第13話

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ここはウエスの国の森の中。

ふんわりと紅茶の香りがそよ風に舞う。
エルフのフィーネは、今日ものんびり紅茶をすすっていた。
「ああ、のんびり紅茶を飲むのは最高ね。」

「待てー!」
「お兄ちゃん待つキキー!」
「待たないキー!」
リリィとモック、なぜか住み着いたドンキーの3人は、相変わらず追いかけっこをしている。

「むにゃむにゃ。カレーはもういいぞ。むにゃ。」
女神イブは、今日も昼寝中だ。


そんな、いつも通りの日常のはずだったが……




「追いかけっこも飽きてきたから、別のことをして遊ぼう。」
リリィが家の裏からスコップを持ってきた。
「何をするキー?」
「キキ?」
リリィはスコップを掲げて話し出す。
「ここから、町まで探検用のトンネルを掘るの!」
「トンネルって、何だキー?」
「地面の下に人が通れる位の穴を掘るのよ。」
「楽しそうキー!」
「まずは、真下に向かって掘ろう!」
「掘るキー!」
「キキー!」

リリィたちは、穴を掘り始めた。
ザクザクザクザクッ
すごい勢いで、掘り進んでいく。
あっという間に、リリィの身長ほどの深さの穴になった。
「よし。この穴を今度は大きく横に広げて、もう少し深くまで掘るのよ。」
「わかったキー!」
「キキー!」

「リリィたち、何やってるのかしら?」
紅茶を一口飲んでフィーネがつぶやく。
「穴を掘ってるみたいだぞ。結構、おおきな穴だった。」
イブは、さっき様子を見に行ったらしい。
「まあ、家を壊さなければ良いんだけど。」

リリィたちが泥だらけになって帰ってきた。
「疲れたー。今日はたくさん掘ったね。モック。」
「たくさん掘ったキー!」
「掘ったキキー!」
フィーネの前に泥だらけの3人が立っている。
「みんな、家に入る前に、体を洗わないとね。水よ出でよ、ウォーター!」
フィーネの両手から水がシャワーのように出てきて、リリィたちの汚れを洗い流す。
「気持ちいい!」
リリィはさっぱりして気持ちよさそうだ。
「風よ吹け、ウインド!」
今度は風で、体が乾いていく。リリィたちの体はすっかり綺麗になった。

「じゃあ、晩御飯にしましょうか。」
その日は、遊び疲れたのか、リリィたちは、食事をしてすぐに寝てしまった。




翌日。




リリィたちは、早速、トンネル掘りの続きを始めた。
「木の根っこの下を通らないと行けないから、もっと深くまで掘るよ。」
「わかったッキー!」
「キキー!」

ドンドン掘り進んでいくと、地中からの熱気で汗が止まらないほどに暑くなってくる。
「なんか暑いねー、モック、大丈夫?」
「水筒があるから、大丈夫キー!」
「キキー!」
「なんだか土が湿ってきた気がする。」
「土が濡れてるキー!」

よく見ると、リリィたちが穴を掘っている場所から湯気が上がってきていた。

すると………

ドドドドドドドドドドッ!

地響きのような音がしだした。
地面が小刻みに揺れる。

「何?この音?地震?」
リリィが、そう言った瞬間。
リリィたちの足もとの土が割れ、水が染み出してきた。

ドーンッ!

空気を切り裂くような大きな音と共に水が勢いよく地中から吹き出し、その高さはウエスの森の木々の遥か上にまで達した。その水の勢いにリリィたちは弾き飛ばされた。
「キャー!」
「キー!」
「キキー!」
水柱が激しく吹き出し、雨のように降り注ぐ。

ティータイムを楽しんでいた、フィーネとイブが、家の裏に慌ててやってくる。

水が空高く噴水のように吹き上がり、その下には水たまりができている。
そのそばで、リリィたちが倒れていた。
「リリィ!大丈夫!」
フィーネの呼びかけに、リリィたちは手を振ってこたえる。大丈夫なようだ。

「それにしてもこれは何?」
フィーネがつぶやくと、
「これは……温泉だな。」
イブがこたえる。
「温泉!?こんなところに?」
「この森の近くに火山があるだろう?」
「ウエス山のこと?」
「火山があるところには温泉が湧く。」
「リリィがそれを掘り当てたってことね。」

フィーネは、どうしたものか、考えていた。
「すごーい!大きな噴水が出てきた!」
「すごいキー!」
「キキー!」
リリィたちは無邪気に喜んでいる。

「いいことを思いついたわ。」
フィーネがつぶやくと、魔法で何かを始めた。突き出した両手からキラキラとした魔力の粒が輝き、宙を舞う。
森の木を伐りだし、板状に。広く浅く土を掘って、その周りと地面に木の板を張っていく。その広めのスペースに噴き出したお湯がみるみる溜まっていき、大きなプールのようになった。
その横に、小屋を建て、プールの周りを板で囲っていく。
森の中からゴロゴロした石が飛んできて、プールの隅に無造作に置かれた。

あっという間に、露天風呂が完成していた。




「フィーネ特製、露天風呂の完成!」
珍しくフィーネが自慢げだ。

「うわー!大きなお風呂だ!」
リリィが目を輝かせている。
「お風呂ってなんだキー?」
「キキー?」

「おお、露天風呂か!フィーネもやるな。風呂は大好きだ。」
イブが感心している。

こうして、フィーネの家に天然露天風呂が完成したのであった。




その夜。

新しい木の匂いと微かな硫黄の臭いがふわりと漂う。フィーネたちは出来たばかりの、天然露天風呂にゆっくりと浸かった。
「あー、気持ちいい。新しい、のんびりね。」
「気持ちいいね、モック。」
「温かくて、いい気持ちだキー!」
「キキー!」
「星空も見えるし、最高だな。」
イブも気に入ったようだ。

「リリィの遊びもたまには役に立つのね。」
フィーネがリリィの頭を撫でながら言った。
「ありがとう、リリィ。」
「嬉しい!もっとトンネル掘ろうかな!」
リリィが言うと、
「それだけはやめて......」
フィーネがつぶやいた。





そして、露天風呂が楽しすぎて、長湯をしてしまい。
フィーネたちは、全身真っ赤になって、のぼせてダウンしてしまうのだった。一人を除いて。

「よし!ぼくはもう一度入るぞ!水も滴るいい女神とは、ぼくのことだな!」


















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みんなのリアクション

ここはウエスの国の森の中。
ふんわりと紅茶の香りがそよ風に舞う。
エルフのフィーネは、今日ものんびり紅茶をすすっていた。
「ああ、のんびり紅茶を飲むのは最高ね。」
「待てー!」
「お兄ちゃん待つキキー!」
「待たないキー!」
リリィとモック、なぜか住み着いたドンキーの3人は、相変わらず追いかけっこをしている。
「むにゃむにゃ。カレーはもういいぞ。むにゃ。」
女神イブは、今日も昼寝中だ。
そんな、いつも通りの日常のはずだったが……
「追いかけっこも飽きてきたから、別のことをして遊ぼう。」
リリィが家の裏からスコップを持ってきた。
「何をするキー?」
「キキ?」
リリィはスコップを掲げて話し出す。
「ここから、町まで探検用のトンネルを掘るの!」
「トンネルって、何だキー?」
「地面の下に人が通れる位の穴を掘るのよ。」
「楽しそうキー!」
「まずは、真下に向かって掘ろう!」
「掘るキー!」
「キキー!」
リリィたちは、穴を掘り始めた。
ザクザクザクザクッ
すごい勢いで、掘り進んでいく。
あっという間に、リリィの身長ほどの深さの穴になった。
「よし。この穴を今度は大きく横に広げて、もう少し深くまで掘るのよ。」
「わかったキー!」
「キキー!」
「リリィたち、何やってるのかしら?」
紅茶を一口飲んでフィーネがつぶやく。
「穴を掘ってるみたいだぞ。結構、おおきな穴だった。」
イブは、さっき様子を見に行ったらしい。
「まあ、家を壊さなければ良いんだけど。」
リリィたちが泥だらけになって帰ってきた。
「疲れたー。今日はたくさん掘ったね。モック。」
「たくさん掘ったキー!」
「掘ったキキー!」
フィーネの前に泥だらけの3人が立っている。
「みんな、家に入る前に、体を洗わないとね。水よ出でよ、ウォーター!」
フィーネの両手から水がシャワーのように出てきて、リリィたちの汚れを洗い流す。
「気持ちいい!」
リリィはさっぱりして気持ちよさそうだ。
「風よ吹け、ウインド!」
今度は風で、体が乾いていく。リリィたちの体はすっかり綺麗になった。
「じゃあ、晩御飯にしましょうか。」
その日は、遊び疲れたのか、リリィたちは、食事をしてすぐに寝てしまった。
翌日。
リリィたちは、早速、トンネル掘りの続きを始めた。
「木の根っこの下を通らないと行けないから、もっと深くまで掘るよ。」
「わかったッキー!」
「キキー!」
ドンドン掘り進んでいくと、地中からの熱気で汗が止まらないほどに暑くなってくる。
「なんか暑いねー、モック、大丈夫?」
「水筒があるから、大丈夫キー!」
「キキー!」
「なんだか土が湿ってきた気がする。」
「土が濡れてるキー!」
よく見ると、リリィたちが穴を掘っている場所から湯気が上がってきていた。
すると………
ドドドドドドドドドドッ!
地響きのような音がしだした。
地面が小刻みに揺れる。
「何?この音?地震?」
リリィが、そう言った瞬間。
リリィたちの足もとの土が割れ、水が染み出してきた。
ドーンッ!
空気を切り裂くような大きな音と共に水が勢いよく地中から吹き出し、その高さはウエスの森の木々の遥か上にまで達した。その水の勢いにリリィたちは弾き飛ばされた。
「キャー!」
「キー!」
「キキー!」
水柱が激しく吹き出し、雨のように降り注ぐ。
ティータイムを楽しんでいた、フィーネとイブが、家の裏に慌ててやってくる。
水が空高く噴水のように吹き上がり、その下には水たまりができている。
そのそばで、リリィたちが倒れていた。
「リリィ!大丈夫!」
フィーネの呼びかけに、リリィたちは手を振ってこたえる。大丈夫なようだ。
「それにしてもこれは何?」
フィーネがつぶやくと、
「これは……温泉だな。」
イブがこたえる。
「温泉!?こんなところに?」
「この森の近くに火山があるだろう?」
「ウエス山のこと?」
「火山があるところには温泉が湧く。」
「リリィがそれを掘り当てたってことね。」
フィーネは、どうしたものか、考えていた。
「すごーい!大きな噴水が出てきた!」
「すごいキー!」
「キキー!」
リリィたちは無邪気に喜んでいる。
「いいことを思いついたわ。」
フィーネがつぶやくと、魔法で何かを始めた。突き出した両手からキラキラとした魔力の粒が輝き、宙を舞う。
森の木を伐りだし、板状に。広く浅く土を掘って、その周りと地面に木の板を張っていく。その広めのスペースに噴き出したお湯がみるみる溜まっていき、大きなプールのようになった。
その横に、小屋を建て、プールの周りを板で囲っていく。
森の中からゴロゴロした石が飛んできて、プールの隅に無造作に置かれた。
あっという間に、露天風呂が完成していた。
「フィーネ特製、露天風呂の完成!」
珍しくフィーネが自慢げだ。
「うわー!大きなお風呂だ!」
リリィが目を輝かせている。
「お風呂ってなんだキー?」
「キキー?」
「おお、露天風呂か!フィーネもやるな。風呂は大好きだ。」
イブが感心している。
こうして、フィーネの家に天然露天風呂が完成したのであった。
その夜。
新しい木の匂いと微かな硫黄の臭いがふわりと漂う。フィーネたちは出来たばかりの、天然露天風呂にゆっくりと浸かった。
「あー、気持ちいい。新しい、のんびりね。」
「気持ちいいね、モック。」
「温かくて、いい気持ちだキー!」
「キキー!」
「星空も見えるし、最高だな。」
イブも気に入ったようだ。
「リリィの遊びもたまには役に立つのね。」
フィーネがリリィの頭を撫でながら言った。
「ありがとう、リリィ。」
「嬉しい!もっとトンネル掘ろうかな!」
リリィが言うと、
「それだけはやめて......」
フィーネがつぶやいた。
そして、露天風呂が楽しすぎて、長湯をしてしまい。
フィーネたちは、全身真っ赤になって、のぼせてダウンしてしまうのだった。一人を除いて。
「よし!ぼくはもう一度入るぞ!水も滴るいい女神とは、ぼくのことだな!」