパエデロス領の境目であり、とどのつまり関所だ。

 その周囲には町も発展しており、実に賑やかだ。
 行商人たちの掛け合いの声、子供たちのはしゃぐ声。どれをとっても騒がしい。
 あの国境を越えたとき、私はようやくしてパエデロス領へと帰還する。
 辺境伯である父も、あの壁の向こう側で今も忙しなく働いていることだろう。

 馬車が舗装された石畳の上を叩く。
 見回してみると、本当にアミトラインは潤っているのだと感心する。
 立ち並ぶ家々、行き交う人々の姿だけで賑わいを察せられるほど。
 私の記憶が確かなら、領土間の和平が結ばれる前まではこんなではなかった。

 それこそ、リノンが結婚する、ちょっと前くらいまで町すらなかったはず。
 あってせいぜい、関所を通り抜けた荷物を確認する小さな集落だった気がする。
 なんなら、国境の壁ももう少し低かった記憶すらある。

 私が幼い頃は、まだパエデロスにはいなかった。
 振り返ってみても、没落寸前の貧しい生活を送っていた記憶ばかり蘇る。
 そこから私の騎士としての活躍が色々あったわけだが――割愛しよう。

 そんな最中だ。オレロ・ヘマシタイトという会ったこともない前領主が失脚して、誰かが辺境伯にならなくてはということで父ビパリーに白羽の矢が立った。
 それは私の騎士としての功績が認められた結果である点は特筆しておきたい。

 以来、私の第二の故郷はあの壁の向こう側となったわけだ。
 で、妹も壁のこっち側に娶られることになったわけだ。

 人生、何があるか分かったものではないな。
 父の地位は安泰、妹も顔を見に行ったが何だかんだ安泰の様子。
 私も、騎士として名を馳せているから安泰でいいだろう。

「そこの馬車、止まれ」

 ふと、馬車の進行が止められる。
 街並みを眺めていたらいつの間にか関所の前まで来ていたらしい。
 別に御者に任せてもよかったが、辺境伯の娘として顔は見せるべきだろう。

 そう思い、私は颯爽と馬車から降り立った。

「私だ。通してくれないか」
「これはリナリー・アイノナイト様。失礼いたしました! どうぞお通りください」

 番兵たちが揃って手を挙げて敬礼する。
 定期的にこうやって顔を売っておかないと気が休まらなくなってしまった。

 何故って、私が女騎士として駆け出しだった頃など、女というだけで嘲笑われて、時にはニセモノの騎士だと呼ばれることも少なくなかった。
 どれだけ戦果をあげたとしても、認知度が低ければ扱いも相応に悪い。

 私はリナリーだ。騎士のリナリーだ、と声を荒げてきて今がある。
 一目見て、ちゃんと辺境伯の娘、女騎士のリナリーとして認知されていることに、私は安堵感さえ覚えている。

 関所の門が開かれ、私は再び馬車に乗る。
 そして、動き出した馬車に揺られて、大きな門をくぐって国境を超えた。
 ここはもうパエデロス領だ。それを実感するかのように、その街並みを眺める。

 さっきの今、賑わうアミトラインの街を通り抜けてきたものだから驚きもある。
 都会から一転、田舎の村の光景がそこに広がっていた。

 関所の前なんてこんなものだ。
 とは思いつつも、道は舗装されていないボコボコの土むき出し。
 馬車がガクガクするからすぐ分かる。

 レンガ造りの家も殆ど見えない。古い木造ばかり。
 目につくのは行商人が立てたテントの簡易な店舗が多い。
 貧困という言葉が頭の奥にチラついてきてしまう。その通りではあるのだが。

「ありがとう、ここまででいい。長旅ご苦労だった。感謝する」

 そういって私は馬車を降り、御者に報酬を手渡す。
 張り付いた笑顔で会釈を垂れて、馬車はそのまま何処かへとトコトコ去っていく。

「さて、帰ってきたな。私の不在の間に何もなかっただろうか」

 視界の広いパエデロス領の集落を見渡して、私は小さく息をついた。
 何も冗談のつもりで呟いたわけではない。ここは思うよりも治安が――。

「んだとテメェ! もういっぺん言ってみろぃ!」

 荒々しい男の怒号が聞こえ、私は頭を抱えそうになった。
 ここはそういう土地だ。揉め事が絶えない。

 帰ってきたその足で、私はその声がする方角へと向かった。


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 そこに映し出されるのは筋肉隆々の巨人とも見間違うような大男。
 彼こそ、私の旦那――マベル・クレプリーズ。
 そんな大男の下に、私は一糸まとわぬ姿で怯えた子羊のように委縮していた。
 丸太としか思えない、剛直を突き出され、どうしたらいいか分からなかった。
「ま、待ってくれマベル。そんなものが私に|挿入《はい》るわけが……」
 私の制止など歯牙にもかけず、強靭な肉体を持つ大男は狂人の如く距離を詰める。不覚にも、悍ましいと思う感情と、逞しいと思う感動を覚えてしまった。
 彼は何も言わず、ケダモノのように私の上に四つん這いで覆いかぶさる。
 これが初夜なのか。私の処女はこれで散らされるのか。
 途轍もなく荒い息遣いを感じ、死を受け入れるくらいの覚悟が私に迫る。
「――やっぱ無理だあああぁぁっ!!」
 私は上半身を起こし、渾身の力で押し返す――……。
「……ん?」
 空は明るく、外からは小鳥のさえずりが聞こえ、私は一瞬混乱した。
 あの大男の姿はない。というか、ここは何処なのだろう。
 そこまで思い至り、私はハッとした。
「ゆ、夢か……、な、なんという夢を……」
 やや時間をかけて思い出した。ここはクレプリーズ家のお屋敷。
 昨晩は、妹リノンに私とマベルのお見合いパーティーを勝手に開催されてしまい、逃げようもない状況に追い込まれてしまった。
 いよいよ私も結婚しなければならないのかと内心ビクビクしていた。
 ……だが、肝心のお相手、マベル・クレプリーズはとうとう現れなかった。
 騎士の家系であるクレプリーズ家の長男だ。
 どんな男なのだろうかと想像が膨らんでいたことは認めよう。
 だからといって、あんなケダモノみたいな夢を見なくたっていいだろうに。
 肩透かしを食らった私は妹の好意もあり、こうして泊めてもらえることになった。
 リノンも、そしてその旦那のペウルも、かなりガッカリした様子だったが。
 私としては、よく知りもしない男と勝手に結婚進められるのはまっぴらご免だ。
 まあ、それを妹に押し付けた身としては「お前が言うな」という話ではあるか。
「やれやれ……、最悪の目覚めになってしまったな」
 ぁー、すっごい汗をかいてしまった。
 どうしてマベルがいなくなってしまったのか、その理由は聞いていない。
 わざわざ招待されてきた偉い貴族の面々も面を食らっていた。
 よほど結婚するのが嫌だったのか、それとも何か理由があったのか。
 あるいは、誰かに連れていかれた可能性も考えられるのだろうか。
 何にしても、考えても仕方のないことだ。
 結局あの後、パーティもそのままお開きになり、お見合いも当然一時破談。
 またの機会を、とは言っていたが、はたしていつになることやら。
 ※ ※ ※
「リノン、顔が見れてよかったよ。ペウルと、マロッカと幸せにな」
 私は帰りの馬車の前に立ち、屋敷の門前まで見送りに来た妹夫婦へ言う。
 まだ妹はマベルと会わせられなかったことを残念がっているのか、渋い顔だ。
 ペウルの方も苦笑いだが、その太い腕の中にマロッカを抱き、幸せそうだ。
「義姉上さま、またいつでもアミトラインに来てください。歓迎しますから」
「ああ、今度は余計なパーティなど挟まないでくれると助かるがな」
 そういうと、ペウルも苦笑いを強め、リノンの方に顔を向ける。
 勿論、リノンも悔しそうな顔を浮かべるばかりだ。
 どんだけ私に結婚させたいのだ、この妹は。
「我が領パエデロスとアミトラインは隣同士。また、いつでも直ぐに来れるのだからそんな顔をするな、リノン。せめて姉を笑顔で見送ってくれ」
 私の意図を汲み取ってか、汲み取らずか、リノンが顔を上げる。
「姉さん、次に会うときまで傷物にだけはならないでね」
 どういう別れの挨拶だ。にっこりと皮肉かも分からない表情を見せる。
 特に返事もしようもなく、私は馬車の扉を開け、御者に出発の合図を送る。
「じゃあな、二人とも。お幸せに」
 振り向きざま、それだけ言い残し、私は扉を閉める。
 御者が鞭をピシャンと鳴らすと馬車が走り出し、屋敷から遠ざかっていく。
 ゴトゴトと揺れる馬車の窓から小さくなっていく二人の姿を眺めた。
 しばらくはアミトラインに来ることもないだろう――そんなことを考えつつ。
「マベル・クレプリーズ……、一目だけでも見ておきたかったかもな」
 小さく呟く。別にこれは、結婚したかったとか、そういう意味ではない。
 その辺りは強調させてもらう。
 ※ ※ ※
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 馬車の退屈な長旅も、ようやく終わりへと差し掛かってきた。
 見慣れた景色に、窓から顔を出してみれば、向かう先に高い壁が視野に収まる。
 あれはアミトライン領とパエデロス領の境目であり、とどのつまり関所だ。
 その周囲には町も発展しており、実に賑やかだ。
 行商人たちの掛け合いの声、子供たちのはしゃぐ声。どれをとっても騒がしい。
 あの国境を越えたとき、私はようやくしてパエデロス領へと帰還する。
 辺境伯である父も、あの壁の向こう側で今も忙しなく働いていることだろう。
 馬車が舗装された石畳の上を叩く。
 見回してみると、本当にアミトラインは潤っているのだと感心する。
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 あってせいぜい、関所を通り抜けた荷物を確認する小さな集落だった気がする。
 なんなら、国境の壁ももう少し低かった記憶すらある。
 私が幼い頃は、まだパエデロスにはいなかった。
 振り返ってみても、没落寸前の貧しい生活を送っていた記憶ばかり蘇る。
 そこから私の騎士としての活躍が色々あったわけだが――割愛しよう。
 そんな最中だ。オレロ・ヘマシタイトという会ったこともない前領主が失脚して、誰かが辺境伯にならなくてはということで父ビパリーに白羽の矢が立った。
 それは私の騎士としての功績が認められた結果である点は特筆しておきたい。
 以来、私の第二の故郷はあの壁の向こう側となったわけだ。
 で、妹も壁のこっち側に娶られることになったわけだ。
 人生、何があるか分かったものではないな。
 父の地位は安泰、妹も顔を見に行ったが何だかんだ安泰の様子。
 私も、騎士として名を馳せているから安泰でいいだろう。
「そこの馬車、止まれ」
 ふと、馬車の進行が止められる。
 街並みを眺めていたらいつの間にか関所の前まで来ていたらしい。
 別に御者に任せてもよかったが、辺境伯の娘として顔は見せるべきだろう。
 そう思い、私は颯爽と馬車から降り立った。
「私だ。通してくれないか」
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 定期的にこうやって顔を売っておかないと気が休まらなくなってしまった。
 何故って、私が女騎士として駆け出しだった頃など、女というだけで嘲笑われて、時にはニセモノの騎士だと呼ばれることも少なくなかった。
 どれだけ戦果をあげたとしても、認知度が低ければ扱いも相応に悪い。
 私はリナリーだ。騎士のリナリーだ、と声を荒げてきて今がある。
 一目見て、ちゃんと辺境伯の娘、女騎士のリナリーとして認知されていることに、私は安堵感さえ覚えている。
 関所の門が開かれ、私は再び馬車に乗る。
 そして、動き出した馬車に揺られて、大きな門をくぐって国境を超えた。
 ここはもうパエデロス領だ。それを実感するかのように、その街並みを眺める。
 さっきの今、賑わうアミトラインの街を通り抜けてきたものだから驚きもある。
 都会から一転、田舎の村の光景がそこに広がっていた。
 関所の前なんてこんなものだ。
 とは思いつつも、道は舗装されていないボコボコの土むき出し。
 馬車がガクガクするからすぐ分かる。
 レンガ造りの家も殆ど見えない。古い木造ばかり。
 目につくのは行商人が立てたテントの簡易な店舗が多い。
 貧困という言葉が頭の奥にチラついてきてしまう。その通りではあるのだが。
「ありがとう、ここまででいい。長旅ご苦労だった。感謝する」
 そういって私は馬車を降り、御者に報酬を手渡す。
 張り付いた笑顔で会釈を垂れて、馬車はそのまま何処かへとトコトコ去っていく。
「さて、帰ってきたな。私の不在の間に何もなかっただろうか」
 視界の広いパエデロス領の集落を見渡して、私は小さく息をついた。
 何も冗談のつもりで呟いたわけではない。ここは思うよりも治安が――。
「んだとテメェ! もういっぺん言ってみろぃ!」
 荒々しい男の怒号が聞こえ、私は頭を抱えそうになった。
 ここはそういう土地だ。揉め事が絶えない。
 帰ってきたその足で、私はその声がする方角へと向かった。