恋愛は銘々稼ぎ2 Love finds its way.
ー/ー 簡単なあいさつを交わし、樹が作ったハイボールをもらう。
「はい、日向お疲れ」
そう言って、先輩が乾杯してくれた。
「いただいてまーす」
それに合わせて、紅緒と樹も一緒にグラスを合わせる。
「わーちゃん、大変だったんだね。トールちゃんから聞いたよ」
あ、と先輩を見たら、知らん顔でチェイサーのお代わりを樹に注いでもらっていた。
あの麦茶か。
「事故は仕方ないけど、ミスっちゃったのは自分の責任だから」
「昨日、会えると思ってたから」
え。昨日は先輩とデートだったんじゃなかったっけ。
「昨日はトールちゃんと食事したけど、ここに来たら即、どっかに行っちゃったのよ」
と先輩を睨む。
「あ? ああ昨日はね。トラブルで時間が押してて。ゆっくり話もできなかったね」
「そーよ。わーちゃんがトールちゃんと何してるのか聞こうと思ってたのに」
はい? 何してるかって。
何か隠れて悪さしてるみたいだな。
「でも、今日は来れて、良かった」
そう言って、嬉しそうに僕を見て笑う。
それって、僕に会えてうれしいって事?
思わず顔が緩むじゃないかよ。
「あのね、ナオト先輩から連絡があって」
田中から? 何だそういうことか。
ちょっと糠喜びだったかな。
そんな事なら、電話で足りるのに。
「明後日の金曜、6時に司法研修所の門前に集合だって」
「あ、崇直の誕生日会か」
そうそう、と紅緒が笑う。
「わーちゃんの顔見て話したかったから」
とまた笑う。
「来てくれて良かった」
その笑顔を見て、僕は先輩に大きな借りができた気がした。
「わーちゃん、僕その日、博代ちゃんと衣装を選びに行かなければいけなくて」
とすまなそうに樹。
「そりゃ、楽しみだね。順調そうでなによりだ。今度、時間があったらまた一緒に食事すればいいよ」
そう言うと樹は、少し照れたようにはにかんだ笑みを浮かべる。
「うん。また、わーちゃんの家に遊びに行きたい」
「いつでも歓迎だよ」
「いっちゃんが、結婚なんてな。俺より先に嫁さん貰うんだから参ってしまうよ」
と先輩が、こーんなだったのにと小学生くらいの背丈に手を上げる。
「え、そうでしたっけ」
「マーちゃんに引っ付いてきた時、小4か5くらいだったろ。ほら夏祭り」
「ああ、そうだ。わーちゃんは紅緒の病院へ行ってたんだよ」
あ、あの夏か。
一瞬肝が冷えた。
「ぶーーーっ。その祭り私行けなかった」
と紅緒がふくれっ面をする。
そうだった。
あの夏、紅緒は両親を亡くし、記憶も無くしたんだ。
「そういえば、あの後馬鹿みたいに泣いたんだよな、べーは」
「そーゆーわーちゃんも一緒に泣いたじゃん」
記憶のない紅緒は、事故の話をしてもあまり気にしない。
「べーちゃん、結構ひどい事故だったんだってな」
「そーなの。ここ、触ってトールちゃん。いまだにガタガタなのよ」
と頭のてっぺんを、僕らの方に見せて指さす。
言われて先輩が、紅緒の頭を触る。
「うわ。本当だ凸凹だな」
「でしょ。なんかバキバキに割れてたみたいで」
え、何それ。怖いんだけど。
「わーちゃんは、いつも頭クシャってしてくれてたけど気が付かなかった?」
全然気が付かなかったよ。
「分からなかった」
そう言って、先輩に倣って手を伸ばす。
僕を正面から見据えた紅緒の頭。
やっぱりクシャッとしてしまう。
そしたら紅緒に手首をつかまれた。
「この辺だよ」
そのまま言われたところのてっぺんを指で探ると。
「嘘。マジでガタガタだ」
そう言うと、「でしょでしょ」とまた紅緒が笑った。
それから僕らは閉店近くまで馬鹿話をして過ごし、先輩は一足先に帰って行った。
残った僕は、閉店まで待って3人一緒に帰路に就いたのだった。
「はい、日向お疲れ」
そう言って、先輩が乾杯してくれた。
「いただいてまーす」
それに合わせて、紅緒と樹も一緒にグラスを合わせる。
「わーちゃん、大変だったんだね。トールちゃんから聞いたよ」
あ、と先輩を見たら、知らん顔でチェイサーのお代わりを樹に注いでもらっていた。
あの麦茶か。
「事故は仕方ないけど、ミスっちゃったのは自分の責任だから」
「昨日、会えると思ってたから」
え。昨日は先輩とデートだったんじゃなかったっけ。
「昨日はトールちゃんと食事したけど、ここに来たら即、どっかに行っちゃったのよ」
と先輩を睨む。
「あ? ああ昨日はね。トラブルで時間が押してて。ゆっくり話もできなかったね」
「そーよ。わーちゃんがトールちゃんと何してるのか聞こうと思ってたのに」
はい? 何してるかって。
何か隠れて悪さしてるみたいだな。
「でも、今日は来れて、良かった」
そう言って、嬉しそうに僕を見て笑う。
それって、僕に会えてうれしいって事?
思わず顔が緩むじゃないかよ。
「あのね、ナオト先輩から連絡があって」
田中から? 何だそういうことか。
ちょっと糠喜びだったかな。
そんな事なら、電話で足りるのに。
「明後日の金曜、6時に司法研修所の門前に集合だって」
「あ、崇直の誕生日会か」
そうそう、と紅緒が笑う。
「わーちゃんの顔見て話したかったから」
とまた笑う。
「来てくれて良かった」
その笑顔を見て、僕は先輩に大きな借りができた気がした。
「わーちゃん、僕その日、博代ちゃんと衣装を選びに行かなければいけなくて」
とすまなそうに樹。
「そりゃ、楽しみだね。順調そうでなによりだ。今度、時間があったらまた一緒に食事すればいいよ」
そう言うと樹は、少し照れたようにはにかんだ笑みを浮かべる。
「うん。また、わーちゃんの家に遊びに行きたい」
「いつでも歓迎だよ」
「いっちゃんが、結婚なんてな。俺より先に嫁さん貰うんだから参ってしまうよ」
と先輩が、こーんなだったのにと小学生くらいの背丈に手を上げる。
「え、そうでしたっけ」
「マーちゃんに引っ付いてきた時、小4か5くらいだったろ。ほら夏祭り」
「ああ、そうだ。わーちゃんは紅緒の病院へ行ってたんだよ」
あ、あの夏か。
一瞬肝が冷えた。
「ぶーーーっ。その祭り私行けなかった」
と紅緒がふくれっ面をする。
そうだった。
あの夏、紅緒は両親を亡くし、記憶も無くしたんだ。
「そういえば、あの後馬鹿みたいに泣いたんだよな、べーは」
「そーゆーわーちゃんも一緒に泣いたじゃん」
記憶のない紅緒は、事故の話をしてもあまり気にしない。
「べーちゃん、結構ひどい事故だったんだってな」
「そーなの。ここ、触ってトールちゃん。いまだにガタガタなのよ」
と頭のてっぺんを、僕らの方に見せて指さす。
言われて先輩が、紅緒の頭を触る。
「うわ。本当だ凸凹だな」
「でしょ。なんかバキバキに割れてたみたいで」
え、何それ。怖いんだけど。
「わーちゃんは、いつも頭クシャってしてくれてたけど気が付かなかった?」
全然気が付かなかったよ。
「分からなかった」
そう言って、先輩に倣って手を伸ばす。
僕を正面から見据えた紅緒の頭。
やっぱりクシャッとしてしまう。
そしたら紅緒に手首をつかまれた。
「この辺だよ」
そのまま言われたところのてっぺんを指で探ると。
「嘘。マジでガタガタだ」
そう言うと、「でしょでしょ」とまた紅緒が笑った。
それから僕らは閉店近くまで馬鹿話をして過ごし、先輩は一足先に帰って行った。
残った僕は、閉店まで待って3人一緒に帰路に就いたのだった。
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