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@25話

ー/ー





(はぁ~……やっぱり追い出されるのか……)


 


 ホームレス初日を温かい布団で寝られたことに感謝しよう、そう思うしかなかった。追い出される前にシャワーだけでも浴びればよかった、そんな未練がましいことを思いながら玄関を出る。


 後ろで瑞稀が扉を閉めた。


 


 前を行く一颯が玄関前に止めてある車のドアの前で立ち止まる。一颯がそのドアを手にする前に、最後列に居たはずの瑞稀が慌てず素早くそのドアを開く。


 音色はその車を見送ることにした。メイドのように『いってらっしゃいませ』と一泊の恩の感謝を込めて……。


 しかし一颯が乗り込んでも瑞稀はそのドアを閉めない。


 


 


 下を向いたままの音色と目が合わない瑞稀は、『春原様、どうぞ』と車の中へと促す。


 その声にハッと顔を上げると、瑞稀がにっこりビジネススマイルで微笑む。戸惑いながらも車へと近づくと、『早く乗れ』とばかりに中から手を引かれる。


 


「我々の言うことに従うのなら、悪いようにはしないよ」


 


 社長がそう言って音色が車の中へと吸い込まれたのなら、瑞稀はドアを閉め、運転席に乗り込む。


 


『出発致します』とバスの運転手が乗客に告げるように、返答を求めない確認作業を終えると車は動き出す。


 時より風は強く吹くが、快晴の空模様であった。




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(はぁ~……やっぱり追い出されるのか……)
 ホームレス初日を温かい布団で寝られたことに感謝しよう、そう思うしかなかった。追い出される前にシャワーだけでも浴びればよかった、そんな未練がましいことを思いながら玄関を出る。
 後ろで瑞稀が扉を閉めた。
 前を行く一颯が玄関前に止めてある車のドアの前で立ち止まる。一颯がそのドアを手にする前に、最後列に居たはずの瑞稀が慌てず素早くそのドアを開く。
 音色はその車を見送ることにした。メイドのように『いってらっしゃいませ』と一泊の恩の感謝を込めて……。
 しかし一颯が乗り込んでも瑞稀はそのドアを閉めない。
 下を向いたままの音色と目が合わない瑞稀は、『春原様、どうぞ』と車の中へと促す。
 その声にハッと顔を上げると、瑞稀がにっこりビジネススマイルで微笑む。戸惑いながらも車へと近づくと、『早く乗れ』とばかりに中から手を引かれる。
「我々の言うことに従うのなら、悪いようにはしないよ」
 社長がそう言って音色が車の中へと吸い込まれたのなら、瑞稀はドアを閉め、運転席に乗り込む。
『出発致します』とバスの運転手が乗客に告げるように、返答を求めない確認作業を終えると車は動き出す。
 時より風は強く吹くが、快晴の空模様であった。