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第24話 アークライトへの到着と中隊の再集結 -1

ー/ー



長く続いた旅路の末、一行はついに自由同盟の中心都市、自由都市アークライトの巨大なゲートをくぐった。

目の前に広がる光景に、ユウキは思わず息を呑んだ。前線基地や交易都市とは比べ物にならない、圧倒的な規模の都市がそこにはあった。

高層の建物が立ち並び、空には飛空艇が忙しなく行き交い、地上には人々が活気に満ちた声を上げながら行き交っている。

様々な民族衣装を身につけた人々、色とりどりの露店、そして遠くから聞こえる鍛冶の音や、幻晶機のエンジン音が混じり合い、独特の賑わいを創り出していた。

「すごい……これが、自由都市アークライト……」

ユウキが感嘆の声を漏らすと、リアも目を輝かせた。

「谷とは全然違うわね……。こんなにたくさんの人が、自由に暮らしているなんて」

ザラは腕を組み、周囲を警戒するように見回している。

「フン、賑やかすぎて落ち着かねぇな。だが、これだけ人がいれば、情報も集まりやすいだろう」




アストレイアを乗せた大型キャリアは、都市の奥にある大規模な格納庫へと直行した。

そこは、これまでのどの基地よりも広く、最新鋭の設備が整っているように見えた。ラルフとロイドが、さっそくアストレイアの本格的な修理に取り掛かるべく、指揮を執り始める。



アストレイアが格納庫の奥へと運ばれていく中、ユウキたちは見慣れた顔ぶれに迎えられた。

竜騎士中隊の総指揮官であるマリア・シュヴァルツ、支援機パイロットのソフィア・リヒター、そして砲撃専任のベテランパイロットディオン・ハワードだ。彼らは前線基地で別れて以来の再会となる。

「ユウキ君、リアさん、ザラさん。アークライトへようこそ。長旅、ご苦労様でした」

マリアは穏やかな眼差しでユウキたちを迎えた。

「マリア少佐、お久しぶりです!お元気そうで何よりです!」

ユウキは丁寧に挨拶した。

「ええ、あなたたちもね。エリナから報告は聞いているわ。アストレイアの力、そしてあなたたちの働き、素晴らしいものだったと」

マリアは満足げに頷いた。

ソフィアがユウキたちに近づいてきた。

「アークライトでの合流、待っていたわ。アストレイアの管制士……リアの魔力感知能力はやはり並外れているようね。いつか、私の索敵や情報解析と連携できる日を楽しみにしているわ」

「はい!ソフィアさんとご一緒できるなんて、光栄です!」

リアは少し緊張しながらも、嬉しそうに答えた。

ディオンはユウキの顔をじっと見つめ、フン、と鼻を鳴らした。

「ひよっこ。アークライトまで無事にたどり着いたか。だが、ここからが本番だ。戦場で生き残りたければ、俺の言うことをよく聞くことだ。特に、お前のようなひよっこはな」

ユウキはディオンの言葉の重みに圧倒されながらも、その言葉の裏にある期待を感じ取った。

ジェイはソフィアに駆け寄るが、いつものように冷たくあしらわれる。

「ソフィア!アークライトでまた会えるなんて、運命を感じるぜ!この大都市で、二人でゆっくり……」
「ジェイ。私は任務でここに来ただけ。貴方の個人的な妄想に付き合う暇はないわ」

ソフィアは冷たい視線を向け、ジェイの言葉を遮った。その素っ気ない返答に、ジェイは肩を落とし、がっくりと首を垂れる。

これで竜騎士中隊の主要メンバーがアークライトに揃い、ユウキ、リア、ザラは正式に中隊の一員として、この都市での新たな生活を始めることになった。




◇◆◇◆◇




竜騎士中隊への正式加入後、ユウキ、リア、ザラは、アークライトの基地内にある隊員用の宿舎へと案内された。

前線基地の簡素な兵舎とは異なり、個室に近い空間が与えられ、最低限の家具も揃っている。

「へえ、ここが俺たちの部屋か……」

ユウキは、割り当てられた部屋を見回した。決して豪華ではないが、清潔で、プライベートが保たれていることに安堵する。

リアは自分の部屋に入り、谷から持ってきたわずかな荷物を整理し始めた。

「谷の家とは違うけど、ここならゆっくり休めそうね。でも、なんだか、土の匂いがしないのが不思議だわ」

リアは窓の外を眺めながら、どこか落ち着かない様子で呟いた。

ザラは自分の部屋の窓から、広がるアークライトの街並みを眺めていた。

「こんなに高い建物が並んでるなんてな……。谷じゃ、考えられねぇ。地面がこんなに固いのも、なんだか落ち着かないぜ」

夕食の時間になり、ユウキたちは食堂へと向かった。食堂は兵士たちで賑わっており、活気にあふれている。

「うわ、すごい量だな!」

ユウキは、目の前に並べられた料理の数々に目を見張った。

肉料理、野菜の煮込み、焼きたてのパン。前線基地での簡素な食事とは比べ物にならないほど、種類も豊富で豪華だった。

「アークライトの食事は、自由同盟の中でも評判なんだ。特に、肉料理は絶品だぜ!」

ジェイが、すでに山盛りの皿を抱えて隣に座った。

ルナがジェイの皿を見て呆れたように言う。

「ジェイ、またそんなに食べるの?太るわよ」

「うるせぇな!戦場で動くには、これくらい食わなきゃやってられねぇんだよ!」

ジェイは口いっぱいに肉を頬張った。

リアは、谷では見慣れない珍しい野菜の煮込みを興味深そうに見ていた。

「この野菜、初めて見るわ。谷では、もっと自然のままのものを食べていたから……なんだか、味が濃い気がするわね」

ユウキはリアの皿から少し分けてあげた。

「リア、食べてみろよ。美味しいぞ!俺の故郷の料理と似てるのもあるし、意外とすんなり食べられるかも」

ユウキは、前の世界で食べたことのあるような味付けの料理に、どこか懐かしさを感じていた。

ザラは、警戒しながらも、出された食事を黙々と口に運んでいた。

「まあ、食えるだけマシか。谷の保存食よりは、ずっといい。でも、こんなに加工されたものばかりだと、身体が鈍りそうだぜ」

食事を終え、ユウキたちは宿舎へと戻った。アークライトでの新たな生活は、彼らにとって多くの驚きと発見をもたらしていた。

宿舎の部屋に戻ると、ユウキは早速、部屋の隅にある小さな卓上型の魔導端末に興味を示した。それは、前の世界のタブレット端末に似ており、簡単な情報検索や通信ができるようだった。

「へえ、これ、前の世界のタブレットみたいだな。操作も似てるし、意外と簡単だ」

ユウキが端末をいじっていると、リアが自分の部屋の整理を終えて、ユウキの部屋に顔を出した。

「ユウキ、それ、何をしているの?なんだか、複雑な機械に見えるけど……」

「ああ、これ、情報端末だよ。この基地の情報とか、アークライトの街の情報とか、色々調べられるみたいだ。リアも使ってみるか?」

ユウキはリアに端末を差し出した。リアは恐る恐る端末に触れるが、その操作はユウキほどスムーズではない。

「う、うーん……どうやって使うのかしら?谷には、こんな機械はなかったから……」

そこへ、ザラが自分の部屋から顔を出した。

「なんだ、お前ら。そんな変な機械で遊んでるのか?」

「ザラも見てみろよ。これ、結構便利だぜ。例えば、アークライトの地図とか、食堂のメニューとか、すぐに見られるんだ」

ユウキは地図アプリを開いて見せた。

ザラは眉をひそめた。

「地図?そんなもの、自分の目で見て覚えるのが一番だろ。それに、こんな小さな板で、本当に街全体がわかるのか?」

「ああ、これなら、迷子にならないで済むぜ。ほら、リアも、このアイコンをタップすると、宿舎から食堂までのルートが表示されるんだ」

ユウキはリアに操作方法を教えた。

リアは、ユウキの指示通りに操作すると、画面に表示されたルートに驚きの声を上げた。

「すごい!これなら、迷うことなくどこへでも行けるわ!」

ザラはまだ半信半疑のようだったが、ユウキが端末で基地の訓練施設の予約状況を確認しているのを見て、わずかに興味を示した。

「その機械で、訓練の予約ができるのか?」

「ああ、できるみたいだ。ほら、明日の幻晶機訓練の空き状況も、これで一目でわかるぞ」



ユウキは、前の世界でのデジタルデバイスの操作経験を活かし、難なく端末を使いこなしていた。

リアはユウキの教えに従い、少しずつ端末の操作に慣れていく。

ザラは、ユウキが機械を使いこなす様子をじっと見ていた。
彼女はまだユウキを完全に認めているわけではないが、彼の持つ「異世界の知識」が、この新しい環境で役立つことを、少しだけ理解し始めていた。

「フン……まあ、たまには、そういうのも役に立つのかもしれねぇな」

ザラはそう呟くと、自分の部屋へと戻っていった。

その声には、以前のような露骨な拒絶ではなく、わずかながらもユウキへの評価が混じっているように、ユウキには聞こえた。

ユウキは、前の世界のゲームや都市生活の経験から、この新しい環境にも比較的早く順応できると感じていた。

しかし、リアやザラは、谷での自然と共生する生活との違いに、まだ戸惑いを隠せないようだった。この快適な環境の裏側で、戦争の影が確実に忍び寄っていることを、ユウキは感じ取っていた。






みんなのリアクション

長く続いた旅路の末、一行はついに自由同盟の中心都市、自由都市アークライトの巨大なゲートをくぐった。
目の前に広がる光景に、ユウキは思わず息を呑んだ。前線基地や交易都市とは比べ物にならない、圧倒的な規模の都市がそこにはあった。
高層の建物が立ち並び、空には飛空艇が忙しなく行き交い、地上には人々が活気に満ちた声を上げながら行き交っている。
様々な民族衣装を身につけた人々、色とりどりの露店、そして遠くから聞こえる鍛冶の音や、幻晶機のエンジン音が混じり合い、独特の賑わいを創り出していた。
「すごい……これが、自由都市アークライト……」
ユウキが感嘆の声を漏らすと、リアも目を輝かせた。
「谷とは全然違うわね……。こんなにたくさんの人が、自由に暮らしているなんて」
ザラは腕を組み、周囲を警戒するように見回している。
「フン、賑やかすぎて落ち着かねぇな。だが、これだけ人がいれば、情報も集まりやすいだろう」
アストレイアを乗せた大型キャリアは、都市の奥にある大規模な格納庫へと直行した。
そこは、これまでのどの基地よりも広く、最新鋭の設備が整っているように見えた。ラルフとロイドが、さっそくアストレイアの本格的な修理に取り掛かるべく、指揮を執り始める。
アストレイアが格納庫の奥へと運ばれていく中、ユウキたちは見慣れた顔ぶれに迎えられた。
竜騎士中隊の総指揮官であるマリア・シュヴァルツ、支援機パイロットのソフィア・リヒター、そして砲撃専任のベテランパイロットディオン・ハワードだ。彼らは前線基地で別れて以来の再会となる。
「ユウキ君、リアさん、ザラさん。アークライトへようこそ。長旅、ご苦労様でした」
マリアは穏やかな眼差しでユウキたちを迎えた。
「マリア少佐、お久しぶりです!お元気そうで何よりです!」
ユウキは丁寧に挨拶した。
「ええ、あなたたちもね。エリナから報告は聞いているわ。アストレイアの力、そしてあなたたちの働き、素晴らしいものだったと」
マリアは満足げに頷いた。
ソフィアがユウキたちに近づいてきた。
「アークライトでの合流、待っていたわ。アストレイアの管制士……リアの魔力感知能力はやはり並外れているようね。いつか、私の索敵や情報解析と連携できる日を楽しみにしているわ」
「はい!ソフィアさんとご一緒できるなんて、光栄です!」
リアは少し緊張しながらも、嬉しそうに答えた。
ディオンはユウキの顔をじっと見つめ、フン、と鼻を鳴らした。
「ひよっこ。アークライトまで無事にたどり着いたか。だが、ここからが本番だ。戦場で生き残りたければ、俺の言うことをよく聞くことだ。特に、お前のようなひよっこはな」
ユウキはディオンの言葉の重みに圧倒されながらも、その言葉の裏にある期待を感じ取った。
ジェイはソフィアに駆け寄るが、いつものように冷たくあしらわれる。
「ソフィア!アークライトでまた会えるなんて、運命を感じるぜ!この大都市で、二人でゆっくり……」
「ジェイ。私は任務でここに来ただけ。貴方の個人的な妄想に付き合う暇はないわ」
ソフィアは冷たい視線を向け、ジェイの言葉を遮った。その素っ気ない返答に、ジェイは肩を落とし、がっくりと首を垂れる。
これで竜騎士中隊の主要メンバーがアークライトに揃い、ユウキ、リア、ザラは正式に中隊の一員として、この都市での新たな生活を始めることになった。
◇◆◇◆◇
竜騎士中隊への正式加入後、ユウキ、リア、ザラは、アークライトの基地内にある隊員用の宿舎へと案内された。
前線基地の簡素な兵舎とは異なり、個室に近い空間が与えられ、最低限の家具も揃っている。
「へえ、ここが俺たちの部屋か……」
ユウキは、割り当てられた部屋を見回した。決して豪華ではないが、清潔で、プライベートが保たれていることに安堵する。
リアは自分の部屋に入り、谷から持ってきたわずかな荷物を整理し始めた。
「谷の家とは違うけど、ここならゆっくり休めそうね。でも、なんだか、土の匂いがしないのが不思議だわ」
リアは窓の外を眺めながら、どこか落ち着かない様子で呟いた。
ザラは自分の部屋の窓から、広がるアークライトの街並みを眺めていた。
「こんなに高い建物が並んでるなんてな……。谷じゃ、考えられねぇ。地面がこんなに固いのも、なんだか落ち着かないぜ」
夕食の時間になり、ユウキたちは食堂へと向かった。食堂は兵士たちで賑わっており、活気にあふれている。
「うわ、すごい量だな!」
ユウキは、目の前に並べられた料理の数々に目を見張った。
肉料理、野菜の煮込み、焼きたてのパン。前線基地での簡素な食事とは比べ物にならないほど、種類も豊富で豪華だった。
「アークライトの食事は、自由同盟の中でも評判なんだ。特に、肉料理は絶品だぜ!」
ジェイが、すでに山盛りの皿を抱えて隣に座った。
ルナがジェイの皿を見て呆れたように言う。
「ジェイ、またそんなに食べるの?太るわよ」
「うるせぇな!戦場で動くには、これくらい食わなきゃやってられねぇんだよ!」
ジェイは口いっぱいに肉を頬張った。
リアは、谷では見慣れない珍しい野菜の煮込みを興味深そうに見ていた。
「この野菜、初めて見るわ。谷では、もっと自然のままのものを食べていたから……なんだか、味が濃い気がするわね」
ユウキはリアの皿から少し分けてあげた。
「リア、食べてみろよ。美味しいぞ!俺の故郷の料理と似てるのもあるし、意外とすんなり食べられるかも」
ユウキは、前の世界で食べたことのあるような味付けの料理に、どこか懐かしさを感じていた。
ザラは、警戒しながらも、出された食事を黙々と口に運んでいた。
「まあ、食えるだけマシか。谷の保存食よりは、ずっといい。でも、こんなに加工されたものばかりだと、身体が鈍りそうだぜ」
食事を終え、ユウキたちは宿舎へと戻った。アークライトでの新たな生活は、彼らにとって多くの驚きと発見をもたらしていた。
宿舎の部屋に戻ると、ユウキは早速、部屋の隅にある小さな卓上型の魔導端末に興味を示した。それは、前の世界のタブレット端末に似ており、簡単な情報検索や通信ができるようだった。
「へえ、これ、前の世界のタブレットみたいだな。操作も似てるし、意外と簡単だ」
ユウキが端末をいじっていると、リアが自分の部屋の整理を終えて、ユウキの部屋に顔を出した。
「ユウキ、それ、何をしているの?なんだか、複雑な機械に見えるけど……」
「ああ、これ、情報端末だよ。この基地の情報とか、アークライトの街の情報とか、色々調べられるみたいだ。リアも使ってみるか?」
ユウキはリアに端末を差し出した。リアは恐る恐る端末に触れるが、その操作はユウキほどスムーズではない。
「う、うーん……どうやって使うのかしら?谷には、こんな機械はなかったから……」
そこへ、ザラが自分の部屋から顔を出した。
「なんだ、お前ら。そんな変な機械で遊んでるのか?」
「ザラも見てみろよ。これ、結構便利だぜ。例えば、アークライトの地図とか、食堂のメニューとか、すぐに見られるんだ」
ユウキは地図アプリを開いて見せた。
ザラは眉をひそめた。
「地図?そんなもの、自分の目で見て覚えるのが一番だろ。それに、こんな小さな板で、本当に街全体がわかるのか?」
「ああ、これなら、迷子にならないで済むぜ。ほら、リアも、このアイコンをタップすると、宿舎から食堂までのルートが表示されるんだ」
ユウキはリアに操作方法を教えた。
リアは、ユウキの指示通りに操作すると、画面に表示されたルートに驚きの声を上げた。
「すごい!これなら、迷うことなくどこへでも行けるわ!」
ザラはまだ半信半疑のようだったが、ユウキが端末で基地の訓練施設の予約状況を確認しているのを見て、わずかに興味を示した。
「その機械で、訓練の予約ができるのか?」
「ああ、できるみたいだ。ほら、明日の幻晶機訓練の空き状況も、これで一目でわかるぞ」
ユウキは、前の世界でのデジタルデバイスの操作経験を活かし、難なく端末を使いこなしていた。
リアはユウキの教えに従い、少しずつ端末の操作に慣れていく。
ザラは、ユウキが機械を使いこなす様子をじっと見ていた。
彼女はまだユウキを完全に認めているわけではないが、彼の持つ「異世界の知識」が、この新しい環境で役立つことを、少しだけ理解し始めていた。
「フン……まあ、たまには、そういうのも役に立つのかもしれねぇな」
ザラはそう呟くと、自分の部屋へと戻っていった。
その声には、以前のような露骨な拒絶ではなく、わずかながらもユウキへの評価が混じっているように、ユウキには聞こえた。
ユウキは、前の世界のゲームや都市生活の経験から、この新しい環境にも比較的早く順応できると感じていた。
しかし、リアやザラは、谷での自然と共生する生活との違いに、まだ戸惑いを隠せないようだった。この快適な環境の裏側で、戦争の影が確実に忍び寄っていることを、ユウキは感じ取っていた。